帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人

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第5章 5年が過ぎた

5.7 その日が来た、大地震迫る

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 人々の知能の増強によって、技術革新が相次ぎ繁栄を謳歌する日本であったが、いずれ来るのが解かっていて、恐れられていた巨大地震の兆候がはっきり見えてきた。

 まず、日本近海に張り巡らされた観測網(潜水艦の監視にも使える)に、はっきりしたひずみが観測されるようになってきた。それらは、超高性能コンピュータ上に、南海トラフを含んで日本列島の地下構造がモデル化されたシステムの、データベース上の情報として送り込まれる。

 これらのシステムは、知能を増強された地震学の研究者による、地下構造のモデル化を活用したシミュレーション技術の高精度化に伴って、格段のデータプロセッシング能力が必要になった。そこに、同様にコンピュータの研究者による、計算速度のみでないコンピュータの知性の高度化が、有機材を使ったコンピュータ(人工頭脳)によって達成できたのだ。

 その2つが合わさって、完成した人工頭脳に地震学者の作製したモデルが構築されて、これには日本のもつあらゆる観測機器からのデータが日々刻々流れ込んでいる。むろん、これらが数年で完成したのは、2千億円の国費が投入されているからでもある。毎日繰り返されるシミュレーションの結果を見守っていた、地震予知連絡会の会長の東京大学の深山雄三地震学教室教授は7月7日14時の結果を見て、直ちに会議の招集を決意した。

 深山を除く6人のメンバーも同じデータを見ていたので、招集は当然と各々の勤務先に設置されたTV会議室に入った。会議はわずか30分で終了して、深山教授はメンバーの合意の下に、直ちに首相である篠山誠司への直通スマホを呼んだ。首相の篠山は、前の官房長官で現在51歳、魔力が高かったこともあって、高年齢者のために改善された魔法の処方によって知力が大幅に増強された。

 40歳台では50%、50歳台までは30%程度が知力増強に効果がでるが、その結果は若者に比べ低い場合が多いのに、篠山は増強の効果が40%を超えていた。結局それが決め手となって、彼は、前首相の阿山の後を継いで首相になれたのだ。

 彼は、官房長官の代に処方を受けたのであるが、その状態に慣れる1ケ月ほどの後にはその効果につくづく有難いと思ってきた。なにより、物事を理解する速さと深さが断然異なり、状況を鳥瞰的に見ることができるようになってきた。そうなると当然、判断も的確になる訳であり、さらには以前と同じ仕事をはるかに楽にこなせるようになってきた。

 従って、官房長官という激務をこなしていても、殆ど疲れることもなくなり毎日を生き生きと過ごせるようになってきた。その彼を見て、前首相の阿山が疲れた顔で、彼にその座の禅譲の話を切り出したのだ。
 3年前に首相になってからも、国を背負っているという責任の重さは感じるが、向上した能力によって毎日発生する問題にとりわけ疲れることも困ることもなく、『歴代最強の首相』という評価が上がり始めている。

 しかし、その篠山首相をしても緊急かつ重大であることを示す音と、点滅する色及び、その相手の名前を見て、体が冷えて沈み込む気持ちがした。彼は、アメリカ合衆国の大統領が日本に訪問したいといういう申し込みについて、松井洋一外務大臣と大泉健太官房長官と共に内々の話をしていたのだ。その、呼び出しに応じたくはない。

 しかし、自分は日本国の首相だ。一拍の間があったが篠山は、応答にタッチし、意識していつもの声で答えた。「はい、深山先生、篠山です」
「おさがわせします、篠山首相。地震予知連絡会の深山です。連絡会の総意としてご連絡します。本日14時のシミュレーションの結果、東海地震の発生が迫っています。現状の見込みでは、発生は、1週間後の7月14日日曜日の午後とみられています。
 震源地は南海プレートの静岡沖150kmで深さは50㎞、予想されるマグネチュードは8.2~8.6の間とみられています。この場合、間違いなく津波が生じて、静岡の海岸では波高は増幅されない場合の最大で15mに達すると考えられます。

 これらは、今までにすでに予測として申し上げていた通りですが、最悪として申し上げていた連動も起きる見込みが間違いないと言えるレベルで高くなりました。それは、海洋型としては東南海地震、及び内陸型の関東地震、さらに冨士山が噴火する可能性もあります。
 しかし、これらの連動した動きは少し遅れますので、東南海地震は2日後、関東地震は3~4日後、冨士山が噴火する場合はその一週間程度後だと判断しています。以上です。また、お話しした内容を、予知連絡会として直ちに記者発表を致したいがよろしいですか?」

