上 下
18 / 26
【薔薇のパル】になった件

また一つ先へ。R-18

しおりを挟む
アラームで目を覚ます、スマホを手繰り寄せると六時を示していた。
集合は七時だ、シャワーを浴びても間に合う。
ベッドから降り寝間着を脱ぎながら風呂場に向かう、脱いだ寝間着と下着を洗濯機へ放り込みシャワーを浴びる為ドアを開けた。


「おはよう、御形くん。」
「おっす。」
集合場所の門に着くと既にメイさんと古鬼田くんが居た。
「おはようメイさん、古鬼田くん。待たせた?」
「いーや?」
「俺らもさっき来たとこだべ。」
よかったと胸を撫で下ろすも、メイさんの顔を見て胸がざわついた。
見慣れて来てしまった薄らと浮いた隈、頬に貼られた大きなガーゼ、口端の絆創膏は剥がされているが瘡蓋になっている。
痛々しい姿に隠して手をぎゅっと握り締めた。
「…御形くん?どうかした?」
「行くべ。」
「ううん!何でもない、行こう!」
顔を横に振り二人の腕に腕を絡ませ、ニッと笑って見せた。
二人は顔を見合わせ首を傾げていたが知らないフリをした。


「瑞希さーん!モーニング三人分!」
カランコロンと来店を報せるドアベルを鳴らし豪快に入店する。
「朝からうるせぇぞ。」
「元気って言ってくれる!?」
そう言いながらメイさんはいつも通り一番奥の席に向かう、俺らも後を追う。
「んなツラしてよく言えるな。」
瑞希さんがお冷を出しながらそう言い鼻を鳴らす。
「イケメンっしょ?」
「はいはい、イケメンイケメン。」
手をひらひら振りながら瑞希さんはカウンターの中へ戻って行く、軽快なやりとりに仲がいいなぁと眺める。
「ホントに二人共仲良しだね。」
「俺ここ中等部から通ってるかんねェ~。」
「長いっすね。」
「そっ!でも人を連れて来たのは二人が初めて!」
それからメイさんは教えてくれた、初めは迷い込んで訪れた事、瑞希さんの息子さんの事、メイさんにとって特別な場所だという事、そんな話に聞き入っていたら瑞希さんがカウンターから出て来た。
次々に置かれて行く皿、柔らかそうで香ばしい匂いをさせるクロワッサン、つやつやのレタスやトマトが盛り付けられたサラダ、そしてふわふわで綺麗な形のオムレツ。
「お待ちどうさん。」
古鬼田くんと二人でゴクリと喉を鳴らした。
「それじゃあ頂こうか!」
「「いただきます。」」


食後に出されたいちごタルトと珈琲も頂き、大満足な朝食だった。
Amberを出て今はもう寮の前だった。
今回のお会計はメイさんが全て支払ってくれた。
「メイさん、ご馳走様。」
「ご馳走様っした。」
「いいよいいよ、たまには先輩させて。」
二カリと笑いメイさんは古鬼田くんに問う。
「古鬼田くんこの後の予定は?」
「俺はちょっと街に出ようかと。」
「そっか、じゃあここでお別れだね。」
「うっす、嶋崎もまたな。」
「うん、またね。」
そう言うと古鬼田くんは踵を返し大通りへ向かって行き、俺達は暫くその背中を見送り寮の門を潜った。
「…メイさん、下手くそ。」
「え?あはは~あからさまだったかなァ~。」
そう笑うとメイさんが屈み耳元へ囁く。
「…俺の部屋、行こっか。」
俺は背筋を震わせ一つ頷いた。


部屋に着いた途端にメイさんは上着を全て脱ぎ捨て、俺を抱き上げた。
そのまま一直線にベッドへ行き、優しく降ろされた俺もメイさんに習って服を脱ごうと手を掛ける。
セーターを抜き、シャツのボタンを一つずつ外しているとメイさんの手が伸びて来て俺のベルトのバックルを外しボトムスへ手を掛けた。
俺はボタンを外し終えシャツも脱ぎ去るとベッドへ身体を横たえ、腰を浮かす。
メイさんがゴクリと喉を鳴らすと、ボトムスと一緒に下着も取り払ってしまう。
産まれたままの姿になった俺は、ゆっくりと両膝を立て開く。
その間にメイさんがするりと身を割込めば上体を屈め耳朶へ口付け囁く。
「優しくする…。」
「はぅ……ん。」
ぞくりと背筋を震えさせながら、小さく頷いた。


