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「九堂くん?!」
「――――なんだ」
「え?」
「俺、来栖のことが好きなんだ」
好き。
ゲームの中でなら、彼の唇から何回も聞いたことのあるその言葉。
でも。今、九堂くんが抱きしめているのはヒロインじゃなくて。
ゲームだって、まだ始まってなくて。
自分の聞いた単語が信じられない。
「九堂くん……?! 相手、間違えてない?! 私、樹莉じゃないよ……?!」
「――は?! なんで、ここでアイツの名前が出てくんの?!」
「え、だって……! 樹莉が好きな人がいるって言っててっ」
「それと俺になんの関係があるの? 樹莉が好きなのは相川だろ? そのために、クジ細工して相川とペアになったんだから」
「えぇ?!」
全然、気づいてなかった。
樹莉は九堂くんのことが好きなんだってずっと思っていた。
「ヒロインとモブが話してるのあんまり見たことないから気づかなかった……っ」
(なかなか踏み出せない相手って、そういうことだったの樹莉――?!)
「――――なんだ」
「え?」
「俺、来栖のことが好きなんだ」
好き。
ゲームの中でなら、彼の唇から何回も聞いたことのあるその言葉。
でも。今、九堂くんが抱きしめているのはヒロインじゃなくて。
ゲームだって、まだ始まってなくて。
自分の聞いた単語が信じられない。
「九堂くん……?! 相手、間違えてない?! 私、樹莉じゃないよ……?!」
「――は?! なんで、ここでアイツの名前が出てくんの?!」
「え、だって……! 樹莉が好きな人がいるって言っててっ」
「それと俺になんの関係があるの? 樹莉が好きなのは相川だろ? そのために、クジ細工して相川とペアになったんだから」
「えぇ?!」
全然、気づいてなかった。
樹莉は九堂くんのことが好きなんだってずっと思っていた。
「ヒロインとモブが話してるのあんまり見たことないから気づかなかった……っ」
(なかなか踏み出せない相手って、そういうことだったの樹莉――?!)
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