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第九話 生徒会執行部

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 翌日の昼休み、私は生徒会執行部への入部届けを持って生徒会室へ向かった。既に先生から印をもらい、せっかくだからと生徒会室へ直接届けにきたのだ。

「失礼します。新入りの茜屋です」

 生徒会室は一般的な教室と同じ広さだが、様々な物が散らかり、手狭な印象を与える。コーヒーメーカーまであるよ。

「お、新人さんだね。副会長の澄空氷里だよ」

 作中唯一の年上ヒロイン、澄空氷里。身長はさほど高くはないが、ブレザーを押し上げるその二つの膨らみ。攻略可能ヒロインの中で最も大きいのだ。ロリ巨乳、人気No.1ヒロインがとうとうお出ましだ。

「茜屋柚花里ちゃんだね。茜ちゃんと呼ぶことにするよ。でさ、悪いけど棚の最上段にあるダンボール取ってくれない?」

 マイペースで人を勝手なあだ名で呼ぶ変わり者だが、いざルートに入ると心に抱えた傷や悩みを吐露してくれる上に、それを聞いてくれた主人公に身も心も許してくれるのだ。ヒロインの中で一番シナリオが感動できて一番エロい。ただ、今回は真エンディングを目指すので、そこまで深く触れられるかは分からない。そんなことを考えながら、言われた作業をこなす。

「ありがとうね。えっと、改めまして、生徒会副会長の澄空氷里です。にしても、茜ちゃんはいい名前だね。茜と柚、暖色系で温かみがあるものね。私は空と氷で、どうにも冷たい印象なんだよ」

 選択肢登場!
A〈名前なんて関係ないですよ〉
B〈先輩だって温かい人ですよ〉
C〈そんなことより、大きい胸ですね〉

 ……Cはダメだよね? 今回は。でもなぁ、Bはゲームでやったから

「そんなことより、大きい胸ですね。温かそう…」
「おぉ! そうきたか」

 あれ? 好感度上がった? 好感度上がった!?

「じゃあ、ちょっと触ってみる?」

 こんな展開を私は期待していた。いや、待てよ…触ると揉むは違うよな。揉んだらいけない気がする。と、言いつつも。

「ふふ、茜ちゃんの手って大きいね。包まれる感覚…」

 自然な動作で私の手は氷里の双丘に向かっていた。そしてその時、生徒会室の扉が開けられ…

「な、何をしているのですか! 副会長と茜屋さん!」

 入ってきたのは歩莉だった。

「歩莉ちゃんも混ざる?」
「羨ましい……なんでもありません! というか、混ざりません!」

 今、聞えてしまった羨ましいは何に対してなんだろう。大きな胸か、それを触っていることか。普通に考えれば前者だろうが、主人公が私となりGLゲームとなったこの世界なら後者だってありえる。まぁ、結局のところ歩莉が参加することもなく、逆に怒られるという展開になってしまった。好感度下がったかな? 不安でしょうがない。

 その日の放課後、早速生徒会で集まるそうなので、なずなは先に帰っていった。

―お仕事頑張ってね―

 なずなの嫁っぷりがマジで凄い。そんな感じで生徒会執行部が会長をトップに七人体勢だ。三年会長、副会長、二年副会長、書記、会計、そして一年が私と歩莉だ。あれ? このままじゃ来年の役員に欠員がでるのでは…

「今年は結局二人か……書記の役職を廃止するか?」
「え……来年からですよね?」

 書記先輩は気弱そうな男子、会計先輩は眼鏡系美人さん。まぁ、生徒会であまり攻略対象を広げると、後で嫌な目にあいそうなのでスルー。それから、三年の副会長は会長の彼氏だそうだ。寝取りできるかな? いや、しないけど。

「まぁまぁ、確か……茜屋は役職につく気はないんだろう?」
「え! えっと、やっぱり私、頑張ってみようと思います」

 歩莉が副会長にならないので、私がなるしかないだろう。確か、主人公が生徒会長になるルートも存在したはず。

「ほぉ。こりゃ安泰だな」

 そんな感じで副会長立候補のフラグを立て、生徒会の会議は進むのだった。
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