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006 レベルアップ
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「それじゃあ、食べたばかりだけど取り敢えず寝たらどうだ? まだ万全じゃないようだし」
「あ、はい。ありがとうございます……」
「まぁ、俺はいるけど……」
「大丈夫です、むしろいてくれた方が安心です。安全だと分かっていても、ここは見慣れない空間なので」
「そりゃそうだ。じゃあ、ゆっくり休むといい」
マリーに布団をかけてやり、俺は部屋の隅に腰掛ける。隅といっても三畳の部屋だ。手をちょっと伸ばせば届くような距離、マリーはしばらくもじもじしていたが、やがて静かに眠りについた。やはり疲れていたのだろう。俺はその顔をじっと見つめながら、今後のことを考えることにした。
まずはこの世界について調べる必要がある。マリーが最近、冒険者になったばかりだということから、俺もどっかで登録すれば冒険者になれるはずだ。
それから、武器と防具を手に入れて、最低限の戦闘技術を身につけたいところだが……。俺のスキルは戦闘向きではないし、剣や槍なんて扱ったことがない。武道の経験もないとなるとやっぱり魔法か。
どうやったら魔法を覚えられるのかはまだ知らないが、幸いにも俺は鑑定を持っている。鑑定で魔法系のスキルを持っている人間を探して、教えを乞うというのもありだろう。
「あとは金か……」
俺自身の装備もそうだが、丸腰のマリーをはいさよならと放り出せるわけがない。取り敢えず、この部屋のキッチンにあった塩コショウを売却すれば当面の金は工面できるのではなかろうか。こういう異世界情緒溢れる世界なら、きっと高価で取引されているはず。その辺りは商人の娘で商才や交渉スキルを持っているマリーに聞けばいい。
「そうだ、レベルが上がったんだった」
この世界でレベルが上がった時、自動でステータスが上がるのか、それともボーナスポイントみたいなのを振り分けるのか、どっちなのか把握しておかないと。
「ステータスオープン」
名前:タツヤ・イエイリ
職業:無職
レベル:2
HP:130/130
MP:10/10
攻撃力:7(+7)
防御力:5(+5)
素早さ:4
魔法力:3
精神力:7
器用さ:8
アクティブスキル:なし
パッシブスキル:鑑定(序) 言語の加護(微) 即死耐性(小) 身体強化(序)
ユニークスキル:マイホーム
称号:転移者
装備:粗末なククリ、麻布の服
スキルポイント5
取り敢えずステータスは上がっているな。ということはレベルアップに応じて伸びていく感じか。……お、一番下にスキルポイントって表示が出ている。
なるほど、レベルアップでステータスを上げつつ、スキルポイントを割り振ってスキルを成長させたり新規習得するって流れか。これはゲームっぽいな。こういうのを当たり前のように受け入れるっていうのが、ある意味では異世界で生きる才能なのかもしれないな。
取り敢えず序から微にランクアップさせるために必要なスキルポイントは1だから、鑑定と身体強化を上げておこう。微から下にランクアップするためには3ポイント使う、ちょうど微にしたものに使うか、言語の加護に使うか。言語の加護ってこっちの世界における一般教養みたいな感じもあるし、取り敢えず成長させよう。
改めてステータスを確認すると、HPとMP以外が2ずつ増えていた。身体強化を育てた効果だろう。
続いてマイホームのステータスを開く。こちらにはホームポイントなるポイントが付与されていて、現在値は10……ただし、拡張というコマンドに15ポイント使うということで今回は断念。もう一回レベルアップしてホームポイントを入手すれば、取り敢えず三畳一間からは成長できそうだ。まぁ、きっと四畳半になるだけだろうが。
「さて、俺の方も少し休もうかな」
