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槍×剣×刀
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花音の決意を知らない月翔がいるのは、屋上……。そこには、舞斗ともう一人、男子がいた。剣道部に所属する林原戒政。180に届きそうな高い身長を誇るが、与える印象はよく言えば理知的、悪く言うなら、何かを企んでいそうな顔をしている。そんな彼の目の前で、月翔が舞斗と相対する。
「剣士を鍛えるとなると……。やはり、必要になるか。光よ!」
舞斗が槍を一振りすると、光が一瞬だけ瞬き、収束した時には舞斗の手には剣が握られていた。オーロラのような光を灯す剣に月翔はおろか、戒政まで驚いた表情を浮かべた。
「お前! 槍以外の武器も使えたのか!?」
月翔の質問に舞斗は頭を振る。
「槍と剣だけだ。ただ、基本的に剣を使っている時の方が強い。それでも、お前は俺と戦うか?」
剣先を月翔に向ける舞斗に、月翔は当然のように答える。
「いいぜ、実戦が目的だからな。つか、戒政は何の用だ?」
武器を構えることもなく、壁にもたれ掛かる戒政に怪訝な目を向ける月翔。
「俺は剣道部にいるんだが、そんなに強くない。一年でも俺より強いやつはザラにいる……。だが、俺は相手の動きを見てコピーする特技があるんだ。つまり、動きを見せてもらおうかということさ」
「問題ないな。月翔も構わないだろう?」
頷いた月翔を確認してから、剣を構える舞斗。月翔もそれに倣って剣を構える。
「さあ行くぞ!!」
舞斗は、月翔が間合いに入る前に初撃を見舞う。今原は辛うじて弾くが足元がふらつく。
「せらっ、双光斬!!」
光を纏った剣で、斬り下ろし斬り上げの連撃を浴びせる技を放つ舞斗。
「うぐっ……。はぁぁ! 月花斬!」
月翔は体勢を崩しながらも技を放ってくる。剣戟の軌跡は月を描く。剣のリーチ以上に技のリーチは広い。これが魔力の籠った技。舞斗は月翔の素養が十分であることを見抜いた。
「いいじゃないか。雷鳴よ、轟け! サンダーライト!!」
舞斗は魔術を交えながら間合いを考える。月翔の剣は、彼の名を体現したかのような、いわゆるシミターで、反りのある片刃剣で扱い難いように見える。しかしながら、元の運動神経の良いのか、難なく扱っているように舞斗の目に映った。
「たぁっ、せいっ、月花――」
月翔が踏み込む瞬間、舞斗の一撃が三日月刀を弾いた。月翔の技、月花斬は初動作が大振りで弾かれやすい。魔物がそんな器用なことをするとは思えないが、知能の発達した敵に遭遇しないとも限らないのが現状だ。だが、月翔はそれだけで終わらなかった。
「う……む!? 炎弾放て、フレアストライク」
剣を弾かれ、後方に仰け反った月翔が咄嗟に左手を突き出すと、炎の弾丸が舞斗に向かって飛び出したのだ。これには流石の舞斗も舌を巻いた。
「このタイミングで魔術まで習得しやがったか……。器用だな。そして、センスがある。だが、これでどうだ、連光牙!」
初撃である斬り攻撃を避けたものの、突き攻撃が命中する。それによって月翔は大きく後方に吹き飛んだ。
「ここまでだな。林原戒政、お前はどうする」
月翔の気絶を確認した舞斗が、戒政の方を向く。どうやら、戒政もやる気のようだ。二振りの刀を構えている。舞斗の感覚としては、戒政は魔術寄りの性質を持っている。
「さぁ、どうくるか。楽しみじゃないか」
武器を剣から槍に戻し右手を引く。魔術による戦闘シミュレーションを構築する舞斗に対して、戒政はどう戦うのか。
「剣士を鍛えるとなると……。やはり、必要になるか。光よ!」
舞斗が槍を一振りすると、光が一瞬だけ瞬き、収束した時には舞斗の手には剣が握られていた。オーロラのような光を灯す剣に月翔はおろか、戒政まで驚いた表情を浮かべた。
「お前! 槍以外の武器も使えたのか!?」
月翔の質問に舞斗は頭を振る。
「槍と剣だけだ。ただ、基本的に剣を使っている時の方が強い。それでも、お前は俺と戦うか?」
剣先を月翔に向ける舞斗に、月翔は当然のように答える。
「いいぜ、実戦が目的だからな。つか、戒政は何の用だ?」
武器を構えることもなく、壁にもたれ掛かる戒政に怪訝な目を向ける月翔。
「俺は剣道部にいるんだが、そんなに強くない。一年でも俺より強いやつはザラにいる……。だが、俺は相手の動きを見てコピーする特技があるんだ。つまり、動きを見せてもらおうかということさ」
「問題ないな。月翔も構わないだろう?」
頷いた月翔を確認してから、剣を構える舞斗。月翔もそれに倣って剣を構える。
「さあ行くぞ!!」
舞斗は、月翔が間合いに入る前に初撃を見舞う。今原は辛うじて弾くが足元がふらつく。
「せらっ、双光斬!!」
光を纏った剣で、斬り下ろし斬り上げの連撃を浴びせる技を放つ舞斗。
「うぐっ……。はぁぁ! 月花斬!」
月翔は体勢を崩しながらも技を放ってくる。剣戟の軌跡は月を描く。剣のリーチ以上に技のリーチは広い。これが魔力の籠った技。舞斗は月翔の素養が十分であることを見抜いた。
「いいじゃないか。雷鳴よ、轟け! サンダーライト!!」
舞斗は魔術を交えながら間合いを考える。月翔の剣は、彼の名を体現したかのような、いわゆるシミターで、反りのある片刃剣で扱い難いように見える。しかしながら、元の運動神経の良いのか、難なく扱っているように舞斗の目に映った。
「たぁっ、せいっ、月花――」
月翔が踏み込む瞬間、舞斗の一撃が三日月刀を弾いた。月翔の技、月花斬は初動作が大振りで弾かれやすい。魔物がそんな器用なことをするとは思えないが、知能の発達した敵に遭遇しないとも限らないのが現状だ。だが、月翔はそれだけで終わらなかった。
「う……む!? 炎弾放て、フレアストライク」
剣を弾かれ、後方に仰け反った月翔が咄嗟に左手を突き出すと、炎の弾丸が舞斗に向かって飛び出したのだ。これには流石の舞斗も舌を巻いた。
「このタイミングで魔術まで習得しやがったか……。器用だな。そして、センスがある。だが、これでどうだ、連光牙!」
初撃である斬り攻撃を避けたものの、突き攻撃が命中する。それによって月翔は大きく後方に吹き飛んだ。
「ここまでだな。林原戒政、お前はどうする」
月翔の気絶を確認した舞斗が、戒政の方を向く。どうやら、戒政もやる気のようだ。二振りの刀を構えている。舞斗の感覚としては、戒政は魔術寄りの性質を持っている。
「さぁ、どうくるか。楽しみじゃないか」
武器を剣から槍に戻し右手を引く。魔術による戦闘シミュレーションを構築する舞斗に対して、戒政はどう戦うのか。
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