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アンソロジー
恋の温度とチョコレート Side:和珠音×りな 立成20年2月
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私、武藤和珠音がクラスメイトでルームメイトの愛海りなと交際を始めて迎える最初のバレンタインデー……期待するなという方が無茶だ。どうしても当日に用意したくて、私は授業が終わるとその脚でスターパレスショッピングセンターでチョコレートを買ってきた。
寮に戻って夕食や入浴も済ませ、もろもろが準備万端となった。りなりーは2月でも相変わらず薄着で、胸の谷間や太ももやらがむき出しで、正直……ムラムラする。
けれど今一番大事なのは、付き合って初めてのバレンタインにチョコを交換することだ。ふつふつと温度が上がる愛欲をぐっと抑え込んで、丁寧にラッピングしてもらったチョコレートを取り出す。私もりなりーも、手作りを交換ってタイプじゃないから、りなりーがチョコレートの包みを紙袋から取り出すところまでは想定内だった。けど、やはり私の恋人はいつも想像を超えてくる。
「えへへ、実家から送ってもらったチョコレートだよ~」
明かに私がデパートで買ったものより高級そうな包み、その包装紙を遠慮なく破ると、それはまさにチョコレートの宝石箱だった。その中から一つのチョコレートをつまみ、それを口に放り込む――のではなく、そのあまりに豊かな双丘の谷間に落とす。
「ねぇ、かじゅ?」
りなりーの声は甘くとろけるような声質で、私とふたりきりの時はより甘さを増す。そしてそれは、行為のお誘いと同じ声色で……。私は無意識に生唾を飲んでいた。
「チョコレートの溶ける温度、知ってる?」
「う、うーん……夏は溶ける印象だから30度とか?」
私の答えに満足したのか、りなりーがチョコレートを一粒差し出す。胸元のチョコレートも気になるのだが、とにかく差し出されたそれを口にする。歯を立てると、中からとろみのある液体が流れ出てきて、それを喉に流すと身体がカッと熱を帯びる。まさか……洋酒入り?
「何味だった?」
無邪気にそう問いながらりなりーが私の口に舌をねじ込んでくる。チョコと洋酒とりなりーの唾液が絡み合って、かきだすように彼女の舌がうねり、喉を鳴らす。
「あは、熱いね。チョコレートって28度から溶けるんだって。だから、体温なら当たり前に溶けちゃうの。ねぇ、今夜は……かじゅとチョコ、どっちが先に溶けちゃうかな?」
りなりーが耳元で囁く。吐息が耳にかかってゾクッとする。そのまま首筋を舐められてビクンと跳ね上がる。
付き合い始める前のりなりーは無自覚のえっちだった。性的な知識なんてほとんどなくて、あんなにおっぱいが大きいのに自慰すらろくにしたことなくて、だというのに……今は天性のサキュバスみたいに、慣れた手つきで私の下着に指を入れる。期待しきった私ははしたないほど蜜を滴らせていて、触られただけなのにあやうく達してしまいそうだった。
「ほら、舐めていいよ」
体勢を変えて、私がりなりーの上にすっぽり収まるような形になる。
りなりーのおっぱいに顔を包まれ、いつもの匂いに加えてチョコレートの甘い匂いでクラクラしてしまう。そのチョコレートに舌を伸ばすと、りなりーは両手で私のお尻を撫でまわす。お尻から太もも、腰を経由して再びお尻。おっぱいに包まれながら、下半身への愛撫だけで身体はますます熱くなる。
「もっとおっぱい舐めて?」
りなりーとのえっちには一つルールがあって、私がりなりーをイカせてあげないと、りなりーは私をイカせてくれない。ルールを破るとお仕置きがあるのだ。私は右手でりなりーのおっぱいを揉みながら、口はちゅぱちゅぱと乳首を吸う。
「いいよ、かじゅ可愛い……うふふ」
りなりーはまだまだ余裕綽々みたいで、チョコレートをつまみながら左手で私のお尻を撫でまわしている。熱を帯びた身体はりなりーの大きな手に撫でられるだけで感じてしまい、私の愛撫はどんどん緩慢になっていく。お互いが絶頂を迎えられないまま時間だけがゆっくりと過ぎていく。
「もう、かじゅってば焦らし過ぎだよぉ。もぅ~」
再びりなりーに押し倒されて、唇を奪われる。私の腑抜けた愛撫の間にいくつのチョコレートを食べたのか、もうキスはチョコの味しかしない。頭をがしっと押さえられているせいで、水音が直接頭蓋に響く。
「「んちゅ、じゅぶ……にゅぷ、んじゅるぅ……ずちゅ……ちゅぱ、ぬぅ……」」
目の前にりなりーの顔があって、その大きな目には蕩けた私の顔しか写っていなくて、舌で繋がっていて、どんどん力が抜けて行って、目の前がチカチカして……私はあっけなく果ててしまった。
