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17.藍
藍
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「嘘、効いた!?ふぅー超ヤバくない?」
ぎゅっとかたく閉じていた目を恐る恐る開き、藍が安堵の溜息を吐いて後ろを振り返ったその瞬間、渾身の力で金属バットが振り下ろされ、鈍いいやな音が響いた。
藍は脳裏で激しい閃光が飛び散るのを見た。
しばらくの間、男は狩りを終えたばかりの肉食獣の様に満足気に狩った獲物を眺めていたが、やがて気が済んだとみえて、きびすを変えて歩き始めた。
「カツン カツン カツン カツン カツン カツン」
男は手に握っていた金属バットで、いましがたまで藍を戦慄させていたのと同じリズムで鉄柵を叩くと、ぼそぼそ囁き始めた。
「あれあれ あの子は ずぶ濡れだ 柳の根方で泣いている ピッチピッチチャプチャプランランラン♪」
柳の街路樹の下に横たわっていた藍の頬を、雨の雫が涙の様に幾重にも伝って滴り落ちていた。
「ピッチピッチチャプチャプランランラン♪」
男は歌声だけ残して、二度と振り返らぬまま夜の闇へと消えた。
ぎゅっとかたく閉じていた目を恐る恐る開き、藍が安堵の溜息を吐いて後ろを振り返ったその瞬間、渾身の力で金属バットが振り下ろされ、鈍いいやな音が響いた。
藍は脳裏で激しい閃光が飛び散るのを見た。
しばらくの間、男は狩りを終えたばかりの肉食獣の様に満足気に狩った獲物を眺めていたが、やがて気が済んだとみえて、きびすを変えて歩き始めた。
「カツン カツン カツン カツン カツン カツン」
男は手に握っていた金属バットで、いましがたまで藍を戦慄させていたのと同じリズムで鉄柵を叩くと、ぼそぼそ囁き始めた。
「あれあれ あの子は ずぶ濡れだ 柳の根方で泣いている ピッチピッチチャプチャプランランラン♪」
柳の街路樹の下に横たわっていた藍の頬を、雨の雫が涙の様に幾重にも伝って滴り落ちていた。
「ピッチピッチチャプチャプランランラン♪」
男は歌声だけ残して、二度と振り返らぬまま夜の闇へと消えた。
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