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大食いガールズ
大食いガールズ(オムライス編) Side:みのり&雪乃&紀香&桜芽 立成17年5月
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「はいやって来ました~。星花大食いチャレンジのコーナーです! なんと今回はゲストの方がいらっしゃってますよ!! やりましたね、雪乃先輩!!」
「あの……みのりちゃん? 何そのテンション」
実はですね、と前置きしてから話し出す。ゲストの方々には申し訳ないけれど。
「今回の大食いチャレンジは新聞部さんの動画投稿サイトのチャンネルと連動した企画でして、自撮り棒とスマホを受け取っていますので、トークしながら挑戦してくださいって。ではゲストの方を紹介します。ソフトボール部から星花の主砲と名高い下村紀香さんです!」
「いいねいいね、こういうテレビ的なノリは嫌いじゃない!」
「さらにさらに、オリンピックに出られない理由が年齢以外に見付からない! 柔道部の期待の星、橘桜芽さんです!」
「お招きいただき光栄です」
なんとも濃い面々である。そして驚きなのが、この中だと私が一番の小食であるということ。妙な笑いが出てしまう。
「えっとですね、今回挑むお店は学園前駅から一駅の外相摩駅から徒歩五分の所にあります、洋食の大和さんです!」
今はまだ駅前にいるので、実際に歩きながら説明を続行する。
「今回食べて頂く食材はオムライスです。大きさは見てのお楽しみということで、まぁ皆さんなら成功すると思いますので成功報酬についてお先に説明しますね。なんとお代無料かつ次回の食事する時に使えるクーポンなんと半額! 次回のお食事が半額になるクーポンがもらえちゃうわけですよ」
「お、そいつぁすげえな」
「下村先輩乗り気ですね。いやぁ今回、交渉の類いは新聞部さんがやってくれたんですけど、本来一日三食しか提供していないチャレンジメニューを四人分ということで、半年かかって実現したようです。そんなに前からこの企画やりたかったんですね。驚きです。ていうかうちでやってほしかったかなあ」
「みのりちゃん本音が……」
「ごほんごほん」
「ちなみに完食出来なかった場合は?」
バレー部、かつ高校二年の雪乃先輩よりさらに数センチ背の高い橘さんが、かすかにほんの気持ち縮こまりながら訊ねる。ひょっとしたら最年少だから緊張……しているようには見えないんだよなぁ。
「お代が六千円。パーティメニューとして考えたら普通に驚異的なお得さなんだけどね」
そんなやり取りを経てお店に到着。引き戸のドアを開けるとそこにいたのは屈強な男性。
「らっしゃい。今日は君らの貸し切りだ。とくと食べるがいいさ」
……新聞部、すごい。この強面を相手に半年も交渉していたなんて。席に通されると水をピッチャーで渡された。一人一つずつ。到着時刻を先に伝えてあったためか、数分を待たずに例のものがテーブルに現れた。
「極オムライス~七海を制する艦隊~だ。制限時間は45分」
四人分が並ぶと圧倒されるその質量だ。2キロのケチャップライスをかの戦艦大和にみたて、その周囲にバターライス、ガーリックライス、ドライカレーの三種類のご飯が300グラムの小さなオムライスとして随伴する。その数六隻。……いや、オムライス300グラムは決して小さくないけどね。
つまるところご飯だけでほぼ4キロなのだが、七海の方……七種類のソースが別の容器に注がれて持ってこられた。ドーナツをを六等分したような別れ方、で分かるだろうか。真ん中には大量のケチャップが。そして上から時計回りにデミグラスソース、ホワイトソース、ビーフシチュー、カレー、和風キノコソース、トマトソースだ。
しかしこれだけでは終わらない。随伴艦のオムライスのうち二つには、飛行甲板でも模しているのか、わらじトンカツが乗せられている。では艦載機はというと、周りが大きすぎてすっかり小エビにしか見えない中サイズのエビフライが配置されている。ちなみに大和はというと、ソーセージで三連装主砲がしっかり四基十二門配されている。随伴艦にも縦半分に切られたソーセージが魚雷発射管のように添えられている。
「「「「いただきます」」」」
合掌とともに店長さんがストップウォッチを押す。さて、これまで制限時間のある食材というのはあまり挑んでこなかった。それはデカ盛りだからである。しかしこれはチャレンジメニュー。勝負事は好きな性分だ。この5キロ超のオムライス、普段は4キロくらいで折れる私だけど……絶対に完食する!
