帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人

文字の大きさ
上 下
146 / 179
第14章 異世界との交流が始まった地球文明

14.7 反撃、ジムカク4

しおりを挟む
 ガスを使う場合に、それを悟ったノメラが人質を害する可能性を指摘する三村大将の話に、ザラムム帝国側の作戦本部長であるジクラ少将が答える。
「確かにそれはあり得る。残念ながら、ガスの効きは一瞬ではなく少なくとも数分はかかる。しかし、おそらくそれしか方法はないし、そうなったらそれでやむを得ないと思われるが、どうだろうか?」

「その作戦ですが、ガスは例えばボンベなどに貯留できないのでしょうか」
 そこでハヤトが聞く。
「それは、可能というか手術で使うガスは通常ボンベに貯留しています」
 ハヤトの問いに、帝国側の若手の将校が答えハヤトはその言葉に応じる。

「では、私が空間魔法で、ボンベ内からそのノメラの直近にガスを直接送り込みましょう。その後は探査で見張っていますから、人質を害そうとすれば、風魔法か火魔法妨害できます。この世界にはマナが、たっぷりありますから、それこそ風の刃で人の首を刎ねるくらいのことはできます」

「な、なんと、魔法でそのようなことまで……」
 地球人の最高の魔法使いという紹介に、半信半疑だったザラムム帝国側からつぶやきが漏れる。

「それで、決まりですね。まことに申し訳ありませんが、ハヤトさんのチームで順次そのような手順で人質の解放とノメラの捕縛または殲滅を行ってもらうしかないでしょう。無辜の人々に命はかかっているこの場合、ハヤトさんの言われた方法が最も安全性が高いでしょう」
 三村がハヤトに賛同する。

「で、では、このハヤト氏は実際に今言われたことができるということですか?」地球側の最高司令官がハヤトの言を認めたことから、ジクラ少将が念を押す。
「ハヤト氏ができるというのなら、できます」
 三村は頷いて続ける。

「さらに、ジュラムス市の人質解放も急ぎますが、それに先立ってミモザラ共和国にあるだろう空間ゲートを潰しておく必要があります。さらに、侵攻の手段が本当にそのゲートしかないのかを探りながら、並行してジュラムス市の人質解放を行うことになります」

 三村は一旦言葉を切って皆を見渡して続ける。
「また、今朝のラムチャン市への侵攻は、ジュラムス市のものから概ね24時間後に行われています。こうした侵攻は、出来るだけ続けて実施することが作戦面では正しいと思われるので、たぶん術者の魔力の回復などの理由のためだと思われます。
 その推定が正しいとすれば、ラムチャン市への侵攻が6時間前なので、まだ次の侵攻まで18時間程度の余裕があることになります。しかし、ミモザラ共和国の状況は今のところ全く判っていない。だから、その空間ゲートを潰すための調査を行うことが必要になります。

 これは、魔力が探知でき、かつ探査の魔法が使えるハヤト氏は少なくとも加わって頂くしかない。また、先ほどの人質解放もすべて彼が主体的に実施してもらうしかない。だから、この会議が終わり次第、ハヤト氏は“らいでん”改で直卒隊を率いてミモザラ共和国を探り、可及的速やかに空間ゲートを破壊して頂きたい。また、別にジュラムス市でのノメラの戦力、人質について状況を把握しておく必要があります。
 従って、ハヤト氏がミモザラ共和国に行っている間に、彼が帰ったら順次人質を排除できるように準備を整える必要があります。ジュラムス市の状況はいま判っている限りで教えていただけますか?」

「現地のザラムム帝国主体の地上部隊の通信を取りまとめているのがわが駐屯軍の情報AIなので、その点は私が答えましょう」
 駐屯軍のトマス・カージナル大佐が言い、説明する。

「現状ではノメラの部隊は32ケ所に立てこもっており、その兵員の総員は2380人になります。彼らが捕らえている人質は、大体総計で4500人になります。それに対して、封鎖に当たっているわが方の兵員が2550人で、その内地球の陸戦隊は320人です。電磁銃は陸戦隊のみ所有しているので、電磁銃は320丁ということです。とりわけ、ジュラムス市庁舎、アラムール地方省舎にはそれぞれ、5つと9グループが立てこもっています」

 大佐の説明に三村は頷いて言う。
「なるほど了解した。では、その状況を整理して、ハヤト氏に当たってもらう順番とその際に提供する情報の整理を行おう。ハヤトさん、今言ったようにジュラムス市の状況は把握できているようですから、“しでん”改211を使って頂いて、ミモザラ共和国へ行って頂きたい。護衛のしでんは10機付けますがそれでよろしいでしょうか?」

「護衛は10機もいればどういうことが起きても大丈夫でしょう。もし、彼らの航空戦力が大きい場合には、高空に逃れればいいしね。たぶん、空間ゲートのような多量の魔力を費やす魔法を使った場合にはその残渣が残るはずだ。見つかると思いますよ」

