Dreamin'

赤松帝

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39.栞と紬

栞と紬

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今のところ、青山での聞き込みは空振りに近い。
辞して店を出たところで、小沼紬から先ほど依頼しておいた来客用ノートの件で、電話が掛かってきた。

「ありましたよ森宮碧様。感想欄にも記入してくれています。」
弾んだ様子が紬の声から伝わってくる。あれからかなり調べてくれていたのだろう。

「なんと書いてありますか?」
助かった。紬と碧が繋がった事で捜査が進展するかもしれない。
栞は、礼もそこそこに返答を促した。

「それが・・・絵も描いてあって、ちょっと意味不明なんです。」
途端に声のトーンがやや下がる。
どうしよう?FAXを送ってもらう事にするか?栞はしばし躊躇った。だが迷っている少しの時間も今は惜しい。
勤め先のギャラリーなら、先ほど紬から渡された名刺に、住所と簡単な地図も印刷されている。
電車に飛び乗れば即座に戻れる距離だ。
谷戸への報告は、取り急ぎメールで入れておくことにしよう。

「では30分ほどで戻りますので、そちらへ直接お邪魔して拝見しても宜しいでしょうか?」
栞は、自分の直勘を信じる事にした。



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