最初は触れ合うだけのから、徐々に深くなり今は咥内をメイさんの舌で蹂躙されていた。
「ん…ん……ぁ」
「お口でも気持ちよくなれてえらいねェ。」
いつ脱いだのかメイさんは裸の膝で俺の兆し始めた陰茎を撫でる。
「んッ!」
「じゃあ次はこっち。」
メイさんの指先がきゅっと俺の乳首を摘む、片方にも顔を寄せペロリと舐めれば咥えてしまった。
指先は感触を楽しむ様に摘んだり捏ねてみたり、上から押し潰してみたりされる。
片方も乳輪をくるりと舐めたり乳頭を尖らせた舌でほじくったり、じゅうと音をさせて吸ってみたりされていく。
「ァ、はぅ…あっあっ…」
舌と指を交換させたりして散々弄くり回され、離された頃には俺の乳首はぷっくりと尖り赤く色付いていた。
下腹は既に大量のカウパーでぬるぬるになっている。
はぁはぁと肩で息をしていると、メイさんが伸び上がりヘッドボードから何かを手に取った。
少し歪んだ視界で見遣ると、透明な液体が入ったボトルと四角形のパウチ、おそらくローションとスキンだ。
嗚呼今から俺はこの人に抱かれるんだ、改めて実感が湧いて来て下腹がきゅんと疼いた。


俺は御形くんの痴態を見下ろし感嘆した。
下腹を濡らす大量のカウパー、ぷっくりと尖り赤く色付いた乳首、色付いた頬、唇の隙間から誘う赤い舌、潤んだ瞳、全てが俺の劣情を煽る。
その劣情に流されないように努めて呼吸を深くする。
伸び上がりちゅっと唇へ口付けると、ボトルを開け片手に中身を垂らす。
ボトルを放り、両手で冷たいそれをぬちゃぬちゃと捏ね温めると御形くんへ声をかける。
「触るよ?」
御形くんが健気にシーツを掴みながらこくこくと頷く、シーツにすら嫉妬しながら人差し指で慎ましやかな蕾を撫でる。
ひくりと震える内腿に口付け、蕾を何度も撫で徐に指を蕾の上の膨らみへやりそこを押す。
「んァッ!」
「ここも気持ちいいところだから覚えておいて。」
蕾の上の膨らみ、会陰を捏ねながら親指で蕾をゆるゆる撫でる。
止まない嬌声と内腿の震えに薄ら笑みを浮かべ蕾を軽く押す、ちゅぷっと可愛らしい音を立ててそこはすんなりと親指の先を飲み込みハッとして顔を上げた。
「…もしかして御形くん自分で触った?」
暫くの沈黙の後、御形くんが小さく頷く。
顔は真っ赤だ。
「朝に…ん、少しだけ…」
その事実にぞくぞくぞくと背筋を快感が走り抜ける。
素知らぬ顔でこの子はモーニングを食べながら、俺に抱かれるのを待っていたのだ。
親指を抜き会陰からも指を離す、間を空けず人差し指を第二関節まで一気に挿入れた。
「んんッ!」
御形くんが枕に頭を押し付ける様にして顎を上げ喉を晒す、噛み付きたくなって唇を舌で濡らす。
「御形くん…反則だよ…もう止められないからね。」
にちゃにちゃと音をさせながら指を抜き差しし、蕾を広げる為に縁に指先を引っ掛けながらくるりと回す。
ひくひくと震える内腿を甘く噛み、指を二本に増やす、あがる嬌声に股間がムズムズした。
更に快感を与える為、指先で中を探り見付けたしこりを二本の指先で撫で、捏ねる。
「ッ…ぁ、あっ!んぁ…はぅ…も、ダメ…あんッ!」
「いいよ、イっても。」
そう言い指先で前立腺をぎゅっぎゅっと押し込む、すると御形くんはかくかくと腰を揺らし白濁を自身の下腹に吐き出した。
それを合図に指を三本に増やしちゅぷちゅぷと抜き差しを始めた。
「ッひぁ…!ぁ、あ…ダメ…ッ待って、まだイってる…ッ!」
「無理、待てない。」
纏めた三本を根元まで埋めれば、抜き差しする。
媚肉が健気に指に絡みつき、股間が熱くなる。
ちゅぷちゅぷと何度も出し入れする、キツく締め付けていた蕾はゆっくりと綻んで来ていた。
「あっ…あ、あ…ぁ…ッ」
御形くんもしっかり感じてくれているようだ。
数度抜き差しを繰り返し、ゆっくりと指を抜きとる。
指が抜き去られた蕾はひくひくとひくついている。
伸び上がり口付ける、舌を絡め咥内を味わうほんのり苺の味がした。
「御形くん…挿入れるよ。」
「…ん…メイさん、来て…。」
御形くんが開いていた足を更に開いて誘った。
ゴクリと喉を鳴らし、自身の陰茎を蕾へ添えた。
「御形くん…愛してる。」
「ん…俺も、愛してる。」
そっと腰を進めた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】ハードな甘とろ調教でイチャラブ洗脳されたいから悪役貴族にはなりたくないが勇者と戦おうと思う