 ハヤトは応じて、その後三村はカージナル大佐に、指揮下の“しでん”を使って、ミモザラ大陸からレガシピ大陸の間の海洋を綿密に調べることを命じて会議は終了した。ザラムム帝国軍側の出る幕は殆どなかった。
 だが、彼らの“しでん”や“らいでん”そのもの、またそれらの運用に関してのノウハウは殆ど蓄積されていないので、やむを得ないことである。その点は、帝国側の指揮官のジクラ少将の理解しており、帝国軍の将兵に、地球側の将兵に帯同して、ノウハウをできるだけくみ取るように命じている。

 ハヤトは自分の直卒隊、友人となっているアフリカ人のヤフワ・ジェジャートに軍から影山中尉、仁科少尉、石田1曹、木村1曹、松井2曹を率い“らいでん”改に乗ってミモザラ亜大陸に向かった。パイロットは無論専門の西田悟中尉であり、高度は千㎞として向かう速度は秒速2㎞である。5千㎞の大陸間の距離をあっという間に渡り、ミモザラ亜大陸の差し渡し1200㎞の陸地を秒速1㎞で横断する。

 ハヤトは、目を瞑り魔力に神経を集中するが、なかなかそれらしい強い魔力は検知できない。仕方なく彼はパイロットの西田中尉に頼む。
「西田さん、ミモザラ共和国の首都、ミモザに行ってもらいましょうか。高度、そうですね、50㎞で速度0.5km/秒で近づいてください」

 ハヤトは、軍の階級は持たないので直接的には軍人には命令はできないのだ。とはいえ、ハヤトと共同で作戦に当たるのものは直卒隊を含め、彼の命には従うように命じられている。
「了解!“しでん”全機、ミモザに向かう。高度50㎞に落とし、市の100km手前から速度を0.5㎞/秒に落とす」
 西田はハヤトの要望(命令)に応じ、すぐさま護衛隊に通信して機を旋回させる。

 ハヤトは、ようやくにそれに気づいた。それはぼんやりした魔力のもやのようなものであり、大きな魔力が発散した残り香のようなものであった。その場所は、明らかに軍の施設であり、多くの宿舎や事務棟、航空機等が検知できる。ハヤトは次にその施設にいる人に注目して検知する。

 そこには合計で言えば万を超える要員がいるが、突出して魔力の高い10人余りが一つの建物に固まっている。『こいつらだな。この魔力で力を合わせれば、空間ゲートを形成できるだろう』
 彼は思い、さらにさきほど検知した魔力のもやに集中する。

『なるほど、もうすこしはっきり見えてきた。送り込む要員はサイドカー付きのバイクに分乗してゲートをくぐるわけだ。その隊列があそこに集合して、ゲートの位置はそこだ。間違いないな』
 彼は考えをめぐらし、しかし躊躇った。

 その魔力の強い者達はノメラではないのだ。どうも、余り自立的な思考をしておらず、言ってみればぼんやりしている。ハヤトはさらに詳しく彼らを検知した。
『こいつら、ロボトミー手術を受けているな』

 暫く考えたハヤトは、基地の映像を見せながら、直卒隊指揮官の影山中尉に相談した。無論ジャガートをはじめ隊員は聞いている。ハヤトの乗った“らいでん”のその護衛編隊は、基地の上空50㎞でゆっくりした速度で近づいている。

「長瀬中尉、状況は掴めた。この基地に空間ゲートが形成され、ここからノメラの隊が出発したのは間違いないようだ。どうも、そのゲートの形成に必要な魔力はロボトミー手術を受けたミモザラ人が提供しているようだ。
 彼等はいわばノメラの犠牲者であるが、もし救出しても正常に戻る可能性は少ない。従って私の提案は、彼らも含めてあの基地を殲滅することだ。この機が積んでいる大口径レールガンと、各“しでん”のガンをありったけ打ち込めば、ほぼあの基地を全滅させられるだろう」

 長瀬はそれを聞いて即答した。ハヤトを含むこの小隊の軍としての指揮は影山が執ることになっている。とは言え、実質的にはハヤトの判断に従うようにとの命令が下っており、その判断が“ハヤトの安全を脅かすものでない限り”従うようにとされているのだ。従って、影山からすれば、ハヤトの今回の判断はその危険性を最小化するものであるので、全く異議はなかった。

「それで行きましょう。我が地球の容赦ないスタンスをノメラというとんでもない存在に知らしめるためにも最適です。あそこは、軍用の車両や、航空機の存在からも軍事基地であることは歴然としています。ですから、我々が今から攻撃するという宣言をするべきです」

 彼らは今考えているような航空攻撃等を行う際には、地球同盟軍としての宣言を行うという命令を受けている。
パイロットの西田が長瀬の言葉に頷いて、しゃべり始める。
「了解。しかし、どうやら、我々を検知したようだぞ。ジェット機が離陸して上昇してくるが、50㎞の高度の我々の高さには上がれないだろう。では放送する」