「まずは揚げ物」
取り敢えずナイフとフォークでとんかつを切り分け、カレーにディップして食べる。普通にとんかつソースが欲しいがカレーもなかなかコクがあって美味しい。家からもほど近い……と言えなくもない横須賀で食べたカレーを思い出す。あまり辛くないので雪乃先輩も大丈夫だろうと思いつつ、辛みの感じ方は人それぞれだからと思い視線を向けると、先輩はまず大和から攻略していた。ご飯大好き白峰さんである。既に主砲が下ろされケチャップを注入されている。
ちなみに、座る位置は下村先輩、雪乃先輩、私、橘さんだ。さらに奥の下村先輩の方に視線をやると、スプーンでビーフシチューを食べていた。オムライスにかけない。自由だ。一方、私の右隣に座る橘さんは非常に上品な所作で、私同様トンカツから攻略していた。ナイフとフォークですぱすぱと切る。けっして固いお肉でも衣でもないが、あれほど滑らかには切断できないんだけどなぁ……。ちなみに後で知るが彼女は大の豚肉好きらしい。みるみる消えていく。さて、あまり周りを眺めている余裕は私にはない。繰り返しになるが、このメンバーで最も食が細いのは私だ。制限時間内に完食せねば。
さて最初にとんかつを食べるのには理由がある。油モノは後に残すと苦しむからだ。バターライスもあるということで、オムライスは大食いしづらい食材の一つだと私は思っている。幸い今回のオムライスは簡単に味変が出来るので飽きはこない。そもそも美味しいし。だからこそ障害は早々に排除したい。
十分ほど経過しただろうか。とんかつののっていた2隻の随伴オムライスを胃に沈めると、喉を濡らす程度に水を飲み他三人に視線を送る。一応、動画の撮影もしているわけで、黙々と食べる姿も何倍速かで加速させて見たら面白いかもしれないが、流石にどうかと思う。そこでテレビ好きらしい下村先輩にコメントを求めた。
「ぶぬぁ? んぐ、美味い。肉、肉が美味い」
下村先輩は既にビーフシチューとデミグラスソース、とんかつとソーセージ、それから随伴オムライス1隻ちょっとを平らげている。大和も武装がないとただのオムライスである。Z旗を模した旗はまだ健在だが。続いて雪乃先輩にカレーの辛さは平気か尋ねる。
「カレー? あ、まだ食べてない。……ふぅん、まぁ、大丈夫かな。ていうかこの大きなオムライス、中にハンバーグ隠れてるよ」
「おいマジかよ」
それを聞いてお肉大好き下村先輩はナイフで大和を切断。中から引きずり出したハンバーグにケチャップをつけながら美味しそうに食べ出した。なお雪乃先輩は既に大和を半分ほど食べきっている。途中で味変したくなったのか、随伴オムライスが少し削られている。さて、首を右に振ると、
「美味しいものをいくらでも食べられるのは幸せですね。とはいえ、体重をキープしないといけないので苦労しますが」
橘さんはオムライスをナイフとフォークで食べ続けていた。スプーンはソースの器に置きっぱなしで、フォークの背にナイフでご飯を載せ食べていた。あまりに美しいテーブルマナーに今が大食いチャレンジ中であることを忘れそうになった。とはいえどうしてそんな上品な食べ方でここまで進んでいるのかというほど、既にとんかつと随伴オムライスの半数が胃に沈んでいた。ソースと合わせて2キロ弱ほどだろうか。とにかくペースと動きに澱みがない。私も頑張って食べ進めないと。
「制限時間残り半分」
強面の店主は新聞部からの取材について詳しく聞かされているのか、固定されたスマホを持って我々をアップで写したりしながら、時間を計り我々に残り時間半分を宣言した。
計5キロのオムライスだが、私の皿には2キロの大和オムライスと若干のエビフライを残すのみだった。取り敢えず時間の半分で量の半分以上を平らげることが出来た。ここから先は満腹との戦いにもなる。
雪乃先輩は大和を平らげ、随伴オムライスの半数も沈めている。残っているのはとんかつ1枚とエビフライが少々そしてソーセージが一本。やはり3キロ少々は完食している。
下村先輩は大和7割、随伴2隻、とんかつ1枚を残している。どうやらハンバーグを味わいながら食べていたらしい。食べた重量が3キロに満たない。
さて橘さんなのだが……。残っているのは随伴2隻ととんかつが一切れ。もう1キロも残っていない。圧倒的すぎてめまいがしそうだ。
残り十五分が宣言される少し前に、橘さんが完食を宣言した。やはり代謝が違うのだろうか。完食後も食べ始める前と同じほど凜々しく涼しげな顔をしている。驚きだ。既に私はのつのつし始め、大和を削るペースが落ち始めていた。残るところ1.4キロくらいだろうか。やはり中に隠されていたハンバーグが重いのだ。
雪乃先輩は揚げ物に少し苦戦しつつも残り1キロくらい。下村先輩もほぼ同じくらいだ。多分完食は出来る。そんな思いを抱きながら、必死にくらいつく。
「ごっつぉさん!」
下村先輩が開始38分くらいで、雪乃先輩も40分のコール後すぐに完食した。私も残すは300グラムほど。残ったデミグラスソースを全てかけ、少々マナーが悪いがかきこむように食べ、43分で完食した。
「ごちそうさまでした!!」
その後改めて四人でごちそうさまを唱和して、店長さんから半額券をいただき、
「洋食の大和、皆さんも是非食べにきてくださいね~」
と宣伝して締めくくった。なおその後、橘さんは一人違う電車で山方向に行ったんだけど……何をしに言ったんだろうか。
「あの……みのりちゃん? 何そのテンション」
実はですね、と前置きしてから話し出す。ゲストの方々には申し訳ないけれど。
「今回の大食いチャレンジは新聞部さんの動画投稿サイトのチャンネルと連動した企画でして、自撮り棒とスマホを受け取っていますので、トークしながら挑戦してくださいって。ではゲストの方を紹介します。ソフトボール部から星花の主砲と名高い下村紀香さんです!」
「いいねいいね、こういうテレビ的なノリは嫌いじゃない!」
「さらにさらに、オリンピックに出られない理由が年齢以外に見付からない! 柔道部の期待の星、橘桜芽さんです!」
「お招きいただき光栄です」
なんとも濃い面々である。そして驚きなのが、この中だと私が一番の小食であるということ。妙な笑いが出てしまう。
「えっとですね、今回挑むお店は学園前駅から一駅の外相摩駅から徒歩五分の所にあります、洋食の大和さんです!」
今はまだ駅前にいるので、実際に歩きながら説明を続行する。
「今回食べて頂く食材はオムライスです。大きさは見てのお楽しみということで、まぁ皆さんなら成功すると思いますので成功報酬についてお先に説明しますね。なんとお代無料かつ次回の食事する時に使えるクーポンなんと半額! 次回のお食事が半額になるクーポンがもらえちゃうわけですよ」
「お、そいつぁすげえな」
「下村先輩乗り気ですね。いやぁ今回、交渉の類いは新聞部さんがやってくれたんですけど、本来一日三食しか提供していないチャレンジメニューを四人分ということで、半年かかって実現したようです。そんなに前からこの企画やりたかったんですね。驚きです。ていうかうちでやってほしかったかなあ」
「みのりちゃん本音が……」
「ごほんごほん」
「ちなみに完食出来なかった場合は?」
バレー部、かつ高校二年の雪乃先輩よりさらに数センチ背の高い橘さんが、かすかにほんの気持ち縮こまりながら訊ねる。ひょっとしたら最年少だから緊張……しているようには見えないんだよなぁ。
「お代が六千円。パーティメニューとして考えたら普通に驚異的なお得さなんだけどね」
