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第1章 日本の変革

1.17 尖閣事変勃発

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 Xデーが2日後に迫った日、防衛大臣が出席して防衛検討会議が開かれている。
「まずは、中国の最新情報はどうですか?」

 防衛大臣の問いに統合幕僚室の作戦部長が答える
「はい、空母遼寧と護衛大型駆逐艦5隻はすでに演習と称して出航していますし、さらに10隻の大型駆逐艦及び10隻のフリゲート艦が出航準備をしています。間違いなく尖閣に来ますね。
 さらに、福建省の基地に戦闘機と攻撃機が集結しています。おそらく攻撃機のSu30が150機以上、J11ほかの戦闘機が100機以上は出撃してくるかと思われます。まだステルス機J20は実用になっていないという情報です」

「うーん、数が多い厳しいな。それでこちらはどのくらい出せる?まず海は?」
 再度防衛大臣が聞くのに作戦部長が答える。

「今回は、レールガンを装備出来た艦を中心に出します。まず、DDHのいずも級2艦を改F4ファントムの母艦として出します。また航空機防衛とミサイル防衛のためにイージス艦のあたご型及びこんごう型で4隻、DDGのあきつき、たかなみ、むらさめ、あさぎり級で20隻、潜水艦もそうりゅう、おやしお型の合計6隻を出します。

 レールガンは、DDGの20艦全部に間に合いました。FR発電機を無理やり詰め込んだ艦もありますがね。空を担うイージス艦には口径25㎜のレールガンを各6基載せてコンピュータと連動させていますから、ミサイルであっても1万mだと80%の命中率、5千m以内ほぼ必中ですよ。いちいち高価なミサイルを使う必要はありません」

「うん、レールガンが間に合ったのは良かった。ただ従来と余りに違う砲だから照準は大丈夫かな?」

「ええ、その点は例のマドンナも使わせてもらってレーダー連動できちんと詰めています。特に有利な点は初速が一桁以上上がったので、大気の状態に影響されにくいため、艦船であれば200km程度は射程内です。それに、150mmの砲弾でも着弾時の速度が一桁高いということは100倍の運動量を持っています」

「「「「「おおー」」」」」
 感嘆の声が上がる。

「そ、それは頼もしい。しかし、空はどうかな?」

「はい、すでに報告の通り、改F4ファントムの52機が実用になっており、50機には小口径レールガンの1基を搭載して、機体を人工頭脳で操作して照準を付けられるようにしています。また、空対空ミサイルも切り取った残りの翼に4発吊るします。さらに、2機は偵察機として運用します。
 残念ながら機関砲は取り外しましたが、命中率が機関砲より遥かに高いレールガンの弾を200発積み込んでいますから、戦闘能力は遥かに高くなっています。また、重力エンジンは高度に関係ありませんので、機体の気密性を極限まで高めて、基本的に3万mで戦闘するつもりでいます。その高空では相手の機は上がって来られません。

 また、その高度から2万から3万mの距離があっても、重力が味方する打ち下ろしになること、さらに途中の空気が薄いので命中率は60%を上回るという計算なっています。
 ですから、こちらはほぼ安全に一方的に敵を撃破できる訳です。この機は空力的に翼は必要としませんが、ミサイルを吊るために半分を残しています。この場合には、幅は半分になり、しかも滑走が必要ないので空母の収容能力が大幅に上がり、いずも級に25機づつ載せられます」

「おお、それは、一大勢力だな。しかし、相手が現状の予測では攻撃機と戦闘機が合計で250機こちらが安全な航空から攻撃でき、艦船には小型レールガンで迎撃できる。その場合は、ジェット機は出さずに済ませないか?ジェット機だとバトルになってこっちも必ず犠牲がでる」

 大臣の言葉に沈黙が落ちる。防衛大臣の立場では、自衛隊員に犠牲が出るのは最も避けたいことだ。そして、今聞いている限りでは、レールガンの普通の砲の一桁上の速度とそれが故の直進性は命中率の劇的な改善を生み出している。加えて、重力エンジンである。

 重力エンジン機の加速力2Gは、アフターバーナーを焚いたジェット戦闘機に敵わないが、継続的に加速が可能で、高高度を苦にしないので、敵が上がれない高度からの攻撃が可能であり、その高度ではマッハ5程度の速度が楽々だせる。

「なあ、築城にF15が20機、F2が20機、沖縄にF15が80機、F2を30機配置して乗員は今や遅しとそれに備えているのはわかる。しかし、今聞いた限りでは、重力エンジンのF4改は敵の攻撃範囲を外れたところから攻撃でき、それも高い命中率を出せるのだろう?
 であれば、必ず犠牲の出る戦闘機や攻撃機は出動させる必要はないのではないかな?」

