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三章
俺、生きて帰れたら以下略。
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「ああああああああああっ!!」
「セイッ、セイッ、セェエエエイッ!!」
何っだあのバーサーカーは!?
もう魔力残ってないとか言ってなかったっけ!?
「コォォォォォ・・・・・・ッ」
うわこっわ!! 完全に目がイッてやがるよあいつ!!
てかあいつ、魔力の一部が『愛』の形をしてる理由って、まさか・・・・・・っ。
「グルル、ラァア!」
「しま・・・・・・っ」
ファフニールの猛攻から逃げ続けていた俺であったが、不意を突かれ、とうとう捕らえられてしまった。
「ツカ、マエタ・・・・・・っ!」
おふぁ! ちょ、ちょっと待ってちょっと待って!
『絶対防御能力』無しの生身の状態でドラゴンの姿のまま踏みつけられるのは非っ常にまずいんだが!?
最悪のケースをふと想像してしまった俺は、
『身体強化』! 『身体強化』! 『身体強化』ぉおおお!!
踏み潰されないよう、『身体強化』を何度も重ねがけし、必死に堪える。
「ぐぬぬぬぬぬ・・・・・・っ」
「ツカマエタ、ツカマエタ、ツカマエタ、ツカマエタァアア・・・・・・ッ」
てかどっから来てんだよこのパワーは! 何で『身体強化』を何回も使った俺が押し負けそうになってるんだよ!
ああぁっ、やばい怖いやばい怖いやばいぃっ!!
相手恐竜じゃなくてドラゴンだけど気持ちはもうリアルジュラ○ックパークだよ! しかも言葉を話す分余計にこえぇよ!!
何とかして抜け出そうともがいてはみるが、全く意味を成さない。
くそっ、攻撃系の能力さえ使えれば一発なんだが、ヴェルが何故こいつを探していたのかがわからない以上、俺の馬鹿火力で攻撃する訳にもいかねぇし・・・・・・。
一体、どうすれば・・・・・・っ。
その時、レイジに電流走る。
・・・・・・いや待て、平和的に解決出来る方法があるじゃねぇか!
そうだよ。俺とヴェルが契約する事になった理由を知るあの二人にしっかり説明してもらえば、きっとファフニールだって・・・・・・。
「ちらっ」
そう考えた俺は期待の眼差しをまず貧乳に向けた、のだが・・・・・・、
「・・・・・・バッ」
・・・・・・はあ!? あい、あいつっ、目逸らしやがった!!
「・・・・・・、・・・・・・、・・・・・・サッ」
ちらちらとこちらを見ては、目が合った瞬間に目を逸らす貧乳。
「おい、お前本当は気付いて」
「・・・・・・ぴーひゅるるる~、ぴーひゅる~」
貧乳てめぇ! 後で覚えてろよ!!
口笛を吹きながらあくまで気付いていないアピールをし続ける貧乳。
だ、だが、万策尽きた訳じゃない! まだ希望は残されている!
そう、例え貧乳がダメだったとしても、ソフィーちゃん、君なら!!
「・・・・・・ニヤ」
――――何でそこでそっちのソフィーちゃんが出てくるぅ!?
え、何? マジで何なの君達はぁああああ!!
仮にも行動を共にしている仲間に二度も裏切られ、ガチで心が折れそうになる俺。
くっ、最早! 最後の手段!!
「お、おいヴェルっ! 返事はしなくて良い! だから首の動きだけで答えろ! こいつを攻撃」
麻痺毒で地面にぶっ倒れているままのヴェルに俺は、大声でファフニールに対し、攻撃をしても良いのか否かを問おうとした。しかし、
「『ダ~メ』」
皆まで言う前にそう書かれたスケッチブックを俺に見せてくる、『竜種』の頂点に君臨する黒竜様。
「おい待て。ヴェル、それお前が書いたの・・・・・・・・・・?」
舌までもが麻痺していて話す事が出来ないヴェルは俺の問いに対し、
「・・・・・・・・・・フッ」
と、何か悟りを開いたような顔で俺に笑いかけた。
この感じ、あのスケッチブックはヴェルの意思ではない事だけは確かだ。だとすると・・・・・・。
「ソフィー出来たわよー」
「はい、次は、これ、です・・・・・・」
「やっぱり黒幕はてめぇらかあああああああああああ!!」
そして、ヴェルは新たに何かを書き足されたスケッチブックを再び持たされ、俺の方へと向けた。
「『平和的解決、望む』」
それにはヴェルもうんうん、とゆっくり頷き、同意した。
ま、まあ要するにこいつには手出しはするなって事ね。
なら、今のこの状況をどう切り抜けろと・・・・・・?
