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アンソロジー
変化 Side:叶美&恵玲奈&雪絵 立成17年7月
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高校三年の夏、受験を念頭においた勉強にシフトしつつある私たち。ここ星花女子学園には西隣の橋立市に大学がある。文系の単科大で、女子大としてはそれなりに偏差値も高い方。中高と違って経営状態はよく、天寿の資本をうけていない。……受けていたならとっくに総合大学になっていただろう。
「叶美は学部、どこにするの?」
一緒に勉強をしている私含め三人のうちの一人、水藤叶美。おっとりとした雰囲気の美少女であるが、ここ一年強で落ち着きというか、色香をまとったような気がする。
「それ、私も気になる」
そしてもう一人、小柄ながらはつらつとした印象を与える西恵玲奈。彼女もここ一年弱で落ち着いた……余裕のある雰囲気を持つようになった気がする。
「社会学科にしようか、教育の教員養成コースにしようか……ちょっと迷ってる。二人と出会って、学校の先生になりたいっていう気持ちもあるし、もっと社会の勉強をしたい気持ちもあるの」
「なるほどねぇ。私は社会学科かな。マスコミ系の勉強もちょっとは出来るだろうし。あ、雪絵はどうするの?」
恵玲奈が私に振ってくる。絵を描いて生きていけたらいいのだけど、そう上手くはいかないから。
「英文に進もうかしら。美術の次に得意なのは英語だから」
「あぁ、納得。でもまぁ、雪絵は大概のことは出来るし」
「そうでもないわよ?」
二人が不思議そうに小首を傾げる。
「二人ともここ一年くらいで随分と大人っぽくなったよね。やっぱり……恋、してるから?」
あと数ヶ月で私も18歳だ。初恋をするには遅い……。
「まぁ、わたしも恵玲奈も年下の恋人だから。大人っぽい娘でもあるけど、ううん。上手く言えないや」
「言い方としてはあんまり良くないんだろうけど、雪絵にもきっと分かる日がくるよ」
幸せそうに笑う二人を、こうして独り占めするのもよくないかな。
「そっか。じゃあ今日はお開きにして、二人とも恋人のところに行ってあげて」
「ありがとう!」
「うん、そうさせてもらうよ」
星花には小学校から通っている。女の子同士が仲良しから先の一線を越えるなんて、わりと目の当たりにしてきたことだ。別にここが閉鎖的な空間だからってだけじゃない。惹かれ合うことを理性で抑えつけることは出来ないのだろう。
「可愛いと思うだけとは違う、恋って……どんな感じなのかしらね」
「叶美は学部、どこにするの?」
一緒に勉強をしている私含め三人のうちの一人、水藤叶美。おっとりとした雰囲気の美少女であるが、ここ一年強で落ち着きというか、色香をまとったような気がする。
「それ、私も気になる」
そしてもう一人、小柄ながらはつらつとした印象を与える西恵玲奈。彼女もここ一年弱で落ち着いた……余裕のある雰囲気を持つようになった気がする。
「社会学科にしようか、教育の教員養成コースにしようか……ちょっと迷ってる。二人と出会って、学校の先生になりたいっていう気持ちもあるし、もっと社会の勉強をしたい気持ちもあるの」
「なるほどねぇ。私は社会学科かな。マスコミ系の勉強もちょっとは出来るだろうし。あ、雪絵はどうするの?」
恵玲奈が私に振ってくる。絵を描いて生きていけたらいいのだけど、そう上手くはいかないから。
「英文に進もうかしら。美術の次に得意なのは英語だから」
「あぁ、納得。でもまぁ、雪絵は大概のことは出来るし」
「そうでもないわよ?」
二人が不思議そうに小首を傾げる。
「二人ともここ一年くらいで随分と大人っぽくなったよね。やっぱり……恋、してるから?」
あと数ヶ月で私も18歳だ。初恋をするには遅い……。
「まぁ、わたしも恵玲奈も年下の恋人だから。大人っぽい娘でもあるけど、ううん。上手く言えないや」
「言い方としてはあんまり良くないんだろうけど、雪絵にもきっと分かる日がくるよ」
幸せそうに笑う二人を、こうして独り占めするのもよくないかな。
「そっか。じゃあ今日はお開きにして、二人とも恋人のところに行ってあげて」
「ありがとう!」
「うん、そうさせてもらうよ」
星花には小学校から通っている。女の子同士が仲良しから先の一線を越えるなんて、わりと目の当たりにしてきたことだ。別にここが閉鎖的な空間だからってだけじゃない。惹かれ合うことを理性で抑えつけることは出来ないのだろう。
「可愛いと思うだけとは違う、恋って……どんな感じなのかしらね」
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