 大臣の話に、幕僚幕僚長の山名が応じる。
「実のところ、大臣が言われる点は検討したのです。この場合肝になるのは3万mの高空の改F4が、1万から1万5千mの高度を起動中の敵の戦闘機を撃てるかだったのです。ご承知のように戦闘機の機関砲は機体に固定されています。その点は、銃身を動かせる戦闘艦とは違う訳です。

 だから、戦闘機が機関砲またはレールガンを撃つ時には機体が的を向いていなくてはならないのです。ところが、F4改では敵の遥かな高空から撃つわけですから、いちいち機種の方向を下方に向けてダイブ姿勢に入って必要があります。
 しかし、その点は重力エンジン機は空気の薄い3万mの上空だと、機首が侵攻方向を向いている必要がなく、自由な姿勢がとれます。つまり、敵編隊に機首を向けて進めることが出来るのです。それの人工頭脳によるコントロールシステムが完成したのがほんの2週間前でした。

 そして、そのシステムの実際の試験をして、100%動くのを確認したのが2日前です。しかし、今度の大規模な動員はすでにほとんど終わっており、そこに君らは用済みというのはどうか、ということで今に至るまで迷っていました。しかし、大臣の仰る通りです。我が方の、全部で140機の戦闘機、攻撃機は立派なおとりになります。
 
 これは中国軍も強く意識して作戦を立てざるを得ないでしょう。今回、山名作戦部長の言うように、レールガンを装備したF4改50機は敵が想定通りに250機を超える勢力できても、充分せん滅が可能です。よしんば、撃ち漏らしが出て、艦船に攻撃が回ってもレールガンを含むイージス艦の守りを突破できるとは考えられません。
 艦隊は予定通り、尖閣から150㎞の距離をおいて待ち構え、敵が攻撃に踏み切った時点または、領海内に入った時点でレールガンと中距離ミサイルで迎撃します」

 Xデーの早朝、中国政府から宣言があった。それは、要約すると以下の内容であった。
「中国政府は、歴史的に中国の領土である魚釣島及びその周辺諸島をわが手に取り戻す決意をした。そして、沖縄及び魚釣島からの諸島も同様に歴史的に中国のものである。
 従って、当面艦隊を送って魚釣島を我々の手に取り戻す決定をした。日本政府に警告する。魚釣島及び周辺の諸島は我が国固有の領土である。我々は正当な権利を行使するのみであるので、それを邪魔立てするものは実力を持って排除する」

 官房長官は緊急の記者会見を開いた。
「皆さんもご存じのように中国政府は、全く我が国が受け入れることに出来ない声明を発しました。我が国はこれに対して、断固として非難すると共に、もし中国政府がこの暴挙を実施するなら実力を持って排除する所存です。さらには国際社会に強く働きかけてこの暴挙を訴え、一致して対応することを呼びかけるものです。

 また先ほど入って情報によると、空母遼寧及び25隻に及ぶ駆逐艦等の戦闘艦及び1隻の兵員輸送船が尖閣諸島沖に迫っています。これは、明らかに尖閣諸島の占領を目指していると思われます。我が国はこのことも合わせて、直ちに中国政府に対し厳重に抗議し、直ちにこれらの艦隊に退くように要求しています。
 同時に、中国政府に宣告します。

 尖閣諸島の領海に中国軍が進入した場合、これを我が国領土に対する侵略行為として直ちに我が国はこれを撃破します。また、中国軍の航空機が同艦隊に合わせて、尖閣諸島に近づく場合にはこれも侵略行為に加担するものとしてこれも撃破します。
 繰り返します。中国軍の鑑定が領海に侵入した場合、または当該艦隊に護衛された民間人と称するものが尖閣諸島に上陸した場合、我が国はこの上陸したもの及び現在尖閣諸島に接近中の艦隊全てを撃破します。またこの空域に近づく軍用機もこれを撃破します」

 この官房長官の発表に対しては、記者から『領海の境界を越えた時点で自動的に攻撃するのは憲法違反ではないか』との質問が出た。これに対する官房長官の答えは以下であり、国民の共感を呼んだ。

「たしかに、憲法違反かもしれません。しかし、今日の報告のように中国は公然と我が領土の侵略を宣言しました。さらに、それの後にということで、沖縄とそこに至る諸島の侵略もはっきり示唆しました。
 我々は、今回の中国政府の宣言は、国内の混乱から国民の目を逸らす為と解釈しています。しかし、そのようなことを公言された以上、独立国として対応するしかないというのが、わが政府の考えです。

 従って、これ実行するためには自衛隊に戦って頂く必要があります。その時、出動する自衛隊員に平和憲法があるから、出来るだけ自由に行動する基準を占めす必要がありまる。それが、領海を踏み越えることです」

『以前も了解侵犯は度々あったではないか』という記者の意見には官房長官はこう答えた。
「今回は、明確に領土を奪い取るという宣言をしています。それを看過することは次は沖縄を奪われることを看過することになります」
 もはや、記者団は何も言えなかった。