R-13
BL
甘S令息×流され貴族が織りなす 結構ハードなラブコメディ&痛快逆転劇 2度目の人生、異世界転生。 そこは生前自分が読んでいた物語の世界。 しかし自分の配役は悪役令息で? それでもめげずに真面目に生きて35歳。 せっかく民に慕われる立派な伯爵になったのに。 気付けば自分が侯爵家三男を監禁して洗脳していると思われかねない状況に! このままじゃ物語通りになってしまう! 早くこいつを家に帰さないと! しかし彼は帰るどころか屋敷に居着いてしまって。 「シャルル様は僕に虐められることだけ考えてたら良いんだよ?」 帰るどころか毎晩毎晩誘惑してくる三男。 エロ耐性が無さ過ぎて断るどころかどハマりする伯爵。 逆に毎日甘々に調教されてどんどん大好き洗脳されていく。 このままじゃ真面目に生きているのに、悪役貴族として討伐される運命が待っているが、大好きな三男は渡せないから仕方なく勇者と戦おうと思う。 これはそんな流され系主人公が運命と戦う物語。 「アルフィ、ずっとここに居てくれ」 「うん!そんなこと言ってくれると凄く嬉しいけど、出来たら2人きりで言って欲しかったし酒の勢いで言われるのも癪だしそもそも急だし昨日までと言ってること真逆だしそもそもなんでちょっと泣きそうなのかわかんないし手握ってなくても逃げないしてかもう泣いてるし怖いんだけど大丈夫?」 媚薬、緊縛、露出、催眠、時間停止などなど。 徐々に怪しげな薬や、秘密な魔道具、エロいことに特化した魔法なども出てきます。基本的に激しく痛みを伴うプレイはなく、快楽系の甘やかし調教や、羞恥系のプレイがメインです。 全8章128話、11月27日に完結します。 なおエロ描写がある話には♡を付けています。 ※ややハードな内容のプレイもございます。誤って見てしまった方は、すぐに1〜2杯の牛乳または水、あるいは生卵を飲んで、かかりつけ医にご相談する前に落ち着いて下さい。 感想やご指摘、叱咤激励、有給休暇等貰えると嬉しいです!ノシ

BLゲームの世界に転生!~って、あれ。もしかして僕は嫌われ者の闇属性!?~

七海咲良
BL
「おぎゃー!」と泣きながら生まれてきた僕。手足はうまく動かせないのに妙に頭がさえているなと思っていたが、今世の兄の名前を聞いてようやく気付いた。  あ、ここBLゲームの世界だ……!! しかも僕は5歳でお役御免の弟!? 僕、がんばって死なないように動きます!

どうも、ヤンデレ乙女ゲームの攻略対象1になりました…?

