上 下
48 / 68
第3章 時震後1年が経過した

48.1493年4月、豪州南東部農地開発

しおりを挟む
 沢渡慎吾達㈱ASSの豪州南東部のチームメンバーは、当初の10人から15人になっている。彼の会社の仕事は豪州南東部のSE1農場開発のみでなく中西部沿岸の石炭開発、北西部の鉄鉱山開発と豪州のみで70人を超える人員を投入している。

 ㈱ASSは海外専門の都市インフラの内の上下水道・排水施設専門の設計会社である。仕事の手順は、現地で上下水に係わる人口・水需要等の基礎調査を基に地形・水源・排水の放流先の調査を行なった上で、施設の規模を決める。
 さらに、その施設を実際の地形の中に配置して、それぞれの施設の詳細を計画・設計していくのだ。

 だから、現地には測量社会調査等の調査を行って、現地側と計画と設計内容を調整するチームが必要であるが、計画・設計の作業は必ずしも現地で行う必要はない。だから、国内には現地の調査メンバーの挙げて来たデータ・調整した内容から計画・設計の作業を実施しているメンバーが多数おり、協力会社を入れれば豪州関係のプロジェクトのみで300人近く動員されている。

 この際に重要なのは、国内と現地を繋ぐインターネット回線であるが、幸い時震によっても静止衛星が残ったために、豪州はその高度36000kmで見通しが効く範囲である接続範囲に入っている。しかし、以前に比べると速度と容量は落ちたために、CADデータは送るのに問題はないが、写真データは容量が大きすぎる。

 とは言え、それほど時間を争うようなこともないわけで、特に問題なく日本と豪州の事務所で共同作業が行われている。彼らの事務所は、南豪市と名づけられた都市の南豪湾最奥の突き出した岬に作られた町並みにある。南豪市は21世紀ではメルボルンと呼ばれた場所で、南豪湾はポートフィリップ湾である。

 事務所は港から1㎞ほどは離れているが、一帯は概ね5㎞四方で街路が出来ており、最初のビル街になる1㎞四方位は3階か5階建てのビルの外形は出来ており、同じ位の面積のエリアの建物の基礎が出来始めている。また、最初にできた街並みは、港から少し離れた一角にプレハブの2階建ての建物50棟ほどが建っており、㈱ASSの事務所はその1棟の1/4を占めている。

 まだ『市』にふさわしいとは言えず、『工事現場』と言ったほうが相応しい南豪市は工事の喧騒に満ちている。事務所から見える遠くには何十台ものブルドーザーが走り回り、近くではユンボ、クレーン、ダンプトラックが轟音を立てて動いていて、工事現場では資材が山積になっている。

 碁盤の目状に形作られている街路は、まだ舗装もされておらず砂利のみの道路であり、車の走行によって埃が舞い上がっている。街路は基盤までの砂利はしっかり敷かれているが、まだアスファルト合材工場が出来ていないので舗装は出来ていない。

 アスファルト合材の原料である瀝青材は、石油精製工場で作られる。しかし、未だ港に石油タンクと石油精製工場が建設されている段階であり、もう半年ほどで精製を開始する予定である。石油は、豪州南東部の沖で海洋底油田を掘削中であり、最近試験採取を開始した所である。埋蔵量は大きいとは言えないが、豪州の自己消費分は10年程は賄える見込みだ。

 アスファルト合材工場も、石油精製工場に合わせて建設中だから、もう半年もすれば舗装ができるようになる。しかし、逆に言えばあと半年は豪州のすでにできている道路の大部分は未舗装で我慢する必要がある。ただし、港の周辺の重要な10㎞程度の道路はコンクリート舗装ですでに舗装されている。

 ちなみに、空港も21世紀にメルボルン空港があった位置で建設中であり、漸く最小限の滑走路とエプロン及び管制塔がほぼ完成して、1ヵ月後に仮オープンの予定になっている。この場合は、当然アスファルト合材の供給が遅れことからコンクリート舗装で建設されている。

 仮オープンと言う意味は、ターミナルビルはまだ8ヵ月ほど時間を要するが、先述の設備が出来れば旅客機の離着陸はできる。だから、利用客は建設関係者のみなので、とりあえず使おうということだ。沢渡もそうだが、家族が飛行機で来るのを心待ちにしているものが大勢いるし、短時間の日本との接続は極めて重要である。

