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#15 補給
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結歌ちゃんと手を繋ぎながら寮の私室に戻ってきた私たち。
「合宿は四人部屋だし、班ごとになるだろうから……今のうちに、舞美ちゃんのこと、補給させて?」
小首をかしげながら可愛くおねだりされてしまったら、私に断るなんて選択肢はない。ジャケットをハンガーにかけ、ブラウスのボタンに手をかける。
「ちょ、舞美ちゃん。魔剣に魔力を注いでから……」
「……あ、ご、ごめん」
……そうだよね、素面の状態じゃ意味ないんだよね。おかしいな私、結歌ちゃんにありのままの私を抱いてもらえるって思っちゃった。
剣帯からグリーディメイデンを鞘ごと外して、その柄を握る。
「いつもより、多めに流し込んでみるから」
鞘から抜いたグリーディメイデンに魔力を込める。さっきの悲しいすれ違いを押し流すように魔力を込めると、グリーディメイデンの象牙色の刀身が妖しい紫に光る。
「……っふ、んぅ……くっ」
体が熱くなり、汗やもろもろの水分が滲みだす。どうせなら下着を先に脱いでしまえばよかった。
「はぁ……はぁ……んぅぅ……もう、限界」
体の表面が敏感になって、脚ががくがくして立っていることもままならず、グリーディメイデンを鞘に納めてしゃがみこむ。
「ゆい、かちゃん……」
「おいで、舞美ちゃん」
どうしてそのままの私を抱いてくれないんだろう。結歌ちゃんと唇を重ね、彼女の手を私の胸に導く。本当は下も触ってほしいのに、結歌ちゃんの右手は私の胸を、左手は腰に添えられている。
「「んちゅ……じゅぶ、っちゅ」」
唯歌ちゃんに覆いかぶさるように、口づけを交わす。それだけで溶け合うような感覚になって、結歌ちゃんの太ももに下腹部をこすりつけながら、彼女の舌を胸に誘う。
「んちゅ……じゅるぅ……ん、ぷは」
「結歌ちゃん、あぁ、ゆ、いかちゃん……はあ、はぁ、結歌ちゃぁぁあん!!!」
達してしまった余韻で結歌ちゃんの腕枕でぐったりとする。結歌ちゃんのこぶりだけど確かにあるふくらみが呼吸に合わせて上下する。
本当は、私から結歌ちゃんに……してあげたいし、一緒に高めあいたいのに……。私がしてもらうばっかりで……。
「ふふ、舞美ちゃんってさ……私のこと大好きだよね」
当たり前のように言われて、私は咄嗟に何も言うことができなかった。
「私も舞美ちゃんのこと大好きだよ。大好きだから……舞美ちゃんが私に何を求めているかもわかっているつもり。ごめんね……私まだ覚悟できてないっていうか、どうしてあげたらいいのかわかんなくって……だから、もう少し待ってて」
「……うん、待ってるから」
嬉しいような恥ずかしいような、それから少しだけ寂しいような……結歌ちゃんが大人になって、どこか遠くへ行ってしまったような、そんな感情に私は目を背けるばかりだった。
「合宿は四人部屋だし、班ごとになるだろうから……今のうちに、舞美ちゃんのこと、補給させて?」
小首をかしげながら可愛くおねだりされてしまったら、私に断るなんて選択肢はない。ジャケットをハンガーにかけ、ブラウスのボタンに手をかける。
「ちょ、舞美ちゃん。魔剣に魔力を注いでから……」
「……あ、ご、ごめん」
……そうだよね、素面の状態じゃ意味ないんだよね。おかしいな私、結歌ちゃんにありのままの私を抱いてもらえるって思っちゃった。
剣帯からグリーディメイデンを鞘ごと外して、その柄を握る。
「いつもより、多めに流し込んでみるから」
鞘から抜いたグリーディメイデンに魔力を込める。さっきの悲しいすれ違いを押し流すように魔力を込めると、グリーディメイデンの象牙色の刀身が妖しい紫に光る。
「……っふ、んぅ……くっ」
体が熱くなり、汗やもろもろの水分が滲みだす。どうせなら下着を先に脱いでしまえばよかった。
「はぁ……はぁ……んぅぅ……もう、限界」
体の表面が敏感になって、脚ががくがくして立っていることもままならず、グリーディメイデンを鞘に納めてしゃがみこむ。
「ゆい、かちゃん……」
「おいで、舞美ちゃん」
どうしてそのままの私を抱いてくれないんだろう。結歌ちゃんと唇を重ね、彼女の手を私の胸に導く。本当は下も触ってほしいのに、結歌ちゃんの右手は私の胸を、左手は腰に添えられている。
「「んちゅ……じゅぶ、っちゅ」」
唯歌ちゃんに覆いかぶさるように、口づけを交わす。それだけで溶け合うような感覚になって、結歌ちゃんの太ももに下腹部をこすりつけながら、彼女の舌を胸に誘う。
「んちゅ……じゅるぅ……ん、ぷは」
「結歌ちゃん、あぁ、ゆ、いかちゃん……はあ、はぁ、結歌ちゃぁぁあん!!!」
達してしまった余韻で結歌ちゃんの腕枕でぐったりとする。結歌ちゃんのこぶりだけど確かにあるふくらみが呼吸に合わせて上下する。
本当は、私から結歌ちゃんに……してあげたいし、一緒に高めあいたいのに……。私がしてもらうばっかりで……。
「ふふ、舞美ちゃんってさ……私のこと大好きだよね」
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「私も舞美ちゃんのこと大好きだよ。大好きだから……舞美ちゃんが私に何を求めているかもわかっているつもり。ごめんね……私まだ覚悟できてないっていうか、どうしてあげたらいいのかわかんなくって……だから、もう少し待ってて」
「……うん、待ってるから」
嬉しいような恥ずかしいような、それから少しだけ寂しいような……結歌ちゃんが大人になって、どこか遠くへ行ってしまったような、そんな感情に私は目を背けるばかりだった。
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