『こちら、地球同盟軍、ミモザラ共和国を支配するノメラに対して以下宣言する。ザラムム帝国の要請に応じて、ザラムム帝国への侵攻とその市民への残虐行為を防止するため。眼下の基地を攻撃する。以上』
 次いで彼は僚機に通信する。

「列機の“しでん”隊、今から下方の基地、仮にA基地と称する、A基地の建物および軍事施設を破壊せよ。適宜射撃を開始せよ、降下加速3G!」

“らいでん”改211は仮称A基地へほとんど垂直に降下を始め、直ちに1基のみ積んでいる口径150mmのレールガンを発射する。列機も、重力加速度を含めて4G で降下しながら、それぞれレールガンの連続発射を始める。ミモザラ共和国首都にあるミモザ基地で、ザラムム帝国侵攻部隊の送り出し責任者モーマラ・アジマ少将は、軍の重鎮たちから吊し上げを食っていた。

「して、貴様は第2大隊の侵攻は失敗したというのだな。なぜだ?」
 共和国軍の参謀総長、ギララムラが剃り上げた頭の冷酷な顔をゆがめて冷静に聞く。

「はい、先ほど申したように、航空機による爆撃を受けているという念話を、能力の強い者10人以上から受け取っております。その後、かれらの悲鳴にあたる念話と共にそれは途切れていますので、送り込んだ大体は全滅したのではないかと思います。
 最初からこれらの航空機が待ち構えていたとは考えられないので、この原因としてはゲートが形成されたのを検知されて、集まってきたとしか考えられません。ご存知のように、空間ゲートを形成するには、多量の魔力を必要とします。何らかの形でそのチキュウという世界の者達は魔力を検出できるのだと思います」

 アジマ少将の答えにギララムラ参謀総長は、考えながら応じる。
「うむ。魔力の大量の発散を検知して、それを目掛けて飛んできたと?」

 しかし、航空軍司令官のイザヤム・ベンダン中将が激しく否定する。
「ばかな。わが軍でも魔力の計器による感知はできるので、電波と同様にレーダーの形で検知はできるかもしれん。しかし、感知に応じて、たかだか数分の時間で、戦闘機を送り込んでくるというのは、不可能だろう」

「いや、彼らの戦闘機に関しては送り込んでいるスパイが探ったところでは、とんでもない性能らしい。我々ような質量を噴出して反力で飛ぶというものでなく、重力を操るらしい。加速は5G以上であり、空中で停止することも自由自在らしい。
 その戦闘機の相当な数がジュラムス市に来ていたことは確認されている。だから、いまアジマ少将の言ったようなことは考えられる。いや、それどころかこの基地も彼らの機体の性能からすれば、簡単に攻撃できる……」

 参謀長が言いかけた時、どたどたと部屋に駆け寄る音がして、ドアが慌ただしいノックと共に引き明けられる。
「お知らせします。地球同盟軍というものから、この基地を攻撃するとの宣言がありました!」
 若い将校が叫ぶのに、参謀長が返す。
「レーダーは敵を検知しているのか?」

「はい、超高空、多分高さ50㎞位だと思いますが………」
 将校が言いかけた時、ズーンと重い振動と音、続いてド、ド、ドンと殆ど一緒になった音と振動があり、部屋が揺れる。
 ほぼ50㎞の高空から撃ち込まれた150mmの秒速10㎞の砲弾は、地中に潜り込んでその運動量を熱に変えて様々な成分を蒸散させた結果、急激な体積膨張、すなわち爆発を起こした。それに秒速7㎞の10発の25mm砲弾が続き、規模は小さいが同様な爆発を起こす。

 1秒に1発、それが地上に向かって降下する40秒足らずの間に30発が発射される。その爆発によって、燃料タンク、アンテナの集中するコントロールセンター、事務所ビル、駐機している航空機、宿舎ビルあらゆるものが爆発を繰り返す。

 加えて、ハヤトは地上の様子を検知して、場合によって火魔法で焼き尽くす。 “らいでん”1機と“しでん”10機が地上1㎞に降りた時には、すでにその基地は爆発を繰り返し、黙々と煙の立ち上る廃墟になっており、目立つ本部ビルの会議室に集まっていた軍の重鎮たちは全滅した。

しおりを挟む
感想 52

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人
ファンタジー
 僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。  実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。  そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。  なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!  そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。  だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。  どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。  一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!  僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!  それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?  待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!

あるちゃいる
ファンタジー
 山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。  気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。  不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。  どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。  その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。  『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。  が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。  そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。  そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。   ⚠️超絶不定期更新⚠️

ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり

柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日―― 東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。 中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。 彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。 無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。 政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。 「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」 ただ、一人を除いて―― これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、 たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

処理中です...