    ―*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

 沢渡はランクルに乗って、川添町に調査に向かっている。運転いているのは、同じチーム若手の西沢良治である。南豪市からSE1エリアの農場地帯の南の端に近い川添町までは、約30kmの凹凸のある所々の森と灌木のある草原を貫いている砂利道であり、途中で6カ所の橋を渡っている。

 道路は2車線であるが、橋は建設速度重視で1車線であり、構造はH鋼杭にH鋼桁を渡し、鋼鈑製橋面の仮設のものであり、10年以内には架け替えが必要になるだろう。つまり両側から車が橋に差し掛かると片方は待つ必要があることになるが、当面は交通量が少ないので問題は少ない。

 現在は、昨年の10月から11月にかけて作付けした小麦の収穫が始まっており、10トントラックが続々と港に向かっている。SE1エリアは、豪州の農場の1/4である2500haの小麦大豆畑であり、概ね90~100万トンの収穫を見込んでいる。

 ちなみに、豪州の農場開発はメルボルンを中心とした地域で、SE1、SE2、SE3、SE4の4開発地があって、それぞれが2500haであるので全体で1万km2もの面積になる。その全体で収穫する小麦は1回の収穫は350~400万トンであり、おおむね日本の小麦需要に相当する。各開発地の農場は10㎞四方のものが25個から成り立っており、それぞれに川添町のような中核都市が建設される。

 この道路を使って積出港の南豪市まで、今から2ヶ月程度の期間に90~100万トン程度の運搬をすることになる。その意味で、今使っている道路は、日本の食を支える極めて重要なものであることになる。
 川添町はその名の通り、ウイール川の川沿いに建設された都市で、将来の戸数は4千戸、人口は概ね1万人程度を考えている。現在作られて機能している建築物は、プレハブの事務所棟、住居棟などであり、これらはSE1エリア建設の司令部機能を果たしている。

 また、千戸程度のプレキャストコンクリートの長屋作りの住居棟が建設中であり、半分程度は内装まで終わりパナ人が住み始めているものもある。川添町には、現状では背の高い構造物は集合アンテナと給水塔位であり、他には町役場の3階建ての建物が姿を現しつつある程度である。

 西沢良治が、川添町のアンテナが視界に入ってきたのを見て言う。
「2週間ぶりだけど、紗季ちゃんいるかな?」
 彼が言う三波紗季は、川添町に事務所がある現地対策チームの一員である。彼女は千葉国大の社会学科の大学院に在学していたのだが、研究室の安田教授から勧められてこのプロジェクトに加わったものだ。

 安田教授も、政府から院生の中から要員を出すように要請されて、彼女に声をかけたもので、その誘いの言葉は以下のようなものであった。
「三波君、授業でも言ったが、この時震によって日本の立ち位置は大きく変わった。現在の地球人口は、推定だが、日本人を入れずに5億人、それに対して日本人のみで1億2千万人だ。その日本人は基本的に日本に閉じこもっているけど、これは一つには海外に出ていく必要性もなかったことが大きい。
 今の日本は、食うためと、その便利な文明を維持するために、今から急ピッチに世界中で資源開発を行う必要がある。だけど、今まではそれらを海外から買っていたとう言うか買えたわけだ。そして、日本は買ってきたものを消費してその一部を加工して付加価値を上げて売ることで、それらを買うお金を手に入れていたわけだ。

 そしてこの時震で、売ってくれる相手がいなくなってしまった。だから慌てて自分たちが出かけて、その資源があるところを開発して、そこから食料や資源を持ち込もうとしているわけだ。また、一方でそうした海外との付き合いが一方的に断たれてしまい、その付き合いで生計を立てていた人々は、生計の道を断たれてしまったことになる。
 輸出も輸入もいずれはある程度回復はするけど、1年か2年は間違いなく壊滅状態になるね。2年前になるがC型感染症騒ぎで経済が25%程度落ち込んだよね。だけど、今回はそれどころではないだろうね。

 海外との付き合いは、今後科学技術の水準では遅れた世界を助けるということで、ある程度の活発化はするけど残念ながら前の水準にはならない。だって、世界の相手は5億人しかいないのだから、そのやり取りの量は絶対的に少ないに決まっているからね。
 しかし、日本が食うため、文明を維持するための資源は手に入るだろうね。資源は、現状のところではほとんど手つかずで残っているし、殆どの重要な資源は、人が余り住んでいないところに眠っているからね。

