9 / 84
009 閑話休題みたいなもの
しおりを挟む
マリーが剣で戦ってくれるようになったおかげで、戦闘はかなりスムーズになった。複数のゴブリンを相手にしても十分戦えるし、挟み撃ちに逢う危険が減り、逆に敵を挟み撃ちにすることもできるようになった。
俺とマリーはほぼ同じタイミングでレベル4にレベルアップした。だが、マリーの剣捌きは目を見張るものがあった。これがスキルの差ということだろうか。
「マリー、聞いてもいいか?」
もうじき森を抜けるというタイミング、こういう時こそ油断できないから俺たちは休息をとることにした。今の部屋にはコップすらないから、初日に食べたカップ麺のカップを洗って使っている。
「スキルってどうやって成長する? どうやったら覚える?」
「そうですね……モンスターを倒して経験を積むことで自身を成長させることで、スキルもおのずと成長すると言われています。また、同じ動作を繰り返すことでスキルを習得するとも言われていますね」
なるほど……だからマリーは投擲のスキルを習得したんだ。最初に会った時には覚えていなかったスキルだが、前回鑑定した時から発生していた。あと、解体も。一定回数同じ動作を繰り返したことで、スキルとして体得したってことなんだろう。……まぁ、まだ俺のスキルに剣術はないんだが。ククリを振り回していて短剣術も覚えられなかったわけだし、おそらく反復がまだ足りないのだろう。レベルアップの時には覚えられたらいいな。
「魔法はどうやったら覚えられる? マリー、魔力けっこうあるよな?」
「え? レックスさんって鑑定持ちだったんですか?」
「……あれ、言ってなかったっけ」
「はい。鑑定は未だに習得方法が不明瞭なスキルなんです。商人には覚える方も多いですが、逆に商人だけどいっこうに覚えない人、商売と関係ない冒険者が急に鑑定スキルを習得したりと、不思議なんです」
異世界転移したから習得してますとは、流石に言えないよな。ていうか、鑑定されたら俺の称号である転移者っていうのがバレちまうのでは……? 称号について聞きたい気持ちはあるが、ここはぐっと堪えよう。
「えっと、魔法の話でしたっけ。私もちょっと火を灯すくらいはできますけど、火魔法のスキルを習得するほどの精度じゃないですね。魔法系のスキルは地道な鍛錬か魔法学校で徹底的に教わるか、実戦の中で覚醒するか、って感じです」
「そうだったのか。マリーは物知りだな。いろいろ教えてくれてありがとう」
「いえ……」
マリーは少し頬を染めて俯いた。…………照れてる??
にしても、鑑定ってレアスキルの部類なんだなあ。ちゃんと育てていった方がいいかもしれない。てなわけで、これが今の俺たちのステータス。
名前:タツヤ・イエイリ
年齢:25
種族:人間
職業:無職
レベル:4
HP:174/180
MP:30/30
攻撃力:15(+10)
防御力:11(+15)
素早さ:10
魔法力:7
精神力:13
器用さ:16
アクティブスキル:なし
パッシブスキル:鑑定(下) 言語の加護(下) 即死耐性(小) 身体強化(微)
ユニークスキル:マイホーム
称号:転移者
装備:粗鉄の長剣、補強された丸盾、麻布の服、簡素な革の脛当て、旅人のブーツ
スキルポイント5
とまぁ、こんな感じだ。剣術スキルを習得した時に備えてスキルポイントを温存しているが、そろそろ身体強化をランクアップさせようか悩む。まだ戦闘に苦しんではいないから、大丈夫だろうと思っているが……この先どんな強敵と遭遇するか分かったものじゃないからね。
で、こっちがマリーの鑑定結果。
名前:マリー
年齢:16
種族:人間
職業:冒険者
Lv:4
HP:152/152
MP:22/22
攻撃力:11(+8)
防御力:10(+12)
素早さ:14
魔法力:15
精神力:10
器用さ:18
アクティブスキル:剣術(序)
パッシブスキル:商才(小) 交渉(微) 回避(序) 投擲(序) 解体(序)
装備:粗鉄の軽量剣、簡素な革の胸当て(女性用)、簡素な革の籠手、簡素な革のサンダル
身体強化スキルのおかげで同じレベルでもマリーより攻守においては高いステータスを示す俺、魔法の習得は難しいらしいし、頑張って剣を覚えるよりほかないのか……。頑張ろう。
鑑定スキルを下までランクアップさせたことで、種族の鑑定ができるようになった。ということは人間以外の種族もこの世界にはいるってことだろう。
楽しみまだまだいっぱいあるな。
「さて、森を抜けるか」
「はい! 行きましょう!!」
俺とマリーはほぼ同じタイミングでレベル4にレベルアップした。だが、マリーの剣捌きは目を見張るものがあった。これがスキルの差ということだろうか。
「マリー、聞いてもいいか?」
もうじき森を抜けるというタイミング、こういう時こそ油断できないから俺たちは休息をとることにした。今の部屋にはコップすらないから、初日に食べたカップ麺のカップを洗って使っている。
「スキルってどうやって成長する? どうやったら覚える?」