スポンジケーキ
BL
顔はイケメン、性格は優しい完璧超人な男子高校生、紅葉葵(もみじ あおい)は姉におすすめされたヤンデレ乙女ゲーム「薔薇の花束に救済を」にハマる、そんな中ある帰り道、通り魔に刺されてしまう……絶望の中、目を開けるとなんと赤ん坊になっていた!?ここの世界が「薔薇の花束に救済を」の世界だと気づき、なんと自分は攻略対象1のイキシア・ウィンターだということがわかった、それから、なんだかんだあって他の攻略対象たちと関係を気づいていくが…… 俺じゃなくてヒロインに救ってもらって!そんなこと言いながら、なんだかんだいって流されるチョロい系完璧超人主人公のヤンデレたちを救う物語 ーーーーーーーーーーーー 最初の方は恋愛要素はあんまりないかも……総受けからの固定になっていきます、ヤンデレ書きたい!と壊れながら書いているので誤字がひどいです、温かく見守ってください コメントやお気に入り登録をしてくださったら励みになります!良かったらお願いします!

イケメン幼馴染に執着されるSub

ひな
BL
normalだと思ってた俺がまさかの… 支配されたくない 俺がSubなんかじゃない 逃げたい 愛されたくない  こんなの俺じゃない。 (作品名が長いのでイケしゅーって略していただいてOKです。)

【R18】【Bl】R18乙女ゲームの世界に入ってしまいました。全員の好感度をあげて友情エンド目指します。

ペーパーナイフ
BL
僕の世界では異世界に転生、転移することなんてよくあることだった。 でもR18乙女ゲームの世界なんて想定外だ!!しかも登場人物は重いやつばかり…。元の世界に戻るには複数人の好感度を上げて友情エンドを目指さなければならない。え、推しがでてくるなんて聞いてないけど! 監禁、婚約を回避して無事元の世界に戻れるか?! アホエロストーリーです。攻めは数人でできます。 主人公はクリアのために浮気しまくりクズ。嫌な方は気をつけてください。 ヤンデレ、ワンコ系でてきます。 注意 総受け 総愛され アホエロ ビッチ主人公 妊娠なし リバなし

殺されて退場する筈なのに主人公の愛が重い

春野ゆき
BL
途中で読むのを辞めた小説で弟子である主人公に殺されるキャラクター「アルネ」に転生した「俺」は殺される未来を変える為に主人公に愛情深く接すると決意する。そんな風に接していたら主人公に懐かれ過ぎてしまった。国内はずっと不穏だし、次々と事件が起こるけどシナリオはこれで合ってるのか? 旧題︰悪役だけど暴君主人公を良い子に育てます 攻めの幼少期から始まりますが、幼少期の頃の話はそんなに長くないです。

少女漫画の当て馬に転生したら聖騎士がヤンデレ化しました

猫むぎ
BL
外の世界に憧れを抱いていた少年は、少女漫画の世界に転生しました。 当て馬キャラに転生したけど、モブとして普通に暮らしていたが突然悪役である魔騎士の刺青が腕に浮かび上がった。 それでも特に刺青があるだけでモブなのは変わらなかった。 漫画では優男であった聖騎士が魔騎士に豹変するまでは… 出会う筈がなかった二人が出会い、聖騎士はヤンデレと化す。 メインヒーローの筈の聖騎士に執着されています。 最上級魔導士ヤンデレ溺愛聖騎士×当て馬悪役だけどモブだと信じて疑わない最下層魔導士

【完結済】ラスボスの使い魔に転生したので世界を守るため全力でペットセラピーしてみたら……【溺愛こじらせドS攻め】

綺沙きさき(きさきさき)
BL
【溺愛ヤンデレ魔術師】×【黒猫使い魔】のドS・執着・溺愛をこじらせた攻めの話 <あらすじ> 魔術師ギディオンの使い魔であるシリルは、知っている。 この世界が前世でプレイしたゲーム『グランド・マギ』であること、そしてギディオンが世界滅亡を望む最凶のラスボスで、その先にはバッドエンドしか待っていないことも……。 そんな未来を回避すべく、シリルはギディオンの心の闇を癒やすため、猫の姿を最大限に活用してペットセラピーを行う。 その甲斐あって、ギディオンの心の闇は癒やされ、バッドエンドは回避できたと思われたが、ある日、目を覚ますと人間の姿になっていて――!? ======================== *表紙イラスト…はやし燈様(@umknb7) *表紙デザイン…睦月様(https://mutsuki-design.tumblr.com/) *9月23日(月)J.GARDEN56にて頒布予定の『異世界転生×執着攻め小説集』に収録している作品です。

処理中です...