日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人

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第2章 始まる日本の変革

2.4 誠司、首相と懇談す

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 アメリカ大統領スペードが2023年八月十日に来日することが発表され、さらに、ロシア大統領プチャーキンは八月十四日に来日となり、短期間に大国の指導者が相次いで訪日することが世界に衝撃を与えた。
 再選とはいえ、新たに選ばれた直後の首相に会見のために、ロシアはともかくアメリカの大統領が訪問するなどは異例中の異例のことであり、どういう意図でこれらの会見が行われるか様々な憶測が飛び交った。

 しかし、大方の予想は日本対中国の戦闘を受けてのことであろうということで一致している。無論、阿賀首相の行った談話にあった核融合発電及び自動車類の電動化についても話し合われようが、このタイミングで訪問するということは談話の前に折衝があったはずなのでまあ当然の予測であった。

 むろん、日本政府には両国から訪問の意図は知らされており、いずれも技術供与の話であるが、米国からは尖閣の紛争における米国の動きについての詫びの意も示されて今後の日米関係をより深化させるためと言う前置きがあり、ロシアからは領土問題も併せて議論したいとの申し出がある。いずれも極めて重要は会議になることは疑いない。

 それに先立って、阿賀首相は西山大学技術開発研究所の所長である山科教授と、主任研究員の牧村誠司を呼んで懇談をしている。すべての一連の開発に深く関与している誠司と、その権利関係を一手に抑えている西山大学技術開発研究所の責任者と調整をしておかないとアメリカ、ロシアともにどのように交渉していいか決められないのである。

 その席には阿賀首相と佐治官房長官及び秘書が2名立ち会っている。
「ようこそ、遠路おいで頂きありがとうございます。この度はご存知のように2日後にアメリカ合衆国、その4日後にロシアの大統領が来日して私と会談を行うことになっております。
 アメリカの場合は、どうも尖閣の件では日米安保の適用外としたことを謝ってくるようですね。
 たぶんあの戦闘での彼らの意図は、日本に戦わせて大被害を被らせて、その結果としてより従属関係に置こうということであったのだと思います。

 しかし、実際はあの結果になり、米軍もレールガンと重力エンジンの技術を手に入れないと、軍事的に日本に劣る存在になりかねないという危機感から今回の訪問になったものと思っております。
 ロシアの場合は、ロシアの最大の強みである大量の核ミサイルが無力化されたことに気が付き、長い国境線をはさんだ様々な敵性国家に対するにはどうしてもこれらの技術が欲しいということでしょうね。そのためには彼らには日本が欲しがる飴、北方領土を材料にしようということです」

 首相はひどく率直に内部事情まで打ち明ける。これは、官房長官との話し合いの段階で、山科教授と誠司には踏み込んだ話をして味方に抱き込もうという方針を確認していることからである。

「そして、このようにして、世界の大国の指導者が日本参りをして来るというのは、牧村さんが中心になって開発して、西山大学技術開発研究所で管理している様々な技術があってのことです。この点は我が政府は、お二人に大変感謝いたしております。
 さらに、牧村さんはこれらの技術の開発のみでなく、政治団体新世紀日本の設立に係り、その中で憲法改正の世論を形成するのに貢献されたと聞いています。おかげで、現状では憲法改正が成立するのは間違いない情勢になっております。憲法改正は私の悲願でありまして、この点も感謝します。

 加えて、山科教授には地震の完全予知法の開発をしていただき、かつ全国の探知網の建設の指導をしていただきまして、これで我が国は全国の地震の予知が確実に行える体制が整いました。このことも政府を代表して深く感謝したします」

 首相と官房長官は立ち上がって、誠司と山科に深く頭を下げる。さすがに政治家で、なかなかの役者ではある。
「いえ、いえ、今回はたまたまですよ」
 山科教授は平静に受け止めているが、誠司はどう反応していいか判らず、思わず頭をかく。

「いや、たまたまでなく、今後も牧村さんを中心とした西山大学から様々な画期的な技術が飛び出してくると期待しています。今後ともよろしくお願い致します」
 言い終わった首相は、再度腰かける。

「さて、まずアメリカですが、彼らに対しては今回の対中国の戦闘の至ったいきさつに関しては腹にすねかねるものはありますが、幸いレールガン、重力エンジンを使った戦闘機と言う画期的な兵器開発が間に合ったおかげで自衛官に犠牲なく切り抜けることが出来ました。
 しかしながら、アメリカがそういうことを平気でする国であるということは胸に刻む必要があります。

 今回のアメリカ大統領の訪問は、とりあえず対韓国・中国関連の件を謝っておいて、長年の同盟関係を盾に技術供与を迫るものと考えています。こちらの政府への会見申し込みの段階では、レールガンと重力エンジンのみの話であったでしょうが、私が核融合発電及び新型電動車の話を公表した以上そのことも含んだ話になるでしょう。
 そこで考えなればならないことがあります。
 過去、我が国は率直に言ってアメリカに操られてきました。特に基本的な外交方針はアメリカが作った路線に乗せられ、それから逸脱することは許されませんでしたが、その最たるものはいわゆる平和憲法ですね。

 また、近隣諸国に対しても、いわれのない非難を今も浴びているのですが、それへの反論も基本的には許されませんでした。例えば、南京虐殺、慰安婦等の問題は民間の反論を待つまでもなく政府としては完全に論破するだけのデータはもっていますが、その公表を許されませんでした。
 この点では、牧村さんの関与した新世紀日本の活動によってほぼ完全な反論が出来ていることに感謝しています。しかし、これすらアメリカ側からの水面下の懸念が伝えられています。

 結局、アメリカは我が国を永遠に従属関係において、過去やってきたように、いいように我が国の富を収奪していこうとしているわけです。例えば、我が国がアメリカ国債を1兆ドル持っているというのは、これはおいそれと売れませんから実質的に贈与したのと変わりませんからね。また、この国債はアメリカと敵対関係になった場合アメリカ側からキャンセルする、踏み倒すことが出来る代物です。

 さらに問題は、最近の我が国での発明は画期的過ぎて重すぎるのです。
 コンパクトで安価かつ放射能の心配がない核融合発電、ガソリン車より圧倒的に有利な電動車、彼らの開発したものと次元が違うレールガン、これもまた世紀の発明と言っていい重力エンジンなど、どの国もよだれが垂れそうなご馳走です。
 第二次世界大戦前夜であれば、これらの技術奪取のための侵略と言うことが十分あり得たと思いますが、さすがにアメリカもそこまでのことは今は考えていないと思います。
 大統領が膝を屈する形で訪問するというのはその現れでしょう」

 阿賀首相は、そのなかに熱さを込めた目を誠司と山科教授に向ける。
「私は、アメリカに戦争で敗れた結果生じたこうした状況を打破したいと思っています。マスコミの言う戦後レジュームの打破ですね。まず、そのためには軍事的にアメリカに従属する状態から脱する必要があると思っています。
 近年の中国の行動などは、完全に我が国をアメリカにより頼らざるを得ないように仕向ける方向になっており、まるで裏でアメリカが仕向けているような気がするほどです」

 首相は苦笑して言うが、裏には怒りが覗いて見える。
「幸い、我が国には今や成層圏を飛ぶミサイルを撃ち落とせるレールガンと、それに電力を供給する核融合発電機、さらには弾道ミサイルを凌駕する速度の重力エンジン駆動の戦闘機があります。
 そして、この年末にはレールガンの迎撃基地が7か所完成し、既に使える改F4ファントム五十機の他に、重力エンジンと核融合発電機を積んだ戦闘艦の1編隊4機が来春には完成します。

 つまり、すくなくとも核ミサイルに対しては今年中には防衛できる体制が整い、かつ来春には世界最強の、宇宙まで飛べる戦闘艦が1編隊完成するわけです。こうして、我が国は最小の予算で軍事的にはアメリカに伍する軍事的な能力を持つことになりますから、日米安保もその役割を終えたと言っていいと思っています」

 さらに首相は誠司と山科教授を正面から見る。
「そこで、私は今回のアメリカ大統領との交渉では、今までのように防衛をかの国に頼る必要はありませんから強気で交渉します。その際には重力エンジンの利用を十年間軍事に限ることを決めたことを告げ、おおいに恩に着せます。しかし、これらの技術を我が国が独占することはまたできませんので、基本的には戦争相手であった中国を除いて商業ベースで供与します。

 アメリカに対してもその通りにしますが、まあ長年の同盟に免じてレールガンについては完全な設計図を渡し、重力エンジンについては改F4が作れる設計図を渡します。たぶん、製作で1年やそこらはかかるでしょうから我が国の体制が整えるまでの時間は稼げるでしょう。
 さらに、これらのうちレールガンの元になる心臓部の電磁発生器の特許は、西山大学技術開発研究所にありますので当然それは払わせます。また、重力エンジンの特許料は、軍事関係の特許権を持つ四菱重工に払わせます。どうでしょうか、ここまでは?」

 誠司は山科の顔を見るが、山科は誠司がしゃべるように促す。
「わかりました。それで異議はありません。それで、核融合発電と、新型の電動車の扱いはどうされますか」

 誠司の問いに、今度は佐治官房長官が答える。
「これは、商業ベースでいいと思いますが、核融合発電について、当分は我が国には他の国のプラントを作っている余裕はないので、アメリカの建設チームを訓練してあげることはありかなと思っています。その方向でまとめるつもりですから、また西山市での受け入れをしてもらうことになるかと思います。
 SAバッテリー及びMMモーターについては、権利をもって居られる西山大学技術開発研究所に商業ベースのお話をしていただければ結構です」

