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第一章 NICU
生後21日目 どういったらいいだろう……
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リノにT字型の呼吸器が、装着されました。酸素を吸うことはできているけれど、二酸化炭素を排出することができていないらしいです。
低体温が続いているらしく、手厚い保温をしなければならないことも、看護師さんに言われたらしいです。
そして経管栄養の逆流が続いているので、十二指腸まで入れるEDチューブの話もチラッと出たらしいです。
一歩進んで二歩下がるとは、こういうことなのでしょうか……
※ 低体温・・夏でも電気毛布で、冬服を着こんでいる子もいます。重篤な症状を起こしやすい状態です。
EDチューブ・・胃に到達しているのは、MDチューブと言われています。十二指腸は胃の先にあって、胃食道逆流症の子は青色のEDチューブをつけています。今度、顔にチューブがある子に会ったら、確認してみたください。胃の下にだらんとチューブが垂れているわけではなく、クネクネと山道のように入れられています。これは医師がレントゲンをみながら入れるので、患者の赤ちゃんにとっても、医師にとっても泣きたくなるぐらい嫌な作業になります。
けれどEDチューブはミルクが詰まったり、誤って抜けてしまうことが多く、救急に駆けこむ多くの障がい児や親の悩みの種となっています。
生後六か月時点では、まだそんなことになったことがありません。
たぶん、そこまで動けないことと、酢水を注入していることが良かったのでしょうね。
詳しいことは明日のカンファレンスを聞いてからになるのでしょうが。
死産が多かった昔のお産を知っている世代からすると、現代医学の「救命」の意味を問いただしたくなります。
生きる力が弱い子どもを検査・手術などで、どれだけ痛い目に遭わせるのでしょう。
こんな事を思うのは三歳なることを待たずに亡くなった赤ちゃんのブログを、立て続けに読んだからかもしれません。
※ リノのような重篤な症状の子には、三歳の壁・五歳の壁・七歳の壁といわれている生と死の境目があるのです。七五三とはその壁を乗り越えた子のお祝いなんですよね。
ブログを読んでいると一歳半から二歳にかけての壁もあるようです。(^_^;)
目の前に子どもが生きながらえるすべがあるのなら、すがりたくなるのが親というものです。
けれど三歳を待たずに神の御手にお返しするのなら、中途半端に「救命」するのは医学・科学の傲慢であるようにも思えます。
子ども達は何度も手術をし、検査で針を刺され続けます。嘔吐を繰り返し、時には血反吐を吐くこともあります。
けれどそうしたからといって、劇的に生活が改善されるわけでも、長生きできるわけでもありません。
目の前の細く揺らめく『蜘蛛の糸』に、必死にしがみついているだけの脆い存在なのです。
親の親の意見を言わせてもらえるなら、ネムルーとムコーが心配です。
子どもを「二度」失う経験をさせるために、今があるのだろうか?
これから手術、療養の過酷な生活を続けるために、リノの今があるのだろうか?
昔の産婦人科医は、生きられない子どもはそのままにして逝かせてあげる太っ腹なところがありました。
今は裁判やら訴訟やら、世の中がややこしくなっているので、医者は人工呼吸器をつけてでも自分の目の前で命が失われることのないように、力を尽くします。人として、医療技術を持っている人間として、それは当たり前の行為だと思います。
ハァー (*´Д`) 今の世の中では結局、最後まで医療に頼るしかないのでしょうねぇ。
リノが痛い思いをする回数が少なければいいな。
ムコーとネムルーが辛い決断をしなければならない回数が少なければいいな。
ラクーが願えるのは、ただそれだけです。
赤ちゃんが助かって良かったという気持ちと、相反するこういう気持ち、急性期の親や親族はこの両方の気持ちに揺れ動いています。
死を願ってしまうのは赤ちゃんが可愛くないということではありません。
可愛いからこそ、将来に待ち受けているものに絶望してしまうのです。
リノのような子は、この後てんかんになり、誤嚥性肺炎を起こし、オシッコが出なくなって、亡くなることが多いのです。
事実だけを並べると救い難いと思われるかもしれませんが、救いはあるのですよ。
若い夫婦の親として、人間としての大きな成長がありますし、リノも成長するんです。
そう、赤ちゃんはどんな子でも「成長」するんです。
その成長を助け、抱きしめ、家族として生活できるのは、健常者の子を育てることと何ら変わりはありません。
特殊な子育てではありますが、根本のところは同じと言っていいでしょう。
夕方よりEDチューブ挿入。
経管栄養・・40ml×8回 → 55ml×6回
胃のチューブはそのままにして、薬を入れることに使う。
MDチューブをそのままにしたのは、父ムコーの切なる願いでした。
ネットでしゅうくんという男の子の家族の話を読んだのです。MDチューブだったしゅうくんが胃瘻をしようと思った時に、胃を全然使ってこなかったことから、胃が小さく縮んでしまっていて、胃瘻をすることができなくなってしまいました。しゅうくんのお父さんは、悔やんでいたそうです。そしてこうなることを、医師から説明されなかったことも残念に思っておられたそうです。
これから胃瘻造設術をひかえている六か月のリノの胃も少し小さくなっています。
人間の身体は、よく使っている臓器を優先して残していくんですね。
これからもリハビリを頑張らなきゃ!