絶望にも近い気持ちでそんな事を思っていると、ソフィーちゃんがヴェルの持っているスケッチブックを一枚めくろうとしているではないか。
ま、まさかっ。そのページに何かしらの解決策が・・・・・・っ!?
「『今日の晩御飯、お肉求む』」
「――まさかの晩飯リクエスト!!」
まあこうなるであろう事は今までの流れからしてわかってはいたけども、よく今の俺の状況を見て肉が食いたいとか言えるな!
まさに俺が今ミンチになるかもしれないところなんだぞ!?
「この状況で余所見なんて、ヨユウジャナイノ・・・・・・ッ」
「――あ、がっ!」
癇に障ったのか、フンッ、と俺を捕らえている足に更に力を加えるファフニール。
「コノママ、フミツブスノモイイワネ・・・・・・」
「え、ちょ、待っ。いやぁあああああ!! とりあえず話を」
「――――オマエノ血ハナニイロダァアアアアアアアア!!」
「あ、赤ですぅううううううううう!!」
やばい! このままじゃ本気で殺られる!!
命の危機を感じた俺は、
「すまんっ、ヴェル!」
平和的解決には程遠い、強攻策という方法をとる事にした。
そうさっ、自分の命がかかってるんだ、多少手荒な手段をとったとしてもこれは正当防衛!
何も問題は無いはずだ!!
まあ、多少で済ませれるかどうか、自信はねぇけどな。
「ハァアア・・・・・・」
「そこから、今すぐどけやおるぅらああああああ!!」
そして俺は、鋭い牙を見せながらゆっくりと顔を近づけてくるファフニールに、発火能力を発動させようと片手を突き出した、その時、
「・・・・・・ねぇ、あなたがヴェルガルドの主だという証拠、紋章を見せてくれないかしら?」
と、踏みつける力を弱め、俺だけにしか聞こえない声で問いかけてくるファフニール。
「・・・・・・え?」
先程までとは違うその雰囲気に俺は一瞬戸惑ってしまったが、
「あ、ああ、紋章。これの事か」
ここは言うとおりにした方が良いと思い、手袋を外して契約時に浮かび上がった手の甲の紋章を見せた。
「この竜を象った紋章は・・・・・・。そう、本当だったのね」
「い、意外だな、てっきりこれを見せても疑われると思ったんだが・・・・・・」
「だって疑いようが無いもの。この竜を象った紋章は私達『竜種』と契約したという証。この契約紋章だけはどんな魔法でも偽造は出来ないもの」
「そういうもんなのか?」
俺の元居た世界だと、こんな物タトゥーとかでどうとでも出来そうな感じだけどな。
「ええ、その証拠に紋章の竜の瞳の部分が輝いているでしょう?」
「瞳?」
あ、本当だ。
若干だが、瞳のところが黒い輝きを放っているのが見てとれた。
「それは契約し、従者となった者をその瞳に魔力を流し込む事によって、一瞬で主の下へと呼び寄せる事が出来る力を秘めているのよ」
言うなれば、契約した奴を召喚する、というファンタジー系でよくある感じのあれか。
「どれだけ離れていてもか?」
「ええ、どれだけ離れていても、よ」
便利な力だなぁ、おい。
「それと、この力に関してヴェルの方に拒否権はあるのか?」
「そうね、勿論それはあるわ。でも魔力を流す量を何倍にも増やせば、その従者の意思とは関係無く、強制的に呼び寄せる事は可能よ」
うぅわ、プライバシーの欠片も無い力だな、これ。
「そこで、なんだけど」
そう言い、ファフニールはドラゴンの姿のまま、俺の耳元にまでそのでかい顔を近づけ、
「――から、――で、――に、――――てほしいのよ」
と、俺に一つ取引を持ち出してきた。
「・・・・・・・・・・それ、俺に何かメリットがあるのか?」
「そうね、これを受け入れてくれさえすれば、あなた達だけは私のヴェルガルドに話しかける事を許可するわ」
話しかけるだけかよ・・・・・・。
こんなこいつにしかメリットがない取引、一体誰がのむって言うん――
「ああ、ちなみに拒否すればこのままあなたが見るも無残な姿になるだけだけど・・・・・・・・・・」
「――謹んでお受け致します! はい!!」
即答した。
だって俺が今使用出来る能力の中で、こいつが俺を踏み潰すより先にどうにか出来る能力なんて付加して無いですもの!!
