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第2話/部活/きっかけ
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本を返し終えると私が向かったのは体育館に併設されている武道場。図書館からはけっこう遠いけれど、まあ仕方ない。今日は部活の練習日で本の返却日でもあったのだから。私が所属する少林寺拳法部は部員が少ない。だからあまり練習を休みたくはないのだ。三年生が引退してしまい残った部員は八名。
高二の先輩が一人、同級生が二人、それから中等部の三年二年が一人で一年が二人。同級生二人が中等部からの持ち上がりだから新入部員は私を含めて三人。運動部の中ではかなり少ない部類だ。有段者の私は即戦力として夏の大会では先輩と組んで組演武に出場。まぁ予選落ちだけれど。
なんでも以前はけっこう厳しい部活だったらしいけれど、今の三年生の代から少しずつゆるくなっていったらしい。確かに少林寺拳法は厳しく指導すれば上達するようなものでもないし。何事もほどほどが一番だと思う。ただまぁ、私がビビッとくる女の子がいたら、もっと良かったのだけれど。
「あ、先輩! やっと来た。今日、部長が来られないみたいなので主座お願いしますね」
道場に入って礼をすると、後輩に袖を引っ張られる。同級生二人は初段で私は二段。段が上だから偉いなんて思ってないけれど、それでも中学生からすれば二段はやっぱり凄いらしい。教える中で自分も上達できるから教えるのは別にキライじゃない。分からない技は水金で通っている道院で教わる。そういえば少林寺拳法部は鳥籠のような星花女子の中で、外界と交流を定期的に持っている数少ない部活なのかもしれない。競技人口が少ないため、学園の教員に少林寺拳法を教えられる人がいないのだ。
「取り敢えず着替えてくるから待ってて」
「お手伝いしますか?」
「いらないよ」
3級、茶帯になったばかりの中二、斉藤歩夢はスキンシップがいささか多い。まぁ、手首を取ったり袖を掴んだりする技の多い少林寺拳法だし、スキンシップはそう気にならないんだけど……。
「私も先輩みたいな大きなおっぱいになれますか?」
「え、うぅん……どうかな」
「クラスにすっごく大きな子がいて、可愛くて羨ましいんですよ……」
「へぇ、可愛い子」
思わず反応してしまったのは自分でもあさましく思う。でも可愛い女の子の情報は正直いくらあっても足りないくらいだ。
「紹介しましょうか? お礼ならハグでいいですよ? あ、キスで――」
過激なお礼を提案される前に抱き寄せて黙らせた。幸せそうな吐息が漏れ聞こえる。しばらく部内でハグが流行ったがそれは別の話。
「ありがとうございます! 明日のお昼、誘うので空けておいてくださいね。あと、今日は片胸落の練習がしたいです!」
「もう、仕方ないなあ」
そんなこんなで、やけに胸にご執心な後輩に、胸襟を取られつつ拳で乳房をぐりぐりされながら練習を終えた。
高二の先輩が一人、同級生が二人、それから中等部の三年二年が一人で一年が二人。同級生二人が中等部からの持ち上がりだから新入部員は私を含めて三人。運動部の中ではかなり少ない部類だ。有段者の私は即戦力として夏の大会では先輩と組んで組演武に出場。まぁ予選落ちだけれど。
なんでも以前はけっこう厳しい部活だったらしいけれど、今の三年生の代から少しずつゆるくなっていったらしい。確かに少林寺拳法は厳しく指導すれば上達するようなものでもないし。何事もほどほどが一番だと思う。ただまぁ、私がビビッとくる女の子がいたら、もっと良かったのだけれど。
「あ、先輩! やっと来た。今日、部長が来られないみたいなので主座お願いしますね」
道場に入って礼をすると、後輩に袖を引っ張られる。同級生二人は初段で私は二段。段が上だから偉いなんて思ってないけれど、それでも中学生からすれば二段はやっぱり凄いらしい。教える中で自分も上達できるから教えるのは別にキライじゃない。分からない技は水金で通っている道院で教わる。そういえば少林寺拳法部は鳥籠のような星花女子の中で、外界と交流を定期的に持っている数少ない部活なのかもしれない。競技人口が少ないため、学園の教員に少林寺拳法を教えられる人がいないのだ。
「取り敢えず着替えてくるから待ってて」
「お手伝いしますか?」
「いらないよ」
3級、茶帯になったばかりの中二、斉藤歩夢はスキンシップがいささか多い。まぁ、手首を取ったり袖を掴んだりする技の多い少林寺拳法だし、スキンシップはそう気にならないんだけど……。
「私も先輩みたいな大きなおっぱいになれますか?」
「え、うぅん……どうかな」
「クラスにすっごく大きな子がいて、可愛くて羨ましいんですよ……」
「へぇ、可愛い子」
思わず反応してしまったのは自分でもあさましく思う。でも可愛い女の子の情報は正直いくらあっても足りないくらいだ。
「紹介しましょうか? お礼ならハグでいいですよ? あ、キスで――」
過激なお礼を提案される前に抱き寄せて黙らせた。幸せそうな吐息が漏れ聞こえる。しばらく部内でハグが流行ったがそれは別の話。
「ありがとうございます! 明日のお昼、誘うので空けておいてくださいね。あと、今日は片胸落の練習がしたいです!」
「もう、仕方ないなあ」
そんなこんなで、やけに胸にご執心な後輩に、胸襟を取られつつ拳で乳房をぐりぐりされながら練習を終えた。
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