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第一夜 Side:叶美×紅葉×かおり 初めての初めて
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わたし、水藤叶美が二人の恋人……城咲紅葉ちゃんと北川かおりちゃんと付き合い始めてそろそろ一ヶ月。毎週金曜日は彼女たちがわたしの部屋に泊まりに来る日だ。時刻は午後6時半、そろそろ約束の時間だ。部屋のローテーブルにはわたしが作った料理が用意してある。こうして三人でご飯を食べる時間は、すごく幸せだ。
――ピンポ~ン♪――
「はーい!」
扉を開けると、グレーのワンピースを着た紅葉ちゃんと、パフスリーブのブラウスに赤のスカートを合わせたかおりちゃんが並んでいた。
「いい匂いする~」
花が咲くような表情を浮かべるかおりちゃんに、紅葉ちゃんも微笑んでリビングへと進む。わたしは二人に手を洗うよう言ってテーブルにつく。
「「「いただきます」」」
三人でご飯を食べて、食べ終わったら一緒に寮のキッチンへ持って行って後片付けをする。いっぱい話していれば、あっという間に片付けも終わった。
食後ののんびりも済んだ午後8時、わたしは小説を書く紅葉ちゃんに背中を預けながら、かおりちゃんを膝枕していた。いっぱい喋るのも楽しいけれど、こうした静かな時間の過ごし方もなんだか落ち着く。かおりちゃんのさらさらした髪を撫でていると、仰向けになったかおりちゃんが不意にわたしの胸へ手を伸ばしてきた。
「どうしたの?」
「わたし……かなみちゃんやくれはちゃんみたいに、おっぱい大きくならないのかなぁ」
わたしの胸に触れる彼女の手を包むように握り、ゆっくりと言葉をかける。
「身体の成長は人それぞれだから、気にすることないよ。それに、大きくても小さくてもかおりちゃんのこと、わたしも紅葉ちゃんも好きだよ」
そう言ってあげると、かおりちゃんはわたしの胸に顔をうずめた。また髪を撫でてあげると、今度は肩に頭を乗せてぎゅっと抱きつく。甘えたい時間なのかと思ったけれど、
「かなみちゃん、えっちして」
かおりちゃんの言葉にわたしは驚きすぎて動けなかった。キスをする仲だけど、それ以上のことなんて全然考えてなかったし、そもそも相手は中学生だし、いろいろとマズいんじゃ……。
「おっぱい、揉まれると大きくなるってクラスの子が言ってたから……あと、わたし、かなみちゃんともっと繋がりたいの」
甘くとろけるような声が耳元で囁く。繋がりたい……。わたしだって、気付けばどこかへ言ってしまいそうなかおりちゃんを、もっと側に……。そんなことを考えていると、背中にも柔らかな温もりが伝わってきた。
「お姉さま、私にも……してください」
「え? えっと、その、じゃ、じゃあ……取り敢えず、シャワー、浴びよ?」
女の子同士のえっちなんてどうしたらいいか全く分からなくて、そもそも男女であっても保健で習う以上のことは知らないし、実体験なんて一切ないから、取り敢えずのイメージでシャワーを浴びることにしたけれど、
「はぅ、か、かおりちゃん……くすぐったいよ」
「かおり、そこは、だめ、です」
部屋にある一人用のシャワールームに三人も入ったら当然ぎゅうぎゅうで、密着っぷりに興奮したのか、かおりちゃんがわたしと紅葉ちゃんのおっぱいを揉み始めるものだから、こそばゆさに身をよじると、ますます狭く感じる。
「かおりばかり、ずるいです」
そう言って紅葉ちゃんが急に、わたしの乳首に吸い付いた。かおりちゃんもそれを真似て、赤ちゃんのように吸い始めた。
「ふぁあ、待って、二人とも、出ないから、何も出ないからぁぁ」
かおりちゃんに吸われ、紅葉ちゃんは唇で挟んだり舐めたりしていて、痛かったりくすぐったかりで、わたしは二人の頭を押して何とか離れさせた。
「もぅ! わたしだって怒るよ?」