こいつが俺の体に触れてる時点で、絶対防御能力を張ったところで意味がねぇしな!!
「あら、物分りの良い坊やね。あなたとは良い関係を築けそうだわ」
ウフフ、と笑みを零すファフニール。
「・・・・・・良い関係って、これもう脅は」
「何か言った?」
「取引の件は任せな! しっかり役目は全うしてみせるからな!」
「ふふふ、お願いね?」
そう言った後、ファフニールを中心にもの凄い風が吹き荒れ、少ししてその中から人型に戻ったファフニールが姿を見せた。
「助かったぁ・・・・・・」
「ほら、立てる?」
ファフニールはそう言い、俺に手を差し伸べてくる。
「あ、ああ」
俺はその手をとり、ゆっくりと立ち上がった。
そして、ファフニールは俺の手を離さず、
「これから宜しくね? ・・・・・・レ、イ、ジ?」
と、誰であっても逃げ出しそうな程の黒い笑みを向ける。
「アア、ヨロシクナー」
この時、俺は切実に思った。
どうして俺の周りには普通の奴が一人も居ないのか、と・・・・・・。
*************************************
テロリン。
『ファフニール が なかま? になった。』
レ「あ、こういうの別にいらないっす」
「セイッ、セイッ、セェエエエイッ!!」
何っだあのバーサーカーは!?
もう魔力残ってないとか言ってなかったっけ!?
「コォォォォォ・・・・・・ッ」
うわこっわ!! 完全に目がイッてやがるよあいつ!!
てかあいつ、魔力の一部が『愛』の形をしてる理由って、まさか・・・・・・っ。
「グルル、ラァア!」
「しま・・・・・・っ」
ファフニールの猛攻から逃げ続けていた俺であったが、不意を突かれ、とうとう捕らえられてしまった。
「ツカ、マエタ・・・・・・っ!」
おふぁ! ちょ、ちょっと待ってちょっと待って!
『絶対防御能力』無しの生身の状態でドラゴンの姿のまま踏みつけられるのは非っ常にまずいんだが!?
最悪のケースをふと想像してしまった俺は、
『身体強化』! 『身体強化』! 『身体強化』ぉおおお!!
踏み潰されないよう、『身体強化』を何度も重ねがけし、必死に堪える。
「ぐぬぬぬぬぬ・・・・・・っ」
「ツカマエタ、ツカマエタ、ツカマエタ、ツカマエタァアア・・・・・・ッ」
てかどっから来てんだよこのパワーは! 何で『身体強化』を何回も使った俺が押し負けそうになってるんだよ!
ああぁっ、やばい怖いやばい怖いやばいぃっ!!
相手恐竜じゃなくてドラゴンだけど気持ちはもうリアルジュラ○ックパークだよ! しかも言葉を話す分余計にこえぇよ!!
何とかして抜け出そうともがいてはみるが、全く意味を成さない。
くそっ、攻撃系の能力さえ使えれば一発なんだが、ヴェルが何故こいつを探していたのかがわからない以上、俺の馬鹿火力で攻撃する訳にもいかねぇし・・・・・・。
一体、どうすれば・・・・・・っ。
その時、レイジに電流走る。
・・・・・・いや待て、平和的に解決出来る方法があるじゃねぇか!
