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サイドストーリー みんあや編
第3話 部活日和
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四月ももう半ば。春の陽気にもなれてきて、葉桜が作る日陰を涼しく感じるようになってきました。そんな中、わたしや綾ちゃん、ユウちゃん、ヒナッチの四人がそれぞれに部活を決めて本入部になり、わたしはマーチングもやるという吹奏楽部に、綾ちゃんは新しい競技に挑むべくハンドボール部へ、ユウちゃんは設備がいいと評判の家庭科部へ、ヒナッチは宣言通り陸上部に、籍を置いて活躍しています。
綾ちゃんはハンドボールのルールを覚えるのに苦戦中だったり、ユウちゃんは家庭科部のみんなが優しいと笑顔だったり、ヒナッチは次世代のエースと呼ばれてそわそわしていたり、それぞれの色が見えてきたような気がしています。
授業の方もかなり慣れてきて、この前のテストでは二位になってしまいました。綾ちゃんに教えながら、自分の中に定着させられたからかなぁと思っているんだけど……綾ちゃんはちょっと微妙な結果に終わっちゃったみたい。そんな風に毎日が過ぎていき、今日も部活へ。今日は座奏なので音楽室での練習。
「やぁ、明音ちゃん」
音楽準備室兼部室に入ると、同じく吹奏楽部の羽生舞梨ちゃんがいた。舞梨ちゃんは芸能関係の活動もしているらしくって、忙しさで一年留年しちゃった女の子。芸能活動の内容をわたしは聞いていないけど、舞梨ちゃんは可愛いから女優とかモデルさんかなぁと見当をつけている。
「どうかした?」
「ううん。なんでもなぁい」
舞梨ちゃんは綾ちゃんやヒナッチと同じくらいの背だけど、胸の大きさは全然違うなぁと思ったなんて、流石に言えない。他の部員たちもどんどん集まってきた。同じ中学だったのは二組の三ヶ月(みこぜ)花梨(かりん)ちゃんだけ。塾で仲良くなった三代(みしろ)和紗(かずさ)ちゃんとも一緒だから心強い。
「さてと、今日も頑張りますか!」
チューニングを済ませ、六月のコンクールへ向けて練習を始める。
「「「ありがとうございました!!!」」」
顧問である音楽の先生と礼をして、今日の活動は終了です。毎週金曜日と日曜がお休みで、週五日の練習は、長時間じゃないから集中しているとあっという間に終わってしまう。フルートをケースにしまうと、花梨ちゃんが
「四月限定の桜アイスクレープ、もう販売が終わっちゃうからもう一回食べに行かない?」
と誘ってきた。わたしや綾ちゃん、花梨ちゃんの家がある地区には知る人ぞ知るクレープのお店があって、月毎の限定メニューが人気なのだ。四月は桜風味のアイスをトッピングした春色全開のクレープ。四月になってすぐに食べたけど、美味しかったなぁ。
「うん、行こう!!」
「なにそれ、いいな!!」
二人でそんな話しをしていると、舞梨ちゃんが話に飛び込んできた。
「クレープ食べに行くんでしょ?」
「そうですけど……遠いですよ?」
「そっかぁ……。しかもウチ自転車通学じゃないからなぁ」
舞梨ちゃんが腕を組んで考えこむ。持ち上げられたおっぱいについ視線がつられてしまう。しばらく考えた末に、ぱんと手を合わせた。どうやら何か閃いたらしい。
「やっぱり行く。昨日はランニングサボっちゃったから、そのついで。走っていくことにするね」
おぉ……芸能人の覚悟は違う。
「えっと、じゃあ行きましょうか。お疲れ様でした」
「お疲れ様でしたぁ」
「ばいばーい!」
そんな感じでわたしと花梨ちゃん、そして舞梨ちゃんでクレープ屋さん目指しつつ帰宅することになった。
綾ちゃんはハンドボールのルールを覚えるのに苦戦中だったり、ユウちゃんは家庭科部のみんなが優しいと笑顔だったり、ヒナッチは次世代のエースと呼ばれてそわそわしていたり、それぞれの色が見えてきたような気がしています。
授業の方もかなり慣れてきて、この前のテストでは二位になってしまいました。綾ちゃんに教えながら、自分の中に定着させられたからかなぁと思っているんだけど……綾ちゃんはちょっと微妙な結果に終わっちゃったみたい。そんな風に毎日が過ぎていき、今日も部活へ。今日は座奏なので音楽室での練習。
「やぁ、明音ちゃん」
音楽準備室兼部室に入ると、同じく吹奏楽部の羽生舞梨ちゃんがいた。舞梨ちゃんは芸能関係の活動もしているらしくって、忙しさで一年留年しちゃった女の子。芸能活動の内容をわたしは聞いていないけど、舞梨ちゃんは可愛いから女優とかモデルさんかなぁと見当をつけている。
「どうかした?」
「ううん。なんでもなぁい」
舞梨ちゃんは綾ちゃんやヒナッチと同じくらいの背だけど、胸の大きさは全然違うなぁと思ったなんて、流石に言えない。他の部員たちもどんどん集まってきた。同じ中学だったのは二組の三ヶ月(みこぜ)花梨(かりん)ちゃんだけ。塾で仲良くなった三代(みしろ)和紗(かずさ)ちゃんとも一緒だから心強い。
「さてと、今日も頑張りますか!」
チューニングを済ませ、六月のコンクールへ向けて練習を始める。
「「「ありがとうございました!!!」」」
顧問である音楽の先生と礼をして、今日の活動は終了です。毎週金曜日と日曜がお休みで、週五日の練習は、長時間じゃないから集中しているとあっという間に終わってしまう。フルートをケースにしまうと、花梨ちゃんが
「四月限定の桜アイスクレープ、もう販売が終わっちゃうからもう一回食べに行かない?」
と誘ってきた。わたしや綾ちゃん、花梨ちゃんの家がある地区には知る人ぞ知るクレープのお店があって、月毎の限定メニューが人気なのだ。四月は桜風味のアイスをトッピングした春色全開のクレープ。四月になってすぐに食べたけど、美味しかったなぁ。
「うん、行こう!!」
「なにそれ、いいな!!」
二人でそんな話しをしていると、舞梨ちゃんが話に飛び込んできた。
「クレープ食べに行くんでしょ?」
「そうですけど……遠いですよ?」
「そっかぁ……。しかもウチ自転車通学じゃないからなぁ」
舞梨ちゃんが腕を組んで考えこむ。持ち上げられたおっぱいについ視線がつられてしまう。しばらく考えた末に、ぱんと手を合わせた。どうやら何か閃いたらしい。
「やっぱり行く。昨日はランニングサボっちゃったから、そのついで。走っていくことにするね」
おぉ……芸能人の覚悟は違う。
「えっと、じゃあ行きましょうか。お疲れ様でした」
「お疲れ様でしたぁ」
「ばいばーい!」
そんな感じでわたしと花梨ちゃん、そして舞梨ちゃんでクレープ屋さん目指しつつ帰宅することになった。
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