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2幕
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「先代の仇、ここで討たせてもらうぜ!」
「やれるもんならやってごらんさい!!」
二人の少女がぶつかり合う。激しく打ち合い、幾度となく互いの身体に傷を増やしていく。実力が拮抗するならば、勝敗を分けるのは氣力となる。より強い氣力を持つ方が勝つのだ。
「私とここまでやり合える子がまだ静山会にいるなんてね」
姫希は驚きを隠せなかった。黄道会直下の大組織である横浜組の長として、姫希今まで様々な敵と戦って来た。初陣は敵組織の中堅どころに惨敗し手籠めにされたが、こつこつと腕を磨き実力を伸ばし組長に就任した十七になる頃には年下相手に負けることはほとんどなくなっていた。だというのに、代替わりしたばかりの組長、それも年下の少女がこれほどまでに自分を追い詰めるとは、姫希は三代目水沢しずかへの評価をさらに高めた。だが、だからこそ負ける訳にはいかないのだ。
「やぁぁぁぁ!!」
裂帛の咆哮とともに振り下ろされたしずかの木刀、それを姫希は引きこむかのように木刀で受け流す。そして返す刃、十分に練られた氣を纏った木刀は、しずかのセーラー服をあっさりと切り裂いた。静山会所属の証たる青いスカーフも、淡いブルーのシンプルな下着も、全て切り裂きながらも柔肌には傷を残さない。剣客と名高い姫希なればこその一刀であった。
「くっ……」
「あなたの負けよ」
姫希は木刀を突きつける。だが、それでもなおしずかは諦めない。歯を食いしばりながら木刀を手放そうとしない。それを見て姫希は大きくため息をつくと、自らの木刀を背後へと放った。
その行動に、しずかは一瞬目を丸くする。そんな彼女を尻目に姫希はそっと両手を広げて抱きしめた。
その抱擁はとても優しく、それでいて温かい。姫希の豊満な胸がしずかの慎ましやかな胸に押し付けられる。そして、姫希はそのまま耳元で囁いた。
「あなたは十分に強い。今、ここでの敗北を恥じることはないわ。ただ――」
姫希はしずかの顎に手を当ててクイッと持ち上げる。そして、妖艶な笑みを浮かべた。
「これからたっぷり可愛がってあげたいところだけど、流石にこの状態で戦いをベッドに移したら私まで孕んでしまいそうね。だから……」
そこまで口にして姫希はしずかの唇に自らのそれを重ねた。舌をねじ込み、ねぶるような淫靡な接吻。酸素を求めるように唇を離した二人の間に銀糸が繋がる。
「ふふ、唇を奪うだけで手打ちにしてあげるわ。だから次はきちんと宣戦布告をなさい。そうしたら、一番いいベッドで愉しませてあげる」
「次は……負けない。そのデカい乳揉みしだいてひぃひぃ言わせてやる……」
ついぞ手離さなかった木刀を杖替わりに立ち上がるしずか。部下の少女が青いジャージを羽織らせる。
「撤収だー!!」
シマから退いていく静山会の組員の背を見送り、振り返った姫希は今回の抗争で軽傷を負った三人を呼びつける。
「勝手に飛び出して怪我をしたあなたたち三人には、私のこの”昂り”を鎮める相手を務めてもらおうかしら」
「あ、姉御……」
「ひぃ……」
「お手柔らかに……」
甘く激しい折檻は侠花の少女達にとっての日常茶飯事。組事務所に響く嬌声は夜になっても止むことは無かった。
「やれるもんならやってごらんさい!!」
二人の少女がぶつかり合う。激しく打ち合い、幾度となく互いの身体に傷を増やしていく。実力が拮抗するならば、勝敗を分けるのは氣力となる。より強い氣力を持つ方が勝つのだ。
「私とここまでやり合える子がまだ静山会にいるなんてね」
姫希は驚きを隠せなかった。黄道会直下の大組織である横浜組の長として、姫希今まで様々な敵と戦って来た。初陣は敵組織の中堅どころに惨敗し手籠めにされたが、こつこつと腕を磨き実力を伸ばし組長に就任した十七になる頃には年下相手に負けることはほとんどなくなっていた。だというのに、代替わりしたばかりの組長、それも年下の少女がこれほどまでに自分を追い詰めるとは、姫希は三代目水沢しずかへの評価をさらに高めた。だが、だからこそ負ける訳にはいかないのだ。
「やぁぁぁぁ!!」
裂帛の咆哮とともに振り下ろされたしずかの木刀、それを姫希は引きこむかのように木刀で受け流す。そして返す刃、十分に練られた氣を纏った木刀は、しずかのセーラー服をあっさりと切り裂いた。静山会所属の証たる青いスカーフも、淡いブルーのシンプルな下着も、全て切り裂きながらも柔肌には傷を残さない。剣客と名高い姫希なればこその一刀であった。
「くっ……」
「あなたの負けよ」
姫希は木刀を突きつける。だが、それでもなおしずかは諦めない。歯を食いしばりながら木刀を手放そうとしない。それを見て姫希は大きくため息をつくと、自らの木刀を背後へと放った。
その行動に、しずかは一瞬目を丸くする。そんな彼女を尻目に姫希はそっと両手を広げて抱きしめた。
その抱擁はとても優しく、それでいて温かい。姫希の豊満な胸がしずかの慎ましやかな胸に押し付けられる。そして、姫希はそのまま耳元で囁いた。
「あなたは十分に強い。今、ここでの敗北を恥じることはないわ。ただ――」
姫希はしずかの顎に手を当ててクイッと持ち上げる。そして、妖艶な笑みを浮かべた。
「これからたっぷり可愛がってあげたいところだけど、流石にこの状態で戦いをベッドに移したら私まで孕んでしまいそうね。だから……」
そこまで口にして姫希はしずかの唇に自らのそれを重ねた。舌をねじ込み、ねぶるような淫靡な接吻。酸素を求めるように唇を離した二人の間に銀糸が繋がる。
「ふふ、唇を奪うだけで手打ちにしてあげるわ。だから次はきちんと宣戦布告をなさい。そうしたら、一番いいベッドで愉しませてあげる」
「次は……負けない。そのデカい乳揉みしだいてひぃひぃ言わせてやる……」
ついぞ手離さなかった木刀を杖替わりに立ち上がるしずか。部下の少女が青いジャージを羽織らせる。
「撤収だー!!」
シマから退いていく静山会の組員の背を見送り、振り返った姫希は今回の抗争で軽傷を負った三人を呼びつける。
「勝手に飛び出して怪我をしたあなたたち三人には、私のこの”昂り”を鎮める相手を務めてもらおうかしら」
「あ、姉御……」
「ひぃ……」
「お手柔らかに……」
甘く激しい折檻は侠花の少女達にとっての日常茶飯事。組事務所に響く嬌声は夜になっても止むことは無かった。
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