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第六話 部活を決めよう
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「では、新入生の皆さんは各自部活動見学へ向かってくださーい」
さてと、たぶん今の声が生徒会副会長の澄空氷里の声だな。ゲームだと文だけだったから、分からなかったや。というわけで、私は体育館を出て二階―一年生の教室があるフロア―へ向かった。
あぁ、思い出した。このタイミングで何階に行くか選択肢が発生して、二階で日本文化研究部、三階だとなずなとの会話、四階に行くと生徒会執行部に入るんだった。取り敢えず…一階まで来たものの…
「きゃっ」
「あ、大丈夫ですか!?」
階段を降りてすぐ、チラシを持った女の子にぶつかってしまった。あれ? この娘が深山愛唯だ。なんで? 少し話とズレている。いや、今はそれより…
「いたた…。あっ、スカートが…」
そう、その少し捲れたスカート内側がね、かなり目を惹くのよ。やっぱりエロゲーだもんね。ピンクかぁ。いいねぇ。さて、取り敢えずチラシを回収してから、また演技タイムだ。
「チラシ拾い終わりました。あの? 先輩ですか?」
「ん? あ、違うよ。あたしも一年生なの」
ここで選択肢登場!
A〈大人っぽいから先輩かと思ったや〉
B〈胸が大きいから先輩かと思ったや〉
ここは勿論Bですよ。
「胸が大きいから先輩かと思ったや。私も一年生なんだよ」
言った途端に頬を赤らめる愛唯。いやぁ、可愛いなぁ。ていうか、顔を隠そうとすると…ちょうど肘が胸を押し上げる状態になるという。むふふ。
「あ、えっと。チラシ拾ってくれてありがとう。あたしは、D組の深山(みやま)愛唯(あい)です。委員会は学園委員です」
「私はA組の茜屋柚花里だよ。委員会は風紀委員。A組の学園委員は雛子ちゃんっていうんだけど、分かる?」
いやはや、こうして会話できるだけでも嬉しいなぁ。まじ、3Dだよ。この腰にかけての括れが…。ヒロイン人気ランキング堂々の二位だもの。可愛いのは当たり前。ゲームだとピンク色だった髪は少し茶色気味で、瞳は鳶色。瑞々しい唇…洗練された美少女だ。
「柚花里ちゃーん、聞いてる?」
「えっ? あ、その…見惚れてた」
今のは自分でも驚くくらい自然に出た台詞だった。ふふ、また少し赤くなってる。それでも、何処に? と訊いてくる彼女に、私は当然のように胸と答えた。
「そ……そんなに大きいかな?」
「んーと、私は…ね? こんなだから…ね?」
「あ……うん。でね、良かったらあたしの部活に入ってくれないかな?」
きたきた、本題だよ。
「何部?」
「日本文化研究部。通称ニッケン」
はい、知っていましたよ。活動内容を聞くと長そうだし、大まかな設定は分かっているし。
「どうしようかな……他に誰か部員いるの?」
「今はいないの。でも、一人でも入ってくれれば、存続させてくれるって」
うんうん。ここでフラグを立てておくと、部室で……むふふ。
「そうだねぇ……二人きりならオッケーかな」
またもや顔を赤くする愛唯、あーたまらん!
「じゃあ…そのぉ、よろしくね」
よっしゃあ!! これで正式にニッケンのメンバーというか、愛唯と一緒に放課後を過ごせるのかぁ。もう、興奮するねぇ。
「じゃあ、活動について説明するから、部室まで着いてきてよ」
この台詞、ゲームだと男子を相手に言うのだけど……無防備すぎでしょ。ゲームでは、二人で部員を集めるものの、努力虚しく新入生は入らず。流れで二人で活動するようになるんだよね。いくら一目惚れした相手に、逆ナンみたいに声をかけたとしても……やっぱり無防備だよねぇ。まあ、ご都合主義ということで。
「さぁ、ここよ」
着いたのは、教室がある棟から渡り廊下を通った先の、特別教室棟と呼ばれるエリア。その三階の角部屋がニッケンの部室。中は少し肌寒く、薄暗いものの、綺麗に掃除がされていて、ゲームの時と同様に家具が配置されている。取り敢えずソファーに座って、愛唯の話を聞く。
ニッケン、日本文化研究部は代々メモリアルハーツブランドから発売される18禁ゲームの登場人物と密接な関係があるのだ。剣次のお兄さんが主人公だったゲームだと、ヒロインの大半が所属するし、後輩として愛唯の従姉が登場する。おそらく、愛唯はその従姉から、この部を託されたのだろう。そして、驚くべきは、この部の創立メンバーな成宮先生が含まれるのだ。
「顧問もね、成宮先生なんだよ」
おっと、活動の中身に触れていなかったが、また今度でいいか。活動よりも、この部室の存在が有意義なのだから。さて、作中で最強のチョロイン力を発揮する彼女を、どう攻略しようかな。
「じゃあ、明日もね!」
手を振る彼女を見送って、私は帰路につくとしようか。
さてと、たぶん今の声が生徒会副会長の澄空氷里の声だな。ゲームだと文だけだったから、分からなかったや。というわけで、私は体育館を出て二階―一年生の教室があるフロア―へ向かった。
あぁ、思い出した。このタイミングで何階に行くか選択肢が発生して、二階で日本文化研究部、三階だとなずなとの会話、四階に行くと生徒会執行部に入るんだった。取り敢えず…一階まで来たものの…
「きゃっ」
「あ、大丈夫ですか!?」
階段を降りてすぐ、チラシを持った女の子にぶつかってしまった。あれ? この娘が深山愛唯だ。なんで? 少し話とズレている。いや、今はそれより…
「いたた…。あっ、スカートが…」
そう、その少し捲れたスカート内側がね、かなり目を惹くのよ。やっぱりエロゲーだもんね。ピンクかぁ。いいねぇ。さて、取り敢えずチラシを回収してから、また演技タイムだ。
「チラシ拾い終わりました。あの? 先輩ですか?」
「ん? あ、違うよ。あたしも一年生なの」
ここで選択肢登場!