 つまり、多分100万人くらいの日本人が世界の資源地域、農業開発地域に散って行ってそこを押さえこめば、少なくとも数十年は日本に限って言えば、今のレベルの文明を維持することは可能でしょう。
 だけど、それでは多分ヨーロッパが大航海時代に世界に散っていって、世界の先住民を搾取していったのとさほど変わらないのではないかと思う。もちろん、私は日本人がかの欧州の白人がやったような民族浄化みたいなことをやるとは思ってはいないけどね。

 それに、もう一つ考えなくてはならないことがある。それは21世紀の知識を持って、いわば遅れた知識の国々に散って行こうとしている日本にいた外国人だ。日本が自分の国の事だけにかまけていた場合には、多分そうした世界で血生まぐさい大変なことが起きると思うし、100年オーダーの将来には原爆ができるなどして、戦乱が巻き起こって手に負えなくなるのではないかと思う。
 そして、今でこそ日本は絶対的な強者ではあるけれど、100年後になれば、例えば建国されるであろうアメリカなどは日本を凌駕する可能性だってある。

 だからね、僕は日本人は世界に散っていくべきだと思う。アメリカ、北米、ニューギニア、南米、南アなど将来は独立するはずだけど、全ての原住の人々をとり込んで、日本人が人口の主体になる程度の数の移民を送り込むべきだと思うんだ。まあ、日本も嘗ては軍国主義に傾倒したので絶対とは言えないが、今の日本人が主体になる国は、平和的な国になる期待できると思っている。
 まあ、ある意味そう言う社会実験をしてみたいという僕の欲かも知れないがね(笑)。僕としては君にはオーストラリアに行って、現地の人の文明社会への溶け込みの手助けをして欲しい。それは、実習としてちゃんと単位になるから、卒業には問題はないよ。1年ちょっとで飛行場もできるだろうから卒業式に帰れるよ。

 また、さっき言ったようなことで、僕の希望は出来たら現地でいい人を見つけて居付いてもらったらいいと思っている。どうかね三波くん」

 紗季は、その教授の言葉に乗って、今は川添町の現地対策チームの事務所で働いている。彼女は、沢渡とは日本からの一緒の船で来たこともあって、気軽に話をする間柄である。そして、彼のチームが川添町を含むSE1エリアの居住区の上下水道の調査・計画・設計を担当しているために会うことも多く、誘われてチームメンバーとプライベートでも付き合いがあった。

 西沢良治は電気エンジニアであるため、遅れて5ヶ月前にこちらに来た。まだ27歳と若い彼は、まさか開発途上の荒っぽい現地で合えるとは思わなかった魅力的な彼女を一目見て惚れこんでしまった。西沢もそれなりの大学を出たエンジニアで、身長は175cmのラガーマンとなかなかの優良物件であるが、彼のアタックも今のところあまりはかばかしくはない。

 一つには、彼女の手がけているパナ人たちへの働きかけが軌道に乗って来て、彼女の意識の大半がそちらに集中していることもある。現在、パナ人はこの川添町に105家族625人が集まっており、それぞれに開発事業に雇われて働いている。SE1エリア周辺には概ね85ヶ所のパナ人の集落があって、人口は5022人である。

 SE1エリアは中核都市が川添町、その他に10カ所の開発拠点集落があって、それぞれ小麦の農業従事者が住みついて農作業を行うことになっている。小麦畑の人員配置は概ね1㎢に対して1家族あるので、全体で2500家族に加えて家畜、野菜などの農家が100家族ほどおり、更には機械のメンテナンスやマーケット運営、様々なサービス業や地方自治体に従事する人々もおり、SE1エリアで概ね2万5千人の人口になる。

 人口の割り付けは川添町に1万人、10カ所の拠点集落に人口1万5千人が住むようになる。つまりそれだけの都市及び居住機能が必要になるのだから、その上下水道施の設計を㈱ASSが担当していることになる。仕事としては、特急案件であるために、現地では設計と施工が同時に進んでいるので連日忙しい。

 パナ人は、現状では川添町の他に、拠点集落10カ所に182家族1423人がすでに住んでいるので、合計で2000人弱がすでに日本の進めている農業に携わっていることになる。今住んでいる彼らの大部分は、集落が農業開発地にあった者達で、家とさらに働き口を斡旋することでそれほど問題なく転居を承諾している。

 これには、紗季たちの現地対策チームの働きが大きかったことは事実だが、最初の時期に紗季を訪ねてきた、マジム14歳とミナ11歳の兄妹の働きもまた大きかった。彼ら兄妹は、日本語や算数の勉強に懸命に取り組み、書くことはまだ不十分であるが、話し言葉には殆ど不自由なく、読む方も大体解る程度になっている。

