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創作60分一本勝負
指輪 Side:美星×瑠奈 立成20年5月
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彼女に指輪をもらった。今日は誕生日じゃない。記念日……いや、そういうのにうるさいのはむしろ私の方だ。だとしたら何で彼女は急に指輪を買ってきたんだろう。唐突に欲しくなった? あまりものに頓着しない彼女だと思っていたのだけれど。
「ねえ瑠奈ちゃん? どうして?」
思い切って本人に聞いてみることにした。ルビーは私の誕生石、それもそこそこ大きめのストーンだ。決して安物ではないだろう。のんびり気ままな不労暮らしだけれど、彼女とだから退屈したことは一瞬たりともない。そろそろ一人くらい身よりのない子供を預かりたいなんて言っているけれど、瑠奈ちゃんは少し人見知りのところがあるから、なかなか色よい返事をくれない。
強制するつもりはないけれど、中学に上がる年になったら母校の寮生活を薦めるつもりでいる。長くて十年短かったら五年ほどの付き合いだろう。それくらいで瑠奈ちゃんとの付き合いが揺らぐなんて欠片も思っていないのだけれど。瑠奈ちゃんは私と二人きりの愛の巣に他の誰かを招くのが嫌なんだろう。前に夕陽ちゃんと朱里ちゃんを招いてパーティをした時はわざわざホールを借りたくらいだし。発案の時はホームパーティーだったのに。
「私、決めた。美星の言う通り身よりのない子を預かろうと思って。だからこれは、その……母親になる決意、みたいなもの。あと、その……美星は私だけのものだから、それは伝えておきたいの」
初めてあった時から猫のような人だと思っていた。しなやかでさみしがりで気ままで……。そんな彼女がどうしても愛おしかった。だから今の幸せがあるんだけれど。
「嬉しい。じゃ、これは左の薬指にするから……その、瑠奈ちゃんに嵌めてほしい」
「そんなこと言われたら、私のも欲しくなっちゃうじゃない。……美星、選んでくれる?」
せっかく誕生石にちなんだ指輪をもらったのに、結婚指輪ならお揃いが欲しくなるじゃない。瑠奈ちゃんのしなやかな指が私の指を伝う。指を絡めて……口づけを交わす。十月の誕生石は確かオパール。希望が石言葉だったかな。瑠奈ちゃんは私の希望だから、なんだかぴったりだなぁ。
「瑠奈ちゃんがすると、大概の指輪じゃ霞んじゃうから難しいね」
「まったく、美星は口が上手ね。……キスだってそう」
熱い口づけを交わすと銀糸の橋がかかる。どれだけ肌を重ねても瑠奈ちゃんへの愛が揺らいだことは一度たりともない。この先だってそう。
「指輪はお揃いがいいなぁ。石のないリングで、普段からするの。今日もらった指輪も大切にするけれど、これはそうね……お洒落用。普段から瑠奈ちゃんを感じられるリングが欲しい」
「仕方ない娘ね美星は。そうね、お互いの名前を内側に彫るなんてどう?」
「それは素敵だわ」
私たちの指に揃いの指輪がされるまでそう時間はかからなかった。
「ねえ瑠奈ちゃん? どうして?」
思い切って本人に聞いてみることにした。ルビーは私の誕生石、それもそこそこ大きめのストーンだ。決して安物ではないだろう。のんびり気ままな不労暮らしだけれど、彼女とだから退屈したことは一瞬たりともない。そろそろ一人くらい身よりのない子供を預かりたいなんて言っているけれど、瑠奈ちゃんは少し人見知りのところがあるから、なかなか色よい返事をくれない。
強制するつもりはないけれど、中学に上がる年になったら母校の寮生活を薦めるつもりでいる。長くて十年短かったら五年ほどの付き合いだろう。それくらいで瑠奈ちゃんとの付き合いが揺らぐなんて欠片も思っていないのだけれど。瑠奈ちゃんは私と二人きりの愛の巣に他の誰かを招くのが嫌なんだろう。前に夕陽ちゃんと朱里ちゃんを招いてパーティをした時はわざわざホールを借りたくらいだし。発案の時はホームパーティーだったのに。
「私、決めた。美星の言う通り身よりのない子を預かろうと思って。だからこれは、その……母親になる決意、みたいなもの。あと、その……美星は私だけのものだから、それは伝えておきたいの」
初めてあった時から猫のような人だと思っていた。しなやかでさみしがりで気ままで……。そんな彼女がどうしても愛おしかった。だから今の幸せがあるんだけれど。
「嬉しい。じゃ、これは左の薬指にするから……その、瑠奈ちゃんに嵌めてほしい」
「そんなこと言われたら、私のも欲しくなっちゃうじゃない。……美星、選んでくれる?」
せっかく誕生石にちなんだ指輪をもらったのに、結婚指輪ならお揃いが欲しくなるじゃない。瑠奈ちゃんのしなやかな指が私の指を伝う。指を絡めて……口づけを交わす。十月の誕生石は確かオパール。希望が石言葉だったかな。瑠奈ちゃんは私の希望だから、なんだかぴったりだなぁ。
「瑠奈ちゃんがすると、大概の指輪じゃ霞んじゃうから難しいね」
「まったく、美星は口が上手ね。……キスだってそう」
熱い口づけを交わすと銀糸の橋がかかる。どれだけ肌を重ねても瑠奈ちゃんへの愛が揺らいだことは一度たりともない。この先だってそう。
「指輪はお揃いがいいなぁ。石のないリングで、普段からするの。今日もらった指輪も大切にするけれど、これはそうね……お洒落用。普段から瑠奈ちゃんを感じられるリングが欲しい」
「仕方ない娘ね美星は。そうね、お互いの名前を内側に彫るなんてどう?」
「それは素敵だわ」
私たちの指に揃いの指輪がされるまでそう時間はかからなかった。
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