30 / 77
三章
レイジVSファフニール
しおりを挟む
「はっ! 『毒爪の舞』!」
開戦すると同時にファフニールが小手調べといったような感じで、数本の猛毒の刃を俺に向かって放つ。
「ちょっと、いきなり過ぎない!?」
「・・・・・・っ!」
「せっかちだな、おいっ」
俺は貧乳とソフィーちゃんをすぐ傍まで引き寄せ、猛毒の刃を『絶対防御能力』で難なく弾き返した。
「あー、びっくりしたぁ・・・・・・」
「零時、様、ありがとう、ござい、ます」
「ああ、気にしなくて良いから少し離れてろ。どうやらあいつのご指名は俺みたいだからな」
俺がそう言うと、「わかったわ、後はよろしく!」だとか、「ご武、運を!」だとか即答してそそくさと俺から離れていく二人。
・・・・・・いやまあ、そうしろって言ったのは俺だから別に良いんだけどさ?
でも何だろうね、この悲しい気持ちは・・・・・・。
「あら? 見たことも無い魔法障壁ね。でも、これならどうかしらっ!?」
そんな俺にはお構い無しに勢い良くその場から飛び上がったファフニールは、
「『ストームブレス』!!」
俺の『絶対防御能力』目掛けてブレスを放った。・・・・・・だが、
「・・・・・・硬い、わねっ」
それでも抜けないその防御力に少し厳しい表情を見せるファフニール。
「残念ながら、俺のはちょっとばかり特別製でね。そんな攻撃じゃ、こいつには傷一つ付けられやしないぜ?」
「く・・・・・・っ。ならっ!」
このままでは守りを突破出来ないと考えたファフニールは、その攻撃を止めると同時にそのまま地面に急降下。そして、クルッと身を翻し、自らの尻尾を武器にして俺に攻撃を加える。
「――うおっ!!」
ギャリリリッ、と『絶対防御能力』に奴の尻尾がもの凄い力で擦れていく。
「はああっ、はあっ!!」
「マジ・・・・・・かっ!」
当然の事ながら『絶対防御能力』は破られなかったのだが、単なる力負けで『絶対防御能力』ごと俺は横にあった建物の中へと吹っ飛ばされてしまった。
「零時、様・・・・・・っ!!」
「レ、イジ・・・・・・」
「最低クズロリコン野郎!!」
まさか俺がこうなるとは思っていなかった三人がその建物の方に向かって俺の名前を叫ぶ。
あ、最後のは違うか。
「い、ってぇ・・・・・・。切り離しバージョンにしておくべきだったか・・・・・・」
そんな事をぼやいていると、
「――いっ!?」
トドメと言わんばかりに、ヒュオッ、という音と共に再度ブレスが放たれ、『絶対防御能力』に直撃した。
「うへぇ、容赦ねぇ・・・・・・・・・・」
・・・・・・余裕があるように見えるだろう? 実はそうでもないんだなこれが。
逃げようにも、『絶対防御能力』ごと押し潰されるんじゃないか、と思うぐらいにさっきのやつよりか遥かに威力が増していて、全く身動きが出来ない状態なんだわ。
このパワー、流石は異世界系最強クラスのドラゴンっていったところか。
「(まさか、この火力でも抜けないなんて・・・・・・)」
ファフニールがそう思うのも無理は無かった。
何せ、今放っている高火力のブレスをここまで防いだ者は、過去誰一人として居なかったからだ。
「生、意気・・・・・・っ」
それだけぼそりと呟くと、放っていたブレスを一時中断し、
「はああああっ!!」
残っている力全てを一点集束し始めた。
「やっと収まったか。・・・・・・って、んん!?」
ブレスが収まり、ようやく身動きがとれる状態になったのは良いが、
「・・・・・・・・・・何だあの元○玉もどきは」
オラに元気をー、とか言っちゃいそうな感じの馬鹿でかい球体が起き上がった俺の目に飛び込んできたのだ。
「これが限界ギリギリまで魔力を注ぎ込んだ私の最高火力! これでも防ぎ切れるというのなら、防ぎ切って見せなさいよ!」
えー、んな無茶な・・・・・・・・・・。
例えあれでも俺の『絶対防御能力』の防御は抜けはしないだろうが、それ以外は別なんだよなー・・・・・・。
あんなもんが俺の『絶対防御能力』と衝突すれば、その衝撃でこのあたり一帯はおそらく吹き飛ぶだろうし、そうなれば他の三人も無事では済まない事は確実。
そこら辺の事、こいつは考えてるのかねぇ。
「行くわよっ! レイジ!!」
いや、来なくて良いんですが。