 そのために、彼ら2人は自分たちが育ってきた環境における衣食住に対して、次元の違う日本側の便利さ、快適さを大いに享受し、さらに加えて映像鑑賞を含めて21世紀文明を、すでに驚きと快感と共に味わっている。
 だから、彼らは自分の同胞に対して熱心な日本文明推奨者になり、それが単に日本人たちが作った集落で住むだけで叶えられると力説する。

 そして、マジムの小ぎれいなシャツにズボンそれに冬のジャンバー、ミナは色鮮やかなブラウスにスカートとやはりジャンパーと、可愛いリボン、さらには両人ともにしゃれたスニーカーを見せびらかす。また、村人に与えるお菓子の数々は、甘いものを滅多に味わえない人々にとっては、垂涎の的であった。

 かくして、彼ら兄妹が訪問した集落では年若い者達が早期の移住を強硬に言い立てるようになり、開発チーム側として早急に立ち退いてもらわないと困る農場開発地の集落については殆ど問題なく移住が決定している。
 彼らに供与される住居は、プレキャストコンクリート製の10m×10mの平屋の3軒ずつ繋がった長屋であり、玄関と台所兼居間に3つの寝室がある。まだ、エアコンはないが、窓には網戸がついており、バスタブとシャワーがあり、水洗トイレが設置されている。

 また3軒で共用なので一斉には使えないが、ガスボイラーもついており、バスタブとシャワーは温水で使える。無論各部屋にはLEDの照明があり、台所にはガスコンロがついている。
 対してパナ人の集落は粗末な木柵に囲まれていて、各々の家は、5~8m の樹木を寄せて縛り、根元を円形に広げたもので、中は葦を敷いた床になっており、で中心に炉がある構造である。

 水は土器に汲んだしばしば枯れる沢または湧き水を使っている。便所は集落内の隅で穴を掘ったもので、一杯になると土をかけるもので、基本的には手も洗わないので不潔であることは確かである。
 そのような生活であるために、幼児のみならず子供の病気による死亡率は非常に高く、通常5人から7人生まれる子供の2人が育てば良い方である。

 しかし、一方でそのような出生率で衛生状態を改善すると、人口爆発が起きることは間違いなく、その防止も重要な施策になる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異日本戦国転生記

越路遼介
ファンタジー
五十五歳の消防士、冨沢秀雄は火災指令が入り、出場の準備をしていたところ心不全でこの世を去ることに。しかし目覚めてみれば、戦国時代の武蔵の国に少年に若返って転生していた。でも、この戦国時代は何かおかしい。闘気と法力が存在する和風ファンタジーの世界だった。秀雄にはこの世界に心当たりがあった。生前プレイしていた『異日本戦国転生記』というゲームアプリの世界だと。しかもシナリオは史実に沿ったものではなく『戦国武将、夢の共演』で大祝鶴姫と伊達政宗が同じ時代にいる世界。作太郎と名を改めた秀雄は戦国三英傑、第十三代将軍足利義輝とも出会い、可愛い嫁たちと戦国乱世を生きていく! ※ この小説は『小説家になろう』にも掲載しています。

