日本列島、時震により転移す!

黄昏人

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第1章 時震発生

10. 1492年5月、アラビア半島

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 前書き:読者の皆さん、済みません。この小説は歴史ジャンルと考えていたのですが、どうもタイムスリップはSFかファンタジーらしく、歴史にすると強制的に非公開になるらしいです。
それで、しょうがないので、この小説はSFにしますので、ご了解くださり、引き続きご愛読頂ければ幸いです。

     ー*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

 西山亮は、元の世界のサウジアラビアと呼ばれる不毛の大地で、粗く均した道路を白いランド・クルーザーで走っていた。1492年5月下旬、ここはこの時代にはカイロに首都を置くマムルーク朝の領土になっている。しかし、マムルーク朝は内乱でその存続も風前の灯であり、事実15年後にはオスマン・トルコに征服されている。

 従って、当然その勢力はこのような不毛かつ辺境地には及んでおらず、ここから半径500km以内にはマムルーク朝の出先機関も軍事勢力も存在しない。しかし、ここは将来ガワール油田という世界最大の油田地帯になって、多数の油田と巨大なタンクが100基近く林立するのだ。

 日本政府が派遣した船団は、ペルシャ湾に入り、将来バーレーンと呼ばれる島の脇を通って、その奥の湾深く入り込んだ。そして、砂の岸辺以外に何もないそこに作業船から鋼管を打ち込み、鋼製の横桁を渡し覆工板を敷いて桟橋を作った。最終的には海中に500m突き出すその桟橋は、全部で8本作られることになっていて、まだその建設も300mのものが1本出来ているだけだ。

 それでも、その1本は車両資材の揚陸は出来るので、桟橋の延長と他の桟橋も工事中ではあるが、揚陸作業は可能な限り急いで進めている。その西山が乗っているランクルは揚陸した機材の一つである。西山の勤めるのは石油化学設備を中心とするプラント建設大手のKT化工建設㈱にである。

 また西山の仕事は、港湾に作られる石油の貯蔵積出設備に、内陸のガワール油田の油井からの貯留油送設備と100kmの油送管設備の建設である。鋼製で作られている港湾設備、及び港湾の居住設備、油田への道路及び油田の居住設備の建設はスーパー・ゼネコンの栄光建設㈱である。

 ちなみに、日本の昨年の原油輸入量1億8千万kLであり、大部分が中東のサウジアラビア等から来ている。それが、突然止まってしまったわけであるが、国内における備蓄が8千万kL程度ある。しかし、消費量を減らさない限り200日は持たない計算である。

 そこで、政府はまず発電部門の消費を減らすべく、未だ稼働率が23%である原発の稼働率を上げるために、全ての原発の早期稼働を命じた。このことで、今年末には70%を超える稼働が達成できる。
 また、乗用車とトラックの燃料油の価格を5倍に引き上げた。また、企業に対して、マイカー通勤の通勤費支給の禁止、宅急便への燃料費転嫁の推進など自動車による燃料消費の低減を強制した。

 また、こうした施策を取るまでもなく輸出入が止まることで、企業活動が大幅に勢いを減じ、企業活動も人々の動きも減り、これも大いに原油の消費低減に効果を発揮している。こうした効果が全て合わさって、2024年4月からの1年間の石油消費はそれまでの半分程度になると推定されている。

 しかしながら、それらの施策は経済へのダメージと引き換えなので、来年4月には1億kL 、再来年4月には1億5千万kLの開発による輸入が期待されている。このように、海外での石油採取と積み出し設備の開発に加え、多くのタンカーが失われた結果、積載量400万トン程度のタンカーの生産も必要になる。

 その産油基地の開発であるが、当初はタンカーが多く失われたことから、輸送距離の近い東南アジアなどの石油資源開発が検討されたが、これらの地区の資源は規模が小さく投資効果が低い。例えば、第2次世界大戦時に落下傘部隊による占領で有名なスマトラ島のパレンバンがある。

 これは、当時の日本の石油消費量を賄えるほどの産出量であった。しかし、その産出量は僅か600万バレル(100万kL)であり、現在の消費量からすれば微量である。一方のガワール油田は、最近10年間は500万バレル/日(3億kL/日)の産出であり、資源量は150億kLを超えるとされる。しかも、この時代ではその領有は先述のようにあいまいなままであり、現地からのトラブルは考えにくい。

 距離は近いが、アジアの小規模な資源開発を行うか、大規模な資源に集中するか、どちらの効率が良いかは言うまでもない。結局、食料開発に劣らず、国力の全てを挙げてガワール油田改めアラビア第1油田の開発を行うことになったのだ。

 ちなみに、すでに始めている食料生産と様々な鉱物資源開発が予定されているオーストラリアと、石油資源開発を始めたサウジアラビアであるが、いずれも独立国であり大使館もあり、オーストラリアの場合は転移時に5万人を超える観光客が日本に滞在している。
 
