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037 六級冒険者になった!
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エヒュラ村と違ってフレッサには武器防具屋が複数あって、たまたま俺たちが入った店には錬金術師が作成した武具も売られていた。
なかでも気になったのは、それこそ俺たちが討伐していたフォレストウルフやコボルトの骨や牙を素材に作られた片手剣だ。犬狼の片手剣という装備で、基礎攻撃力は15と俺の持っている鉄の剣より高いのに、ものすごく軽量だ。半分とまではいかないが、七割くらいの重量だ。これならマリーでも軽々と振るえるだろう。
「なるほど……これが錬金武器なのか」
価格は小銀貨2枚と買えなくはない金額。
「レックスさんが今使っている剣を私が引き取りますから、この剣を買ったらどうですか?」
マリーの後押しもあって、この剣を買うことにした。確かに、エヒュラ村で剣を買った時もマリーが使える軽めの剣を選んだからなぁ。おさがりを渡すのに少しだけ申し訳なさがあるけど、マリーがいいって言うんだからよしとしよう。
なおセフィリアはヴェオ樫という樹から作られた弓と短杖、そして矢を100本買うと言うのでお会計はトータルで小銀貨4枚と大銅貨3枚となった。……塩を売っていなかったらとっくに無一文だな。どこか別の街に行ったらまた塩ないし胡椒を売るとしよう。最低限の金策手段があれば心の余裕にもなるし、防具の買い替えも検討できるからな。
装備も新たに冒険者ギルドへ向かう。相変わらず盛況だが、依頼の掲示板周辺に人は少ない。……依頼も少ない。
「六級の依頼は……ゴブリン討伐か。しかもこの辺じゃなくてサイエー村? どこだ?」
「サイエー村はフレッサから西に行った村ですね。朝いちばんに出発すれば日帰りできますけど、今から行くと向こうに着くのは日暮れ時か宵の口になっちゃいますね」
冒険者ギルドに張り出された地図を見ながら、マリーが教えてくれる。地図かぁ。遠出するなら持っていたいところではあるなぁ。いっそ自分たちで作るか。……マイホームスキルの消耗品生成でノートとか紙とか筆記用具とか出せるかな。あとで確認しておこう。
「他の依頼は……薬草採取と水樽の運搬かぁ。どっちも七級だけど、どうする?」
マリーに問いかける。マリーは、ちょっと考えてから依頼を受ける判断を下した。マリーの達成数にはカウントされないけど、とにかく俺とセフィリアの昇級を優先した形だ。受付嬢に手続きをしてもらい、俺たちは早速出発した。
武器を新調したのに討伐系の依頼を受けないっていうのが寂しいところではあるが、水樽の運搬は街の中でやる依頼にしては報酬が大銅貨5枚と高額でありがたい。……が。
「これ、しんどい……な」
フレッサの街には南北に川が通っていて、南に流れる川下にはそれこそ俺とマリーが出会った森がある。逆に川上である北東を目指せば山とダンジョンがあるらしい。その途中には湖があって、ノイトン村という場所があるらしい。
で、水樽はノイトン村から川を下って船で運ばれ、船からおろして運搬するのだ。これがなかなか大変で、一つ一つの樽が重いのも当然なのだが、船から持ち上げるのが難しい。足元がぐらつくなかで樽を持ち上げるのだが、意外とマリーはあっさり運ぶし、セフィリアはどうやら風魔術を操って重さを軽減しているらしい。
「大銅貨5枚じゃ……ちっと足りないだろ……ひぃ、ひぃ……」
三人でざっくり三十樽を運んで依頼を達成。運送屋から達成の書面をもらい、疲れた身体をひきずって薬草探しにとりかかる。
草原でたまに襲ってくるワイルドラビットを討伐しつつ、ドイエ草を採取する。昨日も採取したのでより効率的に採ることができた。
「はぁ、日も傾いてきたしギルド戻るか」
「そうね、早く戻りましょう」
「はい!」
ギルドで依頼の達成報酬として大銅貨5枚と小銅貨5枚、そしてワイルドラビットの素材買い取りで大銅貨1枚をもらった。ギルドカードも更新してもらい、無事に六級冒険者の仲間入りだ。^みたいなマークが一本だったのが二本になった。六級冒険者になったことで、五級の依頼も受けられるようにはなったが、討伐系の依頼は倒せる相手かきっちり見極めないといけないな。
「そんじゃホームに戻るか」
次の部屋拡張に必要なホームポイントは100……頑張って成長しないとな。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
レックスたちの所持金
前:小金貨1枚 大銀貨5枚 小銀貨0枚 大銅貨0枚 小銅貨7枚
収入:大銅貨6枚 小銅貨5枚
支出:小銀貨4枚 大銅貨3枚
後:小金貨1枚 大銀貨4枚 小銀貨5枚 大銅貨13枚 小銅貨12枚
なかでも気になったのは、それこそ俺たちが討伐していたフォレストウルフやコボルトの骨や牙を素材に作られた片手剣だ。犬狼の片手剣という装備で、基礎攻撃力は15と俺の持っている鉄の剣より高いのに、ものすごく軽量だ。半分とまではいかないが、七割くらいの重量だ。これならマリーでも軽々と振るえるだろう。
「なるほど……これが錬金武器なのか」
価格は小銀貨2枚と買えなくはない金額。
「レックスさんが今使っている剣を私が引き取りますから、この剣を買ったらどうですか?」
マリーの後押しもあって、この剣を買うことにした。確かに、エヒュラ村で剣を買った時もマリーが使える軽めの剣を選んだからなぁ。おさがりを渡すのに少しだけ申し訳なさがあるけど、マリーがいいって言うんだからよしとしよう。
なおセフィリアはヴェオ樫という樹から作られた弓と短杖、そして矢を100本買うと言うのでお会計はトータルで小銀貨4枚と大銅貨3枚となった。……塩を売っていなかったらとっくに無一文だな。どこか別の街に行ったらまた塩ないし胡椒を売るとしよう。最低限の金策手段があれば心の余裕にもなるし、防具の買い替えも検討できるからな。
装備も新たに冒険者ギルドへ向かう。相変わらず盛況だが、依頼の掲示板周辺に人は少ない。……依頼も少ない。
「六級の依頼は……ゴブリン討伐か。しかもこの辺じゃなくてサイエー村? どこだ?」
「サイエー村はフレッサから西に行った村ですね。朝いちばんに出発すれば日帰りできますけど、今から行くと向こうに着くのは日暮れ時か宵の口になっちゃいますね」
冒険者ギルドに張り出された地図を見ながら、マリーが教えてくれる。地図かぁ。遠出するなら持っていたいところではあるなぁ。いっそ自分たちで作るか。……マイホームスキルの消耗品生成でノートとか紙とか筆記用具とか出せるかな。あとで確認しておこう。
「他の依頼は……薬草採取と水樽の運搬かぁ。どっちも七級だけど、どうする?」
マリーに問いかける。マリーは、ちょっと考えてから依頼を受ける判断を下した。マリーの達成数にはカウントされないけど、とにかく俺とセフィリアの昇級を優先した形だ。受付嬢に手続きをしてもらい、俺たちは早速出発した。
武器を新調したのに討伐系の依頼を受けないっていうのが寂しいところではあるが、水樽の運搬は街の中でやる依頼にしては報酬が大銅貨5枚と高額でありがたい。……が。
「これ、しんどい……な」
フレッサの街には南北に川が通っていて、南に流れる川下にはそれこそ俺とマリーが出会った森がある。逆に川上である北東を目指せば山とダンジョンがあるらしい。その途中には湖があって、ノイトン村という場所があるらしい。
で、水樽はノイトン村から川を下って船で運ばれ、船からおろして運搬するのだ。これがなかなか大変で、一つ一つの樽が重いのも当然なのだが、船から持ち上げるのが難しい。足元がぐらつくなかで樽を持ち上げるのだが、意外とマリーはあっさり運ぶし、セフィリアはどうやら風魔術を操って重さを軽減しているらしい。
「大銅貨5枚じゃ……ちっと足りないだろ……ひぃ、ひぃ……」
三人でざっくり三十樽を運んで依頼を達成。運送屋から達成の書面をもらい、疲れた身体をひきずって薬草探しにとりかかる。
草原でたまに襲ってくるワイルドラビットを討伐しつつ、ドイエ草を採取する。昨日も採取したのでより効率的に採ることができた。
「はぁ、日も傾いてきたしギルド戻るか」
「そうね、早く戻りましょう」
「はい!」
ギルドで依頼の達成報酬として大銅貨5枚と小銅貨5枚、そしてワイルドラビットの素材買い取りで大銅貨1枚をもらった。ギルドカードも更新してもらい、無事に六級冒険者の仲間入りだ。^みたいなマークが一本だったのが二本になった。六級冒険者になったことで、五級の依頼も受けられるようにはなったが、討伐系の依頼は倒せる相手かきっちり見極めないといけないな。
「そんじゃホームに戻るか」
次の部屋拡張に必要なホームポイントは100……頑張って成長しないとな。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
レックスたちの所持金
前:小金貨1枚 大銀貨5枚 小銀貨0枚 大銅貨0枚 小銅貨7枚
収入:大銅貨6枚 小銅貨5枚
支出:小銀貨4枚 大銅貨3枚
後:小金貨1枚 大銀貨4枚 小銀貨5枚 大銅貨13枚 小銅貨12枚
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