「「ご、ごめんなさい」」
「いいからもう出よう? 冷えちゃうよ」
六月とはいえ夜になれば少し冷える。二人が風邪をひいたら嫌だし、シャワーを出てパジャマを着る。
わたしたち三人の初えっちは未遂な上に大失敗という結果に終わったのだった。
――ピンポ~ン♪――
「はーい!」
扉を開けると、グレーのワンピースを着た紅葉ちゃんと、パフスリーブのブラウスに赤のスカートを合わせたかおりちゃんが並んでいた。
「いい匂いする~」
花が咲くような表情を浮かべるかおりちゃんに、紅葉ちゃんも微笑んでリビングへと進む。わたしは二人に手を洗うよう言ってテーブルにつく。
「「「いただきます」」」
三人でご飯を食べて、食べ終わったら一緒に寮のキッチンへ持って行って後片付けをする。いっぱい話していれば、あっという間に片付けも終わった。
食後ののんびりも済んだ午後8時、わたしは小説を書く紅葉ちゃんに背中を預けながら、かおりちゃんを膝枕していた。いっぱい喋るのも楽しいけれど、こうした静かな時間の過ごし方もなんだか落ち着く。かおりちゃんのさらさらした髪を撫でていると、仰向けになったかおりちゃんが不意にわたしの胸へ手を伸ばしてきた。
「どうしたの?」
「わたし……かなみちゃんやくれはちゃんみたいに、おっぱい大きくならないのかなぁ」
わたしの胸に触れる彼女の手を包むように握り、ゆっくりと言葉をかける。
「身体の成長は人それぞれだから、気にすることないよ。それに、大きくても小さくてもかおりちゃんのこと、わたしも紅葉ちゃんも好きだよ」
そう言ってあげると、かおりちゃんはわたしの胸に顔をうずめた。また髪を撫でてあげると、今度は肩に頭を乗せてぎゅっと抱きつく。甘えたい時間なのかと思ったけれど、
「かなみちゃん、えっちして」
かおりちゃんの言葉にわたしは驚きすぎて動けなかった。キスをする仲だけど、それ以上のことなんて全然考えてなかったし、そもそも相手は中学生だし、いろいろとマズいんじゃ……。
「おっぱい、揉まれると大きくなるってクラスの子が言ってたから……あと、わたし、かなみちゃんともっと繋がりたいの」
甘くとろけるような声が耳元で囁く。繋がりたい……。わたしだって、気付けばどこかへ言ってしまいそうなかおりちゃんを、もっと側に……。そんなことを考えていると、背中にも柔らかな温もりが伝わってきた。
「お姉さま、私にも……してください」
「え? えっと、その、じゃ、じゃあ……取り敢えず、シャワー、浴びよ?」
女の子同士のえっちなんてどうしたらいいか全く分からなくて、そもそも男女であっても保健で習う以上のことは知らないし、実体験なんて一切ないから、取り敢えずのイメージでシャワーを浴びることにしたけれど、
「はぅ、か、かおりちゃん……くすぐったいよ」
「かおり、そこは、だめ、です」
部屋にある一人用のシャワールームに三人も入ったら当然ぎゅうぎゅうで、密着っぷりに興奮したのか、かおりちゃんがわたしと紅葉ちゃんのおっぱいを揉み始めるものだから、こそばゆさに身をよじると、ますます狭く感じる。
「かおりばかり、ずるいです」
そう言って紅葉ちゃんが急に、わたしの乳首に吸い付いた。かおりちゃんもそれを真似て、赤ちゃんのように吸い始めた。
「ふぁあ、待って、二人とも、出ないから、何も出ないからぁぁ」
かおりちゃんに吸われ、紅葉ちゃんは唇で挟んだり舐めたりしていて、痛かったりくすぐったかりで、わたしは二人の頭を押して何とか離れさせた。
「もぅ! わたしだって怒るよ?」
「「ご、ごめんなさい」」
「いいからもう出よう? 冷えちゃうよ」
六月とはいえ夜になれば少し冷える。二人が風邪をひいたら嫌だし、シャワーを出てパジャマを着る。
わたしたち三人の初えっちは未遂な上に大失敗という結果に終わったのだった。
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