低体温が続いているらしく、手厚い保温をしなければならないことも、看護師さんに言われたらしいです。
そして経管栄養の逆流が続いているので、十二指腸まで入れるEDチューブの話もチラッと出たらしいです。
一歩進んで二歩下がるとは、こういうことなのでしょうか……
※ 低体温・・夏でも電気毛布で、冬服を着こんでいる子もいます。重篤な症状を起こしやすい状態です。
EDチューブ・・胃に到達しているのは、MDチューブと言われています。十二指腸は胃の先にあって、胃食道逆流症の子は青色のEDチューブをつけています。今度、顔にチューブがある子に会ったら、確認してみたください。胃の下にだらんとチューブが垂れているわけではなく、クネクネと山道のように入れられています。これは医師がレントゲンをみながら入れるので、患者の赤ちゃんにとっても、医師にとっても泣きたくなるぐらい嫌な作業になります。
けれどEDチューブはミルクが詰まったり、誤って抜けてしまうことが多く、救急に駆けこむ多くの障がい児や親の悩みの種となっています。
生後六か月時点では、まだそんなことになったことがありません。
たぶん、そこまで動けないことと、酢水を注入していることが良かったのでしょうね。
詳しいことは明日のカンファレンスを聞いてからになるのでしょうが。
死産が多かった昔のお産を知っている世代からすると、現代医学の「救命」の意味を問いただしたくなります。
生きる力が弱い子どもを検査・手術などで、どれだけ痛い目に遭わせるのでしょう。
こんな事を思うのは三歳なることを待たずに亡くなった赤ちゃんのブログを、立て続けに読んだからかもしれません。
※ リノのような重篤な症状の子には、三歳の壁・五歳の壁・七歳の壁といわれている生と死の境目があるのです。七五三とはその壁を乗り越えた子のお祝いなんですよね。
ブログを読んでいると一歳半から二歳にかけての壁もあるようです。(^_^;)
目の前に子どもが生きながらえるすべがあるのなら、すがりたくなるのが親というものです。
けれど三歳を待たずに神の御手にお返しするのなら、中途半端に「救命」するのは医学・科学の傲慢であるようにも思えます。
子ども達は何度も手術をし、検査で針を刺され続けます。嘔吐を繰り返し、時には血反吐を吐くこともあります。
けれどそうしたからといって、劇的に生活が改善されるわけでも、長生きできるわけでもありません。
目の前の細く揺らめく『蜘蛛の糸』に、必死にしがみついているだけの脆い存在なのです。
親の親の意見を言わせてもらえるなら、ネムルーとムコーが心配です。
子どもを「二度」失う経験をさせるために、今があるのだろうか?
これから手術、療養の過酷な生活を続けるために、リノの今があるのだろうか?
昔の産婦人科医は、生きられない子どもはそのままにして逝かせてあげる太っ腹なところがありました。
今は裁判やら訴訟やら、世の中がややこしくなっているので、医者は人工呼吸器をつけてでも自分の目の前で命が失われることのないように、力を尽くします。人として、医療技術を持っている人間として、それは当たり前の行為だと思います。
ハァー (*´Д`) 今の世の中では結局、最後まで医療に頼るしかないのでしょうねぇ。
リノが痛い思いをする回数が少なければいいな。
ムコーとネムルーが辛い決断をしなければならない回数が少なければいいな。
ラクーが願えるのは、ただそれだけです。
赤ちゃんが助かって良かったという気持ちと、相反するこういう気持ち、急性期の親や親族はこの両方の気持ちに揺れ動いています。
死を願ってしまうのは赤ちゃんが可愛くないということではありません。
可愛いからこそ、将来に待ち受けているものに絶望してしまうのです。
リノのような子は、この後てんかんになり、誤嚥性肺炎を起こし、オシッコが出なくなって、亡くなることが多いのです。
事実だけを並べると救い難いと思われるかもしれませんが、救いはあるのですよ。
若い夫婦の親として、人間としての大きな成長がありますし、リノも成長するんです。
そう、赤ちゃんはどんな子でも「成長」するんです。
その成長を助け、抱きしめ、家族として生活できるのは、健常者の子を育てることと何ら変わりはありません。
特殊な子育てではありますが、根本のところは同じと言っていいでしょう。
夕方よりEDチューブ挿入。
経管栄養・・40ml×8回 → 55ml×6回
胃のチューブはそのままにして、薬を入れることに使う。
MDチューブをそのままにしたのは、父ムコーの切なる願いでした。
ネットでしゅうくんという男の子の家族の話を読んだのです。MDチューブだったしゅうくんが胃瘻をしようと思った時に、胃を全然使ってこなかったことから、胃が小さく縮んでしまっていて、胃瘻をすることができなくなってしまいました。しゅうくんのお父さんは、悔やんでいたそうです。そしてこうなることを、医師から説明されなかったことも残念に思っておられたそうです。
これから胃瘻造設術をひかえている六か月のリノの胃も少し小さくなっています。
人間の身体は、よく使っている臓器を優先して残していくんですね。
これからもリハビリを頑張らなきゃ!
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