帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人

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第6章 ハヤト国会議員になる

6.3 日本新世会立ち上げ

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 自民党新衆議院議員研修会が終了したのち、会場の自民党会館の会議室の一つを使って、若手議員の会、名称『日本新世紀会』の旗揚げが行われた。呼びかけ人は東京10区選出の水田良治であり、彼が初日の昼食以来、その夕刻のパーティ、さらにその後集まってのミーティング、さらに今日の昼食と、次々に声を掛けた結果、何と55人が集まった。

 年齢は26歳から34歳の間であり、男42人、女15人である。当然、国会議員に推薦もされて当選するくらいであるから、皆それなりの分野で注目されているものばかりであり、当然全員がすでに処方を受けて、その効果が高い者ばかりである。15人ほどは、世襲議員であって、自分の親または祖父の後を継いだ形で当選しているが、他は仲間から担ぎ上げられた形で当選している。

 従って、後者については数多くの仲間がついていて、かつその能力は高い。これらの全員が、自分が今あるのは魔力発現のお陰であることは承知しており、その意味でハヤトに対しては一目置かざるを得ないという感覚がある。しかし、だからハヤトを担ぐというほど初心なものが国会議員などに出馬するわけはない。

 結局、水田が言ったように自分たちのやりたいことを通すためには、新人の自分たちは団結するしかないということを認識して、神輿としてはハヤトであれば当面は認めざるを得ないということだ。そういうことで、ハヤトが代表ということは最初の段階からの了解事項であった。

 今回の旗揚げについては、自民党3役への了解というか通知は行っており、そのため監視のためもあって細田総務会長が出席している。最初に、早々に幹事長に収まった水田良治からの話があった。

「皆さん、今日はわが『日本新世紀会』の旗揚げにお集まり頂きましてありがとうございます。皆さんの中には、既に他の派閥に入っておられる方が半数ほどはおられますが、この会はそういう点にはこだわりません。さて、今はこの会の実務的なルール、具体的な政策は決めておりませんが大まかな方向は、皆さんと議論の結果として決めております。

 それは、1)この会は政策提言とその実行を目指すものであること、2)その政策は日本の人々のより良き未来を目指すものであること、3)その政策が網羅するのは全地球規模のものも含むこと、その3点であります。
 我々がここに国会議員として集まるには、多くの人のご支援を頂いております。そして、ご支援頂いた方々は我々に様々な期待をしています。
 それは例えば、自分の地区に幼稚園を作ってほしいということかもしれません。また、道路を改良してほしいこということかもしれません。それぞれの地方を代表する我々は、それに応えるべく努力は必要でしょう。しかし、それは例えば関係省庁に働きかけるのではなく、むしろそういう要求が生まれる背景である仕組みそのものを変える、また予算の不足を解消するような大きな枠組みを変える努力をするべきだと僕は思います。

 ここにおられる方々は、私も含めますが、従来の、そう5年前に魔法の処方が導入される前に比べると、大幅に優秀な方々であります。さらに、支援してくれた同世代の人々の力と知識を合わせれば、従来では不可能であったことも容易に実現可能です。今日は、皆さんから具体的な政策提言をお聞きします。
 それを、たたき台として、幹事会において具体的な推し進めるべき政策を挙げて、次の総会で決定したいと思います。その前に、いまの日本を、さらに世界を変えつつある魔力の発現の処方という技術を導入して頂いて、日本をいや世界を変えた、我らが代表ハヤト氏に一言お願いしましょう」

 拍手の中、幹事長の水田が腰かけ、ハヤトが立ち上がる。
「ハヤトです。私は、この世界に魔法とその応用を持ち込んだということで、ちょうどいいシャッポとしてここに立っております。私も、この会場に来て水田さんから声を掛けられるまで、国会で何をするべきか具体的なイメージがありませんでした。しかし、水田さんのお陰で私にもやるべきことがはっきりしました。ですからその経緯からすれば近いうちに代表を代わって水田さんにお願いすべきかなと思っています」

 そこで、ハヤトが一息入れたところで笑いが湧く。
「さて、私はご存知のように15歳の中学3年生の時に召喚されて、ラーナラという世界で訓練と移動と戦闘で7年間を過ごしました。ラーナラの世界は、私にとっては嫌な世界でした。貴族制をとって人間扱いされてない奴隷がいて、平民もよほどの豊かなもの以外は、結局は人間扱いされていませんでした。
 私自身は『勇者』ということで、完全に特別扱いでしたが、王族・貴族の傲慢なことといったら、彼らの平民の従者や奴隷に対しての態度を見ているとつきあうのが苦痛でした。その意味では、この日本は大変いい世界であると思うのです。

 少なくとも公平であり、平均的に人々は優しく、豊かとはいえないかも知れませんが少なくとも悲惨なまでに貧しい人は少数です。また、魔法の処方によって、人々の能力が上がった結果、仕事をより容易にこなせるようになったため過労という問題はなくなってきていると思います。