そんなやり取りを経てお店に到着。引き戸のドアを開けるとそこにいたのは屈強な男性。
「らっしゃい。今日は君らの貸し切りだ。とくと食べるがいいさ」
……新聞部、すごい。この強面を相手に半年も交渉していたなんて。席に通されると水をピッチャーで渡された。一人一つずつ。到着時刻を先に伝えてあったためか、数分を待たずに例のものがテーブルに現れた。
「極オムライス~七海を制する艦隊~だ。制限時間は45分」
四人分が並ぶと圧倒されるその質量だ。2キロのケチャップライスをかの戦艦大和にみたて、その周囲にバターライス、ガーリックライス、ドライカレーの三種類のご飯が300グラムの小さなオムライスとして随伴する。その数六隻。……いや、オムライス300グラムは決して小さくないけどね。
つまるところご飯だけでほぼ4キロなのだが、七海の方……七種類のソースが別の容器に注がれて持ってこられた。ドーナツをを六等分したような別れ方、で分かるだろうか。真ん中には大量のケチャップが。そして上から時計回りにデミグラスソース、ホワイトソース、ビーフシチュー、カレー、和風キノコソース、トマトソースだ。
しかしこれだけでは終わらない。随伴艦のオムライスのうち二つには、飛行甲板でも模しているのか、わらじトンカツが乗せられている。では艦載機はというと、周りが大きすぎてすっかり小エビにしか見えない中サイズのエビフライが配置されている。ちなみに大和はというと、ソーセージで三連装主砲がしっかり四基十二門配されている。随伴艦にも縦半分に切られたソーセージが魚雷発射管のように添えられている。
「「「「いただきます」」」」
合掌とともに店長さんがストップウォッチを押す。さて、これまで制限時間のある食材というのはあまり挑んでこなかった。それはデカ盛りだからである。しかしこれはチャレンジメニュー。勝負事は好きな性分だ。この5キロ超のオムライス、普段は4キロくらいで折れる私だけど……絶対に完食する!
「まずは揚げ物」
取り敢えずナイフとフォークでとんかつを切り分け、カレーにディップして食べる。普通にとんかつソースが欲しいがカレーもなかなかコクがあって美味しい。家からもほど近い……と言えなくもない横須賀で食べたカレーを思い出す。あまり辛くないので雪乃先輩も大丈夫だろうと思いつつ、辛みの感じ方は人それぞれだからと思い視線を向けると、先輩はまず大和から攻略していた。ご飯大好き白峰さんである。既に主砲が下ろされケチャップを注入されている。
ちなみに、座る位置は下村先輩、雪乃先輩、私、橘さんだ。さらに奥の下村先輩の方に視線をやると、スプーンでビーフシチューを食べていた。オムライスにかけない。自由だ。一方、私の右隣に座る橘さんは非常に上品な所作で、私同様トンカツから攻略していた。ナイフとフォークですぱすぱと切る。けっして固いお肉でも衣でもないが、あれほど滑らかには切断できないんだけどなぁ……。ちなみに後で知るが彼女は大の豚肉好きらしい。みるみる消えていく。さて、あまり周りを眺めている余裕は私にはない。繰り返しになるが、このメンバーで最も食が細いのは私だ。制限時間内に完食せねば。
さて最初にとんかつを食べるのには理由がある。油モノは後に残すと苦しむからだ。バターライスもあるということで、オムライスは大食いしづらい食材の一つだと私は思っている。幸い今回のオムライスは簡単に味変が出来るので飽きはこない。そもそも美味しいし。だからこそ障害は早々に排除したい。
十分ほど経過しただろうか。とんかつののっていた2隻の随伴オムライスを胃に沈めると、喉を濡らす程度に水を飲み他三人に視線を送る。一応、動画の撮影もしているわけで、黙々と食べる姿も何倍速かで加速させて見たら面白いかもしれないが、流石にどうかと思う。そこでテレビ好きらしい下村先輩にコメントを求めた。
