異世界カントリーライフ ~妖精たちと季節を楽しむ日々~

楠富 つかさ

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朝風呂

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 畑仕事を終えたて家に帰った私は、少しだけ汗をかき、心地よい疲れを感じていた。

「朝風呂しちゃおうかな。えへへ、贅沢だなぁ」

 私は妖精さんたちに目を向けると、彼らは収穫してきた野菜のまわりでふわふわと浮遊している。互いにちょっかいをかけたりして楽しそうだ。そんな姿を見ながら、私はニコリと微笑む。

「ちょっとお風呂に入ってくるね。すぐ戻るから、仲良く遊んでて!」

 そう言って、お風呂場に向かってそこに居ついている妖精さんにお湯張りをお願いする。お湯が沸くまでに寝室に戻って着替えを取ってくる。前の住人の服、少し丈を直したり手を入れたい部分があるけど、裁縫道具を見付けるところだからなぁ。取り敢えず、着替えとタオルを回収してお風呂場に戻る。

「そっかぁ。お洗濯のことも考えないとなぁ」

 半身浴くらいのお湯が溜まったので、桶ですくって身体にかける。せっけんで身体を洗っているうちに、お湯も十分な量になってきた。

「これ、入れてみようかな」

 香りのいいハーブを一つまみ、お風呂に入れてみる。瞬間、浴室に優しい香りが広がり、リラックスした気分になる。お湯に身を浸しながら、今日の出来事を思い返す。

「妖精さんたちと一緒に収穫するの、楽しかったなぁ。料理のことも考えないと!」

 お風呂に浸かりながら、頭の中でトマトやナス、きゅうりを使ったメニューが次々と思い浮かんでくる。お風呂は心と体を癒してくれる場所だが、同時に新しいアイデアを引き出してくれる時間でもあった。

「料理を作るのが楽しみだなぁ」

 温かいお湯の中で、心地よさに包まれながら、私はこれからの計画に胸を躍らせる。しばらくの間、のんびりとした時間を楽しむことにした。

「時間を気にせず、こうやって自分を大切にする時間も必要だよね」

 お湯の中で体を温めながら、心の中で小さな決意が生まれる。これからの生活では、忙しさに縛られず、毎日を楽しむことが大切だと改めて感じた。

 お風呂から上がった私は、再び心を踊らせながらキッチンへと向かった。考えてみれば、これまでの一人暮らしではあまり料理をする機会がなかった。やりたいと思っていたけれど、仕事や日常の忙しさに追われて時間が足りなかったのだ。

「でも、ここでは好きなだけ料理の時間が取れる!」

 そう考えるだけで胸が高鳴る。まるで新たな冒険が始まるかのようなワクワク感が湧いてくる。手元には野菜がたっぷりあるし、妖精たちが楽しそうに飛び回っているのも心強い。

「そういえば、塩があんまりないから、大切に使わなくっちゃ」

 思わず自分に言い聞かせる。塩は料理の基本だけれど、ここにはスパイスになりそうな植物がたくさんある。野菜の味を引き立てるために、色々な調味料や香りを使って、いろんな味付けに挑戦したいと思った。

「誰かに食べてほしいな」

 妖精たちと過ごすのも楽しいけれど、やっぱり誰かと一緒に料理をしたり、会話をしながら作ったりするのもいいなとふと思った。料理をすることで、共有する喜びが生まれる。誰か、ここには他にもいるのだろうか?

「外に出れば、誰かと出会えるかもしれないし……」

 ふと、周りを見回す。お料理の準備をしながら、これからの新しい生活を想像する。もし誰かと出会って、一緒に料理をする機会ができたら、どんな風に楽しい時間になるのだろう。

「考えるだけで楽しいなぁ」

 自分の思い描く未来を考えながら、私はまず野菜たちを調理する準備に取りかかる。新しいレシピを試すたびに、自分の成長を感じられることを楽しみにしていた。心の中には、小さな希望が芽生え始めていた。料理を通じて、何か素敵な出会いが待っているかもしれないと思い描きながら。料理をしながら、自然と話をしたり、笑い合ったりできる仲間がいることを想像すると、心が躍った。

「早く誰かと一緒に料理したいな」

 そう思いながら、心はどんどんと未来への期待で膨らんでいく。ここでの生活は始まったばかりだけれど、その先にはどんな素敵な出来事が待っているのだろう。希望を胸に、私は手を動かし始めた。
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