うん、異世界!

ダラックマ

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二章

やっぱり黒だよね!

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「・・・・・・はあ。もし今後、あの周辺に行く事があるのなら絶対に大きな音は出さないようにしよう」

 『飛行能力』のおかげで何とかバイオレンスな状況から逃れる事が出来たは良いが、さて、どうしたものか・・・・・・。

 奴等が居るとわかった以上、まだサバイバルヴァージンな俺からしたらとてもじゃないが、この辺りでのサバイバル生活はレベルが高すぎる。ていうか無理。

 しかもここは異世界、移動したとしてもあのミルワームもどき以外にも危険な生物が居る可能性は極めて高い。

 まあ居たとしても出会った端から能力で駆除していけば良いのだろうが、正直それはかなり面倒くさい。

「本、当、どうすっかなぁ・・・・・・」

 異世界人生初日から途方に暮れていると、少し木々で覆われた山道で三人組の男を見つけた。

「よっしゃ人だっ、・・・・・・ん?」

 だが、その男達の動きは何やら怪し気で、

「何だ? 狩りでもしてるのか?」

 そう思い、『五感強化』を付加、聴覚と視覚を大幅に上げ、よく観察してみると、

「ああ、あれは盗賊ってやつか。なるほど、あの馬車が標的って訳ね」

 男達が狙っているのは、アニメとか漫画でよく見る、いかにも貴族が乗っていそうな豪勢な馬車だった。

「白昼堂々大したもんだな、あいつら」

 テンプレ的に助けても良いんだが・・・・・・。

 それに人間相手なら『身体強化ブースト』だけでも何とかなりそうだし。しかし、後で恨みを買われても面倒だしなぁ。

「あっ、そうか。誰かわからなければ良いのか」

 そうと決まれば、付加、『空想具現化』!

 この能力を使い、全身を覆い隠せるようにフード付きロングコートを具現化する。ちなみに色は黒だ。

「やべ、かっけぇっ!」

 デザインはシンプルでこれと言って特徴は無いが、黒のロングコートというだけで俺の中の厨二心を刺激するには十分だった。

「へぇ、思った通りに具現化出来るのか、・・・・・・そうだっ」

 そして厨二病全開になった俺は、全身黒ずくめへと服装をチェンジ。

 黒のTシャツに黒のスキニーパンツ、からの黒の手袋と黒のブーツ。

「くぅううう・・・・・・っ」

 『空想具現化』、何と素晴らしき能力なのだろうか、ああ良きっ!

「おっと、いかんいかん。そろそろ行かねぇと、ってもう始まってるしっ!」

 俺が着替えたり色々している間に、もう事は始まっていた。

「じゃ、いっちょやりますか」

 俺はフードを被ると、更に『視覚阻害』を付加し、顔を誰からも見えなくした後、そのまま馬車に向かって一直線に急降下。

 動き出そうとしていた馬車の前に凄い勢いで着地した。
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