日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人

文字の大きさ
上 下
9 / 72
第1章 日本の変革

1.9 電磁砲(レールガン)の開発

しおりを挟む
 誠司は翌日、約束通り工場に迎えに来たヘリに乗って、四菱重工の技術研究所に飛び、そこから車で十五分足らずの防衛研究所まで車で行く。さすがに、防衛研究所に民間のヘリは下りることは出来ないのでこうなったが、誠司はいずれ、直接自衛隊のヘリで降りられる立場になろうと決心するのであった。

 私は、水谷ゆかり、防衛研究所の第二研究室の主任研究官であり、現在電磁砲、レールガンの開発を担当しており、独身で工学博士の三十一歳の乙女よ?
 私は昨日から大変不愉快な思いをしている。私の研究の民間側のパートナーである四菱重工から、画期的な提案があるので聞いてほしいと申し入れがあり、その提案者が何と西山大学などという、国立ではあっても大した研究などはしていないはずの地方大学の大学院生だという。

 通常であれば、セキュリティの面でそもそも出入りできないのだが、その院生、牧村と言うらしいが最高クラスのセキュリティパスを持っているらしい。どうも、我が国の国家として命運がかかっている研究の、主任技術者と言うことになっているらしいことからそうなったそうだ。

 何の研究か聞いたが教えてくれなかったが、その研究に使う装置に電磁銃が入っているらしい。
 電話してきた山口さんは、挑発するように電話で言う。

「かれは、今作ろうとしている電磁銃は目的が違うものの、そのままでも我々の今の目標の秒速2㎞程度は出せると言っていましたよ。また、せめて目標は十㎞位に置かないと話にならないと。彼は雑誌でこのレールガンの記事をみて、概念設計をもう済ましているそうです。それを持って行って説明すると言っていました」

 そんなことを言われて怒らない研究者がいるだろうか。元々、私はカッとなりやすい質で両親からもっと感情を抑えるようにとよく言われていたが、これは誰でも怒るだろう。私は四菱重工から派遣されているパートナーの新垣研究員と、これは防衛庁生え抜きの西山技官にそのことを言って、怒って見せたのに対して彼らの反応は冷静だった。

「まあ、お手並み拝見ですね。しかし、行き詰まっていることは事実ですから、何らかのヒントになればラッキーなのじゃないですか」
 そのように特に怒るでもなく、私にしてみれば拍子抜けで気が抜けてしまった。

 その牧村君はヘリで四菱重工の研究所に来て、それから車で来るらしい。ヘリを使うとは学生のくせに生意気な、と思わざるを得ない。来客が告げられ、新垣さんと応接室に行くと、なんと副社長の山口さんが来ていて、その横にいかにも学生らしい若者が我々を迎えて立っている。

「これは、山口副社長自らお越しとは、またどうして」
 私がその正面に移動しながら嫌み半分で聞く、彼は闊達に応える。

「いや、話をした責任もありますし、こんな面白い技術的な話を聞きのがす訳にはいかないですからね。さて、こちらが西山大学大学院の物理学研究室の牧村誠司君です。マスターの二年ですね。これは極秘事項ですが、私どもの西山工場で行われているあるプロジェクトの管理技術者です。
 彼の承認なしには技術的には前に進められないのですよ。
 牧村君、こちらが主任研究官で工学博士の水谷ゆかりさんです。またこちらは、私どもの会社から出向している西山隆二です」

 私と、西山さんは名刺を渡すが、ぺこりと頭を下げて言い訳をしながらそれを受け取る。
「いや、すみません。学生なもので名刺は持っていません。牧村誠司で、誠司はまことのつかさです。よろしくお願いします」

 まあ学生にしてましな態度だ。
 4人が座ったところで、私から切り出す。
「なにか、牧村さんはレールガンについて深い知識があって、我々が研究しているものをはるかに超えるものを提案できるとか伺いましたが」

 皮肉を込めて言ったのだが、牧村はあっさり頷く。
「そう、電磁砲ですか、米軍の研究もそうですが、この研究の問題は、電磁界の生じる現象を正確に理解しないままにやっていることです。結局、試行錯誤でその応用をやろうしているので、効率の悪いことしかできないのですよ」

 その言葉は事実であるが、まだ世の中に電磁界の在り方を解明したという報告がない状態ではやむを得ないことなのに、それをこの学生が言うとはとんでもない。私はむっとして皮肉を言った。
「で、牧村さんはすでにその現象は解明されたわけですか」