 しかし、一方で、マスコミの報道を見る限り、人々はこの日本の社会を、良いと考えている人が少ないように思います。私は、日本人の美点は保ちながら、人々が幸福という日本を作り上げていくということを目指す方向の政策を提言します。そこで、私からの政策提言として、我が国が高ストレスと言われる理由の一つになっている、複雑な法体系の抜本的な見直しを提案します。
 さらに、これは政策へのポリシーですが、魔法による生産性向上があっても、十分な働き口があるような、新たな産業等の創出ということです。私もこの会の代表として、明るい日本新世代のために全力を尽くします。皆さんの、会の一員として働きに大いに期待しております。どうぞよろしくお願い致します」

 拍手が沸いて、ハヤトが引っ込み再度水田が立って皆に呼びかける。
「では、政策提案といきますか。昨晩決めた幹事は自分が得意な分野の受け持ちの分野の提案をまとめてくださいね。ええ、分野としては、法体系・政治、インフラ、経済・産業、保健・医療、財務、安全保障、国際、科学の8分野です。それぞれ、幹事は簡単に自己紹介をしてください」

 その水田の呼びかけに、それぞれの幹事が簡単に自己紹介をする。まず、法体系・政治は瀬川和美、32歳弁護士資格を持った法務省出身である。続いてインフラは水藤宏、33歳国交省出身、経済・産業は木俣益男、29歳シンクタンクの現役、保健・医療は浅見健太郎、28歳現役の医者、財務は西村みずほ、31歳現役の公認会計士、安全保障の瀬崎圭吾、34歳元自衛隊2佐、国際は立田亮介、34歳商社勤務、科学は水谷恵一、35歳京大の助教授でドクターの面々が自己紹介した。

 ハヤトの提言は瀬川和美から、彼女の解説によって最初に受け付けられた。
「ハヤトさんの言う、法体制の見直しは官庁内でも問題になっていまして、すで見直しのためのデータベースは出来ているのです。私自身がかなりの部分を担当しましたからね。しかし、これらは省庁の縄張りが極めて複雑に絡んでいまして、それが整理できるまでということで、政治家にはシークレットになっています。
 しかし、多分10年たっても整理は出来ないでしょう。これは、政治が強引に押し付けるしかないと思います。それも、私が政治を目指した理由です。ぜひやりましょう。現状の見込みでは、今の2000の法律は約200に整理できます」

「おお、素晴らしい、ぜひやりましょう」
 ハヤトが真っ先に大声て言って拍手するのに、皆拍手で答える。その後、科学担当の幹事の水谷より驚くべきことがうち明けられた。これは、この技術の応用によって、その日の議論も変わってくるということで発表されたものだ。細目でメガネのインテリ然とした、水谷が眼鏡に手をやりながらしゃべり始める。

「ええ、皆さんは京大の物理学科から、2年半前に重力場に関する論文が発表されて国際的な議論を呼んでいるのを知っていますか?」
 その言葉に、ハヤトも含めて大部分の者が頷く。
「あの論文は要するに、重力場は人工的に作れるというもので、まだ賛否両論でにぎわっています。しかし、実はつい先日地震の前に、大学を挙げての2年間の研究の成果としてベンチレベルですが重力波というより、力場の発生装置を組み立てたのです」
 彼は、得意そうに皆を見渡して言う。
「そして、成功しました。今、車程度ですが、プロトタイプの装置を組み立て中で、今月中には実験に入れるでしょう」
 その言葉に「おお!」「それは!」との感嘆の声と拍手が湧くが、水谷は言葉を続ける。

「このプロトタイプの浮上車が成功したら、次は船に応用したいと考えて準備している所です。もっともメリットの大きいのは輸送船舶に使うことですからね。浮上をこの人工重力で行えば、すでに開発された新タイプの電磁誘導駆動を活用すれば、おそらく時速200km程度で運行が可能です」
 これに対して、ぱっと手を挙げた出席者の一人から質問があった。
「う、宇宙船には使えないのですか?」

「宇宙船?使えない理由はありませんよ。船の次は航空機ですがね」
 水谷が眼鏡を触りながら答える。その質問者は「そうですか。宇宙、宇宙進出だ!」と言いながら、立ち上がって夢みるように上を向いている。
 それは無視して、ハヤトが質問に立ち、東京大学での研究によって、年配者に魔法の処方が行える方法が開発されたこととその具体的な手法を説明した。

「それで、処方を行うことができて、かつ念動力を使えるもののみが年配者に処方を行うことが可能なのです。しかし、両方できる人は極めて少ないのですよ。だから、その実施には相当な期間が必要ですし、私も処方のために長期間拘束されるのは有難くはないのです。それで、水谷さん、いま言われた力場の発生ですが、さっき言ったようなM器官の膜の操作に使えますか?」
 水谷は大きく頷く。

「なるほど、そういう用途もあるのですか。むろん、使えますとも。その程度でしたら、すでに実験済みの装置で十分ですよ」
 その言葉に、今度は医者の浅見健太郎が食いつく。
「待ってください。その装置は、切らずに体内をいじれるということですね。それができたら、色々使えそうですが……」
「うーん、現状ではハヤトさんの言った程度のおおざっぱな操作には十分ですが、精密な動きは無理ですし、切るのはできませんよ」
 水谷が考えながら答える。そのような、議論があったことで少し方向が変わったが、結局ハヤトの提案も含めて提案され、後に具体化されたのは以下のようなものであった。