「ぶぬぁ? んぐ、美味い。肉、肉が美味い」
下村先輩は既にビーフシチューとデミグラスソース、とんかつとソーセージ、それから随伴オムライス1隻ちょっとを平らげている。大和も武装がないとただのオムライスである。Z旗を模した旗はまだ健在だが。続いて雪乃先輩にカレーの辛さは平気か尋ねる。
「カレー? あ、まだ食べてない。……ふぅん、まぁ、大丈夫かな。ていうかこの大きなオムライス、中にハンバーグ隠れてるよ」
「おいマジかよ」
それを聞いてお肉大好き下村先輩はナイフで大和を切断。中から引きずり出したハンバーグにケチャップをつけながら美味しそうに食べ出した。なお雪乃先輩は既に大和を半分ほど食べきっている。途中で味変したくなったのか、随伴オムライスが少し削られている。さて、首を右に振ると、
「美味しいものをいくらでも食べられるのは幸せですね。とはいえ、体重をキープしないといけないので苦労しますが」
橘さんはオムライスをナイフとフォークで食べ続けていた。スプーンはソースの器に置きっぱなしで、フォークの背にナイフでご飯を載せ食べていた。あまりに美しいテーブルマナーに今が大食いチャレンジ中であることを忘れそうになった。とはいえどうしてそんな上品な食べ方でここまで進んでいるのかというほど、既にとんかつと随伴オムライスの半数が胃に沈んでいた。ソースと合わせて2キロ弱ほどだろうか。とにかくペースと動きに澱みがない。私も頑張って食べ進めないと。
「制限時間残り半分」
強面の店主は新聞部からの取材について詳しく聞かされているのか、固定されたスマホを持って我々をアップで写したりしながら、時間を計り我々に残り時間半分を宣言した。
計5キロのオムライスだが、私の皿には2キロの大和オムライスと若干のエビフライを残すのみだった。取り敢えず時間の半分で量の半分以上を平らげることが出来た。ここから先は満腹との戦いにもなる。
雪乃先輩は大和を平らげ、随伴オムライスの半数も沈めている。残っているのはとんかつ1枚とエビフライが少々そしてソーセージが一本。やはり3キロ少々は完食している。
下村先輩は大和7割、随伴2隻、とんかつ1枚を残している。どうやらハンバーグを味わいながら食べていたらしい。食べた重量が3キロに満たない。
さて橘さんなのだが……。残っているのは随伴2隻ととんかつが一切れ。もう1キロも残っていない。圧倒的すぎてめまいがしそうだ。
残り十五分が宣言される少し前に、橘さんが完食を宣言した。やはり代謝が違うのだろうか。完食後も食べ始める前と同じほど凜々しく涼しげな顔をしている。驚きだ。既に私はのつのつし始め、大和を削るペースが落ち始めていた。残るところ1.4キロくらいだろうか。やはり中に隠されていたハンバーグが重いのだ。
雪乃先輩は揚げ物に少し苦戦しつつも残り1キロくらい。下村先輩もほぼ同じくらいだ。多分完食は出来る。そんな思いを抱きながら、必死にくらいつく。
「ごっつぉさん!」
下村先輩が開始38分くらいで、雪乃先輩も40分のコール後すぐに完食した。私も残すは300グラムほど。残ったデミグラスソースを全てかけ、少々マナーが悪いがかきこむように食べ、43分で完食した。
「ごちそうさまでした!!」
その後改めて四人でごちそうさまを唱和して、店長さんから半額券をいただき、
「洋食の大和、皆さんも是非食べにきてくださいね~」
と宣伝して締めくくった。なおその後、橘さんは一人違う電車で山方向に行ったんだけど……何をしに言ったんだろうか。
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