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幸せならオッケーです
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ゲームの舞台でもあり、私たちの生活の場でもある学園の学園長クラウス・ドラン。
マリーローズを溺愛する彼は、26歳という若さながら一族の中でも一目置かれる優秀な経営者だった。
貴族の爵位も持ち、鍛えられすらりとした長身。ブラウンの髪と紅茶色の瞳の組み合わせは珍しい色彩ではなかったけれど、神に愛され命を吹き込まれた彫像のような整った美貌は社交界のご令嬢の憧れの的で。密かにメインヒーローと並ぶ程の人気が有った。
ゲームの登場人物としては、一部コアなファンがつきながらも、本編でもファンディスクでもヒロインの恋の相手になることはなく『もし再び続編が叶った時には次こそ彼を攻略対象に!』とSNSを中心に署名活動が行われたほどだ。
けれど結局、前世の私が生きているうちにおにい様がヒロインを愛することはなかった。
だから。前世でヒロインとして何度も何度も攻略対象たちとのエンディングを迎えた私も、おにい様が相手の展開は初めてで。実は嫉妬深い彼の一面に触れて戸惑う毎日だ。
今も、彼の前でかつての攻略対象と親しげにしてしまった『おしおき』をされている。
*
「──あっ、や、や、やぁ……! おに、様、そこ、何度も突いたら、や、やっ……!」
「ワガママで可愛い私のマリィ。君が対面座位は嫌だと言ったから後ろから愛することにしたのに。これも嫌だと言われたら困ってしまうな」
そんな風に苦笑しながらも、全然困ってなんかいない余裕の息づかいでドチュン!と子宮口に熱い怒張が押し付けられる。
「きゃぁぁっ?! や、ダメ、見えちゃう……! ここじゃ、外から、見えちゃう……!」
「そうだねマリィ。この窓からは運動場がよく見える。……ほら、君が昼休みに話していたグイド君がいるよ」
そう言って、窓辺で背後から私を貫いた体勢のまま、長く形の良い指が硝子の向こうを示す。
緑に囲まれた校舎の最上階。学園の運動場や中庭を見渡せる場所に位置する学園長室。
その部屋の広い窓から見える運動場には、確かにおにい様の言う人物の姿があった。
グイド先輩……ヒロインにとっては先輩だったけれど、マリーローズにとっては同級生である『ちょいワル攻略対象枠』のグイド・イロニー。
燃えるような赤髪と浅黒い肌が特徴の彼は、遠目からでも彼とわかるほどに目立っていた。複数人のチームにわかれてボールを蹴っているということは、きっと彼のクラスはサッカーに似た競技の授業中なのだろう。
「さっきは君と彼が教科書の貸し借りをしているのを見て目を疑ったよ。3年生までの君は身分が違うからと彼を毛嫌いしていたのに、まさか親しげに微笑んでいるなんて。何があったのかな?」
「あ! あぁ──!」
「まさか、彼に心変わりしたなんてこと、ないよね?」
「ひっ! あ、や! ぁっ! あ ん……っ!」
「言ってマリィ。君が、愛しているのは、誰?」
ぐっぐっと私の弱いポイントを凶器で責めながら、決まった答え以外を許さない圧力でおにい様が問いかける。
私がこの世界でマリーローズ・ドランとして目覚めた時には、既に恋人同士だったおにい様とマリーローズ。
最初は『神様』にお願いした希望とは違う状況に戸惑ったけれど、すぐに私はおにい様の愛とそれまでの記憶を受け入れた。
だって。私を溺愛するおにい様はとても優しくて完璧で。幼い頃からずっと私の理想の王子様だったのだ。
その王子様が隣にいるパートナーとして私を選んでくれたこと以上に喜ばしく誇らしいことなど有るだろうか。
彼に愛される日々は幸せで満ち足りていた。
ただ、前世のクセが抜けずについ攻略対象たちに親しげに接してしまう私の態度は度々おにい様の地雷を踏んでしまうらしく。