A〈大人っぽいから先輩かと思ったや〉
B〈胸が大きいから先輩かと思ったや〉
ここは勿論Bですよ。
「胸が大きいから先輩かと思ったや。私も一年生なんだよ」
言った途端に頬を赤らめる愛唯。いやぁ、可愛いなぁ。ていうか、顔を隠そうとすると…ちょうど肘が胸を押し上げる状態になるという。むふふ。
「あ、えっと。チラシ拾ってくれてありがとう。あたしは、D組の深山(みやま)愛唯(あい)です。委員会は学園委員です」
「私はA組の茜屋柚花里だよ。委員会は風紀委員。A組の学園委員は雛子ちゃんっていうんだけど、分かる?」
いやはや、こうして会話できるだけでも嬉しいなぁ。まじ、3Dだよ。この腰にかけての括れが…。ヒロイン人気ランキング堂々の二位だもの。可愛いのは当たり前。ゲームだとピンク色だった髪は少し茶色気味で、瞳は鳶色。瑞々しい唇…洗練された美少女だ。
「柚花里ちゃーん、聞いてる?」
「えっ? あ、その…見惚れてた」
今のは自分でも驚くくらい自然に出た台詞だった。ふふ、また少し赤くなってる。それでも、何処に? と訊いてくる彼女に、私は当然のように胸と答えた。
「そ……そんなに大きいかな?」
「んーと、私は…ね? こんなだから…ね?」
「あ……うん。でね、良かったらあたしの部活に入ってくれないかな?」
きたきた、本題だよ。
「何部?」
「日本文化研究部。通称ニッケン」
はい、知っていましたよ。活動内容を聞くと長そうだし、大まかな設定は分かっているし。
「どうしようかな……他に誰か部員いるの?」
「今はいないの。でも、一人でも入ってくれれば、存続させてくれるって」
うんうん。ここでフラグを立てておくと、部室で……むふふ。
「そうだねぇ……二人きりならオッケーかな」
またもや顔を赤くする愛唯、あーたまらん!
「じゃあ…そのぉ、よろしくね」
よっしゃあ!! これで正式にニッケンのメンバーというか、愛唯と一緒に放課後を過ごせるのかぁ。もう、興奮するねぇ。
「じゃあ、活動について説明するから、部室まで着いてきてよ」
この台詞、ゲームだと男子を相手に言うのだけど……無防備すぎでしょ。ゲームでは、二人で部員を集めるものの、努力虚しく新入生は入らず。流れで二人で活動するようになるんだよね。いくら一目惚れした相手に、逆ナンみたいに声をかけたとしても……やっぱり無防備だよねぇ。まあ、ご都合主義ということで。
「さぁ、ここよ」
着いたのは、教室がある棟から渡り廊下を通った先の、特別教室棟と呼ばれるエリア。その三階の角部屋がニッケンの部室。中は少し肌寒く、薄暗いものの、綺麗に掃除がされていて、ゲームの時と同様に家具が配置されている。取り敢えずソファーに座って、愛唯の話を聞く。
ニッケン、日本文化研究部は代々メモリアルハーツブランドから発売される18禁ゲームの登場人物と密接な関係があるのだ。剣次のお兄さんが主人公だったゲームだと、ヒロインの大半が所属するし、後輩として愛唯の従姉が登場する。おそらく、愛唯はその従姉から、この部を託されたのだろう。そして、驚くべきは、この部の創立メンバーな成宮先生が含まれるのだ。
「顧問もね、成宮先生なんだよ」
おっと、活動の中身に触れていなかったが、また今度でいいか。活動よりも、この部室の存在が有意義なのだから。さて、作中で最強のチョロイン力を発揮する彼女を、どう攻略しようかな。
「じゃあ、明日もね!」
手を振る彼女を見送って、私は帰路につくとしようか。
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