「はあっ! 『撃滅の暴風』(エアリアルディストラクション)!!」
俺のそんな気持ちを無視するかの如く撃ち出される○気玉。
防ぐのが駄目となると、俺がとる手段は・・・・・・。
「『身体強化』! プラス『絶対防御能力』!」
まず『身体強化』で身体全体を強化した後、『絶対防御能力』を右足にのみ発動。そして、
「ボールはぁ! 友達ぃいいいいいいっっ!!」
そう叫びながら躊躇無く襲ってくる元気○を町から離れた森の方へと力いっぱいに蹴り飛ばした。
「「「「えええええええええええっっ!?」」」」
俺のその行動に驚愕しまくる三人と一体。
「ふぅ、つまらぬ物を蹴ってしまった・・・・・・・・・・」
そして、蹴り飛ばした先で爆発する元○玉をバックに静かに呟く俺に、ファフニールは、
「え、ちょ、まっ。蹴った? 蹴ったの!? 『人種』が!? 私の最高火力を!?」
「ん? ああ、だってこうでもしないと俺達が危なかったしな」
「いやいやいやっ、そうだったとしても私のあの一撃を生身の人間が蹴り飛ばすなんて、普通ありえないわよ!?」
「そんな事言われてもなぁ・・・・・・」
この方法しか思いつかなかったし、それに今更ありえないとか言われても蹴れてしまったもんは仕方がないじゃないか。
「まあ、何だ。この現実を受け止めようぜ? な?」
「どう受け止めろと!?」
「そこはまあ、あれだ。気合?」
「何で疑問系!? それに気合はそこまで万能じゃないわよ!!」
気合が万能じゃないだと? ははは、何を言っているんだこいつは。気合さんをあまりナメるんじゃねぇよ。
「で、どうすんだ? まだやるのか?」
雑談はここまでにして俺はファフニールにそう問いかけた。
「・・・・・・・・・・」
だがファフニールから返答は返ってこない。
「別に俺は続けても良いが、見たところお前はもう力を使い切ったみたいだし、それにこのままじゃヴェルが手遅れになる可能性が高いぞ?」
そして、ファフニールの毒に侵され続けているヴェルの方へと視線を向ける。
「・・・・・・確かに、あなたみたいな化け物と戦えるだけの魔力は私にはもう残っていないわ」
「なら・・・・・・」
「でも! 私のヴェルガルドを傷つけようと、いえ、傷つけたあなたには私は負けたくない! 負けられないのよ!!」
力の限り叫ぶファフニール。すると、
「む、わ、我は、お、お前のも、のでは・・・・・・」
「ふんっ」
「むっ、ああああぁぁぁ・・・・・・・・・・」
ヴェルがファフニールの言葉に対し、何かを言おうとしていたのだが、ヴェルが言い終える前にファフニールは毒の風を追加し、強制的にヴェルを黙らせた。
「・・・・・・・・・・負けられないのよ!!」
「ちょっと待って!? え、今追加したよね? 追加で毒盛ったよね!? それで何、何事も無かったかのように話を進めようとしてんの!?」
「だってぇ、急にヴェルガルドが愛してるなんて言うからぁ・・・・・・」
一言もそんな事言ってませんでしたけど!? てか、それが仮に本当だったとしても、照れ隠しで毒を盛るとかっていうのもどうかと思いますけどねぇ!?
「おいヴェル! しっかりしろっ、生きるのを諦めるな!!」
俺は即座にヴェルに駆け寄り、声を掛ける。
「ああ、言うのを忘れていたけど、その毒は体の自由を奪うだけのただの麻痺毒。だから命の危険は無いから安心して良いわよ」
いや、それを聞いて俺は安心は出来たけど、でもヴェル的には安心出来ねぇよ? こんな所で体の自由を奪われるとか、ある意味命の危機だからな。
「ガクガクガクガク・・・・・・・・・・っ」
ほら見てみ? ヴェルの奴、この世の終わりみたいな表情で怯え狂ってるぞ?
「でも、この後の事を考えると二回じゃちょっと心許無いわね。もう一回くらい盛っておこうかしら」
「や、止めてやってくれ! ヴェルのライフはもうゼロよ!!」
ヴェルに対して更に追い討ちをかけようとするファフニールを俺は必死に止める。
てかこの後の事って、動けないヴェルに何する気だよこいつ・・・・・・。
まあ、こいつの言動から何となくは予想はつくけども。
「ていうか、いつまで私のヴェルガルドに気安く触れているつもりなの? あなた、一体ヴェルガルドの何なの?」
えぇー、男の俺も嫉妬の対象に入るんですか。こいつの愛、重っ!
