死神はそこに立っている

阿々 亜

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第1話 夢

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 ねえ、どうしたの?

 少年は、目の前に横たわる少女に問いかけた。

 なんで、動かないの?

 少女は答えない。

 なんで、息してないの?

 少女は答えない。

 そして、少年は、少女の傍らに佇む「それ」に気づいた。

「それ」は全身を黒い布に包んでいた。

「それ」は黒い大鎌を携えていた。

「それ」は胸元には黒い水晶をぶら下げていた。

 その水晶の中には赤く光る「0」の文字があった。

 少年は「それ」を見上げた。

「それ」の頭は黒いフードを被っていた。

 少年は「それ」に問うた。

 きみは、だれ?

「それ」は答えない。

 しかし、「それ」は笑っているかのようみえた。

 皮膚も、肉も、目玉もない、空っぽの頭蓋骨の口を開けて……



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