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第4話
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街道をある程度歩いた3人は意図的に街道を外れて草原を突き進む。ゴブリンはすぐに見つかった。
「こんなにあっさり見つかるなんて、それだけ数が増えてるってことね」
ゴーシュが剣を抜いてゴブリンの出方を窺う。ドロワも既に剣を抜いて、ルーナを守るように剣を構える。
「仕掛ける!!」
ゴーシュが剣を構えて駆け出した。ゴブリンは人間を見つけると、即座に棍棒を振りかぶって襲いかかってくる。知能が低いとはいえ、戦闘訓練を受けていない者であればひとたまりもないだろう。しかし、ゴーシュたちは冷静だった。ゴーシュは振り下ろされる棍棒を躱すとその腕を剣で切り落とした。そしてさらに返す刀でゴブリンの首を切り落としたのだ。
「さぁ、次よ!」
仲間が殺されて狼狽えるゴブリンが、ゴーシュの刃に斃れていく。
「ドロワ、そっちに行ったわ!!」
逃げ出したゴブリンのうちの1匹がドロワとルーナがいる方へ駆けだしたが、それをドロワは迷いなく切り捨てた。
「問題なし!」
「こっちも終わったわ」
3人は全くの無傷でゴブリン退治を終えた。
「ゴーシュ、ドロワ。すごかったね! 私は何もすることがなかったよ」
「いいんだよ、ルーナちゃん。じゃあ、角をはぎ取ろうか」
ゴブリンの角は1匹に1本。依頼では8本納品せよとあったが、今回討伐したのは5匹、まだあと3匹倒すためにあたりを散策しなければならない。
そんなはぎ取り作業中に、ルーナがなにかに気付きドロワの肩を叩く。
「ドロワ、あれ!」
「グラスハイエナ! 血の臭いに気付くのが早いわね!!」
4匹のハイエナが3人目掛けて疾駆してきた。ゴーシュが1匹を切り裂き、ドロワが1匹を刺し貫くが、残る2匹がドロワを襲う。グラスハイエナの死体が刺さって、剣を満足に振ることができないのだ。ドロワは咄嗟に片方のハイエナの牙を躱すが、もう片方がドロワの腿に噛みつく。
「……ぅっ!!」
「ドロワ!!」
ゴーシュがもう1匹を仕留めるが、転倒したドロワは腿に噛みついたハイエナの頭部を剣の柄で殴りつけることしか出来ない。しかし、それでは致命傷には至らず、徐々に顎の力が強くなってくる。
「せりゃあ!!」
ドロワに噛みつくハイエナの頭部を、ルーナが杖で振りぬく。たまらず口を開けて逃げ出そうとするハイエナをゴーシュがすかさず切り裂いた。
「ドロワ、今治療します!」
なおも出血が続くドロワに駆け寄ったルーナはなぜかドロワの顎に指を添え、そっと口づけを落とすのだった。突然のキスに、ドロワは当然のことだが、ゴーシュまで驚愕の表情を浮かべるのだった。
「こんなにあっさり見つかるなんて、それだけ数が増えてるってことね」
ゴーシュが剣を抜いてゴブリンの出方を窺う。ドロワも既に剣を抜いて、ルーナを守るように剣を構える。
「仕掛ける!!」
ゴーシュが剣を構えて駆け出した。ゴブリンは人間を見つけると、即座に棍棒を振りかぶって襲いかかってくる。知能が低いとはいえ、戦闘訓練を受けていない者であればひとたまりもないだろう。しかし、ゴーシュたちは冷静だった。ゴーシュは振り下ろされる棍棒を躱すとその腕を剣で切り落とした。そしてさらに返す刀でゴブリンの首を切り落としたのだ。
「さぁ、次よ!」
仲間が殺されて狼狽えるゴブリンが、ゴーシュの刃に斃れていく。
「ドロワ、そっちに行ったわ!!」
逃げ出したゴブリンのうちの1匹がドロワとルーナがいる方へ駆けだしたが、それをドロワは迷いなく切り捨てた。
「問題なし!」
「こっちも終わったわ」
3人は全くの無傷でゴブリン退治を終えた。
「ゴーシュ、ドロワ。すごかったね! 私は何もすることがなかったよ」
「いいんだよ、ルーナちゃん。じゃあ、角をはぎ取ろうか」
ゴブリンの角は1匹に1本。依頼では8本納品せよとあったが、今回討伐したのは5匹、まだあと3匹倒すためにあたりを散策しなければならない。
そんなはぎ取り作業中に、ルーナがなにかに気付きドロワの肩を叩く。
「ドロワ、あれ!」
「グラスハイエナ! 血の臭いに気付くのが早いわね!!」
4匹のハイエナが3人目掛けて疾駆してきた。ゴーシュが1匹を切り裂き、ドロワが1匹を刺し貫くが、残る2匹がドロワを襲う。グラスハイエナの死体が刺さって、剣を満足に振ることができないのだ。ドロワは咄嗟に片方のハイエナの牙を躱すが、もう片方がドロワの腿に噛みつく。
「……ぅっ!!」
「ドロワ!!」
ゴーシュがもう1匹を仕留めるが、転倒したドロワは腿に噛みついたハイエナの頭部を剣の柄で殴りつけることしか出来ない。しかし、それでは致命傷には至らず、徐々に顎の力が強くなってくる。
「せりゃあ!!」
ドロワに噛みつくハイエナの頭部を、ルーナが杖で振りぬく。たまらず口を開けて逃げ出そうとするハイエナをゴーシュがすかさず切り裂いた。
「ドロワ、今治療します!」
なおも出血が続くドロワに駆け寄ったルーナはなぜかドロワの顎に指を添え、そっと口づけを落とすのだった。突然のキスに、ドロワは当然のことだが、ゴーシュまで驚愕の表情を浮かべるのだった。
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