「え、いや、俺は・・・・・・・・・・」
本当の事を言っても良いんだが、とてつもなく嫌な予感しかしないのは何故だろう。
だってこの世界の奴だし、ヴェルに対しての愛が重すぎるし・・・・・・。
だが本当の事を、俺がヴェルの主だという事を知れば、もしかしたら手を引いてくれるかもしれない。
・・・・・・悩んだ末、俺はこの可能性に賭けることにした。
「・・・・・・ヴェルの主、です」
「ピキ・・・・・・・・・・ッ」
俺が正直にそう伝えた瞬間、殺気と猛毒の息がファフニールを覆い始めた。
「シネ、コロス、ワタシ、オマエ、メッサツ・・・・・・」
何ともまあ物騒な事を言いながらどんどん猛毒の風の刃を生成するファフニールさん。そして、
「・・・・・・懺悔は、いらないわよね?」
にっこにこと笑いながら俺にそう聞いてくる。それに対して俺は、
「・・・・・・・・・・ダッ!」
「――ニガサナイッ!!」
嫉妬に荒れ狂うファフニールの容赦の無い猛攻から、俺は全力で逃げ出した。
・・・・・・・・・・やっぱりね!!
**************************************
諸事情により更新が遅くなってしまい、すみませんでした。(TAT)
これからも頑張っていきますので、「うん、異世界!」をどうぞ宜しくお願い致します!!
開戦すると同時にファフニールが小手調べといったような感じで、数本の猛毒の刃を俺に向かって放つ。
「ちょっと、いきなり過ぎない!?」
「・・・・・・っ!」
「せっかちだな、おいっ」
俺は貧乳とソフィーちゃんをすぐ傍まで引き寄せ、猛毒の刃を『絶対防御能力』で難なく弾き返した。
「あー、びっくりしたぁ・・・・・・」
「零時、様、ありがとう、ござい、ます」
「ああ、気にしなくて良いから少し離れてろ。どうやらあいつのご指名は俺みたいだからな」
俺がそう言うと、「わかったわ、後はよろしく!」だとか、「ご武、運を!」だとか即答してそそくさと俺から離れていく二人。
・・・・・・いやまあ、そうしろって言ったのは俺だから別に良いんだけどさ?
でも何だろうね、この悲しい気持ちは・・・・・・。
「あら? 見たことも無い魔法障壁ね。でも、これならどうかしらっ!?」
そんな俺にはお構い無しに勢い良くその場から飛び上がったファフニールは、
「『ストームブレス』!!」
俺の『絶対防御能力』目掛けてブレスを放った。・・・・・・だが、
「・・・・・・硬い、わねっ」
それでも抜けないその防御力に少し厳しい表情を見せるファフニール。
「残念ながら、俺のはちょっとばかり特別製でね。そんな攻撃じゃ、こいつには傷一つ付けられやしないぜ?」
「く・・・・・・っ。ならっ!」
このままでは守りを突破出来ないと考えたファフニールは、その攻撃を止めると同時にそのまま地面に急降下。そして、クルッと身を翻し、自らの尻尾を武器にして俺に攻撃を加える。
「――うおっ!!」
ギャリリリッ、と『絶対防御能力』に奴の尻尾がもの凄い力で擦れていく。
「はああっ、はあっ!!」
「マジ・・・・・・かっ!」
当然の事ながら『絶対防御能力』は破られなかったのだが、単なる力負けで『絶対防御能力』ごと俺は横にあった建物の中へと吹っ飛ばされてしまった。
「零時、様・・・・・・っ!!」
「レ、イジ・・・・・・」
「最低クズロリコン野郎!!」
まさか俺がこうなるとは思っていなかった三人がその建物の方に向かって俺の名前を叫ぶ。
あ、最後のは違うか。
「い、ってぇ・・・・・・。切り離しバージョンにしておくべきだったか・・・・・・」
そんな事をぼやいていると、
「――いっ!?」
トドメと言わんばかりに、ヒュオッ、という音と共に再度ブレスが放たれ、『絶対防御能力』に直撃した。
「うへぇ、容赦ねぇ・・・・・・・・・・」
・・・・・・余裕があるように見えるだろう? 実はそうでもないんだなこれが。
逃げようにも、『絶対防御能力』ごと押し潰されるんじゃないか、と思うぐらいにさっきのやつよりか遥かに威力が増していて、全く身動きが出来ない状態なんだわ。
このパワー、流石は異世界系最強クラスのドラゴンっていったところか。
「(まさか、この火力でも抜けないなんて・・・・・・)」
ファフニールがそう思うのも無理は無かった。
何せ、今放っている高火力のブレスをここまで防いだ者は、過去誰一人として居なかったからだ。
「生、意気・・・・・・っ」
それだけぼそりと呟くと、放っていたブレスを一時中断し、
「はああああっ!!」
残っている力全てを一点集束し始めた。
「やっと収まったか。・・・・・・って、んん!?」
ブレスが収まり、ようやく身動きがとれる状態になったのは良いが、
「・・・・・・・・・・何だあの元○玉もどきは」
オラに元気をー、とか言っちゃいそうな感じの馬鹿でかい球体が起き上がった俺の目に飛び込んできたのだ。
「これが限界ギリギリまで魔力を注ぎ込んだ私の最高火力! これでも防ぎ切れるというのなら、防ぎ切って見せなさいよ!」
えー、んな無茶な・・・・・・・・・・。
例えあれでも俺の『絶対防御能力』の防御は抜けはしないだろうが、それ以外は別なんだよなー・・・・・・。
あんなもんが俺の『絶対防御能力』と衝突すれば、その衝撃でこのあたり一帯はおそらく吹き飛ぶだろうし、そうなれば他の三人も無事では済まない事は確実。
そこら辺の事、こいつは考えてるのかねぇ。
「行くわよっ! レイジ!!」
いや、来なくて良いんですが。
「はあっ! 『撃滅の暴風』(エアリアルディストラクション)!!」
俺のそんな気持ちを無視するかの如く撃ち出される○気玉。
防ぐのが駄目となると、俺がとる手段は・・・・・・。
「『身体強化』! プラス『絶対防御能力』!」
まず『身体強化』で身体全体を強化した後、『絶対防御能力』を右足にのみ発動。そして、
「ボールはぁ! 友達ぃいいいいいいっっ!!」
そう叫びながら躊躇無く襲ってくる元気○を町から離れた森の方へと力いっぱいに蹴り飛ばした。
「「「「えええええええええええっっ!?」」」」
俺のその行動に驚愕しまくる三人と一体。
「ふぅ、つまらぬ物を蹴ってしまった・・・・・・・・・・」
そして、蹴り飛ばした先で爆発する元○玉をバックに静かに呟く俺に、ファフニールは、
「え、ちょ、まっ。蹴った? 蹴ったの!? 『人種』が!? 私の最高火力を!?」
「ん? ああ、だってこうでもしないと俺達が危なかったしな」
「いやいやいやっ、そうだったとしても私のあの一撃を生身の人間が蹴り飛ばすなんて、普通ありえないわよ!?」
「そんな事言われてもなぁ・・・・・・」
この方法しか思いつかなかったし、それに今更ありえないとか言われても蹴れてしまったもんは仕方がないじゃないか。
「まあ、何だ。この現実を受け止めようぜ? な?」
「どう受け止めろと!?」
「そこはまあ、あれだ。気合?」
「何で疑問系!? それに気合はそこまで万能じゃないわよ!!」
気合が万能じゃないだと? ははは、何を言っているんだこいつは。気合さんをあまりナメるんじゃねぇよ。
「で、どうすんだ? まだやるのか?」
雑談はここまでにして俺はファフニールにそう問いかけた。
「・・・・・・・・・・」
だがファフニールから返答は返ってこない。
「別に俺は続けても良いが、見たところお前はもう力を使い切ったみたいだし、それにこのままじゃヴェルが手遅れになる可能性が高いぞ?」
そして、ファフニールの毒に侵され続けているヴェルの方へと視線を向ける。
「・・・・・・確かに、あなたみたいな化け物と戦えるだけの魔力は私にはもう残っていないわ」
「なら・・・・・・」
「でも! 私のヴェルガルドを傷つけようと、いえ、傷つけたあなたには私は負けたくない! 負けられないのよ!!」
力の限り叫ぶファフニール。すると、
「む、わ、我は、お、お前のも、のでは・・・・・・」
「ふんっ」
「むっ、ああああぁぁぁ・・・・・・・・・・」
ヴェルがファフニールの言葉に対し、何かを言おうとしていたのだが、ヴェルが言い終える前にファフニールは毒の風を追加し、強制的にヴェルを黙らせた。
「・・・・・・・・・・負けられないのよ!!」
「ちょっと待って!? え、今追加したよね? 追加で毒盛ったよね!? それで何、何事も無かったかのように話を進めようとしてんの!?」
「だってぇ、急にヴェルガルドが愛してるなんて言うからぁ・・・・・・」
一言もそんな事言ってませんでしたけど!? てか、それが仮に本当だったとしても、照れ隠しで毒を盛るとかっていうのもどうかと思いますけどねぇ!?
