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夏の思い出

1話 放課後の公園

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 1学期もそろそろ終わる。数日後には夏休みに入るのだ。
 学校帰りの公園で、俺と光と麟太郎と、小学生最後の夏の思い出作りで、遊びの計画を立てていた。

 海、山、遊園地、動物園、水族館。全部行きたいが、夏休みには宿題が沢山出るのだった。これには毎年思うが、先生は俺たちを虐めたいのか?と思ってしまう。

 学校に行かなかった期間があった為、俺はみんなより少し多めに出されたのだ。泣けてくるぜ…。
 
 愕然としてる俺を、麟太郎がニタニタした顔で言った。


「陸、残念だったな。まぁ、陸の頭ならこんなプリント余裕だろ?半年もいなかったのに、先週のテスト90超えだろ?頑張ってる俺がバカバカしくなるぜ」

「麟太郎。お前のどこが頑張ってるんだよ?いつも授業聞いてないだろ。陸は昔から物覚えが早いんだよ」


 光がフォローしてくれるが、プリントの量が減るわけではない。はぁーと、溜め息が出た。
 まぁいつも長期休みの宿題は、初日で終わらせてるから、今回もやる事は変わらない。
 せっかくの休みを勉強だけに費やしたくないからだ。


「でだな!夏休みどこ行くよ?」


 麟太郎が、身を乗り出して言った。


「夏だし、海かプールって感じかなー?」

「それじゃいつもと変わらないじゃんか」


 俺の提案を光が否定した。毎年、夏にはプールに行っていたから、それも当然かと納得した。
 
 麟太郎は首を傾げて、何かを思い出したかの様に言った。

 
「そーいやさ、美咲は今日一緒じゃないの?珍しいな」

「美咲か。今日って新しいアニメ始まるだろ!それの予約忘れたからお願いしたんだ」

「ふーん。お前ら本当に仲良いよなぁ。そう言えば美咲って、いつもメイド服しか着てないけど、陸がさせてるの?」

「んなわけないだろ‼︎あいつがそれしか着ないんだよ‼︎あいつ、それしか着ないから、こないだの休みも買い物に連れてったんだからな‼︎」

 
 黙って聞いていた光が、ワクワクした顔で突っ込んで言った。


「その話聞かせてよ‼︎美咲ってどんな子なの⁉︎」

「光どうしたんだ?らしくないぞ⁉︎」

「あっ、それ俺も気になるわ。美咲と陸って仲良さすぎだよな?親戚って言ってたけど、美咲って謎が多いし、自分の事は話さないしさ。教えてくれよ」


 確かに美咲は謎が多い。それは俺もあいつと暮らしているのに、まだまだ知らない事が沢山あるのだ。

 2人の熱い視線に俺は白状する様に、前の休みの時の話をした。
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