うん、異世界!

ダラックマ

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二章

異例の事態

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 〈エスタニア軍視点〉

 魔法攻撃により出来た煙が晴れていくと、そこには竜と男の姿は無かった。

「くっ、逃げられたか・・・・・・っ」

 ただそこには、

「っ!? 何だ、これは・・・・・・っ!」

 メイジ隊の総攻撃を防いだ巨大な『絶対防御能力バーリア』が軍の頭上にまだ存在していた。

「魔法障壁でもない、か。だがそれよりも驚くべきなのが、あれだけの攻撃を全て防いだ上に、全くの無傷だという事・・・・・・」

 謎の現象に考え込む隊長。そこにメイジ隊の一人が近くまで来て自らの疑問を尋ねる。

「隊長、俺はあのような物は見た事も、聞いた事もありません。一体あれは何なのでしょうか・・・・・・」

「わからん・・・・・・。ただ、こんな物を出せる竜が居るなんていう話は、私は聞いた事が無い」

「では、あの男が・・・・・・?」

「・・・・・・・・・・」

 突然の異例の事態に困惑するエスタニア軍。すると、

「――っ!?」

 軍の頭上にあった『絶対防御能力バーリア』が何の前触れも無く、崩れ去っていく。

「これは・・・・・・っ。ガルシア隊長っ!」

 ガルシアと呼ばれた男は冷静に答えた。

「ふむ、とりあえずこの件は一度、城まで持ち帰るぞ。帰ったらお前には、あの黒竜の事を調べてもらいたい。頼めるか? レイフォード」

「了解しましたっ。ですが、あの男の事や、妙な魔法壁の事はどうなさるのですか?」

 レイフォードの問いにガルシアは、顎に手を添えて答える。

「あの魔法壁と男については、出来る限り私が調べてみるさ」

「そう、ですか」

「まあそれはさておき、よくやったなレイフォード。捕らえるのは無理だったが、撃退には成功した。しかも『竜種』相手に、だ。誇って良いぞ」

 ガルシアの言葉に、少し照れている様子のレイフォード。

「いえ、これはガルシア隊長とメイジ隊の皆が居てくれたからこそですよ。俺なんて特に何も・・・・・・」

「何を言っている、お前も立派な我が国のメイジ隊の一員であり、私の誇りだ。わかったらもう二度と、俺なんて、という言葉は使ってくれるなよ?」

「は、はいっ!」

「よし、では全軍反転っ、これより、エスタニアへ帰還するっ!」

 ガルシアのその一言により、その場に居た全員がエスタニアに向けて動き出す。

「・・・・・・。(あの男は、一体・・・・・・)」

 考えれば考える程、謎は深まる一方であった。

*************************************

 (人物紹介)

 『早川 零時』         
 
         本作の主人公・17歳・童貞              
         固有ユニークスキル=〈異能力無限付加〉

 『シン・A・マルティネウス』     

         属性神・年齢不詳・多分経験有り・マゾヒズム

 『ミーナ』

         アルカディア聖騎士・18歳・貧乳
              
 『ソフィア』 
       
         アルカディア聖騎士・14歳・超絶可愛い・力持ち?

 『リニス=エスタニア』
 
         エスタニア王国第一王女・17歳

 『アルド』
 
         リニスのお側付き・年齢不詳

 『ガルシア』  
 
         エスタニア軍隊長・32歳

  『レイフォード』

         エスタニア軍メイジ隊所属・22歳

 『黒竜』    
      
         ????????????????

*************************************

 ざっくりとですが、次回からは三章に入るので今回は人物紹介を入れさせて頂きました。
 
 (忘れてしまいそうだったからなんて、言えない・・・・・・)
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