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053 突然の申し出
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ナランハの村にあるギルドで受けられる依頼に実入りのいいものはなかなか無かった。討伐系ならブラウンホーンがまだいい方か。他にも護衛のお仕事が紹介されているものの、四人以上のパーティでないと受託できないこともあり、受ける依頼に悩まされている。
一応、ナランハを出て北上すればニオレングという街がある。フレッサと同等の規模らしく、そこで塩とか砂糖を売ってまとまったお金を手に入れつつ、また依頼を受けつつフレッサに戻るようにしたい。
「取り敢えずはニオレングに向かうとしようか」
「今、ニオレングに行くって言ったか?」
俺たちの間で次の行き先が定まったタイミングで、近くを通った人に声をかけられた。茶褐色の鎧を着た……少年?
「あぁ、すまない。俺はエリック。東にあるルーシゴルからニオレングに向けて旅をしているんだが、同行させてもらえないか?」
突然の申し出に俺はひとまずエリックと名乗った彼を鑑定していることにした。
名前:エリック
年齢:17
種族:人間・男性
職業:冒険者・片手槌使い
レベル:18
HP:587/615
MP:91/104
攻撃力:67(+20)
防御力:58(+35)
素早さ:42(-2)
魔法力:33
精神力:58
器用さ:50
アクティブスキル:槌技(小) 盾技(小) 土魔術(下)
パッシブスキル:身体強化(小) 槌適性(小) 盾適性(小) 挑発(下) 重装適性(微) 健脚(微)
装備:鉄混骨の片手槌、鉄の丸盾、茶甲蟲の角兜、混紡糸の鎧下、茶甲蟲の軽鎧、茶甲蟲の手甲、茶甲蟲の具足
なるほど。茶褐色の防具はブラウンホーンの素材から作られた装備なのか。なんとなくだが、狩りを主題としたゲームの登場人物みたいだ。
「もし答えてくれるなら、冒険者としての級を聞きたい」
鑑定スキルのランクによるものなのか、あるいはこれは鑑定できないのか、何級の冒険家者かは分からない。レベルからして俺たちとかけ離れた等級ではないだろうが、はたして。
「最近五級になったばかりだ。とはいえ、これでダンジョンに入れるようになった。俺はニオレングから船でポルテンスへ行ってダンジョンに行こうと思っている」
ポルテンス……新しい地名だ。セフィリアが地図を出してくれる。今更だがこの国はファステイア王国といってファース湖という湖が広がっている国だ。湖に対してスタル村は南西にあり、俺たちは少し北上してから東へ移動していた。
そして、ポルテンスとニオレングはそれぞれ湖の西と東にある港町で、ポルテンスはフレッサの北にある。その中央くらいにダンジョンのある村、テウス村がある。テウス村はテウス山の頂上付近にあり、テウスダンジョンを管理している。フレッサからもポルテンスからも二日ほどの距離だが、深い森の中での登山は相応に難所だ。
それはさておき、目下考えるべきは彼の申し出を受け入れるか否か、ってところか。
「取り敢えず……ちょっと相談させてくれ。宿は夕焼けナランハ亭だろう?」
「そうだが、まあできれば早く決めてくれよな。他に声を掛けなくっちゃだし。しばらくはまだここにいるからよ」
そう言ってエリックは買い取りカウンターの方へ歩いて行った。昨日のうちに素材を預けていたのだろうか。
ひとまず俺たちは手近なテーブルで話し合うことにした。
一応、ナランハを出て北上すればニオレングという街がある。フレッサと同等の規模らしく、そこで塩とか砂糖を売ってまとまったお金を手に入れつつ、また依頼を受けつつフレッサに戻るようにしたい。
「取り敢えずはニオレングに向かうとしようか」
「今、ニオレングに行くって言ったか?」
俺たちの間で次の行き先が定まったタイミングで、近くを通った人に声をかけられた。茶褐色の鎧を着た……少年?
「あぁ、すまない。俺はエリック。東にあるルーシゴルからニオレングに向けて旅をしているんだが、同行させてもらえないか?」
突然の申し出に俺はひとまずエリックと名乗った彼を鑑定していることにした。
名前:エリック
年齢:17
種族:人間・男性
職業:冒険者・片手槌使い
レベル:18
HP:587/615
MP:91/104
攻撃力:67(+20)
防御力:58(+35)
素早さ:42(-2)
魔法力:33
精神力:58
器用さ:50
アクティブスキル:槌技(小) 盾技(小) 土魔術(下)
パッシブスキル:身体強化(小) 槌適性(小) 盾適性(小) 挑発(下) 重装適性(微) 健脚(微)
装備:鉄混骨の片手槌、鉄の丸盾、茶甲蟲の角兜、混紡糸の鎧下、茶甲蟲の軽鎧、茶甲蟲の手甲、茶甲蟲の具足
なるほど。茶褐色の防具はブラウンホーンの素材から作られた装備なのか。なんとなくだが、狩りを主題としたゲームの登場人物みたいだ。
「もし答えてくれるなら、冒険者としての級を聞きたい」
鑑定スキルのランクによるものなのか、あるいはこれは鑑定できないのか、何級の冒険家者かは分からない。レベルからして俺たちとかけ離れた等級ではないだろうが、はたして。
「最近五級になったばかりだ。とはいえ、これでダンジョンに入れるようになった。俺はニオレングから船でポルテンスへ行ってダンジョンに行こうと思っている」
ポルテンス……新しい地名だ。セフィリアが地図を出してくれる。今更だがこの国はファステイア王国といってファース湖という湖が広がっている国だ。湖に対してスタル村は南西にあり、俺たちは少し北上してから東へ移動していた。
そして、ポルテンスとニオレングはそれぞれ湖の西と東にある港町で、ポルテンスはフレッサの北にある。その中央くらいにダンジョンのある村、テウス村がある。テウス村はテウス山の頂上付近にあり、テウスダンジョンを管理している。フレッサからもポルテンスからも二日ほどの距離だが、深い森の中での登山は相応に難所だ。
それはさておき、目下考えるべきは彼の申し出を受け入れるか否か、ってところか。
「取り敢えず……ちょっと相談させてくれ。宿は夕焼けナランハ亭だろう?」
「そうだが、まあできれば早く決めてくれよな。他に声を掛けなくっちゃだし。しばらくはまだここにいるからよ」
そう言ってエリックは買い取りカウンターの方へ歩いて行った。昨日のうちに素材を預けていたのだろうか。
ひとまず俺たちは手近なテーブルで話し合うことにした。
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