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前と後ろと 02

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 チラリと時計を確認すると、針は午後8時半を指していた。『同居人』が帰ってくるまであと一時間以上。
 私と『同居人』はお互いの部屋を自由に行き来する仲だけど、この子たちとお別れの儀式をする時間はまだあるだろう。

「ん……っ」

 ブラキャミの裾から手を入れて、そっと胸の頂を摘まむ。
 少し触っただけですぐに固くしこったソコから甘い疼きが広がっていく。

「は、ぁ……」

 カリカリと引っ掻く様にしたり、押し潰してみたり。
 2年前までは自分で触るなんて思い付きもしなかったのに、今ではすっかり敏感になった私の乳首。

「みゃ、っ、ぁ、ダメ。おっぱいだけでイッちゃ、ダメ……」

 だってこれはバイブから卒業するための行為なんだから。

「ん、ん」

 部屋着用のモコモコした短パンと一緒にショーツを下ろすと、既に透明な糸を引いていた。
 それを中指に絡めてクルクルと花芯を撫でる。

「あっ、ぁ……!」

 ますます熱く潤んだ割れ目をなぞると、もうトロトロに震えていた。

「ふっ……ぅ、ん……っ」

 膝を立てて大きく開いて。
 コンドームを被せたバイブをぬかるみに埋めていく。

「にゃ、ぁ、あっ」

 私が一番好きな子宮口への刺激。
 ちゅこちゅことバイブの先端がそこに当たるように。
 小刻みに右手を動かす。

「あ──!」

 あっという間に内股が痙攣して、熱が弾けた。

「お尻……お尻も……っ」

 ハァハァと荒い息を吐きながら。
 体内の異物を抜かないままに別のオモチャへと手を伸ばす。
 動くと中が擦れて余計に蜜が溢れる。

「ふぁっ、ん、ん!」

 ローションを絡めた連なるパールが四つん這いになった私のお尻へと一粒ずつ入っていく。

「きゃぅ……!」

 自分で前のバイブのスイッチを入れたくせに、あまりの快感に思わず悲鳴が漏れた。

 お腹の熱とお尻への刺激と。
 堪らなく気持ちよくて気持ちよくて。
 左手でベッドのシーツにすがりながら、夢中になってバイブとアナルパールを交互に動かす。

 だから。

 快楽に夢中になり過ぎていたから。

 玄関のドアが開いたのにも、『同居人』が私の部屋のドアノブに手をかけたのにも。
 全然気がついていなかったんだ。


義姉ねえさん、寝ちゃってるの? 俺、今日バイトが予定より早く終わって。電気ついてるのに返事がないから…………え?」


 ドアを開けた同居人──義弟の玲央れおくんは、ほぼ裸で四つん這いになってオモチャで遊ぶ私の姿にグリーンブラウンの瞳を見開いた。


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