そうだよ。俺とヴェルが契約する事になった理由を知るあの二人にしっかり説明してもらえば、きっとファフニールだって・・・・・・。
「ちらっ」
そう考えた俺は期待の眼差しをまず貧乳に向けた、のだが・・・・・・、
「・・・・・・バッ」
・・・・・・はあ!? あい、あいつっ、目逸らしやがった!!
「・・・・・・、・・・・・・、・・・・・・サッ」
ちらちらとこちらを見ては、目が合った瞬間に目を逸らす貧乳。
「おい、お前本当は気付いて」
「・・・・・・ぴーひゅるるる~、ぴーひゅる~」
貧乳てめぇ! 後で覚えてろよ!!
口笛を吹きながらあくまで気付いていないアピールをし続ける貧乳。
だ、だが、万策尽きた訳じゃない! まだ希望は残されている!
そう、例え貧乳がダメだったとしても、ソフィーちゃん、君なら!!
「・・・・・・ニヤ」
――――何でそこでそっちのソフィーちゃんが出てくるぅ!?
え、何? マジで何なの君達はぁああああ!!
仮にも行動を共にしている仲間に二度も裏切られ、ガチで心が折れそうになる俺。
くっ、最早! 最後の手段!!
「お、おいヴェルっ! 返事はしなくて良い! だから首の動きだけで答えろ! こいつを攻撃」
麻痺毒で地面にぶっ倒れているままのヴェルに俺は、大声でファフニールに対し、攻撃をしても良いのか否かを問おうとした。しかし、
「『ダ~メ』」
皆まで言う前にそう書かれたスケッチブックを俺に見せてくる、『竜種』の頂点に君臨する黒竜様。
「おい待て。ヴェル、それお前が書いたの・・・・・・・・・・?」
舌までもが麻痺していて話す事が出来ないヴェルは俺の問いに対し、
「・・・・・・・・・・フッ」
と、何か悟りを開いたような顔で俺に笑いかけた。
この感じ、あのスケッチブックはヴェルの意思ではない事だけは確かだ。だとすると・・・・・・。
「ソフィー出来たわよー」
「はい、次は、これ、です・・・・・・」
「やっぱり黒幕はてめぇらかあああああああああああ!!」
そして、ヴェルは新たに何かを書き足されたスケッチブックを再び持たされ、俺の方へと向けた。
「『平和的解決、望む』」
それにはヴェルもうんうん、とゆっくり頷き、同意した。
ま、まあ要するにこいつには手出しはするなって事ね。
なら、今のこの状況をどう切り抜けろと・・・・・・?
絶望にも近い気持ちでそんな事を思っていると、ソフィーちゃんがヴェルの持っているスケッチブックを一枚めくろうとしているではないか。
ま、まさかっ。そのページに何かしらの解決策が・・・・・・っ!?
「『今日の晩御飯、お肉求む』」
「――まさかの晩飯リクエスト!!」
まあこうなるであろう事は今までの流れからしてわかってはいたけども、よく今の俺の状況を見て肉が食いたいとか言えるな!
まさに俺が今ミンチになるかもしれないところなんだぞ!?
「この状況で余所見なんて、ヨユウジャナイノ・・・・・・ッ」
「――あ、がっ!」
癇に障ったのか、フンッ、と俺を捕らえている足に更に力を加えるファフニール。
「コノママ、フミツブスノモイイワネ・・・・・・」
「え、ちょ、待っ。いやぁあああああ!! とりあえず話を」
「――――オマエノ血ハナニイロダァアアアアアアアア!!」
「あ、赤ですぅううううううううう!!」
やばい! このままじゃ本気で殺られる!!
命の危機を感じた俺は、
「すまんっ、ヴェル!」
平和的解決には程遠い、強攻策という方法をとる事にした。
そうさっ、自分の命がかかってるんだ、多少手荒な手段をとったとしてもこれは正当防衛!
何も問題は無いはずだ!!