よくこうして『おしおき』されるはめになっている。
予想外に嫉妬深かった彼の一面。
その執着は度を越したものだと思うのに、戸惑いながらもその強さが嬉しいと思ってしまう私も、どこかちょっとおかしいのかもしれない。
「マリィ? こんな状況で興奮しているの? ブラウスの前を全部はだけてブラジャーからこぼれた裸の胸を窓硝子に押し付けて。あぁ、ぷっくり腫れて立ち上がった乳首が擦れているね」
「ぁあっ、ん……! っぁ! あっ……! あぁ!」
「スカートも全部捲れて、白くて柔らかいお尻も、私が出入りしてる場所も丸見えだ」
「だめ、おにい様っ、や! そんなに突きながら、クリトリスいじめないで……! あ、あ! イッちゃう! また、イッちゃう……!」
「いいよ。何度でもイくといい。……ただし、私の名前を呼びながらね。さぁっ、君が、愛してる男の名前を言いなさい……!」
「お、おに、おにい様っ! あ! おにい様……! クラウス……!」
「そう、クラウスだ。君が一番愛しているのも、君を今、快楽に溺れさせてるのも、この、私だ」
「ぁあ! 好き、クラウス好き……! 愛してる……!」
「よく言えたね可愛いマリィ。──ご褒美だ……!」
「あぁ──っ!」
硬度と大きさを増したおにい様が腰の動きを速めて、パンパンと肉同士がぶつかり合う卑猥な音が部屋に響く。
目の前も頭の中も真っ白になって、私は絶頂を駆け上がった。
「はぁ、あ、は……んっ」
気だるい余韻に震える太ももに、溢れた白濁が伝っていくのを感じながら。熱く絡ませ合う舌が終わらない情欲を再燃させる。
甘く優しく抱かれるのも好きだけど、いつもとは違う雰囲気のおにい様にこうしてちょっと乱暴に抱かれるのもすごくすごく気持ちいい。
「おにい様。マリィが悪いことをしてしまったら、また『おしおき』してね?」
きっと私はもうしばらくは前世のクセが抜けないけれど、マリーローズとしての人生を楽しくやっていけると、ウッカリ者の神様に感謝をした。
fin
マリーローズを溺愛する彼は、26歳という若さながら一族の中でも一目置かれる優秀な経営者だった。
貴族の爵位も持ち、鍛えられすらりとした長身。ブラウンの髪と紅茶色の瞳の組み合わせは珍しい色彩ではなかったけれど、神に愛され命を吹き込まれた彫像のような整った美貌は社交界のご令嬢の憧れの的で。密かにメインヒーローと並ぶ程の人気が有った。
ゲームの登場人物としては、一部コアなファンがつきながらも、本編でもファンディスクでもヒロインの恋の相手になることはなく『もし再び続編が叶った時には次こそ彼を攻略対象に!』とSNSを中心に署名活動が行われたほどだ。
けれど結局、前世の私が生きているうちにおにい様がヒロインを愛することはなかった。
だから。前世でヒロインとして何度も何度も攻略対象たちとのエンディングを迎えた私も、おにい様が相手の展開は初めてで。実は嫉妬深い彼の一面に触れて戸惑う毎日だ。
今も、彼の前でかつての攻略対象と親しげにしてしまった『おしおき』をされている。
*
「──あっ、や、や、やぁ……! おに、様、そこ、何度も突いたら、や、やっ……!」
「ワガママで可愛い私のマリィ。君が対面座位は嫌だと言ったから後ろから愛することにしたのに。これも嫌だと言われたら困ってしまうな」
そんな風に苦笑しながらも、全然困ってなんかいない余裕の息づかいでドチュン!と子宮口に熱い怒張が押し付けられる。
「きゃぁぁっ?! や、ダメ、見えちゃう……! ここじゃ、外から、見えちゃう……!」
「そうだねマリィ。この窓からは運動場がよく見える。……ほら、君が昼休みに話していたグイド君がいるよ」
そう言って、窓辺で背後から私を貫いた体勢のまま、長く形の良い指が硝子の向こうを示す。
緑に囲まれた校舎の最上階。学園の運動場や中庭を見渡せる場所に位置する学園長室。