『考えられる限り、最悪だ』
 篠山は思いながら、機械的に答えていた。
「はい、ありがとうございました。深山会長を始めとして、予知連絡会の皆さんの御努力に感謝致します。それでは、記者発表はよろしくお願い致します」

 共に協議をしていた、松井外務大臣と若い大泉官房長官、その話をもれ聞いていて顔を曇らせている。
「とうとうですか。予告はされていましたが、3連動地震に冨士山の爆発とは未曽有の災害ですね」
 大泉が顔を曇らせて言う。

「うーん、江戸時代には東海、東南海、南海地震に冨士山の噴火も重なったこともあったらしいが、近代ではないな」松井外務大臣が言うが、「それにしても」と続ける。
「合衆国の大統領の訪日は当分後ですね」

「うん、アメリカの事は当分君に任せる。それにしても俺の代にこの災害とはね。明日から、いや今日から大変だ。大泉さん、直ちに閣議を始める。17時に閣僚を招集してくれ。その後、19時から、私から国民に話をしたい。その段取りも頼む」
 篠山首相は吹っ切れたようにきびきびと言うが、それに対して大泉が篠山の目を見て話しかける。

「篠山首相、この災害は遅かれ早かれ来るものでした。私は正直に思いますよ。篠山首相の代でよかったなと。未曽有の災害時の国の指揮を取れるのはあなたを置いていません。さらに、国民が魔力の処方によって体力が増してかつ賢くなった結果、国としての体力がつきました。5年前に起きたらと思うとぞっとしますよ」

 松井も同調する。
「首相、私も全く同感です。今から多分1年はこの国は戦場同然になるでしょう。しかし、私は全力で首相を支えます」
 篠山は2人に頭を下げて、2人を正面から見て言う。
「頼む、松井大臣の言う通りだ。とりわけ今日から1週間、それからことが起きて1ヵ月は厳しいことになるだろう。我々の力を振り絞って頑張ろう」

 予知連絡会の17時からの緊急記者会見の招集に応じて、出席可能なマスコミは全て集まった。すでに地震が差し迫ってるとの予告は、予測モデルが完成してから何度もあった。だから、出席者は全員が大地震の発生が告げられる予感がしていた。しかし、発表のそのものには驚かなかっが、その予測された災害の規模には驚いた。

「1週間後に予測されている東海地震の規模がM8.4前後と計算されているのは、結局東海地震が1854年以来160年以上起きなかったことによるもので、結局エネルギーが莫大に溜まっていたということです。東南海地震については1944年に起きており、その後約70年ということで計算結果がM7.8程度になっています。
 直下型の関東震災はもともと数十年毎に起きていたのが、関東大震災以来すでに100年起きていませんので、今のエネルギーの溜まり方からすれば大体関東大震災並みのM8前後になると計算されています。冨士山については、マグマ溜まりの増大が観測されており、大噴火であった1707年の宝永大噴火並みの噴火の恐れがあります」

 深山会長の追加の説明に、地震については記者たちも基本的な知識があるため、冨士山の噴火に質問が集まった。「宝永大噴火というのはどのくらいの規模でしょうか」
 記者の質問に、同席していた火山学者でもある城田K大教授が答えた。
「噴火による噴石、火山灰などの排出量が1億㎥弱であり、近くの平地では40cm、江戸市中で5cm程度の降灰があったと記録されています。人的被害より、インフラ、農業に対する被害が甚大です」

 さらに、津波による交通インフラの被害に対して質問が出た。
「東日本震災では、人的被害も物的被害も津波によって主としてが生じたのですが、新幹線、2本の高速道路、国道1号と東海道線と多くの交通インフラが集中する東海道に大被害が生じるとその物流は止まるのではないですか?」

 これに対しては、インフラにも詳しい深山が答えた。
「たしかに、清水付近で新幹線、東海道線、東名自動車道、国道1号が海岸際にひしめいており、この地点の他にも脆弱な場所もあのである程度の被害は避けられないでしょう。しかし、新幹線については、ご存知のようにリニア新幹線が工程を前倒ししてあと半月で完成します。
 また第2東名道路はすでに完成していますが、これは津波の被害を受けるようなルートではありません。さらに、先ほど言った弱点もできるだけ補強をしており、被害を受けてもせいぜい2週間程度で復旧できる見込みです」