まあ、多少で済ませれるかどうか、自信はねぇけどな。
「ハァアア・・・・・・」
「そこから、今すぐどけやおるぅらああああああ!!」
そして俺は、鋭い牙を見せながらゆっくりと顔を近づけてくるファフニールに、発火能力を発動させようと片手を突き出した、その時、
「・・・・・・ねぇ、あなたがヴェルガルドの主だという証拠、紋章を見せてくれないかしら?」
と、踏みつける力を弱め、俺だけにしか聞こえない声で問いかけてくるファフニール。
「・・・・・・え?」
先程までとは違うその雰囲気に俺は一瞬戸惑ってしまったが、
「あ、ああ、紋章。これの事か」
ここは言うとおりにした方が良いと思い、手袋を外して契約時に浮かび上がった手の甲の紋章を見せた。
「この竜を象った紋章は・・・・・・。そう、本当だったのね」
「い、意外だな、てっきりこれを見せても疑われると思ったんだが・・・・・・」
「だって疑いようが無いもの。この竜を象った紋章は私達『竜種』と契約したという証。この契約紋章だけはどんな魔法でも偽造は出来ないもの」
「そういうもんなのか?」
俺の元居た世界だと、こんな物タトゥーとかでどうとでも出来そうな感じだけどな。
「ええ、その証拠に紋章の竜の瞳の部分が輝いているでしょう?」
「瞳?」
あ、本当だ。
若干だが、瞳のところが黒い輝きを放っているのが見てとれた。
「それは契約し、従者となった者をその瞳に魔力を流し込む事によって、一瞬で主の下へと呼び寄せる事が出来る力を秘めているのよ」
言うなれば、契約した奴を召喚する、というファンタジー系でよくある感じのあれか。
「どれだけ離れていてもか?」
「ええ、どれだけ離れていても、よ」
便利な力だなぁ、おい。
「それと、この力に関してヴェルの方に拒否権はあるのか?」
「そうね、勿論それはあるわ。でも魔力を流す量を何倍にも増やせば、その従者の意思とは関係無く、強制的に呼び寄せる事は可能よ」
うぅわ、プライバシーの欠片も無い力だな、これ。
「そこで、なんだけど」
そう言い、ファフニールはドラゴンの姿のまま、俺の耳元にまでそのでかい顔を近づけ、
「――から、――で、――に、――――てほしいのよ」
と、俺に一つ取引を持ち出してきた。
「・・・・・・・・・・それ、俺に何かメリットがあるのか?」
「そうね、これを受け入れてくれさえすれば、あなた達だけは私のヴェルガルドに話しかける事を許可するわ」
話しかけるだけかよ・・・・・・。
こんなこいつにしかメリットがない取引、一体誰がのむって言うん――
「ああ、ちなみに拒否すればこのままあなたが見るも無残な姿になるだけだけど・・・・・・・・・・」
「――謹んでお受け致します! はい!!」
即答した。
だって俺が今使用出来る能力の中で、こいつが俺を踏み潰すより先にどうにか出来る能力なんて付加して無いですもの!!
こいつが俺の体に触れてる時点で、絶対防御能力を張ったところで意味がねぇしな!!
「あら、物分りの良い坊やね。あなたとは良い関係を築けそうだわ」
ウフフ、と笑みを零すファフニール。
「・・・・・・良い関係って、これもう脅は」
「何か言った?」
「取引の件は任せな! しっかり役目は全うしてみせるからな!」
「ふふふ、お願いね?」
そう言った後、ファフニールを中心にもの凄い風が吹き荒れ、少ししてその中から人型に戻ったファフニールが姿を見せた。
「助かったぁ・・・・・・」
「ほら、立てる?」
ファフニールはそう言い、俺に手を差し伸べてくる。
「あ、ああ」
俺はその手をとり、ゆっくりと立ち上がった。
そして、ファフニールは俺の手を離さず、
「これから宜しくね? ・・・・・・レ、イ、ジ?」
と、誰であっても逃げ出しそうな程の黒い笑みを向ける。
「アア、ヨロシクナー」
この時、俺は切実に思った。
どうして俺の周りには普通の奴が一人も居ないのか、と・・・・・・。
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テロリン。
『ファフニール が なかま? になった。』
レ「あ、こういうの別にいらないっす」
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❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
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