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031 依頼を初達成!
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再び移動を開始する。コボルトは群れで行動していることが多く、こちらを発見するなりすぐに襲ってくるらしい。そのため、複数同時に相手取ることになる。セフィリアのバフのおかげで身体能力が向上しているから、苦戦することはないと思うが。
ほどなくしてコボルトと会敵したが、四匹の群れだった。
「マリー、さっきと同じ感じでやるぞ。セフィリアもいいな?」
「はい! レックスさん、行きますよ」
「分かったわ。そのうち弓矢、買ってよね」
俺とマリーが剣を構えて突進する。マリーは正面にいたコボルトに切りかかる。コボルトはマリーに反撃しようするも、振りかぶった爪は空を切る。俺は右側にいた二匹に狙いを定めて剣を突き出す。そのまま右方向に薙ぎ払うように剣を振るう。一匹目のコボルトは胴体を切り裂かれて倒れ込む。二匹目は斬撃が首にヒットしてそのまま絶命。マリーの方も二匹目まできっちり屠っており、戦闘は終了。セフィリアが何もすることがなかったと不貞腐れ気味だが、まぁそういう時もあるってことで。
お金もある程度あるし、マリーの弓矢や魔術の安定化のためにも短杖を買うとしようかな。それに普段着もあと何着かあると助かるし。なにはともあれ、依頼ではコボルトの討伐は10体が条件だから、もう少し探さねば。
「よし、まだ時間はあるし、もう少し探そうぜ」
「そうですね。もうちょっと頑張りましょう」
「次は私がやるから、援護してね」
セフィリアもわりと武闘派だなぁ。まぁ、魔術師だから武闘派っていうのも違うか。戦いのカンが鈍らないようにってことなんだろうけど。
三分も索敵すれば今度はおあつらえ向きにコボルト6体を発見した。これらを逃がさず倒せば依頼はクリアだ。
「始めるわよ! 疾風の刃、飛来せよ――ウィンドカッター!」
セフィリアが放った風の刃がコボルトたちを斬り刻む。血しぶきをあげながらドサドサと肉片の山に……いや、ちっとグロいな。ていうかマズくないか? コボルトたちの身体が細切れになってしまったら、素材としては価値がない状態だろうに。コボルトの討伐証明部位は牙や爪なので、とりあえずその辺が粉々じゃないか確認する。
「……セフィリア、ちっとやりすぎじゃないか?」
「えっと……。まぁ、たまにあるのよ。会心の一撃っていうか、思ったより魔力を込めちゃったやつが。もう! そういうのを抑えるためにも杖が必要なんだからね!!」
この世界の魔術師は別に杖がなくても魔術の行使ができる。実際、現状のセフィリアは杖を使ってないし。とはいえ、集中力を高めたり魔術の精度を上げたりするのに杖が必要らしい。あとは魔物に近づかれた時の護身にも。
「レックスさん、爪と牙は無事です!」
「お、おう。良かった……」
バラバラ死体にも動じないマリーにやっぱり異世界人って胆力からして違うよなぁとしみじみ思うのだった。
セフィリアの魔術でバラバラになったコボルトたちだったが、幸いなことに爪と牙が無傷だった。というわけで、マリーと協力して回収していく。全て回収したらフレッサの街へと戻る。日も高くなってきて少しお腹が空いてきたのだが、見通しのいい草原でマイホームへ移動しようとしたら誰に見られるか分かったものじゃないからな。取り敢えず依頼の達成報告を先にしてしまおうということになった。
「あぁ、戻ってきたな~」
冒険者として登録したおかげで通行税も払わなくていいし、一仕事終えた爽快感に浸れるってものよ。
討伐報酬と素材の売却でいくらになることやら。期待に胸を膨らませつつ、ギルドへと向かうのだった。
ほどなくしてコボルトと会敵したが、四匹の群れだった。
「マリー、さっきと同じ感じでやるぞ。セフィリアもいいな?」
「はい! レックスさん、行きますよ」
「分かったわ。そのうち弓矢、買ってよね」
俺とマリーが剣を構えて突進する。マリーは正面にいたコボルトに切りかかる。コボルトはマリーに反撃しようするも、振りかぶった爪は空を切る。俺は右側にいた二匹に狙いを定めて剣を突き出す。そのまま右方向に薙ぎ払うように剣を振るう。一匹目のコボルトは胴体を切り裂かれて倒れ込む。二匹目は斬撃が首にヒットしてそのまま絶命。マリーの方も二匹目まできっちり屠っており、戦闘は終了。セフィリアが何もすることがなかったと不貞腐れ気味だが、まぁそういう時もあるってことで。
お金もある程度あるし、マリーの弓矢や魔術の安定化のためにも短杖を買うとしようかな。それに普段着もあと何着かあると助かるし。なにはともあれ、依頼ではコボルトの討伐は10体が条件だから、もう少し探さねば。
「よし、まだ時間はあるし、もう少し探そうぜ」
「そうですね。もうちょっと頑張りましょう」
「次は私がやるから、援護してね」
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三分も索敵すれば今度はおあつらえ向きにコボルト6体を発見した。これらを逃がさず倒せば依頼はクリアだ。
「始めるわよ! 疾風の刃、飛来せよ――ウィンドカッター!」
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「……セフィリア、ちっとやりすぎじゃないか?」
「えっと……。まぁ、たまにあるのよ。会心の一撃っていうか、思ったより魔力を込めちゃったやつが。もう! そういうのを抑えるためにも杖が必要なんだからね!!」
この世界の魔術師は別に杖がなくても魔術の行使ができる。実際、現状のセフィリアは杖を使ってないし。とはいえ、集中力を高めたり魔術の精度を上げたりするのに杖が必要らしい。あとは魔物に近づかれた時の護身にも。
「レックスさん、爪と牙は無事です!」
「お、おう。良かった……」
バラバラ死体にも動じないマリーにやっぱり異世界人って胆力からして違うよなぁとしみじみ思うのだった。
セフィリアの魔術でバラバラになったコボルトたちだったが、幸いなことに爪と牙が無傷だった。というわけで、マリーと協力して回収していく。全て回収したらフレッサの街へと戻る。日も高くなってきて少しお腹が空いてきたのだが、見通しのいい草原でマイホームへ移動しようとしたら誰に見られるか分かったものじゃないからな。取り敢えず依頼の達成報告を先にしてしまおうということになった。
「あぁ、戻ってきたな~」
冒険者として登録したおかげで通行税も払わなくていいし、一仕事終えた爽快感に浸れるってものよ。
討伐報酬と素材の売却でいくらになることやら。期待に胸を膨らませつつ、ギルドへと向かうのだった。
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