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お風呂で相談
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星花女子学園の寮にある大浴場は広い。その辺の公衆浴場くらいの広さがある。
ぷかぷかなたわわに囲まれながら、私はふとるっちに問いかける。
「るっちと五百旗頭先輩ってどういう経緯で付き合い始めたんですか?」
付き合ってどういうことをしたとか、どんな場所にデートに行ったとかは聞いたことあるけど、そもそものきっかけを聞いた覚えはない。
「文緒でいいよ。うちの部活の後輩に、小春ちゃんと同級生の子がいるんだけど、その子に紹介してもらった」
「歩夢ちゃんっていうんだけど、その子に会ってみないかって誘われて。すぐに告白されたの」
わーお。それで一緒にお弁当食べたりカラオケに行ったり銭湯行ったりして、愛をはぐくんだ……と。
「めちゃめちゃ急展開じゃないですか?」
「すごーい」
一緒に聞いていたかじゅやりなりーも驚いている。かじゅとりなりーは付き合っているように見えてまだ付き合ってないけど、この二人もそのうちくっつくんだろうなぁ。
「もともと恋しないなぁって思ってたから、ビビッと来たら離さない方がいい。その感覚って大事だから」
なるほど、じゃあ私はあれだな……詩音先輩との関係を踏み出すのをこわがってほったらかしちゃってるんだ。この前だってデートに行こうと誘って、他の人も誘われそうだったから引き下がってしまった。あれを、頑張って二人きりのおでかけとして押し切れなかった。……なら、別の作戦が必要だろう。
「二人で行って思い入れのある場所とかありますか?」
「カラオケかなぁ。あの、ちょっと寂れたカラオケ」
「あー、あそこかぁ」
どうやらかじゅは知っているらしい。プレハブ一室ずつ割り当てられたカラオケで、飲み物とかお菓子を持ち込み放題らしく、また人目につかないから……ちょっとえっちなことができちゃうらしい。
きっと詩音先輩はそういう情報とか一切知らないだろうし、そういう場所に詩音先輩を誘うということが既にちょっと刺激的だ。……誘ってみようかな。
「せっちゃってどの先輩が好きなの~?」
そっか。りなりーにはちゃんと言ってなかったっけ。ちょっと恥ずかしいけど、りなりー相手なら言ってもいいかな。
「紫月詩音先輩だよ。髪がふんわりとしたスタイルのいい先輩」
私はりなりーに詩音先輩の良さを伝えた。甘えたくなる優しさとか、お姉ちゃんって呼んであげると喜んでくれることとか、お菓子作りが上手なところとか、ボディタッチにもウェルカムなところとか、そしてあの手にフィットするおっぱいのこととか。
「ふふふ、せっちゃんは詩音先輩が大好きなんだね」
「……うん」
「じゃあ、頑張って伝えなきゃね」
伝えているつもりではあるんだけど……伝わるまで伝えないと。
「決めた、カラオケ誘ってみる」
「おー、頑張れ~」
お風呂でガバっと立ち上がって私は宣言した。
詩音先輩の歌、聞きたいし! カラオケに誘うぞー!!
ぷかぷかなたわわに囲まれながら、私はふとるっちに問いかける。
「るっちと五百旗頭先輩ってどういう経緯で付き合い始めたんですか?」
付き合ってどういうことをしたとか、どんな場所にデートに行ったとかは聞いたことあるけど、そもそものきっかけを聞いた覚えはない。
「文緒でいいよ。うちの部活の後輩に、小春ちゃんと同級生の子がいるんだけど、その子に紹介してもらった」
「歩夢ちゃんっていうんだけど、その子に会ってみないかって誘われて。すぐに告白されたの」
わーお。それで一緒にお弁当食べたりカラオケに行ったり銭湯行ったりして、愛をはぐくんだ……と。
「めちゃめちゃ急展開じゃないですか?」
「すごーい」
一緒に聞いていたかじゅやりなりーも驚いている。かじゅとりなりーは付き合っているように見えてまだ付き合ってないけど、この二人もそのうちくっつくんだろうなぁ。
「もともと恋しないなぁって思ってたから、ビビッと来たら離さない方がいい。その感覚って大事だから」
なるほど、じゃあ私はあれだな……詩音先輩との関係を踏み出すのをこわがってほったらかしちゃってるんだ。この前だってデートに行こうと誘って、他の人も誘われそうだったから引き下がってしまった。あれを、頑張って二人きりのおでかけとして押し切れなかった。……なら、別の作戦が必要だろう。
「二人で行って思い入れのある場所とかありますか?」
「カラオケかなぁ。あの、ちょっと寂れたカラオケ」
「あー、あそこかぁ」
どうやらかじゅは知っているらしい。プレハブ一室ずつ割り当てられたカラオケで、飲み物とかお菓子を持ち込み放題らしく、また人目につかないから……ちょっとえっちなことができちゃうらしい。
きっと詩音先輩はそういう情報とか一切知らないだろうし、そういう場所に詩音先輩を誘うということが既にちょっと刺激的だ。……誘ってみようかな。
「せっちゃってどの先輩が好きなの~?」
そっか。りなりーにはちゃんと言ってなかったっけ。ちょっと恥ずかしいけど、りなりー相手なら言ってもいいかな。
「紫月詩音先輩だよ。髪がふんわりとしたスタイルのいい先輩」
私はりなりーに詩音先輩の良さを伝えた。甘えたくなる優しさとか、お姉ちゃんって呼んであげると喜んでくれることとか、お菓子作りが上手なところとか、ボディタッチにもウェルカムなところとか、そしてあの手にフィットするおっぱいのこととか。
「ふふふ、せっちゃんは詩音先輩が大好きなんだね」
「……うん」
「じゃあ、頑張って伝えなきゃね」
伝えているつもりではあるんだけど……伝わるまで伝えないと。
「決めた、カラオケ誘ってみる」
「おー、頑張れ~」
お風呂でガバっと立ち上がって私は宣言した。
詩音先輩の歌、聞きたいし! カラオケに誘うぞー!!
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