 私は精一杯の皮肉に対して彼は平静に応えた。
「ええ、とはいっても借り物の知識ですけど、これです」
 そう言って、ブリーフケースからペーパーを取り出す。

 A4でたった5枚のそのペーパーを受け取って、最初は馬鹿にしてやろうと見てみたが、だんだんこれは本物だという感じが強くなってきた。これには、すでに発表されている理論も一部含まれており、パラパラと見た限りでも、自分で漠然とそういう風でないかと思っていた考えが含まれており、直感的にこれは言う通り本物と信じられた。

 そのくらい時間がたったがわからないが、はっと気が付いて顔を上げるが、リラックスしている牧村君を除いた皆は真剣な顔をして私を見ている。

「あ、あの、これはどこから?」
 私がかろうじて絞り出した声に牧村君がクールに言う。

「ちょっと出どころは明かせませんが、その理論がいずれにしてもベースになります。今後電磁的な応用をする場合にはその理論を理解してやるのとそうでないのでは大きな差がでますので、水谷さんには一部コピーをあげますよ。しかしお判りでしょうが外には絶対出さないようにしてください」

「はい、それはもちろん」

「では、僕の考えたレールガンのコンセプトを聞いてくれますか?」

「もちろん、是非聞かせてください」

「ええと、これが実用化出来たらたぶん、自衛艦に積むと思うのですが、試射には僕を招待してください。いいですか?」
 真剣な顔をして迫ってくる。

「ええ!そんな約束はできませんよ!私の権限を越えています」
 私は困ってしまった。

 防衛庁という組織は、官庁中でも特に頭が固い人が多いと言われるところで、とりわけ文官に多くて護衛艦に部外者を載せるなどということを通せる自信はない。
「まあ、私が話してみますよ。所長の佐治さん許可を取ればいいのですよ。秒速十㎞で発射できるレールガンが開発出来たら、試射にその発明者を呼ぶという位は絶対許可がでます。それと、牧村君、電磁砲が開発できるのだから、空母のカタパルトは出来るだろう?」

 牧村君の目が輝く。
「そう、カタパルトこれも簡単です。その試運転に立ち会わせてくれるのだったら、それとその発射する機体に乗せてくれるのだったら、今日にでも設計してあげますよ」

 誠司がそう言うと山口副社長は苦笑して応じる。
「わかりましたよ、そっちも話しておきます。結論は決まっていますよ。OKは出ますよ。私が責任を持ちます」

「では、山口副社長を信じて、説明しましょう」
 おもむろに彼はブリーフケースからA3のシステムチャートを出してくる。

 それは、一部は米軍が開発したのものにも、我々がいま組もうとしているシステムにも似ているので理解は出来る。なるほど、電磁波の発生はああいう風にして、集束はあのデバイスで、弾の送り出しは砲身を使わず電磁波で形成した仮想砲身を使うわけだ。

 しかし、使用電力は8万㎾!そんな電力は、地上設置にするか、またはもし船だとよほどの大型艦でないと無理だし、途方もなくコストがかかる。しかし、その懸念を察したように牧村君が言う。

「欠点は電力消費が大きいことですが、性能が高い分やむを得ない面があります。
 大体火薬による大砲発射で秒速0.8㎞程度ですから、秒速2㎞では力が速度の二乗に比例するといっても、たった6倍にしかならないのですよ。それが、10㎞/秒になれば百五十六倍ですから、段違いですよ。これでしたら、ミサイルは無論、軌道を回っている衛星でも撃ち落とせますよ。それに、間もなく出力10万㎾のコンパクトで安価な発電機が出来ますから安心してください」

 私も開発対象が、もともとの目標が低すぎるし大した威力がないことは気にはしていたが、それ以上は技術的に突破できないことでそこを目標にしていた経緯がある。しかし、彼の示したものを開発しても電力がネックになりそうだが。
「発電機を開発?そんな話は聞いてないけど」
 私が聞くと、牧村君は山口さんに目で聞くような素振りで、山口さんも頷いたので口を開く。

「まあ、防衛機密の仕事をされているようですから言いますけど、いま核融合発電機を開発しているのですよ。今の感じだと来年夏ごろには運転できますよ。そのプロトタイプが10万㎾ですし、たぶん10億円強でできます。大きさはそうですね、10m×5m×高さ10mで重量は50トンぐらいでしょう。自衛艦に十分積めますよね?」

「え、ええ!核融合発電機!そんなとんでもないものが、夏に出来る?」
 私は驚いて、立ち上がってしまった。

「本当なんですか、山口副社長?」
 思わず聞くと、山口さんがあっさり答える。

「さっき言った、日本の命運がかかったという意味が分かるでしょう?」

 私はすとんと座りなおして、なるほどそれが事実ならとんでもないわと思う。確かにそのような発電機だったら、このレールガンに誂えたような発電機だから、それと組み合わせたガンを地上に設置すれば弾道ミサイルを撃ち落とせるし、艦船に載せればあらゆるミサイルや砲弾ですら撃ち落とせるだろう。

