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第6話

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 十五分ほど探索した三人はゴブリンの群れを発見した。数はちょうど三体。このゴブリンを討伐すれば依頼達成である。

「じゃあ、今度は私がやりますね」

 そう言ってルーナが杖を構えた。ルーナの魔力量を実体験した二人は固唾をのんで見守る。討ち漏らしがあれば即座に対応できるよう、剣は抜いている。

「光よ集いて悪しき者を討て――シャイニーボール!!」

 ルーナが詠唱を終えて杖の先をゴブリンに向ける。すると、彼女の眼前に球状の白い光が生まれる。その光は徐々に収縮していき、ついには光の玉となった。その眩さにゴーシュたちは目を瞑りそうになるが、必死に堪えて見届ける。

「発射!!」

 ルーナの声と共に光の玉は勢いよく射出される。光の球はゴブリン三体の真ん中で爆発するのだった。爆音と衝撃波がゴブリンたちを襲い、たまらずに吹き飛んだ。

「す、凄いねルーナちゃん!」

 ドロワは爆風に目を細めながらも驚嘆する。ゴーシュも言葉こそ出さないものの、顔には驚きの表情が浮かんでいた。

「えへへへへ」

 二人に褒められて満更でもなさそうなルーナだったが、砂煙が落ち着いたことで状況は一転する。

「いや……待って。角まで吹っ飛ばしちゃダメじゃん!!」

 ゴブリンを討伐した証明となる部位である角が吹っ飛んでしまってはギルドに提出することができない。ゴーシュはがっくりと肩を落とし、ルーナは頬をかくばかりであった。事前に威力が不安定と申告していたとはいえ、まさかここまでとはと二人して驚きを隠せなかった。

「ゴブリンくらいまだまだ倒せるわ。……まぁ、頑張りましょう」

 衝撃から先に気を取り直したドロワが二人をなだめ、探索を再開する。ほどなくして三度ゴブリンを見付けるが、その数は六――先ほど倍であった。どうやら先ほどの爆発音で警戒しているらしい。
 ドロワが手近の石を放って一匹を誘導する。
 すかさずドロワが攻撃するとゴブリンたちがどよめきたつ。

「ゴーシュ、そっちに行ったわよ!!」
「おう!」

 ドロワの呼びかけに答えたゴーシュが振り下ろされた棍棒を剣で受け止める。武器と武器が擦れる音が響き、棍棒の圧が剣を通じてゴーシュの手に伝わる。なんとか押し返しゴブリンを一閃。ドロワもゴブリンに三連の剣戟を浴びせ討伐、ルーナも棍棒を杖で受け止めながら押し返す。そこにゴーシュが背中から剣を突き立て、討伐。次第に数を減らすゴブリンに生き残ったゴブリンが逃げ出そうとするのを、威力をなんとか絞ったルーナの魔法が炸裂する。

「今度はいい感じです!!」

 ゴーシュとドロワが周囲を警戒しつつルーナが手早くゴブリンの角を剥ぐ。それをマジックポーチに仕舞うと、

「よし、もどろっか」
「「おー!」」

 三人での初以来を無事に達成するのだった。
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