「おいヴェル! しっかりしろっ、生きるのを諦めるな!!」
俺は即座にヴェルに駆け寄り、声を掛ける。
「ああ、言うのを忘れていたけど、その毒は体の自由を奪うだけのただの麻痺毒。だから命の危険は無いから安心して良いわよ」
いや、それを聞いて俺は安心は出来たけど、でもヴェル的には安心出来ねぇよ? こんな所で体の自由を奪われるとか、ある意味命の危機だからな。
「ガクガクガクガク・・・・・・・・・・っ」
ほら見てみ? ヴェルの奴、この世の終わりみたいな表情で怯え狂ってるぞ?
「でも、この後の事を考えると二回じゃちょっと心許無いわね。もう一回くらい盛っておこうかしら」
「や、止めてやってくれ! ヴェルのライフはもうゼロよ!!」
ヴェルに対して更に追い討ちをかけようとするファフニールを俺は必死に止める。
てかこの後の事って、動けないヴェルに何する気だよこいつ・・・・・・。
まあ、こいつの言動から何となくは予想はつくけども。
「ていうか、いつまで私のヴェルガルドに気安く触れているつもりなの? あなた、一体ヴェルガルドの何なの?」
えぇー、男の俺も嫉妬の対象に入るんですか。こいつの愛、重っ!
「え、いや、俺は・・・・・・・・・・」
本当の事を言っても良いんだが、とてつもなく嫌な予感しかしないのは何故だろう。
だってこの世界の奴だし、ヴェルに対しての愛が重すぎるし・・・・・・。
だが本当の事を、俺がヴェルの主だという事を知れば、もしかしたら手を引いてくれるかもしれない。
・・・・・・悩んだ末、俺はこの可能性に賭けることにした。
「・・・・・・ヴェルの主、です」
「ピキ・・・・・・・・・・ッ」
俺が正直にそう伝えた瞬間、殺気と猛毒の息がファフニールを覆い始めた。
「シネ、コロス、ワタシ、オマエ、メッサツ・・・・・・」
何ともまあ物騒な事を言いながらどんどん猛毒の風の刃を生成するファフニールさん。そして、
「・・・・・・懺悔は、いらないわよね?」
にっこにこと笑いながら俺にそう聞いてくる。それに対して俺は、
「・・・・・・・・・・ダッ!」
「――ニガサナイッ!!」
嫉妬に荒れ狂うファフニールの容赦の無い猛攻から、俺は全力で逃げ出した。
・・・・・・・・・・やっぱりね!!
**************************************
諸事情により更新が遅くなってしまい、すみませんでした。(TAT)
これからも頑張っていきますので、「うん、異世界!」をどうぞ宜しくお願い致します!!
0
お気に入りに追加
290
あなたにおすすめの小説
【完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい
みおな
恋愛
何度生まれ変わっても、私の未来には死しかない。
死んで異世界転生したら、旦那に虐げられる侯爵夫人だった。
死んだ後、再び転生を果たしたら、今度は親に虐げられる伯爵令嬢だった。
三度目は、婚約者に婚約破棄された挙句に国外追放され夜盗に殺される公爵令嬢。
四度目は、聖女だと偽ったと冤罪をかけられ処刑される平民。
さすがにもう許せないと神様に猛抗議しました。
こんな結末しかない転生なら、もう転生しなくていいとまで言いました。
こんな転生なら、いっそ亀の方が何倍もいいくらいです。
私の怒りに、神様は言いました。
次こそは誰にも虐げられない未来を、とー
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
“元“悪役令嬢は二度目の人生で無双します(“元“悪役令嬢は自由な生活を夢見てます)
翡翠由
ファンタジー
ある公爵令嬢は処刑台にかけられていた。
悪役令嬢と、周囲から呼ばれていた彼女の死を悲しむものは誰もいなく、ついには愛していた殿下にも裏切られる。
そして目が覚めると、なぜか前世の私(赤ん坊)に戻ってしまっていた……。
「また、処刑台送りは嫌だ!」
自由な生活を手に入れたい私は、処刑されかけても逃げ延びれるように三歳から自主トレを始めるのだが……。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
転生したらチートすぎて逆に怖い
至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん
愛されることを望んでいた…
神様のミスで刺されて転生!
運命の番と出会って…?
貰った能力は努力次第でスーパーチート!
番と幸せになるために無双します!
溺愛する家族もだいすき!
恋愛です!
無事1章完結しました!
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる