ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~

楠富 つかさ

文字の大きさ
上 下
23 / 84

023 ステータス確認

しおりを挟む
 セフィリア先生の魔力講座が急遽行われたことによって旅の工程はちょっと遅れてしまった。が、まぁ致し方ない。
 この世界には魔法を使うための魔力が遍在している。当然、人間の身体にも魔力がありステータスで言えばMPだ。もともとは無属性であるこの純粋な魔力を、魔術として行使するにあたって様々な属性に反応させる必要があるということだ。
 これらは前にマリーが言っていたように、攻撃に仕えないレベルであっても例えば燭台に火を灯す程度の行使でもいい。そうやって魔力の行使に身体を馴染ませていくことで、徐々に魔術師としての才能が開花するらしい。そこには当然個人差があるが。
 実際、この世界でメジャーな属性といえば生活にも使える火と水らしい。そこに風と土を加えた四大属性が普通レベル。さらに雷、氷、鉄、木といった派生属性があり、他にも光や闇、治癒といった特殊な属性もあるらしい。

「そんないっぺんには覚えられないよ……」

 夕食を食べた後、マイホームのリビングで大の字になる。今日はハンマーボアを解体したこともあって久々に肉を食べることができて、それでかなり満足度は高かった。マイホームスキルで塩が取り寄せられることもあって、流れ出た塩分も補給できたし。
 未だ風呂のない我が家だが、川沿いの道を進んだこともあり多少は身ぎれいにすることもできた。やはり魔物を狩れば汚れるからね。
 そういえば昨日からステータスを見てなかったな。

「ステータスオープン」

名前:タツヤ・イエイリ
年齢:25
種族:人間・男性
職業:無職
レベル:7
HP:275/275
MP:50/50
攻撃力:32(+12)
防御力:25(+16)
素早さ:22
魔法力:18
精神力:25
器用さ:28
アクティブスキル:剣技(序) 盾技(序)
パッシブスキル:鑑定(小) 言語の加護(下) 即死耐性(小) 身体強化(下) 盾適性(微) 魔力把握(序)
ユニークスキル:マイホーム
称号:転移者
装備:鉄の長剣、補強された丸盾、麻布の服、簡素な革の脛当て、旅人のブーツ
スキルポイント26
ホームポイント45

 おぉ、やっとスキルに剣技が! なんなら盾技もある。これってあれか、武器に魔力を通す感覚を理解したことが影響あるのか……?
 レベルは2つ上がってポイントも潤沢だ。取り敢えずランクが序のものは1ポイント使って微に、さらに3ポイント使って下までランクアップさせる。これでポイントが12消費されて残り14……盾適性を3ポイント使って微から下へ。さらに10ポイント使って鑑定を小から中へランクアップさせる。

アクティブスキル:剣技(下) 盾技(下)
パッシブスキル:鑑定(中) 言語の加護(下) 即死耐性(小) 身体強化(下) 盾適性(下) 魔力把握(下)
ユニークスキル:マイホーム
スキルポイント1

 とまぁ、スキルポイントをほぼ使い切ったが大満足だ。
 鑑定をランクアップさせたおかげでスキルの詳細も見られるようになった。例えば【盾適性(下):片手盾を扱いやすくなるスキル。(下)補正により片手盾装備時防御力+3】のように、スキルによるステータスへの影響が分かるようになったのだ。

「レックスさん、なんだか嬉しそうですね」
「あぁ、自分を鑑定して強くなったのを実感してたところだ」
「そうなんですね! 私も見てもらっていいですか?」
「あ、あぁ。分かった」

名前:マリー
年齢:16
種族:人間・女性
職業:冒険者・剣士
Lv:7
HP:216/216
MP:30/30
攻撃力:19(+10)
防御力:16(+12)
素早さ:20
魔法力:21
精神力:17
器用さ:25
アクティブスキル:剣術(微)
パッシブスキル:商才(小) 交渉(微) 回避(序) 投擲(微) 解体(微)
装備:粗鉄の片手剣、簡素な革の胸当て(女性用)、簡素な革の籠手、簡素な革のサンダル

「マリーも着実に強くなってるね」
「そうなんですね! 良かったぁ。あまり実感が沸かなくて」
「……普通は自分のステータスなんてしょっちゅう見られるものじゃないからね」

 セフィリアがぼそっと呟く。鑑定スキルを持っている人間はそう多くないし、普通は冒険者ギルドで等級が上がった時とか、クラスチェンジした時くらいしか見られないらしい。なお、クラスっていうのは鑑定ランクが上がったことで見られるようになったマリーで言えば冒険者の後に出てくる剣士の部分だ。
 ギルドや神殿で戦いの神に自らの戦い方を宣誓すると、レベルアップ時にステータスの補正が得られるという。うーん、実にRPGだ。
 ささっとセフィリアも鑑定するがレベルアップしていなかった。さほど戦っていない上に俺たちよりレベルが少し上なんだ。上がりにくいのだろう。

「さて、明日はフレッサの街の着くだろうから今日はもう寝るとしよう」
「うん、おやすみ」
「おやすみなさい」

 俺たち3人で六畳一間で寝るのも、次のレベルアップまでかな。……流石に狭いからな。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。 ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。 仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった

Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。 *ちょっとネタばれ 水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!! *11月にHOTランキング一位獲得しました。 *なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。 *パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

鋼なるドラーガ・ノート ~S級パーティーから超絶無能の烙印を押されて追放される賢者、今更やめてくれと言われてももう遅い~

月江堂
ファンタジー
― 後から俺の実力に気付いたところでもう遅い。絶対に辞めないからな ―  “賢者”ドラーガ・ノート。鋼の二つ名で知られる彼がSランク冒険者パーティー、メッツァトルに加入した時、誰もが彼の活躍を期待していた。  だが蓋を開けてみれば彼は無能の極致。強い魔法は使えず、運動神経は鈍くて小動物にすら勝てない。無能なだけならばまだしも味方の足を引っ張って仲間を危機に陥れる始末。  当然パーティーのリーダー“勇者”アルグスは彼に「無能」の烙印を押し、パーティーから追放する非情な決断をするのだが、しかしそこには彼を追い出すことのできない如何ともしがたい事情が存在するのだった。  ドラーガを追放できない理由とは一体何なのか!?  そしてこの賢者はなぜこんなにも無能なのに常に偉そうなのか!?  彼の秘められた実力とは一体何なのか? そもそもそんなもの実在するのか!?  力こそが全てであり、鋼の教えと闇を司る魔が支配する世界。ムカフ島と呼ばれる火山のダンジョンの攻略を通して彼らはやがて大きな陰謀に巻き込まれてゆく。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

処理中です...