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春は出会いの季節
07 部活ってどうする?
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お弁当も食べ終わり、のんびりタイムです。
そこで改めて津田君を観察してみる。背は圭と同じくらいで、圭より少しがっしりとした印象。中学は確か南中って言っていたっけ。
「津田君、高校でもテニス続けるの?」
「おう、そのつもりだぜ。田巻きょーだいはどうだ?」
「そりゃ、俺らはテニスの特待生でこの学校来てるんだから、そりゃ続けるさ。なあ?」
「そうね。純はどうする?」
テニス部トリオから話を振られてぐっと言葉に詰まる。中学の時はなんとなく陸上部に所属していた。長距離走を専門にしていたんだけど、正直この身体になってしまったら走るのは辛そうだ。……主に揺れる部分が。
「テニス部でマネージャーやんね?」
「お、陽介いいこと言うなぁ!!」
圭がさっそく津田君のことを名前で呼び捨てしている。……仲良くなるの早いな。あれ? 自分が男子の時だってどうだったかな。
「テニス部のマネージャーかぁ。まぁ、ルールはおおよそ分かるけど……うーん、なんか大変そう」
高校はせっかくだからゆるめの文化部がいいかなって思うけど、圭も律もさみしそうにこっちを見ている。まぁ、二人とは一緒にいた方がなにかといいかもしれないんだけど。
「まぁ、純がやりたい部活があったらいいんじゃないかな? 高校にはこれまでになかった部活もいっぱいあるだろうし」
確かに、まだこの高校にどういう部活があるのか全部は知らないわけだし、なんか面白そうな部活もあるかもしれない。部活の紹介は明日あるんだっけかな。
「この学校、いろんな部活あるんだぜ? 確かアイドル部みたいなのもあるし、夏目ならワンチャンありなんじゃないか?」
津田君がそんなことを言うから僕は首を横に全力で振って否定する。……女子だけの部活はさすがに避けたいかもしれない。ある程度は男子との会話をしないと、自分が男子だったことを忘れてしまいそうだし。……でもあまり部活に時間をかけると、家で多希が何をしでかすか。帰宅部は流石にさみしいからなぁ。
どうせならオタク趣味のあう友達も見つけたいし……。あとはクラスでどれだけ馴染めるか、かなぁ。
「そういえば料理の部活ってある?」
「あぁ、確か家庭科部ってあった気がするな。メインが料理なのか裁縫なのかはちょっとわかんないけど」
「そうなんだぁ。津田君、詳しいね」
「そりゃあまぁ、この学校入りたくってあれこれ調べたからな」
鼻の下をこすって自慢げな表情を浮かべる津田君。
「陽介、そんなにこの学校が良かったのか?」
「おうともよ、この学校で可愛い彼女見つけてリア充な高校生活を送るんだぜ!!」
「……ふーん。でも、純はダメだから」
「お、おぅ……」
律の冷ややかな視線に熱く語っていた津田君がのけぞる。それなりにカッコいいしテニスの県大会で準決勝までいくんだから、モテる可能性はあるだろう。僕はそういうのお呼びじゃないけど。
そんな話をしていると、予鈴が鳴って圭はすごすごと自分のクラスに戻っていった。
さて、午後は何があるのかな。
そこで改めて津田君を観察してみる。背は圭と同じくらいで、圭より少しがっしりとした印象。中学は確か南中って言っていたっけ。
「津田君、高校でもテニス続けるの?」
「おう、そのつもりだぜ。田巻きょーだいはどうだ?」
「そりゃ、俺らはテニスの特待生でこの学校来てるんだから、そりゃ続けるさ。なあ?」
「そうね。純はどうする?」
テニス部トリオから話を振られてぐっと言葉に詰まる。中学の時はなんとなく陸上部に所属していた。長距離走を専門にしていたんだけど、正直この身体になってしまったら走るのは辛そうだ。……主に揺れる部分が。
「テニス部でマネージャーやんね?」
「お、陽介いいこと言うなぁ!!」
圭がさっそく津田君のことを名前で呼び捨てしている。……仲良くなるの早いな。あれ? 自分が男子の時だってどうだったかな。
「テニス部のマネージャーかぁ。まぁ、ルールはおおよそ分かるけど……うーん、なんか大変そう」
高校はせっかくだからゆるめの文化部がいいかなって思うけど、圭も律もさみしそうにこっちを見ている。まぁ、二人とは一緒にいた方がなにかといいかもしれないんだけど。
「まぁ、純がやりたい部活があったらいいんじゃないかな? 高校にはこれまでになかった部活もいっぱいあるだろうし」
確かに、まだこの高校にどういう部活があるのか全部は知らないわけだし、なんか面白そうな部活もあるかもしれない。部活の紹介は明日あるんだっけかな。
「この学校、いろんな部活あるんだぜ? 確かアイドル部みたいなのもあるし、夏目ならワンチャンありなんじゃないか?」
津田君がそんなことを言うから僕は首を横に全力で振って否定する。……女子だけの部活はさすがに避けたいかもしれない。ある程度は男子との会話をしないと、自分が男子だったことを忘れてしまいそうだし。……でもあまり部活に時間をかけると、家で多希が何をしでかすか。帰宅部は流石にさみしいからなぁ。
どうせならオタク趣味のあう友達も見つけたいし……。あとはクラスでどれだけ馴染めるか、かなぁ。
「そういえば料理の部活ってある?」
「あぁ、確か家庭科部ってあった気がするな。メインが料理なのか裁縫なのかはちょっとわかんないけど」
「そうなんだぁ。津田君、詳しいね」
「そりゃあまぁ、この学校入りたくってあれこれ調べたからな」
鼻の下をこすって自慢げな表情を浮かべる津田君。
「陽介、そんなにこの学校が良かったのか?」
「おうともよ、この学校で可愛い彼女見つけてリア充な高校生活を送るんだぜ!!」
「……ふーん。でも、純はダメだから」
「お、おぅ……」
律の冷ややかな視線に熱く語っていた津田君がのけぞる。それなりにカッコいいしテニスの県大会で準決勝までいくんだから、モテる可能性はあるだろう。僕はそういうのお呼びじゃないけど。
そんな話をしていると、予鈴が鳴って圭はすごすごと自分のクラスに戻っていった。
さて、午後は何があるのかな。
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