その部屋の広い窓から見える運動場には、確かにおにい様の言う人物の姿があった。
グイド先輩……ヒロインにとっては先輩だったけれど、マリーローズにとっては同級生である『ちょいワル攻略対象枠』のグイド・イロニー。
燃えるような赤髪と浅黒い肌が特徴の彼は、遠目からでも彼とわかるほどに目立っていた。複数人のチームにわかれてボールを蹴っているということは、きっと彼のクラスはサッカーに似た競技の授業中なのだろう。
「さっきは君と彼が教科書の貸し借りをしているのを見て目を疑ったよ。3年生までの君は身分が違うからと彼を毛嫌いしていたのに、まさか親しげに微笑んでいるなんて。何があったのかな?」
「あ! あぁ──!」
「まさか、彼に心変わりしたなんてこと、ないよね?」
「ひっ! あ、や! ぁっ! あ ん……っ!」
「言ってマリィ。君が、愛しているのは、誰?」
ぐっぐっと私の弱いポイントを凶器で責めながら、決まった答え以外を許さない圧力でおにい様が問いかける。
私がこの世界でマリーローズ・ドランとして目覚めた時には、既に恋人同士だったおにい様とマリーローズ。
最初は『神様』にお願いした希望とは違う状況に戸惑ったけれど、すぐに私はおにい様の愛とそれまでの記憶を受け入れた。
だって。私を溺愛するおにい様はとても優しくて完璧で。幼い頃からずっと私の理想の王子様だったのだ。
その王子様が隣にいるパートナーとして私を選んでくれたこと以上に喜ばしく誇らしいことなど有るだろうか。
彼に愛される日々は幸せで満ち足りていた。
ただ、前世のクセが抜けずについ攻略対象たちに親しげに接してしまう私の態度は度々おにい様の地雷を踏んでしまうらしく。
よくこうして『おしおき』されるはめになっている。
予想外に嫉妬深かった彼の一面。
その執着は度を越したものだと思うのに、戸惑いながらもその強さが嬉しいと思ってしまう私も、どこかちょっとおかしいのかもしれない。
「マリィ? こんな状況で興奮しているの? ブラウスの前を全部はだけてブラジャーからこぼれた裸の胸を窓硝子に押し付けて。あぁ、ぷっくり腫れて立ち上がった乳首が擦れているね」
「ぁあっ、ん……! っぁ! あっ……! あぁ!」
「スカートも全部捲れて、白くて柔らかいお尻も、私が出入りしてる場所も丸見えだ」
「だめ、おにい様っ、や! そんなに突きながら、クリトリスいじめないで……! あ、あ! イッちゃう! また、イッちゃう……!」
「いいよ。何度でもイくといい。……ただし、私の名前を呼びながらね。さぁっ、君が、愛してる男の名前を言いなさい……!」
「お、おに、おにい様っ! あ! おにい様……! クラウス……!」
「そう、クラウスだ。君が一番愛しているのも、君を今、快楽に溺れさせてるのも、この、私だ」
「ぁあ! 好き、クラウス好き……! 愛してる……!」
「よく言えたね可愛いマリィ。──ご褒美だ……!」
「あぁ──っ!」
硬度と大きさを増したおにい様が腰の動きを速めて、パンパンと肉同士がぶつかり合う卑猥な音が部屋に響く。
目の前も頭の中も真っ白になって、私は絶頂を駆け上がった。
「はぁ、あ、は……んっ」
気だるい余韻に震える太ももに、溢れた白濁が伝っていくのを感じながら。熱く絡ませ合う舌が終わらない情欲を再燃させる。
甘く優しく抱かれるのも好きだけど、いつもとは違う雰囲気のおにい様にこうしてちょっと乱暴に抱かれるのもすごくすごく気持ちいい。
「おにい様。マリィが悪いことをしてしまったら、また『おしおき』してね?」
きっと私はもうしばらくは前世のクセが抜けないけれど、マリーローズとしての人生を楽しくやっていけると、ウッカリ者の神様に感謝をした。
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