「わかりました、たぶん米国のメーカーが権利を我が方から買った上で既に商業ベースで生産に入っている日本企業と組むことになるでしょうね。その際に、経産省が中に入った方がよろしいと思います」
 山科教授が同意する。

「さて、それではロシアの件ですが、ロシアについてはいささかアメリカと事情が異なります。あの国は終戦のどさくさに参戦してきて、国際法に違反して多数の捕虜を取り虐待してさらに、北方領土をかすめ取って恥じてもいないので、恨みはあっての恩は全くありません。
 さらに、かれらロシア人は強いものには逆らいませんが、弱い者には襲い掛かるというまあ、武士道などとは対極にある精神を持った国です。
 
 プチャーキンの前職のアスバトフがウクライナ侵攻し、しかも大失敗に終わって今や彼らの頼りは、核ミサイルしかありません。経済的にはウクライナに与えた莫大な損害をまだまだ償い切れていないこともあった、未だにがたがたです。
 今回慌てて我が国に来るのは、彼らの唯一の強みであった核ミサイルが我が国に対して、有効でなくなったことに慌ててでの事だと思っています。ただ、彼らにはそれなりの資源があります。さらに一方的に奪われている北方領土もそろそろ片を付けたいと思っています。

 いずれにせよ、わが国は、ロシアに対しては、弱みはありませんし、過去については貸しばかりです、だから、気にいらない対応だったら、中韓と同様に技術封鎖するという対応をしたいと思います。
 今回プチャーキンが来るのは、当初の予定はレールガンと、重力エンジンについてでしょうが、今般の私の発表で尚更泡を食って、核融合発電、電動車についても含んで来ると思いますよ。

 今、あの国は資源の販売で食っている状態です。こちらの核融合発電のために石油・ガス資源の価値は著しく損なわれるわけです。これらは、彼らにとってははなはだ憎い技術ですが、途上国に落ちぶれたくなければ、手に入れないわけにはいかない。
 しかし、実はここだけでの話ですが、我が国の資源探査衛星がロシアのシベリア領に様々な面白そうな資源を見つけているのですよ。だから我が国があの国と経済関係を深めるのはこちらとしても利があるのです。なかなか面白い交渉になりますよ。私も楽しみにしていますが、ご期待ください」

 誠司はいささか、穏やかそうに見える首相が激しい一面と冷たいリアリストとしての面を見せたことに驚いたが、国益を思っての上と言うことが確信できたので安心もした。その後、官房長官からロシア相手の交渉の方針について意見を聞かれたが、誠司、山科教授ともに一任するとの回答をしている。

 さらに、官房長官から確認があった。
「折角の機会なのでお聞きしておきます。貴技術開発研究所が管轄する特許料についてですが、経産省経由で聞いた話では、核融合発電については建設に関しては国内については出力㎾当たりに千円、出力㎾時当たりに0.1円で、SAバッテリーは蓄電量㎾時あたりの製造について50円、さらにMMモーターは出力㎾当たりの製造について100円でしたね。そして、日本国外に使わせる場合は2倍ということですね」

「ええ、その通りですね」
 山科教授が答え、佐治長官はさらに言う。

「そうすると、日本のみで少なくとのこの後5年間に今より増加した3億㎾程度の発電能力が設置され、年間発電量は1兆㎾時を超えるでしょう。さらに、これも5年間にSAバッテリーは百㎾時に換算して2億個、MMモーターは1億台になりますね。世界ではその十倍くらいになるでしょうから、すごいお金が貴技術開発研究所入って来て、将来は発電に対する特許料のみで年間一兆円を超えて今の政府の大学への予算と同じくらいになっていきますよね?」

「ええ、そう予想しています」
 山科教授は短く答え、長官はさらに聞く。
「その、お金はどう使われるつもりですか?」

「まず、発明者に対する配当的な給与を出しますが、これはせいぜい数%ですね。それから、国内の大学及び企業を含んだ研究補助金に相当な割合を使いますです。
 さらに、今回重力エンジンが開発されたということは宇宙時代の幕開けがなったのです。
 私は、場合によっては近いうちに別の恒星系への旅行も可能になるのではないかと思っています」
 山科教授はそう言って、誠司の顔をじっと見る。

 誠司は「え!」と言うような顔をして、あわてて手を振る。
 それを見て、首相と官房長官は思わず笑った。山科教授はさらに続ける。

「その際に、必要な様々な機材の製造について政府の決定を待っていたのでは遅すぎ面倒すぎます。私は、得たお金の多くはこの宇宙への進出に使うつもりです。これは、すなわち我々人類の次の世代のためのものだと思っています」
 首相と、官房長官は大きく頷き「わかりました」と言った。

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