 中国主席の劉が東海艦隊の幹部、及び空軍の幹部と一緒に状況を見守っている。
 自分の思いが的中したと劉が得意げに言う。
「小日本が、強がりをいっているが、彼らのそれなりに強力な艦隊は石垣島付近にいて動く様子がない。魚釣島の付近には彼らの沿岸警備艇が2隻いるだけで、これもわが艦体の接近におびえて逃げ出している。
 そのまま、わが軍を上陸させて既成事実を作ってしまえばこちらのものだ。アメリカと取引をして、安全保障条約の範囲から外させたかいがあったわい。上陸まであと何時間かかるのだ?」

「はい、4時間足らずです。しかし、不思議です。日本の自衛隊の戦意に不足はないはずが、あのように130㎞も遠方に留まっています。もしかして、午前の日本の発表のレールガンの話は事実ではないでしょうか?秒速10㎞の弾速のレールガンが開発されて、さらにそれがあれらの艦船に積まれているとすれば、130㎞もの遠方でも命中弾を出すのではないでしょうか?」

 東海艦隊の若手将官が言うが、そこにいる皆に笑い飛ばされる。
「マンガでもなし、そのような途方もないものがそう短時間で出来るものか!あれは、もう小日本は魚釣島をあきらめているのさ」

 中国軍の尖閣諸島の領海線の突破はあと1時間後に迫っている。その時点ではすでに福建省の基地から、J11などの戦闘機80機、攻撃機Su30が50機出撃しており、間もなく尖閣上空に達する。実際に近づく攻撃機が少ないのは、自衛隊の陸上からの戦闘機などの離陸が無いと見てのことのようだ。

 領海の踏み越えを、偵察機型のF4改によって確認した日本国自衛隊は、レールガン20基の射撃を始めた。また”いずも”及び”かが”から、F4改の各25機が舞い上がった。レールガンの標的は基本的には1艦に1発ずつということであるが、空母遼寧及び32隻に及ぶ駆逐艦等の戦闘艦それぞれに1発ずつで33発なので、それぞれのガンで1発から2発撃ちだしている。

 結果は戦闘艦33隻のうち。やはり撃たれ弱いフリゲート艦が5隻轟沈したが、意外であったのが空港遼寧で、命中した弾の位置が艦首であったために艦首から艦尾から灼熱の弾が抜けた結果、大爆発を起こして轟沈してしまった。やはり、空母は中に可燃物を多く積む関係上撃たれ弱いようだ。
 当たり所が良く、まだ戦闘力が残った艦は、慌ててミサイルを放つなどの戦闘行為を行うことによって、上空のF4改の偵察機によって報告されて2弾目、3段目を撃ち込まれている。

 中国軍の戦闘機と攻撃機130機に対しては引き返すように警告がされたが、勿論彼らに撤退することは許されておらず、石垣島沖の尖閣防衛艦隊に向かった。しかし、これらの高度1万5千mの高度で接近する中国編隊は、50機の改F4から3万m上空の斜め後ろから撃たれた25㎜径のレールガンにあっさりまず35機が破壊された。
 さらに、3秒後の2発目でさらに32機、3発目でというように、1分後には2機を除いて撃墜されてしまった。2機については、海面にダイブして弾が外れたもので、その後日本の編隊が見逃したために運よく基地に帰れた。

 さて、海面に浮いてはいるがレールガンの弾に艦を撃ちぬかれて実質戦闘能力を失った18隻の敗残艦隊に対しては、石垣島付近に停泊している艦隊から警告がなされた。

「こちらは、日本国尖閣防衛艦隊司令官南海将である。ただちに、沈没艦の乗員を救助しさらに航海不能の艦から乗員を回収して帰還せよ。もしこれを実行しない場合には、兵員輸送船を攻撃する。
 さらもし何らかの武器を使用した場合はその艦を集中して攻撃する。また、2時間の後領海内に留まっている艦は撃沈する。了解したら、司令官の名において了解の回答をせよ。1時間以内に回答が無き場合は全艦を撃沈する」

 司令員の楊中将は轟沈した空母に乗っていて死亡しているが、次席の祭准将が、自分の責任ではないと内心言い訳をしながら、言われる通りに撤退することを決定した。結局、中国軍の戦闘結果は、空母遼寧を含めて轟沈8隻、浮いてはいるが航行不能艦が11隻、無傷の兵員輸送艦1隻を含めて撤退出来た艦は12隻であった。

 航行不能となって、現場に残された艦については、中国軍が沈めようとしたが、漁場を荒らすとして日本側が禁じ、後にスクラップとして引き取ったが、それなりに中国艦船の技術レベルが知れて貴重な戦利品となった。中国軍の場合は空母が轟沈したのが大きく、航空兵を含めて戦死・不明者2055名、重傷者333名であった。
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