22 / 29
第二章 ゆかこさんの一年間
冬至
しおりを挟む
白い湯気が立ち昇る温泉にゆかこさんは肩まで浸かって入っていました。
「あ~いい気持ち。極楽ね。」
そうですね、ゆかこさん。身体の芯から温まりますね。
ゆかこさんは神社の煤払いをした後に山の温泉に来たのでした。
白く濁ったお湯の上に黄色い柚子の実がぷかぷか浮かんでいます。
ほんわかと柑橘系のいい匂いも漂っていました。
「歳の瀬の足音が聞こえてくるわ。2018年もそこまでやってきてるようね。」
ゆかこさんには聞こえるのでしょうか。
温泉からあがったゆかこさんは雪の模様のついたスキーウェアを着ると、スティックを右に左に操りながらスキー板に乗って山を滑り降ります。
「ひゃっほーーーっ!」
銀煙をあげながら風のように滑るゆかこさんを冬の妖精たちが凄いスピードで追いかけていきます。
青い氷の粒々でお化粧した山の木々がゆかこさん達を応援していますよ。
町までやって来たゆかこさんは、今度は街路樹にたくさんの明かりを灯して行きます。
群青色に暗さを増してきた町の空にクリスマスの明かりがキラキラと輝き始めました。
どこからか音楽と鈴の音が聞こえてきます。
シャンシャンシャンシャン
道を行き交う人たちが空を見上げると、トナカイにまたがったゆかこさんがサンタクロースのそりを引っ張って皆に向かって手を振っていましたよ。
「メリークリスマス!皆さん!良い新年を迎えて下さいな~。」
来年も楽しいことがいっぱいありますように。
細い三日月が「そうですね。」と夜空でゆらんと揺れました。
「あ~いい気持ち。極楽ね。」
そうですね、ゆかこさん。身体の芯から温まりますね。
ゆかこさんは神社の煤払いをした後に山の温泉に来たのでした。
白く濁ったお湯の上に黄色い柚子の実がぷかぷか浮かんでいます。
ほんわかと柑橘系のいい匂いも漂っていました。
「歳の瀬の足音が聞こえてくるわ。2018年もそこまでやってきてるようね。」
ゆかこさんには聞こえるのでしょうか。
温泉からあがったゆかこさんは雪の模様のついたスキーウェアを着ると、スティックを右に左に操りながらスキー板に乗って山を滑り降ります。
「ひゃっほーーーっ!」
銀煙をあげながら風のように滑るゆかこさんを冬の妖精たちが凄いスピードで追いかけていきます。
青い氷の粒々でお化粧した山の木々がゆかこさん達を応援していますよ。
町までやって来たゆかこさんは、今度は街路樹にたくさんの明かりを灯して行きます。
群青色に暗さを増してきた町の空にクリスマスの明かりがキラキラと輝き始めました。
どこからか音楽と鈴の音が聞こえてきます。
シャンシャンシャンシャン
道を行き交う人たちが空を見上げると、トナカイにまたがったゆかこさんがサンタクロースのそりを引っ張って皆に向かって手を振っていましたよ。
「メリークリスマス!皆さん!良い新年を迎えて下さいな~。」
来年も楽しいことがいっぱいありますように。
細い三日月が「そうですね。」と夜空でゆらんと揺れました。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
瑠璃の姫君と鉄黒の騎士
石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。
そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。
突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。
大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。
記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。
小さな王子さまのお話
佐宗
児童書・童話
『これだけは覚えていて。あなたの命にはわたしたちの祈りがこめられているの』……
**あらすじ**
昔むかし、あるところに小さな王子さまがいました。
珠のようにかわいらしい黒髪の王子さまです。
王子さまの住む国は、生きた人間には決してたどりつけません。
なぜなら、その国は……、人間たちが恐れている、三途の河の向こう側にあるからです。
「あの世の国」の小さな王子さまにはお母さまはいませんが、お父さまや家臣たちとたのしく暮らしていました。
ある日、狩りの最中に、一行からはぐれてやんちゃな友達と冒険することに…?
『そなたはこの世で唯一の、何物にも代えがたい宝』――
亡き母の想い、父神の愛。くらがりの世界に生きる小さな王子さまの家族愛と成長。
全年齢の童話風ファンタジーになります。
児童絵本館のオオカミ
火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。

椀貸しの河童
関シラズ
児童書・童話
須川の河童・沼尾丸は近くの村の人々に頼まれては膳椀を貸し出す椀貸しの河童である。ある時、沼尾丸は他所からやって来た旅の女に声をかけられるが……
※
群馬県の中之条町にあった旧六合村(クニムラ)をモチーフに構想した物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる