異世界カントリーライフ ~妖精たちと季節を楽しむ日々~

楠富 つかさ

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トマト料理

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「さあ、まずは何を作ろうかな」

 私は畑で育てている野菜たちを見ながら頭の中でメニューを組み立て始めた。トマト、ナス、きゅうり、そして新鮮なハーブ。どれもおいしそうで、どんな料理にしても楽しめそうだ。

「取り敢えず、トマト味のスープにしようかな。ナスは焼いて醤油で食べたいけど……朝ごはんっぽくないし今はいいかな」

 料理のイメージを膨らませながら、私の心はさらにワクワクしていく。妖精さんたちも私の周りを飛び回り、まるで私のアイデアに賛同しているかのように嬉しそうに見える。

「そのうち、あのかぼちゃが大きくなったら、その時は絶対に煮物を作ろう」

 これから育っていく野菜たちに想いを馳せる。コーンポタージュとかパンプキンパイとか……いや、さすがにそんなに凝った料理は私には無理か。ハムとレタスのサンドイッチみたいな、そういうのでいいんだよなぁ。
 
「妖精さんたちも、手伝ってくれる?」

 私は少し考え込み、妖精たちに話しかけた。彼らは言葉を話せないけれど、彼らの目の輝きや動きから、私の意図を理解しているようだ。みんな、キラキラした目で私を見上げている。

「なら、まずはトマトを収穫してみようかな!」

 そう決めた私は、まずはトマトの木へ向かう。しっかりした赤色のトマトを手に取ると、もぎ取っていく。

「他の野菜も収穫して、準備を進めてみよう!」

 畑を見回しながら、次にナスを選び、きゅうりを探しに行く。きゅうりはサラダにする予定だ。妖精さんたちが手伝ってくれるように、嬉しそうにその場を飛び跳ねている。彼らの存在が、私にさらなる活力を与えてくれる。こっちに来る前は何かにつけてすぐ疲れていたのに、こっちではそんな感じは全然しない。

「こんなにたくさんの新鮮な野菜を使えるなんて、本当に幸せだなぁ」

 収穫を進めているうちに、どんどん気分が高まっていく。夏の太陽の下で、自然と一緒に生活していることが、私にとっての最高の贅沢に思えてきた。

「畑で野菜を収穫するなんて、ひょっとして小学生以来かな? いいなぁ、こういうのも」

 自分がこれまでの忙しい日々を乗り越えてきたからこそ、今のこの瞬間が一層輝いて見える。少しずつ新しい生活が形になっていくのを感じながら、私は畑での作業を続ける。

「よし、次はどうやって調理しようかな。妖精たちも一緒に、楽しく料理する時間を作ろう!」

 心に描いたビジョンを実現するために、一歩一歩進んでいく。これからの生活がどんな風に展開していくのか、楽しみでたまらない気持ちを胸に抱きながら、私は野菜を抱えて家へと戻るのだった。
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