マリーが目覚めるまでにはもう少し時間があるだろう。俺は少し仮眠を取ることにした。目を瞑るとすぐに意識が遠くなっていく。見た目はまったく違うのに、こういう時だけは……やっぱり俺の家なんだなって思わせてくれるんだ。
「あ、はい。ありがとうございます……」
「まぁ、俺はいるけど……」
「大丈夫です、むしろいてくれた方が安心です。安全だと分かっていても、ここは見慣れない空間なので」
「そりゃそうだ。じゃあ、ゆっくり休むといい」
マリーに布団をかけてやり、俺は部屋の隅に腰掛ける。隅といっても三畳の部屋だ。手をちょっと伸ばせば届くような距離、マリーはしばらくもじもじしていたが、やがて静かに眠りについた。やはり疲れていたのだろう。俺はその顔をじっと見つめながら、今後のことを考えることにした。
まずはこの世界について調べる必要がある。マリーが最近、冒険者になったばかりだということから、俺もどっかで登録すれば冒険者になれるはずだ。
それから、武器と防具を手に入れて、最低限の戦闘技術を身につけたいところだが……。俺のスキルは戦闘向きではないし、剣や槍なんて扱ったことがない。武道の経験もないとなるとやっぱり魔法か。
どうやったら魔法を覚えられるのかはまだ知らないが、幸いにも俺は鑑定を持っている。鑑定で魔法系のスキルを持っている人間を探して、教えを乞うというのもありだろう。
「あとは金か……」
俺自身の装備もそうだが、丸腰のマリーをはいさよならと放り出せるわけがない。取り敢えず、この部屋のキッチンにあった塩コショウを売却すれば当面の金は工面できるのではなかろうか。こういう異世界情緒溢れる世界なら、きっと高価で取引されているはず。その辺りは商人の娘で商才や交渉スキルを持っているマリーに聞けばいい。
「そうだ、レベルが上がったんだった」
この世界でレベルが上がった時、自動でステータスが上がるのか、それともボーナスポイントみたいなのを振り分けるのか、どっちなのか把握しておかないと。
「ステータスオープン」
名前:タツヤ・イエイリ
職業:無職
レベル:2
HP:130/130
MP:10/10
攻撃力:7(+7)
防御力:5(+5)
素早さ:4
魔法力:3
精神力:7
器用さ:8
アクティブスキル:なし
パッシブスキル:鑑定(序) 言語の加護(微) 即死耐性(小) 身体強化(序)
ユニークスキル:マイホーム
称号:転移者
装備:粗末なククリ、麻布の服
スキルポイント5
取り敢えずステータスは上がっているな。ということはレベルアップに応じて伸びていく感じか。……お、一番下にスキルポイントって表示が出ている。
なるほど、レベルアップでステータスを上げつつ、スキルポイントを割り振ってスキルを成長させたり新規習得するって流れか。これはゲームっぽいな。こういうのを当たり前のように受け入れるっていうのが、ある意味では異世界で生きる才能なのかもしれないな。
取り敢えず序から微にランクアップさせるために必要なスキルポイントは1だから、鑑定と身体強化を上げておこう。微から下にランクアップするためには3ポイント使う、ちょうど微にしたものに使うか、言語の加護に使うか。言語の加護ってこっちの世界における一般教養みたいな感じもあるし、取り敢えず成長させよう。
改めてステータスを確認すると、HPとMP以外が2ずつ増えていた。身体強化を育てた効果だろう。
続いてマイホームのステータスを開く。こちらにはホームポイントなるポイントが付与されていて、現在値は10……ただし、拡張というコマンドに15ポイント使うということで今回は断念。もう一回レベルアップしてホームポイントを入手すれば、取り敢えず三畳一間からは成長できそうだ。まぁ、きっと四畳半になるだけだろうが。
「さて、俺の方も少し休もうかな」
マリーが目覚めるまでにはもう少し時間があるだろう。俺は少し仮眠を取ることにした。目を瞑るとすぐに意識が遠くなっていく。見た目はまったく違うのに、こういう時だけは……やっぱり俺の家なんだなって思わせてくれるんだ。
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