大和型戦艦4番艦 帝国から棄てられた船~古(いにしえ)の愛へ~

花田 一劫
歴史・時代
東北大地震が発生した1週間後、小笠原清秀と言う青年と長岡与一郎と言う老人が道路巡回車で仕事のために東北自動車道を走っていた。 この1週間、長岡は震災による津波で行方不明となっている妻(玉)のことを捜していた。この日も疲労困憊の中、老人の身体に異変が生じてきた。徐々に動かなくなる神経機能の中で、老人はあることを思い出していた。 長岡が青年だった頃に出会った九鬼大佐と大和型戦艦4番艦桔梗丸のことを。 ~1941年~大和型戦艦4番艦111号(仮称:紀伊)は呉海軍工廠のドックで船を組み立てている作業の途中に、軍本部より工事中止及び船の廃棄の命令がなされたが、青木、長瀬と言う青年将校と岩瀬少佐の働きにより、大和型戦艦4番艦は廃棄を免れ、戦艦ではなく輸送船として生まれる(竣工する)ことになった。 船の名前は桔梗丸(船頭の名前は九鬼大佐)と決まった。 輸送船でありながらその当時最新鋭の武器を持ち、癖があるが最高の技量を持った船員達が集まり桔梗丸は戦地を切り抜け輸送業務をこなしてきた。 その桔梗丸が修理のため横須賀軍港に入港し、その時、長岡与一郎と言う新人が桔梗丸の船員に入ったが、九鬼船頭は遠い遥か遠い昔に長岡に会ったような気がしてならなかった。もしかして前世で会ったのか…。 それから桔梗丸は、兄弟艦の武蔵、信濃、大和の哀しくも壮絶な最後を看取るようになってしまった。 ~1945年8月~日本国の降伏後にも関わらずソビエト連邦が非道極まりなく、満洲、朝鮮、北海道へ攻め込んできた。桔梗丸は北海道へ向かい疎開船に乗っている民間人達を助けに行ったが、小笠原丸及び第二号新興丸は既にソ連の潜水艦の攻撃の餌食になり撃沈され、泰東丸も沈没しつつあった。桔梗丸はソ連の潜水艦2隻に対し最新鋭の怒りの主砲を発砲し、見事に撃沈した。 この行為が米国及びソ連国から(ソ連国は日本の民間船3隻を沈没させ民間人1.708名を殺戮した行為は棚に上げて)日本国が非難され国際問題となろうとしていた。桔梗丸は日本国から投降するように強硬な厳命があったが拒否した。しかし、桔梗丸は日本国には弓を引けず無抵抗のまま(一部、ソ連機への反撃あり)、日本国の戦闘機の爆撃を受け、最後は無念の自爆を遂げることになった。 桔梗丸の船員のうち、意識のないまま小島(宮城県江島)に一人生き残された長岡は、「何故、私一人だけが。」と思い悩み、残された理由について、探しの旅に出る。その理由は何なのか…。前世で何があったのか。与一郎と玉の古の愛の行方は…。

日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました

白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。 あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。 そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。 翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。 しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。 ********** ●早瀬 果歩(はやせ かほ) 25歳、OL 元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。 ●逢見 翔(おうみ しょう) 28歳、パイロット 世界を飛び回るエリートパイロット。 ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。 翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……? ●航(わたる) 1歳半 果歩と翔の息子。飛行機が好き。 ※表記年齢は初登場です ********** webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です! 完結しました!

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になっていた私。どうやら自分が当主らしい。そこまでわかって不安に覚える事が1つ。それは今私が居るのは天正何年?

俣彦
ファンタジー
旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になった私。 武田家の当主として歴史を覆すべく、父信玄時代の同僚と共に生き残りを図る物語。

ローゼンクランツ王国再興記 〜前王朝の最高傑作が僕の内に宿る事を知る者は誰もいない〜

神崎水花
ファンタジー
暗澹たる世に一筋の光明たるが如く現れた1人の青年。 ローゼリア伯フランツの嫡子アレクス。 本を読むのが大好きな優しい男の子でした。 ある不幸な出来事で悲しい結末を迎えますが、女神シュマリナ様の奇跡により彼の中に眠るもう1人のアレク『シア』が目覚めます。 前世も今世も裏切りにより両親を討たれ、自身の命も含め全てを失ってしまう彼達ですが、その辛く悲しい生い立ちが人が生きる世の惨たらしさを、救いの無い世を変えてやるんだと決意し、起たせることに繋がります。   暗澹たる世を打ち払い暗黒の中世に終止符を打ち、人の有り様に変革を遂げさせる『小さくも大きな一歩』を成し遂げた偉大なる王への道を、真っすぐに駆け上る青年と、彼に付き従い時代を綺羅星の如く駆け抜けた英雄達の生き様をご覧ください。 神崎水花です。 デビュー作を手に取って下さりありがとうございます。 ほんの少しでも面白い、続きが読みたい、または挿絵頑張ってるねと思って頂けましたら 作品のお気に入り登録や♥のご評価頂けますと嬉しいです。 皆様が思うよりも大きな『励み』になっています。どうか応援よろしくお願いいたします。 *本作品に使用されるテキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。 *本作品に使用される挿絵ですが、作者が1枚1枚AIを用い生成と繰り返し調整しています。  ただ服装や装備品の再現性が難しく統一できていません。  服装、装備品に関しては参考程度に見てください。よろしくお願いします。

男女比1/100の世界で《悪男》は大海を知る

イコ
ファンタジー
男女貞操逆転世界を舞台にして。 《悪男》としてのレッテルを貼られたマクシム・ブラックウッド。 彼は己が運命を嘆きながら、処刑されてしまう。 だが、彼が次に目覚めた時。 そこは十三歳の自分だった。 処刑されたことで、自分の行いを悔い改めて、人生をやり直す。 これは、本物の《悪男》として生きる決意をして女性が多い世界で生きる男の話である。

処理中です...