「もう、またかじゅが先にイッちゃったの。しょうがないなぁ、じゃあ……お・し・お・き♡」
まったく……誰がこの子をこんなにえっちにしちゃったかなぁ。まぁ、私なんだけど。
夜はまだ始まったばかり。
寮に戻って夕食や入浴も済ませ、もろもろが準備万端となった。りなりーは2月でも相変わらず薄着で、胸の谷間や太ももやらがむき出しで、正直……ムラムラする。
けれど今一番大事なのは、付き合って初めてのバレンタインにチョコを交換することだ。ふつふつと温度が上がる愛欲をぐっと抑え込んで、丁寧にラッピングしてもらったチョコレートを取り出す。私もりなりーも、手作りを交換ってタイプじゃないから、りなりーがチョコレートの包みを紙袋から取り出すところまでは想定内だった。けど、やはり私の恋人はいつも想像を超えてくる。
「えへへ、実家から送ってもらったチョコレートだよ~」
明かに私がデパートで買ったものより高級そうな包み、その包装紙を遠慮なく破ると、それはまさにチョコレートの宝石箱だった。その中から一つのチョコレートをつまみ、それを口に放り込む――のではなく、そのあまりに豊かな双丘の谷間に落とす。
「ねぇ、かじゅ?」
りなりーの声は甘くとろけるような声質で、私とふたりきりの時はより甘さを増す。そしてそれは、行為のお誘いと同じ声色で……。私は無意識に生唾を飲んでいた。
「チョコレートの溶ける温度、知ってる?」
「う、うーん……夏は溶ける印象だから30度とか?」
私の答えに満足したのか、りなりーがチョコレートを一粒差し出す。胸元のチョコレートも気になるのだが、とにかく差し出されたそれを口にする。歯を立てると、中からとろみのある液体が流れ出てきて、それを喉に流すと身体がカッと熱を帯びる。まさか……洋酒入り?
「何味だった?」
無邪気にそう問いながらりなりーが私の口に舌をねじ込んでくる。チョコと洋酒とりなりーの唾液が絡み合って、かきだすように彼女の舌がうねり、喉を鳴らす。
「あは、熱いね。チョコレートって28度から溶けるんだって。だから、体温なら当たり前に溶けちゃうの。ねぇ、今夜は……かじゅとチョコ、どっちが先に溶けちゃうかな?」
りなりーが耳元で囁く。吐息が耳にかかってゾクッとする。そのまま首筋を舐められてビクンと跳ね上がる。
付き合い始める前のりなりーは無自覚のえっちだった。性的な知識なんてほとんどなくて、あんなにおっぱいが大きいのに自慰すらろくにしたことなくて、だというのに……今は天性のサキュバスみたいに、慣れた手つきで私の下着に指を入れる。期待しきった私ははしたないほど蜜を滴らせていて、触られただけなのにあやうく達してしまいそうだった。
「ほら、舐めていいよ」
体勢を変えて、私がりなりーの上にすっぽり収まるような形になる。
りなりーのおっぱいに顔を包まれ、いつもの匂いに加えてチョコレートの甘い匂いでクラクラしてしまう。そのチョコレートに舌を伸ばすと、りなりーは両手で私のお尻を撫でまわす。お尻から太もも、腰を経由して再びお尻。おっぱいに包まれながら、下半身への愛撫だけで身体はますます熱くなる。
「もっとおっぱい舐めて?」
りなりーとのえっちには一つルールがあって、私がりなりーをイカせてあげないと、りなりーは私をイカせてくれない。ルールを破るとお仕置きがあるのだ。私は右手でりなりーのおっぱいを揉みながら、口はちゅぱちゅぱと乳首を吸う。
「いいよ、かじゅ可愛い……うふふ」
りなりーはまだまだ余裕綽々みたいで、チョコレートをつまみながら左手で私のお尻を撫でまわしている。熱を帯びた身体はりなりーの大きな手に撫でられるだけで感じてしまい、私の愛撫はどんどん緩慢になっていく。お互いが絶頂を迎えられないまま時間だけがゆっくりと過ぎていく。
「もう、かじゅってば焦らし過ぎだよぉ。もぅ~」
再びりなりーに押し倒されて、唇を奪われる。私の腑抜けた愛撫の間にいくつのチョコレートを食べたのか、もうキスはチョコの味しかしない。頭をがしっと押さえられているせいで、水音が直接頭蓋に響く。
「「んちゅ、じゅぶ……にゅぷ、んじゅるぅ……ずちゅ……ちゅぱ、ぬぅ……」」
目の前にりなりーの顔があって、その大きな目には蕩けた私の顔しか写っていなくて、舌で繋がっていて、どんどん力が抜けて行って、目の前がチカチカして……私はあっけなく果ててしまった。
「もう、またかじゅが先にイッちゃったの。しょうがないなぁ、じゃあ……お・し・お・き♡」
まったく……誰がこの子をこんなにえっちにしちゃったかなぁ。まぁ、私なんだけど。
夜はまだ始まったばかり。
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