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創作60分一本勝負
ポニーテール Side:恵玲奈×美海 立成17年7月
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それは熱い夏の日のふとした会話だった。美海の部屋でシャワーを浴びて髪を結う。菊花寮の部屋についたシャワーは本当にありがたい。服を着るより先に髪を結う私に、美海が疑問を口にした。
「恵玲奈はどうしてポニーテールなの?」
「なにそのロミオはどうしてロミオなのみたいな質問は」
髪を結い終わるとチェストから新しい下着を取り出す。何着か美海の部屋に置いているが、正直いってかなり楽。別の用事で来たのになし崩しで肌を重ねても着替えの心配をしなくていいし。
「いや、恵玲奈は運動部でもないし髪の長さから他のアレンジだっていくらでも出来るのにと思って」
「まあ何て言うか、私と言えばポニテだし、ポニテと言えば私でしょ?」
「元の命題の逆は真とは限らないわよ」
命題ねぇ。私と言えばポニテである。これが元の命題とすれば、確かに私以外にもポニテはいくらでもいるし。
「数学苦手だけどさ、対偶が真なのは私にも分かるよ。すなわちポニテでなければ私でない。ちょっと怖いね」
「で、恵玲奈はどうしてポニーテールなのよ?」
なるほど……これは逃げきれないかも。珍しくやけに掘り下げてくるなぁ。むぅ。嘘を吐くのは気が引けるし。
「中学生の頃、体育の時間に結ったポニーテールを叶美が褒めてくれたから。あ、やっぱりムッとしたでしょ」
「当然でしょうが。なにその理由」
だから言いたくなかったんだよなぁと言っても後の祭りか。美海がベッドから抜け出ると、結ったばかりのポニーテールを解かれる。下ろすと肩甲骨のあたりがかゆくて違和感。
「これなら首筋のキスマークも隠せるわね」
「あはは……」
首の後ろは自分じゃ見えないからやめてほしいなぁとうっすら思うけれど、抗えないからなぁ。
「冗談よ。あと一時間もすれば学校なんだから、その気にさせないで。ただそうね、三つ編みでも結ってあげましょうか」
その日はずっと三つ編みおさげで過ごしたが、私だと認識してもらうまでに時間がかかりすぎて驚いたので翌日からはまた普通にポニーテールの生活に戻った。
「恵玲奈はどうしてポニーテールなの?」
「なにそのロミオはどうしてロミオなのみたいな質問は」
髪を結い終わるとチェストから新しい下着を取り出す。何着か美海の部屋に置いているが、正直いってかなり楽。別の用事で来たのになし崩しで肌を重ねても着替えの心配をしなくていいし。
「いや、恵玲奈は運動部でもないし髪の長さから他のアレンジだっていくらでも出来るのにと思って」
「まあ何て言うか、私と言えばポニテだし、ポニテと言えば私でしょ?」
「元の命題の逆は真とは限らないわよ」
命題ねぇ。私と言えばポニテである。これが元の命題とすれば、確かに私以外にもポニテはいくらでもいるし。
「数学苦手だけどさ、対偶が真なのは私にも分かるよ。すなわちポニテでなければ私でない。ちょっと怖いね」
「で、恵玲奈はどうしてポニーテールなのよ?」
なるほど……これは逃げきれないかも。珍しくやけに掘り下げてくるなぁ。むぅ。嘘を吐くのは気が引けるし。
「中学生の頃、体育の時間に結ったポニーテールを叶美が褒めてくれたから。あ、やっぱりムッとしたでしょ」
「当然でしょうが。なにその理由」
だから言いたくなかったんだよなぁと言っても後の祭りか。美海がベッドから抜け出ると、結ったばかりのポニーテールを解かれる。下ろすと肩甲骨のあたりがかゆくて違和感。
「これなら首筋のキスマークも隠せるわね」
「あはは……」
首の後ろは自分じゃ見えないからやめてほしいなぁとうっすら思うけれど、抗えないからなぁ。
「冗談よ。あと一時間もすれば学校なんだから、その気にさせないで。ただそうね、三つ編みでも結ってあげましょうか」
その日はずっと三つ編みおさげで過ごしたが、私だと認識してもらうまでに時間がかかりすぎて驚いたので翌日からはまた普通にポニーテールの生活に戻った。
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