(1) 法律・政治については、1)法律の集大成による簡素化と、電子化によって普通の人が理解し、使えるようにする、2)政策の策定とモニタリングのため開発された有機電子頭脳の活用

(2) インフラについては、1)最近開発された、時速800km運行が可能な改良型リニア幹線の早期九州及び東北への延伸、2)重力操作を使った電磁推進海上貨物システムの確立

(3) 経済・産業として、1) 現在建設中の核融合発電所(500万kW)の運転結果を見極めて最短で現行の発電システムの転換、2)ハヤトの探査能力を使った国内・及びKT国の資源探査、3)食料自給率を上げるためアフリカに食料プランテーションを作る

(4) 保健・医療については、1)中高年の魔法処方のシステム化の早期完成と処方の実施

(5) 財務については、1)産業の多角化と国費の効率的な投入を通じた雇用の増加によるGDPの増加、年率増加率8%の10年継続を目指す、2)日銀保有の国債の国庫納入

(6) 安全保障、1)シーレーンの確保のため重力操電磁推進海上空母4隻体制を構築、2)列島を守るイージスシステムの完成

(7) 国際、1)アフリカの食料プランテーションの構築、2)国連の常任理事国への参入、常任理事国の拒否権の否定、敵国条項の抹消等

(8) 教育・科学、1)中学生以降の体力強化・知力増強後の教育システムの確立、2)重力操作の技術の確立と応用技術の完成、3)重力操作を用いた宇宙飛行技術の確立、

 このうち、(3)の2)は、資源探査にハヤトの探査能力を使って、国内及びろくに探査が進んでいないKT国の鉱物資源を発見して開発しようというものである。うまくいったら、ロシアのシベリア、ニューギニア島、アフリカなどそれほど資源探査が進んでいない地域の探査を行おうというものである。

 さらに、(3)の3)については、現在経済がどん底でもがいているアフリカのモザンビークとジンバブエに、土地を提供して日本人に来てもらい、食料生産をしてもらおうという動きがある。その見返りに、現地の人の魔法の処方をすることと、インフラ整備を手伝ってもらいたいというものである。

 ジンバブエの場合、かっては白人の支配の下で、アフリカの最先進国であったが、黒人による独立後、白人を追い出した結果、ハイパーインフレに見舞われ経済ががたがたになってしまった。その立て直しに、中国の援助で開発を進めようとしたが、資源のみを取り上げられ、上層部へ裏金が流れたのみに終わり、とうとうクーデターで政権がひっくり返ったのだ。

 モザンビークの場合は、ポルトガルから独立後の長い内戦で疲弊していたが、過去20年程度の間はそれなりに経済成長を遂げてきているが、いまだアフリカの最貧国のひとつである。この両国に、日本のM商社が仕掛けて現地側から先述の声を出させている。両国で120万k㎡程度の面積があるので、10万k㎡程度の土地を確保するのは難しくはない。

 さらに、その確保する土地は大河ザンベジ河周辺とすれば、1500億㎥のカリバダムがあって、そこには300万kWの水力発電機があるので、そのための水量約3億㎥/日は常に流れていることになる。1億2千万人の日本人の穀物必要量が150㎏/人・年とすると、合計年間1千8百万トンであり、コメの収量が600トン/k㎡であるから、3万k㎡の面積で足りる。

 この案件は、日本側がその気になって、それなりの投資と人を出せば実現する。確かに治安は日本に比べて良くはないが、身体強化の出来る日本人が100万人くらいも日本人がいれば問題はないであろう。非常に突飛なようであるが、この話は富士山の噴火で今年は農産物の収量が3割くらい落ちることが予想されている日本としては将来を考えると、なかなか魅力的な話として出席者に捉えられた。

 このような多くの案が出て、盛り上がった会も2時間で終わり解散した。ハヤトは、水田と帰ろうとすると、傍聴していた細田総務会長のみでなく、山村幹事長、朽木政調会長も待っており、細田が呼び止める。
「ちょっと、いいかな。ハヤト君と水田君」

「はい、もちろん、皆さんに呼び止められて帰れるわけがないでしょう」
 ハヤトが応じるが、えらく皆愛想がいい。
「いや、ハヤト君は我々のような中年でもなく、高年でも処方ができるそうじゃないか」
 山村幹事長がにこやかに言う。流石にそう言われると、ハヤトも察して「ええ、この直前に東大で方法を見つけたのです。そうですね、皆さんも処方を受けたいですよね」そう言う。

「うん、そうだ。我々もずっとうらやましく思っていたんだ。特に篠山首相なんか我々がへとへとでも全く疲れた様子が見えないからな」
「わかりました。そうですね。明後日から、ここで一日100人、午前10時からやります。時間は2時間もあれば十分です」

 ハヤトはそう言い、結局、衆参両院の自民等のみならず野党議員と自民党職員を含めて、1000人超について2週間かけて処方した。
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