 艦船相手では、砲弾が殆ど直線で飛ぶという特質上、見える相手しか打てないのであまり役に立たないだろうけれど。専守防衛にぴったりじゃないか。やる気が出てきた!
 私は昼食をはさんで、その後6時間、牧村君を捕まえて彼のコンセプトに対してあらゆる細部を聞き倒した。そして、それを実際に装置化することを考えて、制作物、購入品と考えていき、特に制作物については製造上の問題点をつぶしていった。

 途中で、驚いたのが、かれも私の質問にすべて答えられるわけもなく、答えに詰まるとコンピュータを出して質問をインプットしていくとたちまち答えが出てくる。それをプリントアウトしてもらうと見事に私が期待する回答が出ている。

「ええ!なによ。牧村君のそのコンピュータ?そんなのあり得ない!」
 叫ぶ私に、絶対秘密と言って彼は打ち明ける。

「これは、僕のマドンナ。何でも答えてくれる、魔法のコンピュータだよ」
 これが彼の秘密なのかと、またどういうことなのと頭をひねるが、非常に役に立つことは確かなので、そのことを考えるのは放棄した。

 山口さんは途中まで興味深く私たちの作業を見ていたが、さすがに用事があると帰っていったが、所長に話はして、レールガンが出来た場合、電磁カタパルトが出来た場合の牧村君の条件に付いては快諾をもらったらしい。
 そのせいなのか、ようやく話も終わる頃、途中で佐治所長も出てきて、私たちの作業を横で見ていた。そして、引き上げる間際に私たちに向かってに言う。

「水谷さん、もう時間も遅くなったようだから、今晩に牧村さんにご馳走したらどうだろうかね。泊まるところはこの研究所の迎賓室でいいから。山口さんは秘書に連絡してくれれば、明日ヘリで西山市に送るそうだよ」

 私もそれではっと気が付くと、外はもう暗い。それに考えたら、彼を一日付き合わせてしまった。
「ええ、ありがとうございます。もう少ししたら、幸楽にでも案内します」

「そうしなさい。新垣さんと西山さんも含めて予約させておくよ」
 所長はそのように言いおいて出ていく。

 それから、なお三十分ほど確認して、ようやく私もこれで新レールガンを作れるという確信が持てた。この1日で、プリントアウトした書類と、メモを合わせると百ページくらいになっている。

「牧村さん、本当にありがとう。1年分でもとてもできない仕事を1日でやれたわ。次は電磁カタパルトね。これの装置化の段取りが終わったらまた、またお願いするわ。いいかな?」

「いいですよ。今度は自衛隊のヘリですね」

「ええ!う、うん、何とか交渉するわ」

 その夜、防衛庁行きつけの割烹幸楽に、私たち4人で入るが、落ち着いた雰囲気に牧村君が言う。
「いやあ、すみませんね。こんなところは初めてですよ」

 しかし、ここは確かに雰囲気はいいが、それほどの値段ではなく、私たちもちょくちょく利用している。
 いかにも、牧村君の世間ずれしていないところがでていて好感が持てる。今日は仕事に夢中で、彼そのものには余り気を配ってこなかったが、体も引き締まっているしなかなかの好青年だが、ちょっとかわっているというかオタク気味なところがあるのを感じる。

 私の好みど真ん中とは言えないけれど、かなりいい線をいっている。しかし、何より彼のマドンナを駆使しての能力はすごい。今日の成果は間違いなく、今後自分で十年やってもたどり着けないレベルであり、研究所のこの十年で最大の成果であろう。

 実際に、レーダーや空間認識と言うソフト面で我が国の防衛技術は突出したものがある。しかし、それを生かす飛び道具がなかったのだが、これに、今作ろうとしている電磁砲が加わったら、間違いなく弾道ミサイルでも簡単に撃ち落とせるだろうからこれは大きい。

 なにより発電機さえ十分なものがあれば、連射できるところが大きなメリットであり、これで北朝鮮が弾道ミサイルを開発しても、また中国が弾道ミサイルで脅してきても地上に5基位このガンを設置しておけば何と言うことはない。これは、自分にとっても大手柄ということで、結構褒められちゃうだろうし、昇進、給料も上がるかも知れない。

 うん、これは牧村君にうんとサービスしなきゃ。
「では、今日は牧村君本当にありがとう。今日1日で凄い成果が出たわ。荒巻さんと西川さんも今日はありがとうございました。では、乾杯!」

「乾杯!」
 彼も私の言葉に皆唱和して、コップについだビールを飲む。

 牧村君は飲み干しているので、結構いける口か。
「牧村君、結構いけるわね。強いほうなの?まあ飲んで」と注ぐ。

「ええ、まあ強い方かも知れませんが、調子に乗ってすぐ飲みすぎちゃうので要注意なのです」
 言いながらも、さらに飲む。

 結局、今日の仕事の話になって、グダグダ話しているうちに、いつの間にかいい時間になってきたが、こうなると私が乗ってきて、「もう一軒行こう」と言ったものの、妻帯者の新垣、西山の両人は「いや、もう十分です。家も遠いのでもう帰らないとお母ちゃんの角がでます。独身同士のカップルで飲んでくださいよ」と言って帰って行った。

 外に出て、2人と別れたあと、牧村君もだいぶ酔っているようで、私が「そら、カップルだから腕を組んでいかないと」と言うと、「そうですね。カップルだもんね」とすこし怪しい呂律で言って素直に腕を出して来る。

 私は、わざとこれ見よがしにその腕に絡みついて体を半分預けて歩いて、いつもの行きつけのスナック「灯」のドアを開ける。すると、ママさんが開口一番言う。
「あら、今日はカップルなのね。おめずらしい。ご機嫌ね」

「ええ、私の新しい恋人よ。素敵でしょう?」などといつものようにママさんと会話を交わしたあと、キープしたウイスキーの水割りを飲みながら牧村君に話しかける。
「牧村君は、恋人がいるんでしょう?」

「いや、いや、どういうのですかね。見つけたいと思うのですが、なかなかうまく行かなくて。彼女いない歴二十三年を更新しつつあります」
 
「そう、もてそうに思うけどな。なにかスポーツをやっていたんでしょう?」

「ええ、ラグビーですね。院に入って引退しましたけど」
 そう言って、少し酔った勢いとサービスのつもりもあって話しかけていくと、今日は仕事ではあるが頭脳を全力で絞りながらの6時間もの濃密な時間を一緒に過ごしたあとに、なにかこうやって全く気を使わない個人的な話しをしているうちにだんだん、親近感がわいてくる。

 私は隣に座っている彼にすこしもたれかかって、「じゃ、私が恋人に立候補しようかな」と思わずその耳にささやいてしまった。

「ええ!水谷さんこそ、恋人がいるんじゃないですか?」

「いないわよ。理系女史でドクターまで持っていると逆に敬遠されるのよ。それに私にも選ぶ権利があるしね」

「じゃあ、僕はおめがねに敵いましたか?」

「うん、合格!逆に私はどう?」

「僕の好みのど真ん中です!」

「まあ、お上手ね。何人の人にそう言ったのかしら」

「いや。本当に初めてですよ」

 私たちがいちゃいちゃ話していてもママさんは見てみないふりをしてくれる。
 出る前に、彼にささやく。
「今晩は私の部屋に泊まってね」

 灯を出て、歩いてj級分程度の私のマンションまで、彼とまた腕を組んで歩きながら、今日初めて会った彼を自分の部屋に泊めて肉体関係を持とうとしているなどというとこが我ながら不思議だった。

 結局、その夜、私と彼は、私の1Kのマンションで一夜を過ごし、気がついたらもう明るくなっていた。大体私は眠りが浅い方で、最近は研究がさっぱり進めないこともあって、ぐっすりくつろいで寝たことはなかったのだが。彼との相性もいいのかもしれない。
 私たちは、まさか同伴で研究所に行くわけにはいかないので、四菱重工に行く彼を駅に案内して別れた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり

柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日―― 東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。 中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。 彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。 無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。 政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。 「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」 ただ、一人を除いて―― これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、 たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

俺が異世界帰りだと会社の後輩にバレた後の話

猫野 ジム
ファンタジー
会社員(25歳・男)は異世界帰り。現代に帰って来ても魔法が使えるままだった。 バレないようにこっそり使っていたけど、後輩の女性社員にバレてしまった。なぜなら彼女も異世界から帰って来ていて、魔法が使われたことを察知できるから。 『異世界帰り』という共通点があることが分かった二人は後輩からの誘いで仕事終わりに食事をすることに。職場以外で会うのは初めてだった。果たしてどうなるのか? ※ダンジョンやバトルは無く、現代ラブコメに少しだけファンタジー要素が入った作品です ※カクヨム・小説家になろうでも公開しています

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

処理中です...