 当然彼らは、「自国」の国土・資源については自分たちに権利があると主張した、しかし日本政府なその点はすでに考慮していて、対応するに当たっての原則に係わる統一見解をまとめていた。
それは次のようなものである。

1) 日本国がその地域で開発を行って利益を受ける場合には、2021年の世界においてその国の国民であるものに対しては、その利益に相応する見返りを与える。しかし、それは人々が生活を成り立たせるための援助であるということだ。(要は過剰な利益を与え、富裕にする気はないということ)

2) その地域に住む人々が、国と領土の概念を持ち、当該地域がその領土である場合には、開発を行う場合に交渉してそれなりの対価を払い、武力等による占領はしない。

3) その地域に住むか、何からの活動(狩猟等)を行っているばあいには、人々に人権を尊重してその人々が生活に困らないような措置を行う。仮に武力により争っても、出来る限り傷つけることは避け、とりわけ人命を損なわないように行動する。

4) 2021年時点の政府が、1492年時点の現地の人々と連続性が無い場合、とりわけ原住の人々を追い出した結果の政府である場合は、その政府の代表(大使館)はその土地に対する権利は持たない。但し、国民は1)項の適用を受ける。

 その原則に鑑み、基本的に朝鮮半島や、中国大陸に欧州などでは基本的に開発を行わないこととしている。また、オーストラリアとサウジアラビアについては、原則の4)を適用してその土地と資源の所有の権利を認めない。

「ひえ!外は48℃か、それにしても暑いなあ。また、ほんとに何もないな。大部分が砂漠で少し低いところにはまばらな草地だ。途中にはオアシスもないから遊牧民にも会わんなあ」

 西山が、運転している部下の加瀬英二に言うと、加瀬が返す。
「でも、俺は遠目ですけどラクダに乗って、ヤギの群れを連れた姿を見ましたよ。ベドウィンという人たちですよね。前の世界のイラクで見ました。ここは一応、エジプトが本国になるマムルーク朝の領土でしょう?だけど、そんなたいそうな国の兵隊と役人も、また街もみませんね」

「ああ、おれも出発前のブリーフィングで聞いたけど、マムルーク朝というのは内部分裂で滅びかけだというな。大体そもそもこの場所なんか『自分の領土』と言っているだけで、今のところ何の価値がないここに、そのマムルーク朝の連中が来たとは思えん。
 マムルーク朝はオスマントルコに倒されるけど、オスマントルコだって、ここが自分の領土として実際に支配するのはあと何十年も後だと思うぞ。だから、政府も今は実質所有者が居ないと決めちゃったのだな」

 そう言う48歳の西山は、油送管を含む油送設備を建設する油送班の責任者で、35歳の加瀬は10人いる社員の油送班の一人である。彼らは、当面はサルワ港にある仮設居住地区に住んでいる。加瀬については、まだ子供がいないこともあって、2か月後にその妻の早智子がやって来て、事務員として働く予定になっている。

 西山は、子供が高校生と中学生であり、妻が学校の教師なので、とても妻が来ることにはならない。彼らは海外の仕事をメインにやってきたが、今回の仕事はに家族を帯同できない場合には条件としては悪い。それは、以前であればどこに行っても、飛行場のあるところにいけば、通常24時間もあれば日本に帰れる。

 だから、年間2回は会社の費用で帰れるというルールになっていたし、なにかと会議などの理由を付けて帰してもらっていた。しかし、1492年の世界では当然飛行場はないので、船に便乗しても片道2週間程度は要するのだ。それでも、おそらく激務であることを会社が慮って社員は、1年に1回は帰れることになっている。

 アラビア第1油田の開発の場合には、その重要性に鑑み、積出港の近辺に2000m級の滑走路のもつ飛行場を作る予定である。だから、西田は、工期5年を予定されている工事の後半は以前に似た条件になると個人的に期待しているところだ。

 ちなみに、このアラビア第1油田の、油井を掘ろうとしている地盤の海抜は約260mである。そこから、彼らが着いた建設中の積み出し港サマワまで、100kmの距離を途中は殆ど凹凸なく緩やかに下っている。
 また、油井は2021年では圧力が下がっているために、海水を注入して噴出させている。しかし、まだ採掘されていない現在では、地下にかかっている圧力により地上に自噴する。だから、油井から自然流下で港まで石油を送ることが出来る。

 そのために、その間の100kmに1200mmの鋼管を敷くことになっており、これで日量17万kL、年間6千万kLをサルワ積出港まで送ることになる。鋼管の径が1200mmになったのは、丁度日本の製鉄会社に海外から石油用で大量発注があって、80km分の在庫があったのだ。これは、中国が世界のサプライチェーンから外されつつある恩恵である。

 西山の送油班は、この送油管2本に加えて、油田に径50m高さ20mで15万kLの原油タンクを10基、さらに積出港に10基を建設することが役割りである。原油タンクは、日本国内でトレーラーに乗るように分割されて製作して、現地で組み立てるが、鉛直面を移動できる溶接自走ロボットを使うので、24時間稼働が可能なので資材が着けば1ヶ月で組み立てが可能だ。

 積み出し港、油井地帯及び途中の経路もサラサラな砂漠は殆どなく、小さな岩が転がっているところも多く、地盤は基本的に強固である。そして、平坦であるため、工事用の道路は基本的にブルドーザで一度均せば使用可能であった。油送管の位置も同様に均されて、基本的には少し盛り土した地面に転がして敷設する。

 鋼管は、腐食防止のために水に触れないよう、通常はコンクリートなどで台を作ってその上に敷設するが、この場合は施工早さ重視で、稼働後に地面との縁切りをすることにしている。西山の班の工期のノルマは今年11月末までに、油送管の1本の完成、原油タンク油井地帯、積出港各2基の完成である。つまり、今年12月までに積み出しが出来ないと、日本の石油の備蓄が尽きるのだ。

 ところで、この種の現地工事には通常は日本人の監督員は僅かで、大部分は現地人または出稼ぎの非日本人労働者である。しかし、この場合、現地労働者は獲得できても全くスキルが無いので使えないとして、全て日本人を充てることになっている。

 その一方で、日本国内では全ての輸出入が止まった結果として空前の人余りであり、国の積極的な斡旋もあって人を集めるには不自由がない。国の狙いとしては、出来るだけ日本人を国外に定住させようとしているのだ。
 そういう事情で、西山の班の会社の職員は10人であるが、現在のところ下請け会社雇用の重機などのオペレーターの他様々な作業員の60人が彼の指揮下にあり、まださらに2倍の数が増える予定だ。

 彼らの住居は、油井基地、積み出し港、連絡路の中間点の3ヶ所に作られたプレハブ住居の基地である。今のところすべての者が単身なので、プレハブ住居の中は3畳程度の個室に仕切られ、エアコン完備であるが、無論水洗トイレと、風呂は共同でありそのために専用棟がある。

 電気はジェネレーターにより、用水は港に海水の淡水化プラントが設置されて、周辺にはパイプで給水し、遠方にはタンクローリーで運んでいる。ただ、上水源については、2021年の世界と同様に地下水も使う。そのため、油井地帯50㎞ほど西方の地下水がある地域で現在ボーリングを行うっているので、半年後にはその水がパイプで供給されることになる。

 ところで、アラビア第1油田プロジェクトの警備であるが、危ない勢力が周辺にないとして最低限にすることになった。これは、予備偵察の結果として半径500km以内に、目立つ都市もなく、推定される人口は千人以下ということのためである。また、不毛の地であるために、空からの監視が有効に使えるのだ。

 具体的には、港湾地区に自衛隊のヘリポートを作り、隊員80人と、ヘリUN-60Jの2機も高機動車4台を常駐させている。基本的にはドローンにより港湾と油井基地の連絡道路の監視を行って、必要に応じて高機動車またはヘリで出動する体制だ。

「あ、何だあれは?人だな」
 加瀬が小さく叫んで減速した。うとうとしていた西山もはっと目を覚まして、加瀬の視線を追うと確かに人が見える。1人は横たわって、1人がこっちを見て手を振っている。

 減速して止まると、車の走行跡が白っぽくなっている道路わきに、少年が横たわり、横で少女が手を振っている。ぼろの塊みたいな服を着た、黒い髪がごわごわで色の浅黒い先住民、多分ベドウィンだ。
 エアコンの効いた車内から出ると、むっと熱気が押し寄せるが、耐えて加瀬に続いて2人の子供に駆け寄る。傍に立ち止まった加瀬を押しのけて、西山は荒い呼吸の少年にしゃがみ込む。

 少年の額には玉のような汗が浮いている。子供の居ない加瀬に対して、西田は少なくとも2人の子供を育てているから多少の慣れがある。少女は涙を流しながら西山に向けて懸命に何かを言っているが、意味は全く判らない。その少女の肩に加瀬が触れて宥めるように言う。

「大丈夫だよ。落ち着いて、落ち着いて」
 意味は解らなくとも助けてくれると思ったのだろう。少女は喋るのを止めて西山の傍にしゃがむ。西山は少年の体を探って、足がはれ上がっているのに気が付いた。負傷して時間が立っているらしく、高い熱も持っている。

「足のケガによる、化膿だな。大分悪いな。蓑田先生に見せよう。加瀬、サルワに帰ろう!」
 多分12歳位か。やせこけて垢にまみれて匂う少年を抱き上げて、西山は後部座席に横たわらせる。そしてシートベルトで落ちないように固定すると、今度は暴れる少女を抱き上げて、助手席で抱いてシートベルトを締める。やっぱり少女も垢だらけで匂うが、乾燥しているお陰かそれほどでもない。

「行くぞ!」
 西山の声に車が発信した。油井基地まで近づいていたので、サルワの港まで80kmだ。路面の状態は良くないので時速は60kmで抑えるで、午後4時には着くだろう。もうもうと埃を立てながら車は走る。

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