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055 四人パーティ結成
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「おう、結論は出たかな?」
「一応な。俺たちはまだダンジョンに入れないからニオレングまでだが、それでもいいか?」
「あぁ、構わない」
「なら決まりだ。よろしく頼む」
俺たちのパーティに待望の打撃武器使いが加わった。
「じゃあ、あらためて自己紹介だな」
あらためてもなにも俺たちはまだ名乗っていないのだが、それはいったん気にせず俺から名乗る。
「俺はレックス。盾持ちの剣士で収納も使える。よろしくな」
「マリーです。えっと、剣を使います。魔法も練習中です」
「セフィリア。ハーフエルフよ。弓と魔法、純然たる後衛だから、そのあたりよろしく」
「レックスとマリーとセフィリアだな。俺はエリック、片手槌を使ってる。東の片田舎から旅をしていて、やっとダンジョンに入れるようになったんだ。短い間かもしれないが、よろしく頼むぜ」
軽く拳で胸をたたくエリック。身に着けている鎧がガシャンと音を立てる。ブラウンホーンの素材からできているんだろうけど、けっこう金属みたいな音がするもんなんだな。
「で、いい依頼はあったか?」
ここが重要なところだ。三人では受けられない、あるいは今の俺たちでは実力不足な依頼もエリックが加わることでこなせるようになるかもしれない。
「これにしようと思うんだが、どうだ?」
「いいんじゃないか? 二人はどう思う?」
「これがいいと思います。やったことないことに挑戦したいです」
「商人の護衛……食事は雇用主持ちっていうのも魅力ね」
「じゃあ、決まりだ」
四人になった俺たちの初仕事は行商人の護衛だ。出発は明日の朝、行き先はニオレング。報酬は小銀貨4枚。一人当たり小銀貨1枚の報酬は馬一頭御者一人の個人行商にとっては定番の価格設定らしい。
「一応、戦闘の事前打ち合わせでもするか? 実地で。さすがに足手まといにはならないと思うけどさ」
「取り敢えずブラウンホーンでも狩るか? その装備を見る限り、手慣れているだろう?」
俺の問いにエリックはしっかりとうなずいた。
「そうだな、あいつらは腹が打撃に弱いから下から振り上げて倒すと素材の傷みも少なくて高く売れるんだ。普通、俺みたいな下級冒険者が錬金装備で全身を固められないんだけど、稼ぎやすい魔物を狩ったり、羽振りのいいパーティに帯同したりして、なんとか頑張ったぜ」
「なるほどな。頼りにしてるぜ先輩」
「お、おう。なんか年上にそう言われるとちっと照れるな」
「なーんか、男二人でさっそく打ち解けているわね」
「レックスさんらしいです」
「どうかしたか? まあ、とにかく行ってみようぜ」
マリーとセフィリア、そしてエリックとともに、ギルドを出て近くの森へと歩き出した。
「一応な。俺たちはまだダンジョンに入れないからニオレングまでだが、それでもいいか?」
「あぁ、構わない」
「なら決まりだ。よろしく頼む」
俺たちのパーティに待望の打撃武器使いが加わった。
「じゃあ、あらためて自己紹介だな」
あらためてもなにも俺たちはまだ名乗っていないのだが、それはいったん気にせず俺から名乗る。
「俺はレックス。盾持ちの剣士で収納も使える。よろしくな」
「マリーです。えっと、剣を使います。魔法も練習中です」
「セフィリア。ハーフエルフよ。弓と魔法、純然たる後衛だから、そのあたりよろしく」
「レックスとマリーとセフィリアだな。俺はエリック、片手槌を使ってる。東の片田舎から旅をしていて、やっとダンジョンに入れるようになったんだ。短い間かもしれないが、よろしく頼むぜ」
軽く拳で胸をたたくエリック。身に着けている鎧がガシャンと音を立てる。ブラウンホーンの素材からできているんだろうけど、けっこう金属みたいな音がするもんなんだな。
「で、いい依頼はあったか?」
ここが重要なところだ。三人では受けられない、あるいは今の俺たちでは実力不足な依頼もエリックが加わることでこなせるようになるかもしれない。
「これにしようと思うんだが、どうだ?」
「いいんじゃないか? 二人はどう思う?」
「これがいいと思います。やったことないことに挑戦したいです」
「商人の護衛……食事は雇用主持ちっていうのも魅力ね」
「じゃあ、決まりだ」
四人になった俺たちの初仕事は行商人の護衛だ。出発は明日の朝、行き先はニオレング。報酬は小銀貨4枚。一人当たり小銀貨1枚の報酬は馬一頭御者一人の個人行商にとっては定番の価格設定らしい。
「一応、戦闘の事前打ち合わせでもするか? 実地で。さすがに足手まといにはならないと思うけどさ」
「取り敢えずブラウンホーンでも狩るか? その装備を見る限り、手慣れているだろう?」
俺の問いにエリックはしっかりとうなずいた。
「そうだな、あいつらは腹が打撃に弱いから下から振り上げて倒すと素材の傷みも少なくて高く売れるんだ。普通、俺みたいな下級冒険者が錬金装備で全身を固められないんだけど、稼ぎやすい魔物を狩ったり、羽振りのいいパーティに帯同したりして、なんとか頑張ったぜ」
「なるほどな。頼りにしてるぜ先輩」
「お、おう。なんか年上にそう言われるとちっと照れるな」
「なーんか、男二人でさっそく打ち解けているわね」
「レックスさんらしいです」
「どうかしたか? まあ、とにかく行ってみようぜ」
マリーとセフィリア、そしてエリックとともに、ギルドを出て近くの森へと歩き出した。
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