 さらに、今度は民有財産の津波被害に関する質問が出た。
「こうして1週間前に地震の予測ができていれば、人命に問題はないと思いますが、民間もそうですが、官庁も建物に対する被害をあらかじめ防ぐための準備をして防ぐ方法はないのでしょうか」
 今度は、深山の大学の地震対策が専門の沢井教授が答える。

「今回は、各地の津波の波高がほぼ予測できています。それに対して、すでに整備済の防潮堤・防波堤で対策がすでにできている所が多いのです。しかし、ある程度の場所では波高が高すぎてそれでは対応できないところもあります。そういう場合も、防潮堤で大幅にエネルギーが削がれるので、コンクリートの建物の場合は補強等でしのげるものも多いでしょう。そういう対策の準備はされています。
 しかし、残念ながら、実質的に木造家屋は対策が難しいですね。しかし、その問題はありますが、財産に対する被害としては問題はむしろ直下型の地震である関東地震なのです」

 沢井は詰めかけている記者たちを見回す。
「関東地震の震源地は東京湾の地下20kmと予測されており、東京の震度はかなりの場所で、震度階級7以上になると考えられています。また、こうした震度の高い地域は地盤が非常に軟弱で支持地盤が深いのです。従って、こうした地域のビルは60mにも及ぶ杭に支えられています。
 言ってみれば豆腐にピンを立ててそれに重量物が乗っているようなもので、こうした構造物が震度7の地震動に耐えられるか最近では疑問視されています。従って、耐震設計をしていてもこのような特殊な場合には、ある程度被害が生じることも考えられますということです。

 特に地震に対しては、それが起きる都度耐震基準が見直される繰り返しでした。要は例えば耐震構造にしても過信してはならないということです。今後必要な対策はすでに様々に発表しており、インターネットで見ることができますが、再度明日まとめて発表します。どうか、過信しないようにまず、人命を守る。次に貴重なものは避難させる。これを面倒がらずにお願いします」

1 9時、篠山首相の談話が始まった。
「国民の皆さん。内閣総理大臣の篠山誠司です。今日は、皆さんがすでにお聞きになっている大地震と冨士山の噴火の話と、それに対する備え、さらに皆さんに対するお願いを致したいと思い、この場を設けて頂きました。さて、本日地震予知連絡会より地震の予知の発表がありました。
 ご存知のように、過去5年間の我が国の科学技術の急速な発達に伴って、現在の地震予知は極めて精度が高くなってきており、最近1年間のわが国の太平洋岸の中規模地震についてはことごとくその予測を的中させております。従いまして、政府としてもその予測を信じており、それに従って準備を行う予定です。

 さて、その予測は、1週間後の7月14日午後に静岡沖にM8.5レベルの巨大な東海地震が起き、それに伴って最大波高15mの津波が生じる。さらに2日ほど遅れて知多半島沖でM7.8と予想される東南海地震が起きこの場合も波高5mレベルの津波が起きます。さらに東海地震から3~4日遅れてM8レベルの関東地震が起きますが、これによる津波の被害はない模様です。
 加えて、1週間以上遅れて富士山が噴火する予測がありまして、これは静岡・山梨の富士山の近傍では火山灰が40cm、東京においても5cm程度積もるレベルと予想されています。これは、近年では未曽有の大災害でありまして、その被害想定区域に住む皆さんはもちろん、全国にも混乱が及ぶかと思っています。

 これに対しては、我々政府及び地方自治体は、皆さんの生命、財産を守るために最大限の備えを致します。幸い、我が国の政府、地方自治体、民間企業にはこうした事態に備えての対応策を示したマニュアルがすでにあります。基本的にはそのマニュアルに従って頂き、必要な避難、物品の移動、そうした行動を行う自治体職員または自衛隊員に協力をお願いしたいと思います。

 また、別の幸いなことは、国民の皆さんは多くの人が魔法能力をお持ちであり、その人たちは以前に比べれば超人的な身体能力をもち、知力も大幅に増強されております。そして、その成果とした我が国は現在急激な経済発展を遂げています。こうした国民の皆さんが住む日本が、これごときの災害に屈服するわけはありません。

 被害を受ける地域に住む皆さんには全力のでその準備と、事後はその復旧に当たって頂きます。また、それ以外の地区の皆さんは、被害を受けた地区から避難していく人もいるでしょうし、またさまざまな手助けをお願いすることもあります。そうしたことに、いつ同じ目にあうかもしれない、同じ日本人として全面的な協力をお願いしたいのです。あと1週間で起きる災害に我々日本人がどう立ち向かうのか、我々は試されることになります」
 篠山首相の話は終わった。
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