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グラス

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グラスに注いだ焼酎を棒状のものでクルクルと混ぜながら私はこのくらいの量で大丈夫なのかなと思う。
合ってるのかなという顔をするとボーイの男性が大丈夫ですよと私に言う。
それでやっと安心しお客様に提供をした。

私は焼酎を呑んだことがなく
お酒自体も付き合い程度で殆ど呑まない。
無論作ったこともなかった。
ボーイの男性、駿(しゅん)さんがお酒の割り方のメモをくれていたのがかなり助かってそれを見ながら探り探りの状態で一日の体験は終わった。


その日は団体客が来て
そこにずっと座っていて
きっと使い物にならないくらい
ただ座って時折お酒を作って
いただけだというのに
なんだかとても時間が長く感じそして長らくの時間
愛想笑いをしていたことに対しても疲れを感じていた。




終わった後、
じゃあ次はいつは入れるかなと聞いてきたママさんに
体験ということで聞いてるので
少し考えさせて下さい。
また一週間以内に連絡しますと言うと
ママさんは目を見開き驚いたようなそんな表情をしていた。
やはり琴子さんとママさんの中での話が食い違っていたようだった。


私は付き合っている彼氏に
今終わったよとだけLINEを入れ店を出た。



エレベーターの一瞬のような時間の中で
はぁと一息つく。
実際のところ
ママさんも好印象だし
ボーイの男性、駿さんも優しい印象。
彼はママさんの息子だというのは今日知った。
キャストの女性も
今日は昨日と違い一人といなかったが
昨日みた感じだけでは
ツンケンしたような
夜の人っていうような私の勝手なイメージの感じは全くなかった。
店の雰囲気も良くて
そうだな後は自分次第かなというところで。


その時、エレベーターが開く。

「あれ?」

私は口を開いた。
また同じ階に止まったからだ。

一回上がっちゃったんだねと笑っていう
ママさんと息子の駿さんが目の前にいた。
私はぼーっとしていたみたいで
一回一番上に行ってから
またお店のある階に止まったのだ。
ハハッすみませんと笑う。閉まるドア。
今度は駿さんが乗ってきたエレベーターの中で私は思っているより疲れているのかもしれないと思った。


それじゃあと挨拶して帰ろうとしたところ

「今日入ってみてなんか嫌なところとかあった?」

と駿さんに聞かれる。

「いえ、全然そんなことはなくて。」

むしろ雰囲気も良くて…
と私はママさんの息子だから別に言いはしないからちゃんと話して欲しいという駿さんに最初っから自分の気持ちと経緯を話した。

長くなると思ったのか駿さんは
ちょっと入ろうかと
歩いて30秒もないバーに一緒に入った。

カラン。
グラスに入ったオレンジジュースを
ストローで混ぜながら
私は話をする。
不思議な感覚だった。
ほぼこの時初めて話をするのに
駿さんはとても話をしやすい人だった。


後々、駿さんは
自分のことを人見知りのタイプというがその言葉を聞いた時なんの嘘だと思ったくらいだった。
だけど確かに初対面の人には距離感があったり千を引くようなタイプなんだとそれも後々知ったことだった。
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