「そうですね……モンスターを倒して経験を積むことで自身を成長させることで、スキルもおのずと成長すると言われています。また、同じ動作を繰り返すことでスキルを習得するとも言われていますね」
なるほど……だからマリーは投擲のスキルを習得したんだ。最初に会った時には覚えていなかったスキルだが、前回鑑定した時から発生していた。あと、解体も。一定回数同じ動作を繰り返したことで、スキルとして体得したってことなんだろう。……まぁ、まだ俺のスキルに剣術はないんだが。ククリを振り回していて短剣術も覚えられなかったわけだし、おそらく反復がまだ足りないのだろう。レベルアップの時には覚えられたらいいな。
「魔法はどうやったら覚えられる? マリー、魔力けっこうあるよな?」
「え? レックスさんって鑑定持ちだったんですか?」
「……あれ、言ってなかったっけ」
「はい。鑑定は未だに習得方法が不明瞭なスキルなんです。商人には覚える方も多いですが、逆に商人だけどいっこうに覚えない人、商売と関係ない冒険者が急に鑑定スキルを習得したりと、不思議なんです」
異世界転移したから習得してますとは、流石に言えないよな。ていうか、鑑定されたら俺の称号である転移者っていうのがバレちまうのでは……? 称号について聞きたい気持ちはあるが、ここはぐっと堪えよう。
「えっと、魔法の話でしたっけ。私もちょっと火を灯すくらいはできますけど、火魔法のスキルを習得するほどの精度じゃないですね。魔法系のスキルは地道な鍛錬か魔法学校で徹底的に教わるか、実戦の中で覚醒するか、って感じです」
「そうだったのか。マリーは物知りだな。いろいろ教えてくれてありがとう」
「いえ……」
マリーは少し頬を染めて俯いた。…………照れてる??
にしても、鑑定ってレアスキルの部類なんだなあ。ちゃんと育てていった方がいいかもしれない。てなわけで、これが今の俺たちのステータス。
名前:タツヤ・イエイリ
年齢:25
種族:人間
職業:無職
レベル:4
HP:174/180
MP:30/30
攻撃力:15(+10)
防御力:11(+15)
素早さ:10
魔法力:7
精神力:13
器用さ:16
アクティブスキル:なし
パッシブスキル:鑑定(下) 言語の加護(下) 即死耐性(小) 身体強化(微)
ユニークスキル:マイホーム
称号:転移者
装備:粗鉄の長剣、補強された丸盾、麻布の服、簡素な革の脛当て、旅人のブーツ
スキルポイント5
とまぁ、こんな感じだ。剣術スキルを習得した時に備えてスキルポイントを温存しているが、そろそろ身体強化をランクアップさせようか悩む。まだ戦闘に苦しんではいないから、大丈夫だろうと思っているが……この先どんな強敵と遭遇するか分かったものじゃないからね。
で、こっちがマリーの鑑定結果。
名前:マリー
年齢:16
種族:人間
職業:冒険者
Lv:4
HP:152/152
MP:22/22
攻撃力:11(+8)
防御力:10(+12)
素早さ:14
魔法力:15
精神力:10
器用さ:18
アクティブスキル:剣術(序)
パッシブスキル:商才(小) 交渉(微) 回避(序) 投擲(序) 解体(序)
装備:粗鉄の軽量剣、簡素な革の胸当て(女性用)、簡素な革の籠手、簡素な革のサンダル
身体強化スキルのおかげで同じレベルでもマリーより攻守においては高いステータスを示す俺、魔法の習得は難しいらしいし、頑張って剣を覚えるよりほかないのか……。頑張ろう。
鑑定スキルを下までランクアップさせたことで、種族の鑑定ができるようになった。ということは人間以外の種族もこの世界にはいるってことだろう。
楽しみまだまだいっぱいあるな。
「さて、森を抜けるか」
「はい! 行きましょう!!」
179
お気に入りに追加
267
あなたにおすすめの小説
スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった
Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。
*ちょっとネタばれ
水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!!
*11月にHOTランキング一位獲得しました。
*なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。
*パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
異世界でスキルを奪います ~技能奪取は最強のチート~
星天
ファンタジー
幼馴染を庇って死んでしまった翔。でも、それは神様のミスだった!
創造神という女の子から交渉を受ける。そして、二つの【特殊技能】を貰って、異世界に飛び立つ。
『創り出す力』と『奪う力』を持って、異世界で技能を奪って、どんどん強くなっていく
はたして、翔は異世界でうまくやっていけるのだろうか!!!
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる