帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人

文字の大きさ
上 下
157 / 179
第15章 変わってしまった地球世界

15.2 その頃日本では2

しおりを挟む
「なに!アメリカが関税を上げる?」
 首相の大泉が思わず叫ぶ。それに対して、長く外務大臣を努めている岸山もと子が沈痛な顔で応える。

「ええ、先ほど国務省から原案がお送られてきました。オフレコでリーマン国務長官に聞いたのですが、国務省としては反対しているそうですが、超国粋派のダントン・メジェル大統領の公約ですから、覆せないということです。総理、これが彼らの案です」

 岸山が渡した紙を大泉が目を通す。
「ふーむ、我が国の工業製品に25%の関税か。岸さん、現地生産を除いて今日本からの輸出はどの位かな?」
「ええと、総輸出額が大体100兆円、工業製品が70兆円でアメリカ相手が15%で10兆円程度ですね。ただ、多分そのうちの半分はアメリカが自国で生産できず、他国も生産できないものですね。さらに、これはまだ残っているAE発電なんかのキーパーツがらみだから、値段が上がろうが我が国から買わざるを得ないでしょう」

 岸経産大臣が答える。
「ふーん。まあ実際にはそれらを外してくるだろうけれど、どうせ何か交換条件があるのだろう?」
 うんざりした顔の大泉の問いに岸山が答える。
「ええ、AE発電・重力エンジンの技術の完全開示と発電量当たりの特許料を日本並みにすることが主なものです」 

 それに対して大泉が渋い顔で応じる。
「AE発電の特許料は現在のところ全世界合計で3兆円位だったよね。アメリカは4千億円で、かれらの経済規模からすればゴミみたいなものだろう。以前のシステムに比べれば、発電コストは概ね1/3以下に下がっているのだから特許料はとってもいいと思うがね。それからAE発電と重力エンジンの改善開示ということは、心臓システムの製造を自分でしたいということだね」

「まあ、そういうことですね。結局彼らは、日本との5兆円の貿易だけでない国際収支の赤字を問題視しているのです。特許料だけで1兆円を超えますからね」
 首相の言葉に岸がコメントするが、官房長官の宗方が口を挟む。

「しかし、これは譲れませんよ。メジェル大統領は、これで我が国がある程度譲ったらかさにかかって次々に要求を突き付けてくるでしょうね。結局、彼らはというよりメジェルとその一派は、すでに安保条約も解消して、対等になった我が国をまだ子分だと思っているのです。また、常に覇権を持たないと気が済まないアメリカの本能として、今や我が国を当面の叩き落すターゲットに据えたのです」

「しかし、今や異世界の多くの世界と付き合いを始めて、そのリーダーシップを取らなくてはならない時に、アメリカの覇権などと馬鹿じゃない?でも、民主主義のアメリカ国民がそんな大統領を選んだんよな」
 大泉は嘆くが、座り直して眦をあげて、そこにいる主要閣僚を見渡して言う。

「まあ、泣き言を言っても仕方がない。それで、君たちはこのアメリカの要求をはね付けた場合にはどのような影響があると思うかな?」

「そう。貿易に限れば、さっき話がでたように全部の製品の関税を上げるのは無理でしょう。だから最悪半分の5兆円のマイナスです。これは我が国今のGDP1050兆円に対して5%強だから小さいとは言えませんが、致命的に大きいとも言えません。
 現状では我が国は異世界さらに新地球にも輸出が増えていますから、最初の年はきつくても2~3年あれば影響は消せるでしょう。ただ、世界的にはまだアメリカは大きな力を持っていますから、その点ですね。幸いすでに国連はほぼ無力化して、より大きな力をもった地球連盟にその力が移っています。

 その地球連盟の中での力は我が国もアメリカに負けていないでしょう。ヨーロッパは大きく力を落としましたが、まだ侮れない力を持っています。彼らは、彼らへの魔法の処方をアメリカが遅らせた点で結構根に持っていますから、どちらかと言えば我が国の肩を持つでしょう。
 アジア・アフリカはまず我が国につくでしょうね。明確にアメリカにつくのは、かつての中国の役割りを果たしつつある中南米位でしょう。そうやって考えていけば、撥ね付けていいのじゃないですか?」

 このように、大泉の問いに真っ先に応えたのは岸官房長官であったが、岸山外務大臣が応じる。
「確かに、メジェルの当選以来、アメリカは全方位的に喧嘩を売って、世界の鼻つまみものになりつつあります。そうは言っても、未だ圧倒的な世界一の経済大国です。2位の我が日本の概ね倍のGDPですからね。ただ最近、急速にその経済も陰りがでていて、もう3年やや下がりぎみですよね。
 やはり、製造業を放置弱体化させてソフトパワーと財務で世界をリードしてきたのが、ソフトにおいて日本やインドなどに負けつつあるという点でどうしても陰りが出ますね」

「ああ、もはやドル1強ではなくなってきているからね。我が国の貿易は概ね円決済で回っているしね。それもあって、地球連盟が提唱している共通通貨クレにも強硬に反対している。製造業は必死に回復に努めているけれど、あのおおざっぱさはいい物は作れないよね。
 結局、自慢の兵器も、コストの高さからつぎ込んでいる金の割に量が伴わないから、未だ世界一の軍事費もその効果にはクエッションマークがついているよね」

 経産大臣の岸が口を挟むが、防衛大臣の加山が続ける。
「ええ、過去日米安保体制の下で、我が国もアメリカ製の武器を買ってきましたが、民生品に比べてべらぼうにコストが高かったのです。“しでん”が製造されるようになってから、そのコストの余りの差に驚いて全面的に製造体系が見直されましたよね。
 大体、日本が最後に買ったアメリカ製の戦闘機のF35が1機140億ですが、“しでん”が12億ですからね。母艦でも600億ですよ。まあ、重力エンジンのお陰で、使用する材質の比重を気にする必要がない点が大きいのですがね」

 それに対して、岸が反問する。
「あのメジェル大統領だと、それこそ軍事的に恐喝してきかねない。その場合でも自衛隊で我が国を守れるのかね?まあ無論地球同盟軍の存在はあるが」

「ご存知のように、地球同盟軍は地域紛争を止める方向で動くという仕組みになっています。同盟軍にはアメリカ軍からも多くの将兵が加わっていますが、日本からの方が多いのです。これは“しでん”が我が国の製品であること、身体強化ができるというわが国民というように民族の特性によるものです。それもあって、その必要時の出動が遅れることはないと思いますよ。
 また、純粋にアメリカ軍と自衛隊では、日本の防衛費は現状で概ね16兆円ですが、アメリカは減らしているもののそれでも10倍です。しかし、日本も“しでん”を2千機、母艦を50隻運用していますからね。“しでん”は知っての通り、大陸間弾道弾より運動性能はいいし成層圏でも自由に運動できますから、ハワイまたはアメリカから飛来するミサイルは100%撃ち落とせます。

 その他のアメリカ基地のミサイルの位置はすでに完全に押さえていますから、いざとなっても無力化は可能です。危ないのは潜水艦でして、近海から核を打ち込まれると危ないですが、海中運動型の“らいでん”改が実用化されていますから、対処は可能です。実際に、ウラニウムやプルトニウムなどの核物質は1000㎞程度の距離で探知する方法はすでに確立してあります。
 だから通常弾であれば、100%防ぐことは難しいですが、核はまず大丈夫です。そして核は威力と犠牲者が大きすぎてアメリカのような大国はもう使えないでしょう。その後の影響が大きすぎます」

 岸の質問に加山防衛大臣が答えるのを聞いて、さらに岸が言う。
「まあ、いくら何でも軍事的な恐喝はしないだろうね。メジェル大統領の支持も今やかろうじて40%程度だから、そんなことを言い出したら政権が持たないだろう。では大泉総理、今回のアメリカの水面下の要求は撥ねつけるか、時間かせぎをするか、どうしましょう?」

「政府内で揉む必要があるので、『時間をくれ』、と言うことで時間を稼ごう。どっちにしろ最終的には撥ねつけるにしても、早々に対立することはない」
 大泉が答え、閣僚が同意のしるしに頷く。

 ー*-*-*-*-*-*-*-
「なに!日本は『待て』というのか?」
 アメリカ合衆国大統領ダントン・メジェルは、その厳つい体を最高級のスーツに包み、数人の閣僚と協議していた席で、入ってきて報告する国務長官マリアンヌ・リーマンの顔を見上げて問う。

「ええ、でもまあ予想通りです。我が国の要求を受け入れたら、近年プライドが高くなっている国民の大きな突き上げを食らうでしょう。だから、時間稼ぎをして……」
「やむを得ないとして、国民を説得して受け入れるか?」

「いえ、私はそうは思いません。彼らは拒絶するでしょうね」
「なに!あのジャップどもが……。そんなことはできんだろう。世界一の経済・軍事力の我が国に対して」

「いえ、我々の突き付けている関税の上昇を彼らは甘受できるでしょう。考えてみてください。対象になるのは工業製品の1200億ドル(83円/ドル)です。そして、その日本からの輸入の半分は我が国に必要なもので、代替が不可能なものですから、関税を上げても国内の産業に増税すると変わりません。
 彼らは、異世界の新地球と他のいくつかの世界への輸出をどんどん増やしていますから、600億ドル程度の輸出の減少はそれほど応えないでしょう。私だったら、我が国に必要なその半分を禁輸すると脅しますよ。そのインパクトははっきり言って我が国の方が大きいですよ。止めましょう。彼らをあまり甘く見ない方がいいですよ」

「馬鹿な!そんなはずはない!」
 メジェルは顔を赤くして怒鳴る。
「そうだ。ジャップにそんな力はない。あいつらは、抵抗はしてみせるがいつも最後には譲っていた。ここは強気で行くべきだ。回答までの時間を切るべきだ。いざとなれば軍事的に脅せばいい」

 大統領補佐官の、超国粋派のミッチェル・ドノパンが大統領に同調するが、それに対して国防長官のアイル・レガシーが反論する。
「残念ながら軍事的な脅しは、日本には効かないでしょう。彼らはあの列島にあの“しでん”を2千機配備しています。母艦も50隻はあります。あの狭い範囲にあの“しでん”がその密度で配備されているのをどのように攻撃するのですか?正面から攻撃してもまず勝てません。
 望みがあるとすれば、海中から至近距離での攻撃ですが、彼らは海中を運動できる“らいでん”をすでに実用化しています。この“らいでん”の乗員はわずか2名、運動能力は我が潜水艦の比ではありません。射点にたどり着けるものは少ないでしょうね。
それから、彼らは核を1000㎞の彼方から検知するシステムを開発しています。仮に核攻撃しようとしても、まず列島に着弾することは無理でしょう」

「ああ、あの“まもる君”があるから、確かに核ミサイルは無理だろう」
 メジェルが言うと室内にいる要人は顔を見合わせるが、レガシー国防長官が咳ばらいをして言う。

「大統領閣下、これは公式の話でありませんが、“まもる君”なる装置は存在しません。実際にKT国のミサイルを落として見せたのは、あのハヤト氏ということで、世界の指導者の間では見解が一致しています。だから、逆に厄介なのです。
 彼は今現在はサーダルタ帝国に行っており、地球から離れていますが、仮に日本が核攻撃を受けたら怒り狂うでしょう。かれは、すでに空間転移、空間収納ができることは確かめられており、自由に1000㎞以上離れた火薬を発火させることが出来ることもこれまた確実です。
 彼が、我が国に乗り込んできたら、捕らえることはまず不可能でしょうし、考えられないほどの破壊をもたらすでしょう。彼は、資源探査によって我が国にも大きな恩恵をもたらしましたが、一方で地球上にいる最大の危険人物でもあるのです。彼が日本の国会議員を務めるほどに自分の祖国を愛している以上、日本と軍事的に対立することはできないのです」

 その話にメジェルは目を丸くしドノパンを見ると、ドノパンはせき込んで話し始める。
「わ、私もその話は聞いてはいたが、てっきりデマだと思っていた」
「いえ、日本政府の公式見解はまもる君の存在を依然堅守でしています。しかし、計算させましたが97.5%の確率で、さっきの話は事実です」
 リーマン国務長官が静かにしかし決然と言う。

「し、しかしそんな力があるなら、なぜ彼らはそれを示さないのだ」
 大統領は尚も言うが、国務長官は冷静に応じる。
「ご存知のように、対サーダルタ帝国防衛戦は実質日本の提供した兵器と、知識そしてその人材で勝利しました。我が国も主体として参加して協力はしましたが、我が国の協力は必須ではありませんでした。それを、客観的に評価すれば、彼ら自身が言いださなくても、自明の理であると普通は考えます」

「わ、私が、自明の理をわからぬ愚か者だというのか!」
「わからぬではなく、解ろうとしないと言った方が正しいでしょう。大統領閣下、このよう互いの意見が異なっていると、私が閣下にご奉仕することは困難です。私は本日をもって辞職させていただきます。ご許可願えますか?」

 彼女は、白髪が混じった金髪の頭を少し下げてメジェルを見る。
「う、うむ。確かに貴下の言う通りだ。君の辞職を認めよう」メ
 ジェルが言葉を絞り出すのを確認して、リーマン国務長官はくるりと背を向けて、まだ均整の取れた後ろ姿を見せて秘書官の開けたドアから去っていく。

しおりを挟む
感想 52

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人
ファンタジー
 僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。  実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。  そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。  なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!  そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。  だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。  どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。  一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!  僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!  それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?  待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!

あるちゃいる
ファンタジー
 山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。  気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。  不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。  どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。  その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。  『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。  が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。  そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。  そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。   ⚠️超絶不定期更新⚠️

ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり

柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日―― 東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。 中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。 彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。 無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。 政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。 「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」 ただ、一人を除いて―― これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、 たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

処理中です...